ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■統制のしくみ別
- 資産の申請・承認ワークフローを設定できる:Assetment Neo for経理
- 操作ログやアクセスログを保存できる:FAManager
- 内部統制の保証報告書を提供している:FAManager
- ISMS(ISO/IEC 27001)の認証を取得している:FAManager、PCAクラウド 固定資産、Assetment Neo for経理、Universal Business Cloud リース固定資産
- ■利用部門の範囲別
- 経理部門が償却計算や申告を中心に使う:FAManager、PCAクラウド 固定資産
- 現場部門も台帳の参照や棚卸しに参加する:Assetment Neo for経理、マネーフォワード クラウド固定資産、HUEAsset
固定資産管理システムのセキュリティで守るもの
固定資産管理システムには、資産の取得価額や帳簿価額、設置場所、リース契約などの情報が集まっています。これらは財務諸表や税務申告の根拠となるデータです。どのような事態を防ぐべきかを、3つのリスクに分けて整理します。
台帳や償却データの誤更新・改ざん
固定資産管理システムで影響の大きいリスクの一つが、台帳の数値が誤って、または不正に書き換えられることです。取得価額や耐用年数が変わると減価償却費が変わり、決算の数値や納税額に影響します。
こうした誤りは、入力ミスや権限設定の不備、確認の手順がないことなど、複数の要因が重なって起こる場合があります。外部からの攻撃だけでなく、社内の操作も含めて、誰がどのデータを変更できるかを管理することが対策の出発点です。
記録の不備による資産の所在不明
資産の移動や除却がシステムに正しく記録されないと、台帳上は存在するのに現物が見当たらない資産が生じます。パソコンや測定機器など持ち運べる資産では、所在が分からないまま情報漏えいや紛失の発見が遅れるおそれもあります。
記録の不備は、登録の担当者が決まっていない、現場から経理への連絡ルールがないといった運用面の課題から起こることもあります。システムの設定とあわせて、移動や除却を誰がいつ登録するかを決めておきましょう。
外部からの不正アクセス
IDとパスワードが漏れると、第三者にシステムへ不正ログインされるおそれがあります。これはクラウド型とオンプレミス型のどちらにも共通するリスクです。台帳のデータには購入先やリース会社、設置拠点の情報が含まれる場合もあるため、流出すると取引先に迷惑をかける可能性があります。
推測されにくいパスワードの設定に加えて、二要素認証やアクセス元のIPアドレス制限を使えるかを確認しましょう。二要素認証とは、パスワードとスマートフォンに届く確認コードなど2つの要素で本人を確かめる仕組みです。
固定資産管理システムの権限設計と承認フロー
固定資産管理システムのセキュリティを保つうえで、まず整えたいのが権限と承認の仕組みです。操作できる範囲を絞り、重要な変更に第三者の確認を入れることで、誤りや不正を防ぎやすくなります。設計の考え方を紹介します。
経理部門と現場部門の権限分け
権限は、業務に必要な範囲だけを与えるのが基本です。例えば、経理部門には資産の登録や償却計算の権限を、現場部門には自部署の資産の参照と移動申請の権限を、監査担当者には参照のみの権限を与えるといった分け方があります。
部署単位や拠点単位で参照できる資産を絞れるかは、製品によって異なります。異動や退職の際に権限を見直す手順も決めておき、使われていないアカウントが残らないよう、定期的に一覧を確認しましょう。
取得や除却の承認フローの設定
資産の新規登録や除却、取得価額の修正といった重要な操作は、入力した担当者とは別の人が承認してから確定する流れにすると安心です。承認の段階を設けることで、入力ミスや根拠のない変更に気づきやすくなります。
システムに承認ワークフローの機能がある場合は、それを使って申請と承認の記録を残せます。機能がない場合も、申請書と承認の記録を台帳の資産番号とひもづけて保管しておくと、後から経緯を確認できます。承認者が不在の場合に代理で承認するルールも決めておくと、申請が滞りにくくなります。
操作ログと履歴で決算や監査に備える
固定資産管理システムでは、いつ誰が何を変更したかを後から確認できることも重要です。ログや履歴が残っていれば、誤りの原因を調べられるだけでなく、監査や税務調査の際に説明の根拠として使えます。確認したい項目を紹介します。
操作ログと変更履歴の確認
操作ログとは、ログインや登録、修正、削除といった操作の記録です。変更履歴は、項目ごとに変更前と変更後の値を記録したものです。両方を残せるシステムであれば、数値が変わった理由を後から追いかけられます。
確認したいのは、ログをどのくらいの期間保存できるか、CSVなどで出力できるか、管理者でも削除できない設定にできるかといった点です。上場企業の内部統制の評価でも、こうした記録の提出を求められる場合があります。
締め処理後のロックと電子保存のルール
決算を確定した後に過去の期の台帳が変更されると、申告済みの数値と食い違うおそれがあります。締め処理を行った期間のデータを変更できないようにロックする機能があるかも確認しましょう。
また、固定資産台帳を電子データで保存する場合は、電子帳簿保存法の要件が関係します。求められる要件は保存方法によって異なります。国税庁の情報を確認し、必要に応じて顧問税理士に相談しながら運用ルールを決めることが大切です。
バックアップと復旧手順の整備
セキュリティ対策には、データを失った場合に元へ戻せることも含まれます。誤った一括更新やサーバーの障害、ランサムウェアと呼ばれる身代金要求型のウイルスなど、台帳のデータが使えなくなる原因は1つではありません。
オンプレミス型では、バックアップを本番のサーバーとは別の場所に保管し、実際に復元できるかを定期的に試しておきましょう。クラウド型では、過去のある時点のデータへ利用者側で戻せるかを確認します。復旧の手順は文書にまとめ、複数の担当者で共有しておくことが大切です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で固定資産管理システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品の比較検討を進めましょう。
棚卸しに使うスマホや端末のセキュリティ
現物の棚卸しをスマートフォンやハンディ端末で行う場合、端末が新たな入り口となります。オフィスの外や工場の中を持ち歩くため、パソコンとは違う注意が必要です。棚卸し用の端末で押さえておきたい対策を紹介します。
端末の紛失と私物端末の利用
棚卸し用の端末を紛失した場合に備えて、端末に画面ロックを設定し、アプリへのログインを求める設定にしておきましょう。端末内にデータを残さず、通信のたびにシステムと同期する方式であれば、紛失時の影響を抑えやすくなります。
私物のスマートフォンを使う場合は、業務アプリと個人のデータを分けて管理できるかを確認します。MDM(モバイル端末管理)で遠隔からロックやデータの消去ができるようにしておく方法も、検討の価値があります。
資産ラベルに載せる情報の選び方
棚卸しでは、資産にバーコードやQRコード、RFIDのラベルを貼って読み取ります。ラベルに資産番号だけを載せ、詳しい情報はシステム側で表示する形にすれば、第三者がラベルを見ても取得価額などは分かりません。
来訪者の目にふれる場所にある資産では、ラベルに載せる情報を最小限にするとよいでしょう。どの情報をラベルに印字できるかや、印字の項目を自社で選べるかは、製品によって異なるため確認が必要です。
クラウド型事業者のセキュリティ体制の見極め
クラウド型の固定資産管理システムでは、サーバーの管理やバックアップを事業者が担います。そのため、事業者のセキュリティ体制を確かめることも、自社の対策の一部です。公開情報で確認できる項目と、問い合わせで確かめたい項目を紹介します。
第三者認証と監査報告書の確認
事業者の体制を客観的に知る材料として、ISMS(ISO/IEC 27001)などの第三者認証があります。ISMSは、情報セキュリティを管理する仕組みが規格に沿って運用されていることを、外部の審査機関が確認するものです。
監査対応が必要な企業では、外部の監査人が事業者の内部統制を評価した保証報告書を提供してもらえるかも確認しましょう。認証や報告書の対象が、利用するサービスの範囲を含んでいるかもあわせて確認することが大切です。
データの保管場所とバックアップの確認
データがどの国や地域のデータセンターに保管されるか、バックアップをどのくらいの頻度で取り、どの期間保管するかも確認したい項目です。障害が起きたときに、どの時点のデータまで戻せるかを把握しておくと、業務への影響を見積もれます。
あわせて、解約時にデータを出力できるか、事業者側のデータがいつ消去されるかも確認しておきましょう。回答は書面で受け取っておくと、複数のサービスを同じ基準で比べやすくなります。
統制のしくみで比べる固定資産管理システム
権限やログ、承認、事業者の認証といった観点で、この記事で紹介する固定資産管理システムの特徴を一覧にしました。自社で重視する統制の項目と照らしあわせてください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| FAManager | 操作ログの保存とユーザー別の権限設定に対応し、ISMS認証を取得 |
| Assetment Neo for経理 | 承認ルートを定義できるワークフローと、ラベルスキャンによる棚卸に対応 |
| マネーフォワード クラウド固定資産 | 現場職員も使えるクラウド型。写真や証憑、コメントを資産情報とあわせて管理 |
| PCAクラウド 固定資産 | ISMS認証を取得したクラウド型。税法・会計基準それぞれの台帳管理に対応 |
| Universal Business Cloud リース固定資産 | ISMS認証を取得したSaaS型。資産のイベント管理や書類の保管に対応 |
| HUEAsset | 固定資産や建設仮勘定、リース、棚卸、減損の管理に対応 |
台帳の記録と統制を支える固定資産管理システム
操作の記録や承認の流れ、現場部門の参加範囲、事業者の第三者認証といった観点から比べたい製品を紹介します。権限設計や監査対応の方針とあわせて確認してください。
FAManager
- 安全・安心・安定のクラウド環境で固定資産をリアルタイムに管理
- リース・減損・資産除去債務の管理機能が標準搭載
- 常に最新の会計基準、税制に対応したシステムを利用できる
株式会社TKCが提供する「FAManager」は、台帳の変更経緯を記録しながら運用したい企業に向くクラウド型の固定資産管理システムです。アクセスログや操作ログの保存、ユーザー別の権限設定、データの退避・復元に対応しています。ISO/IEC 27001などの認証に加え、ASP・SaaS安全・信頼性情報開示認定を取得しており、受託業務に係る内部統制の保証報告書も無償で提供。会計と税務の償却計算から償却資産申告書の作成まで一元管理できます。
Assetment Neo for経理
- 固定資産管理システムと連携し、資産の管理状態を正確に把握
- ラベルの活用で、Excelや目視による棚卸から脱却
- 豊富な機能で固定資産の管理業務を強力にサポート
株式会社アセットメントが提供する「Assetment Neo for経理」は、承認ワークフローを備えた現物管理システムです。承認・回覧ルートを定義するワークフローで、資産利用の稟議申請に上長の承認を組み込めます。廃棄申請から廃棄業者のマニフェスト管理まで対応し、バーコード・QRコードやRFIDのラベルスキャンによる棚卸でヒューマンエラーや虚偽の報告を抑止。減価償却計算は行わないため、固定資産管理システムと連携して使う製品です。ISO/IEC 27001・27017とプライバシーマークを取得しています。
マネーフォワード クラウド固定資産
- 複数台帳管理で税務基準・会計基準の差異にも対応
- クラウドサービスで資産の見える化を実現
- 会計・税務・業務担当者全員が管理しやすい
株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウド固定資産」は、経理だけでなく総務やIT部門、営業所や工場の現場職員まで利用できるクラウド型の固定資産管理システムです。写真入りの画面で固定資産の写真や証憑を確認でき、取得時に加えて移動時や除却時にも書類を添付して管理できます。固定資産情報にひもづくコメント機能で、部門間の依頼や確認のやりとりも残せます。現場部門も参加する運用を考える際は、権限の分け方とあわせて検討したい製品です。
PCAクラウド 固定資産
- どんな会計システムともマッチする仕訳データを自動作成
- 特に複雑なリース資産管理機能が充実
- グループ会社全体で導入しやすいコストパフォーマンスと機能性
ピー・シー・エー株式会社が提供する「PCAクラウド 固定資産」は、第三者認証を取得したクラウド型の固定資産管理システムです。ISO/IEC 27001・27017やASP・SaaS安全・信頼性情報開示認定を取得しています。税法基準と会計基準のそれぞれで期首簿価や償却方法、耐用年数を管理でき、償却資産税の電子申告にも対応。電子帳簿保存法に対応したクラウドストレージサービス「PCA Hub eDOC」と組み合わせると、購入時の稟議書や証憑を資産情報とひもづけて管理できます。
Universal Business Cloud リース固定資産
- デロイトトーマツの持つ専門性を生かしたリース固定資産システム
- リース新基準に対応しリース支払負債使用権資産の管理は万全
- フルクラウドでスピーディーな操作感と強固なデータセキュリティ
合同会社デロイト トーマツが提供する「Universal Business Cloud リース固定資産」は、ISMS認証を取得したSaaS型のソフトウェアです。ISO/IEC 27001に加え、ISO/IEC 22301も取得しています。資産の登録から耐用年数短縮、減損、除却・売却、移動といったイベントを管理し、画像添付やドキュメント保管にも対応しています。各種イベントに応じて仕訳を自動生成でき、会計システムとの連携も可能。新リース会計基準への対応とあわせて、台帳の記録を一元化したい企業が比較しやすい製品です。
HUEAsset (株式会社ワークスアプリケーションズ)
- オールインワンで資産情報を一元化
- 経理も現場も使いやすいUIでペーパーレス化促進
- 無償アプデで法改正にも長期間安心
まとめ
固定資産管理システムのセキュリティでは、外部からの不正アクセス対策に加えて、台帳の誤更新や改ざんを防ぎ、変更の経緯を説明できる状態を保つことが大切です。権限設計と承認フロー、操作ログと締め後のロック、棚卸し用端末の管理を組み合わせ、クラウド型では事業者の体制も確認しましょう。統制のしくみが整った固定資産管理システムを比較したい方は、一括資料請求を活用してください。

