交通費精算の流れ
一般的に、交通費精算は以下のような流れで行われます。
- 1.交通費精算書の作成・提出
- 交通費の利用日時・利用交通機関・利用経路・運賃・利用目的などを記載し、上長に提出します。
- 2.上長の確認・承認を得て経理部門に提出
- 企業によっては、経理部門に提出する前に上長の交通費申請内容の承認を必要としている場合があります。
- 3.経理部門に提出
- 経理部門で利用日時・利用目的などの再確認にくわえ、最短経路での算出になっているかや定期券利用区間が除外されているかなどを確認します。
- 4.交通費の支給
- 申請内容が承認されれば、立替交通費が支給されます。給与とともに振り込まれる場合が一般的です。
SuicaやPASMOの交通費精算を行う方法
今では磁気の定期券ではなく、SuicaやPASMOなどのICカードを利用している人が大半です。仕事で外出する際も、ICカードに必要な金額をチャージして利用することで、利用区間を覚えておかなくても履歴を記録できます。ここではSuicaやPASMOの交通費精算を行う方法について説明します。
券売機の履歴印字を利用する
駅に設置されている券売機から、ICカードの利用明細の確認・発行が可能です。利用履歴の印字を選択すると、日付・種別・利用駅・残高が記録されたICカード残高利用明細が印字されます。利用した駅名が印字されているため、交通費を精算する際に使用した駅やルート、運賃を確認する必要がないのが利点です。定期的に発行しておけば経費精算業務を効率化できるでしょう。
ICカードリーダーを利用する
交通系ICカードの読み取りに対応したICカードリーダーを用いれば、駅に行って履歴を印字しなくてもその場で履歴確認ができます。ICカードリーダーには接触型と非接触型があり、機器にカードを差し込んだりかざすだけで情報の読み取りが容易です。ICカードを読み込むためには「PaSoRi」などのFelicaに対応した専用端末と機器に対応したOSをもつパソコンが必要です。
また、近年ではICカードリーダーとして機能するスマートフォン用のアプリも登場しています。
モバイルSuica・モバイルPASMOを利用する
モバイルSuica・モバイルPASMOとは、ダウンロードすることでスマートフォンなどに交通系ICカード機能を搭載するモバイルアプリのことです。今使っているスマートフォンを通常の交通系ICカードと同じように活用できるため、利便性が高く利用者が増えています。また、モバイルSuica・モバイルPASMOでは会員サイトから利用履歴確認や領収書の印刷が可能です。そのため、カードリーダーと違い外出先でも履歴を確認でき、いつでも経費精算に必要な情報の利用が可能です。
SuicaやPASMOの交通費精算のデメリット
SuicaやPASMOを利用した交通費精算には、交通費精算書とあわせて利用履歴の印字や領収書、ICカードリーダーによる正確な利用の根拠の明示が必要になる場合があります。申請内容に誤りがないか確認するための作業負担がやや軽減されるとはいえ、それぞれの方法にはいくつかの課題点も見られます。SuicaやPASMOで交通費精算を行うデメリットは以下のとおりです。
- ●印字が面倒、申請・承認に時間がかかる
- ●ICカードリーダーを外出先で利用できない
- ●Suicaの履歴上限がある
- ●モバイルは対応端末が限られる
印字が面倒、申請・承認に時間がかかる
ICカードの履歴を用いることで正確な情報を記録することが可能です。しかし、券売機の履歴印字を利用する方法には以下のようなデメリットが存在します。
- ■駅の券売機で発行する必要があるため、手間がかかる
- 履歴印字は駅の券売機でないと発行できません。駅構内は混雑する可能性もあるため、取得に時間がかかる場合もあります。
- ■印字できる件数に上限がある
- 券売機で印字する場合、印字できる1日分の履歴行数と期間に制限があるため、定期的に印字する手間がかかります。ICカードの使い方によっては小まめに履歴を発行しなければなりません。
- ■残高しか表示されない
- 履歴印字では残高しか表示されないため、どの区間でいくら交通費が発生したかは自分で計算しなければなりません。経理部門でも申請・承認するために手動で計算する手間が発生し時間がかかります。
従業員の人数に比例して業務の量は多くなるため、かえって無駄が多くなる可能性もあるでしょう。
ICカードリーダーを外出先で利用できない
ICカードリーダーを利用する場合のデメリットは、カードリーダーが携帯不可のため、外出先で利用できないことです。基本的にカードリーダーは社内に設置して、経費精算を行うときに使用します。交通費の詳細情報を入力する手間は省けますが、経費精算を行うためには一度事務所に戻る必要があります。
Suicaの履歴上限がある
ICカードリーダーを利用する場合の2つ目のデメリットは、交通系ICカードには履歴上限があることです。例えばSuicaは券売機での印字と同様に、1日分の履歴に上限があるため、履歴が上限に達する前にICカードリーダーにSuicaをかざし定期的に履歴を保存する必要があります。
モバイルは対応端末が限られる
モバイルSuica・PASMOの最大の欠点は、対応しているスマートフォンなどの端末が限定されることです。例えばモバイルSuicaは、iPhone7以降のiPhoneと一部のAndroid端末しか利用ができません。そのため、社内で経費精算の方法として統一することは難しいでしょう。
SuicaやPASMOの交通費精算を効率的に行う方法
経費精算業務では手入力が必要な部分も多く手間がかかり、申請ミスが発生するリスクも少なくありません。ここからは、効率的に交通費精算を行う方法について説明します。
ICカードと連携できる「経費精算システム」を利用
SuicaやPASMOなどの交通系ICカードの情報はインターネットで確認ができません。そのため、券売機での履歴印字かカードリーダー・システム専用アプリでの読み取りが必要です。カードリーダーと連携可能な経費精算システムを利用すれば、読み取った履歴を使って経費精算を行えます。
経費精算システムは経費申請・承認などの機能を搭載し、経費精算業務を効率化できるシステムです。カードリーダーと連携可能なシステムであれば、情報を手入力する必要なく、ICカードをかざすだけでシステムに情報が反映されます。
「モバイルSuica・モバイルPASMO」と「経費精算システム」の利用
経費精算システムにはモバイルSuica・モバイルPASMOと連携し、利用履歴を自動で反映できる製品もあります。電車やバスだけでなくタクシーの利用履歴も取り込めるため、経費精算業務にかかる負担を大幅に減らせるでしょう。さらに、スマートフォンに加えてApplePayやスマートウォッチからの情報を連携できる製品や、オフピーク定期券と連携できるシステムもあります。
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経費精算システム導入のメリット
システムを導入するためには経費精算システムのメリットを把握することが大切です。ここからは、経費精算システムを導入するメリットについて詳しく説明します。
申請・承認・経理の業務効率が上がる
経費精算システムを利用することで、申請・承認・経理の業務の効率化が期待できます。クラウド型経費精算システムなら、インターネット環境があれば場所に制約されず、スマートフォンから気軽に交通費精算申請が行えます。従業員がすぐに申請手続きを進められ、申請漏れの防止にもつながるでしょう。また、上司もスマートフォンで経費精算の承認を行えるため、業務の迅速化にも役立ちます。
さらに経費精算システムでは、乗換案内ソフトが内蔵されたものもあり、運賃の計算や入力を自動化できます。SuicaやPASMOの情報読み取りや自動連携機能により、管理者や経理担当者のチェック・監査業務にかかる負担も軽減できるでしょう。
不正やミスを予防できる
経費精算において、交通費は不正が発生しやすい項目です。例えば、本来電車を利用すべきところを歩き、交通費を申請しても上司や経理担当者は歩いた事実を確認できないため、申請者は不正に交通費の支給を受けられます。ICカードやモバイルSuicaやPASMOを活用することで、交通機関を使用した履歴が残るため不正防止につながります。また、正しい情報をそのまま自動反映するため、ミスの発生も予防できます。
データの一元管理ができる
クラウド型経費精算システムであればインターネット上でデータをやりとりするため、複数拠点の精算業務を一括管理できるでしょう。今まで経費精算に必要な情報を郵送していた企業であれば、輸送コストも削減し申請から承認までの時間短縮も可能になります。
また、会計システムや勤怠管理システムなどと連携する製品であれば、経費精算に必要なデータをまとめて管理できます。
SuicaやPASMOの交通費精算におすすめの経費精算システム
ここでは、交通系ICカードを利用した交通費精算におすすめの経費精算システムを紹介します。この記事から各社製品の資料請求も可能なため、自社への導入検討にお役立てください。
製品・サービスのPOINT
- 手入力ミスを省けるオートメーション機能&ペーパーレス運用
- 交通費・出張旅費の申請処理から会計ソフトへの仕訳連携まで対応
- 購買申請・住所変更・出張申請など柔軟な電子ワークフロー機能
《楽楽精算》のPOINT
- <お客様満足度94%!>サポート充実で設定や導入も安心
- <電子帳簿保存法・インボイス対応!>楽にペーパーレス化を実現
- <高機能>経費精算~自動仕訳・会計ソフト連携・振込データ生成も
《ジンジャー経費》のPOINT
- 累計登録社数 18,000社!使いやすい経費精算システムNo1!
- 電子帳簿保存法にも対応。充実の導入サポートもあり。
- 人事データベースを無料で搭載!経理だけでなく企業全体を効率化
《TOKIUM経費精算》のPOINT
- 領収書をスマホで撮って入れるだけ。のり付け作業は一切不要!
- あらゆる会計ソフトと連携が可能!
- 電子帳簿保存法への対応と同時にペーパーレス化を実現!
《バクラク経費精算》のPOINT
- AI-OCRが領収書を数秒でデータ化!
- アラート機能でミスや差し戻しを削減できる!
- シンプルな操作画面なので従業員もミスなく使える!
以下の記事では、ITトレンド編集部がおすすめする経費精算システムを比較紹介しています。製品の選び方も詳しく解説しているので、経費精算システムの導入を検討したい方はあわせて参考にしてください。
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経費精算システムで交通費精算業務を効率化しよう
近年は交通系ICカードの利用者が増えているため、交通費精算における履歴確認の適正化は、業務効率化や不正防止のために重要といえます。経費精算システムを導入することで、カードリーダーやモバイルSuica・モバイルPASMOと連携した履歴確認・情報入力の手間を大幅に削減できます。
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