経費精算アプリとは
経費精算アプリとは、経費精算の入力や申請、さらには承認といった業務をスマホやタブレットで行えるアプリです。スマホを使うためインフラ整備が不要で、初期導入コストの削減が見込めます。
経費精算アプリの主な機能は以下のとおりです。
- 経費精算アプリの主な機能
-
・交通系ICカードの読み込み
・OCR(領収書自動読み取り)機能
・入力規定不備チェック
・会計ソフト連携
・スマホで経費申請/承認
多くの企業で活用されている経費精算システムも、アプリやスマホに対応した製品が増加し、スマホでの経費精算が一般的になってきました。
またアプリ対応ではなくても、スマホでブラウザにアクセスして経費精算できるシステムがあります。以下の記事では、人気の経費精算システムを紹介しているので比較してみましょう。
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経費精算アプリのメリット
経費精算には、手作業による計算の手間とミス発生のリスク、仮払い手続きや証憑書類の管理業務の負担、生産性の低下などの課題があります。
スマホなどで使える経費精算アプリなら、これらの課題を解決できます。
1.社外でも簡単に経費精算ができる
精算書類に印鑑を捺印して提出する場合、オフィスで作成した書類の提出が必要です。しかし経費精算アプリを利用すれば、経費精算にかかる手間を格段に減らせます。いつも持ち歩いているスマホで経費精算ができるため、経費清算のためにわざわざオフィスに戻らず、直行直帰が可能です。
2.領収書の写真を撮るだけで経費を自動入力できる
経費精算アプリには、スマホで撮影した領収書の画像データをもとに精算金額などが自動入力される「OCR機能」を搭載しているものがあります。日付や金額の手入力が不要のため、大幅な工数削減が見込めるでしょう。
また2015年・2016年の電子帳簿保存法改正に伴い、電子帳簿の保存が認められたことで、「電子帳簿保存法」に対応した経費精算アプリが登場しました。領収書の原本保存にお悩みの場合は、タイムスタンプが自動付与されるなど、電子帳簿保存法に対応したアプリがおすすめです。
参考:電子帳簿保存法の概要|国税庁
3.ICカードの読み取り機能によって交通費を自動集計できる
特に営業担当者にとって、交通費精算は非常に負担の大きい業務です。月末になって慌てて精算するような場合、人によっては何十件もの経路検索・交通費の転記を繰り返さなくてはなりません。
経費精算アプリであれば、交通費の計算は不要です。スマホで交通系ICカードの乗車履歴を読み取って自動集計が可能です。さらに経路や運賃を自動でシステムに取り込めるうえ、定期区間の排除などの面倒な作業も任せられます。
最近では、モバイルSuicaのようなモバイルICにも対応した経費精算アプリも増えています。
4.承認作業がスピーディーになる
経費精算において、承認も面倒な作業のひとつとして挙げられる。承認者が出張などで社内にいない場合、承認者が帰社するまで保留となり、決裁までに時間がかかります。また、申請書を含めた書類がデスクに山積みになっている場合、承認漏れが生じるかもしれません。
経費精算アプリを導入すれば、スマホから簡単に承認ができます。スマホにプッシュ通知が表示され、見落としもなくなるでしょう。さらに、承認がどこでストップしているのかシステム上で把握できるのもメリットです。リマインド機能を搭載した製品もあるので、申請者や経理担当者が承認者に催促する作業も省けます。
経費精算アプリのデメリット
一方、経費精算アプリには以下のデメリットがあります。
1.セキュリティが保証されていない
特に無料で使えるシステムの場合、外部からの不正アクセスに対して対策が不十分な製品もあるでしょう。また、アプリを消去してしまった際にバックアップデータがないと、復旧できない可能性もあります。経費精算アプリを利用する際には、セキュリティ対策がどの程度取られているか、事前に確認することをおすすめします。
2.領収書の読み取り精度が低い
領収書の画像データやICカードの読み込み機能により、データ入力の手間を省けるメリットがある一方で、撮影した領収書の読み取り精度が低く結局手入力となるケースも少なくありません。特に折りジワがついた領収書や手書きの領収書だと、読み込めない場合があります。手入力の機会が増えれば、パソコンのほうが入力しやすいためアプリは使わなくなったという失敗も考えられます。
OCR(領収書自動読み取り)機能が使えない場合は、入力代行サービスを提供している製品もあるので、導入前に確認しましょう。
経費精算アプリの選び方
では、どのような基準で経費精算アプリを選べば失敗がないのでしょうか。ここからはアプリを選ぶ際のポイントを紹介します。
目的に合った機能があるか
まず、経費精算アプリの機能を確認しましょう。特に無料の経費精算アプリの場合、機能も少なく実用的でないことがあります。最低限必要な機能は何かを明確にしてから選ぶとよいでしょう。例えば、交通費精算をメインとするなら交通系ICカードの読み取りはもちろん、モバイルSuicaなどのモバイルICにも対応していたほうがより高い利便性を期待できます。立替経費精算や出張精算が多ければ、法人カードを読み取れるものがおすすめです。
また、経費精算アプリには法人用と個人事業主用があります。企業で使用する場合は、承認作業がアプリ上で手軽に行えるものや、交通系ICカードやクレジットカードなど幅広い連携サービスに対応した経費精算アプリを選びましょう。
入力が自動化されているか
経費精算アプリを利用すれば、時間と場所を問わない経費精算が可能です。しかし、入力にかかる手間は製品によって異なります。経費の科目を手入力しなければならないアプリもあれば、領収書を写真撮影するだけで入力を省けるアプリもあります。情報の入力方法は、経費精算アプリを選ぶ際の重要なポイントです。なお入力を自動化する場合は、写真撮影で文字を認識するOCR機能搭載のアプリがおすすめです。
カスタム性が高いか
経費精算アプリは、経費精算システムのアプリ版としてリリースされています。そのため、機能の拡張は難しいでしょう。導入後に機能を充実させたい意向がある場合は、経費精算システムのカスタム性が高いかどうかが重要な選定ポイントになるでしょう。特に、企業独自の旅費規定がある場合、申請書の入力項目のカスタマイズが必要です。
なお、アプリをカスタムするためには、プログラミングの知識と技術が必要なため、サポート体制も確認しておきましょう。
既存システムと連携できるか
既存システムと連携できれば、アプリに入力した情報をそのままシステムに反映させられます。会計システムとの連携に対応しているかは注目しておきましょう。
上長の承認後、経理部門が経費の処理を行う際に会計システムと連携できれば効率的でしょう。
初期費用の免除や無料トライアルは可能か
経費精算システムの中には、初期費用がかからない場合や、無料トライアルが可能なシステムもあります。初期費用が不要であれば導入コストを抑えられます。無料トライアルを行えば、自社で本当に活用できるかどうかも検討しやすいでしょう。
無料トライアルを現場の従業員に使ってもらうと、「自動入力できない項目が多かった」「NFCに非対応のAndroidではICカードの読み取りができなかった」など問題点が見えてくるかもしれません。導入前に確認しておけば失敗を防げるので、ぜひ利用してみてください。
スマホアプリ対応の経費精算システムを比較
ここからは経費精算システムと連動し、スマホで利用できるアプリを紹介します。
製品・サービスのPOINT
- 手入力ミスを省けるオートメーション機能&ペーパーレス運用
- 交通費・出張旅費の申請処理から会計ソフトへの仕訳連携まで対応
- 購買申請・住所変更・出張申請など柔軟な電子ワークフロー機能
「マネーフォワード クラウド経費」は、株式会社マネーフォワードが提供している経費精算システムです。iPhoneまたはAndroidでアプリが使えます。
モバイルSuicaやSMART ICOCA、クレジットカードなど、連携サービスの種類が幅広く、明細や経路などを自動で取得できます。OCR機能とオペレーターの補助により領収書を読み取るだけでデータ入力が完了し、アプリ上で申請と承認も可能です。また、会計システムとの連携にも対応しています。
《ジョブカン経費精算》のPOINT
- 導入実績2万社以上。月額料金業界最安クラス!無料プランあり
- 仕訳・振込データを自動生成。電子帳簿保存法にも対応
- 初めてでも簡単使いやすい操作性。初期設定は開発必要なし!
「ジョブカン経費精算」は株式会社Donutsが提供する経費精算システムです。iPhone用の交通系ICカード読み取りアプリがあります。
SuicaやICOCA、PASMOなどのICカードの読み取りに対応しています。ICカードの利用履歴や残高を確認できたり、履歴をそのままシステムに反映させたり、履歴をCSV形式で出力することも可能です。
《ジンジャー経費》のPOINT
- 累計登録社数 15,000社!使いやすい経費精算システムNo1!
- 電子帳簿保存法にも対応。充実の導入サポートもあり。
- 人事データベースを無料で搭載!経理だけでなく企業全体を効率化
株式会社ネオキャリアの「jinjer経費」は、iPhone・Androidアプリに対応した経費管理システムです。アプリで経費の申請と承認ができます。
ICカードの読み取り機能も搭載しており、駅すぱあとと連携して交通費は自動計算されます。スマホでも見やすい画面で、会計ソフトとの連携も可能です。
《Concur Expense》のPOINT
- 電帳法の規制緩和をリード。電帳法の対応実績1000社以上
- 「Standard」版は初期費用0円、月額29,000円からと業界最安水準
- 様々な決済方法との連携で、経費データがシステムに自動反映!
「Concur Expense」は株式会社コンカーが提供するクラウド型経費精算システムです。iPhoneとAndroidに対応したアプリで、経費申請と承認を行えます。
領収書の写真をアップロードして必要な情報を入力すれば、どこでも申請ができます。Google Mapやタクシー配車アプリなどと連携し、経費計算を自動化することも可能です。
《TOKIUM経費精算》のPOINT
- 領収書をスマホで撮って捨てるだけ!糊付け作業は一切不要。
- 申請データ・領収書画像の一元管理やデータ活用が可能!
- 経理部門の間接業務を削減すると同時にペーパーレス化を実現!
「RECEIPT POST」は、株式会社BEARTAILが提供している経費精算システムです。アプリはiPhone・iPadとAndroidに対応しており、申請や承認作業はスマホで完結します。
領収書を撮影すれば自動でデータ化されます。交通系ICカードの読み取り、経路の自動検出もできます。なお、作成された経費データは会計システムとの連携が可能です。
《楽楽精算》のPOINT
- <高機能>経費精算から自動仕訳・会計ソフト連携・FBデータ生成も
- <人気機能>ワークフロー/電帳法/定期区間自動控除/自動読取り
- <自由度の高い設定>会社規模や制度が変わってもずっと使える
株式会社ラクスの「楽楽精算」はクラウド型の経費精算システムで、iPhoneとAndroidに対応したアプリを提供しています。領収書を読み取れば簡単に経費申請ができ、アプリ上で承認作業も可能です。電子帳簿保存法に対応しているので、タイムスタンプが自動付与されます。
さらに、交通系ICカードリーダーが読み取れるスマホアプリも提供しており、乗車履歴の確認して経費精算することが可能です。会計ソフトとの連携もでき、経理処理は効率化されるでしょう。
《SmartGo Staple》のPOINT
- 電車に乗るだけで交通費の申請が完了
- プリペイドカードで支払い領収書を添付するだけで経費申請完了
- 利用データはシステムが自動チェックするので承認作業を大幅削減
「SmartGo Staple」は、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社が提供する、法人向けプリペイドカード一体型経費精算サービスです。iPhoneとAndroidで使えるアプリで、Stapleカードへのチャージ申請や承認、精算が可能です。
OCR機能を搭載しているので、領収書をスマホアプリで読み取るだけで、簡単にデータ化できます。交通系ICカードやクレジットカード、会計ソフトとの連携も可能で、経費精算を効率化します。
《J's NAVI NEO》のPOINT
- 電子帳簿保存法対応でペーパーレスに!【JIIMA認証取得済み】
- 最新の経費精算機能でキャッシュレスに!
- 業務の効率化およびテレワーク化を促進!
「J's NAVI NEO」は、株式会社JTBビジネストラベルソリューションズが提供するクラウド型経費精算システムです。iPhone・Android対応のアプリでは、「J's NAVI NEO」上で申請したすべての伝票の承認作業が可能。移動中のスキマ時間を使って、承認作業が効率的に行えます。
高精細な画像撮影機能は、A4サイズの領収書も確実に読み込み、手入力の手間をカット。撮影時にメモを登録できるため、領収書の詳細情報を抜けなく管理ができるでしょう。
《freee》のPOINT
- 経理-会計-振込を一元化。自動仕分や振込データの自動生成も
- テレワーク/電帳法/ワークフロー/ 経費から振込まで一気通貫
- 専任スタッフが導入~運用までサポート
「freee」は、freee株式会社が提供しているクラウド型経費精算ソフトです。iPhone・Android対応のアプリで経費の申請や承認が行えます。
駅すぱあとと連携可能なので、申請の手間を大幅に削減できるでしょう。またSlackと連携してSlackアプリからの承認も可能です。差し戻しやコメントの通知などもSlackアプリに届くので承認作業がスムーズになるでしょう。
《Ci*X Expense》のPOINT
- 卓越したUI/UXによる経費精算業務の自動化・効率化支援
- 電子帳簿保存法対応によるペーパーレス化【JIIMA認証取得済み】
- グループでの利用を前提とした機能やユーザー規模による価格体系
株式会社電通国際情報サービスが提供する「Ci*X Expense」は、大企業向け経費精算システムです。アプリはiPhone・iPadに対応しており、交通系ICカードの読み取りができます。
乗降履歴をシステムに反映し、システム上で経費精算を行います。モバイルSuicaには対応していませんが、Suica・PASMO・ICOCA・PiTaPa・TOICA・manaca・SUGOCA・nimoca・はやかけん・Kitacaなどの交通系ICカードを読み取れます。
《らくらく旅費精算》のPOINT
- 14日間の無料体験あり!操作性の確認におすすめ
- 低コスト導入で経理作業の負担を減らす
- 交通系ICカードから履歴を読み取れる便利機能
株式会社無限の「らくらく旅費精算」は、交通費の精算に特化したシステムです。 月額300円という低コストで使えるうえ、「らくらく旅費経費.net ICカードリーダー」というAndroid対応アプリが提供されています。
アプリを使えば、交通系ICカードをスマホにかざすだけで必要なデータが自動入力されてシステムに反映されます。また、駅すぱあとから経路の取り込み、定期区間控除の自動化ができるので、入力の手間を大幅に省けるでしょう。
《BIZUTTO経費》のPOINT
- 令和4年施行の電子帳簿保存法に対応!経費精算の手間を削減
- 領収書の電子化で、紙を見て手入力と申請時の単純なミスを削減
- 今すぐ試したい!無料トライアルあり、お申込みも簡単
アルプスシステムインテグレーション株式会社が提供する「BIZUTTO経費
」は、経費精算の一連業務をオンラインで行えるクラウド型経費精算サービスです。アプリはiPhone・Androidどちらも対応可能。アプリ経由のみで領収書を撮影して添付できるため、改ざんなどの不正防止につながります。
契約プランは、10名単位の料金体系により、組織規模にあわせて無駄のないコストで導入できます。
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