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IT資産管理ツールはなぜ広がった?法令とPC環境の変化で見る歴史

IT資産管理ツールはなぜ広がった?法令とPC環境の変化で見る歴史

IT資産管理ツールの歴史は、PCの台帳づくりから始まり、情報漏えい対策やライセンス管理、社外の端末の把握へと、求められる役割が広がってきた歩みです。その節目には、法令の施行やOSのサポート終了、働き方の変化がありました。この記事では、IT資産管理の歴史を公的な情報や調査会社の公表資料で確認できる出来事に絞って整理します。あわせて、いま製品を選ぶ際に重視したい機能を考える材料も紹介します。

この記事は2026年10月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次

    ITトレンドがおすすめする製品・サービス

    ■解決したい管理課題別
    ■提供形態別

    IT資産管理ツールの歴史は管理目的の移り変わり

    IT資産管理ツールの歴史は、何のために管理するかという目的の変化で区切ると理解しやすくなります。ここでは大きく3つの段階に分けて流れを示し、年号は次の章以降で、確認できる出来事に絞って紹介します。

    台帳でPCを数えていた段階

    企業でPCが1人1台に近づく前後は、IT資産の管理といえば、表計算ソフトや紙の台帳で機器の数と設置場所を記録する作業が中心でした。購入や異動のたびに担当者が手で更新するため、台帳と実際の機器がずれやすいという課題がありました。

    当時のツールに求められた役割は、PCのハードウェア構成やインストール済みソフトウェアを自動で集め、台帳づくりの手間を減らすことでした。現在のIT資産管理ツールが備えるインベントリ収集機能の土台といえます。

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    情報漏えい対策とライセンス管理が加わった段階

    次の段階では、台帳づくりに加えて、情報を守ることや、ソフトウェアを正しく使うことが目的に加わりました。端末の操作ログの記録や、USBメモリなど外部記憶媒体の利用制限といった機能が、IT資産管理ツールに組み込まれていきました。

    あわせて、購入したライセンスの数と実際のインストール数を照合する管理も重視されるようになりました。資産を数える道具から、ルールを守らせる道具へと性格が変わった段階です。

    社外の端末とクラウドを扱う段階

    現在は、社内ネットワークの外で使われるPCやスマートフォン、インターネット経由で使うクラウドサービスまでを管理の対象に含める段階にあります。管理サーバーをクラウドに置く提供形態が広がり、社外の端末からも情報を集めやすくなりました。

    一方で、管理対象が広がった分、1つのツールですべてを把握するのは難しくなっています。MDM(モバイル端末の管理ツール)やID管理の仕組みと役割を分けて使う考え方も見られます。

    2000年代の法令と規格がIT資産管理を後押し

    2000年代には、IT資産管理の目的を広げる法令の施行や国際規格の発行が続きました。いずれもIT資産管理ツールの導入を義務づけるものではありませんが、端末やソフトウェアの状況を説明できる体制を整える理由として受け止められてきました。

    個人情報保護法の全面施行

    個人情報保護法は2003年5月に成立し、2005年4月に全面施行されました。事業者には、取り扱う個人データの漏えいを防ぐための安全管理措置が求められるようになりました。

    個人データはPCや外部記憶媒体に保存されて持ち出されることもあるため、端末の操作ログを記録する機能や、USBメモリの利用を制限する機能が求められる場面が出てきました。現在も、個人情報保護委員会のガイドラインで示される安全管理措置を確かめながら、ツールの設定を考えることが大切です。

    参考:個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)|個人情報保護委員会

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    内部統制報告制度の開始

    2006年6月に成立した金融商品取引法により、上場企業は財務報告に係る内部統制の評価と監査を求められ、2008年4月1日以後に開始する事業年度から適用されました。いわゆるJ-SOXと呼ばれる制度です。

    この制度では、ITへの対応も内部統制の基本的な要素に位置づけられています。システムの利用状況やアクセスの管理を記録で示す場面があり、IT資産管理ツールで集めた台帳や操作の記録は、その説明資料として活用できます。

    参考:「内部統制報告制度に関するQ&A」等の改訂について|金融庁

    ソフトウェア資産管理の国際規格

    2006年5月には、ソフトウェア資産管理(SAM)のプロセスを定めた国際規格ISO/IEC 19770-1の初版が発行されました。その後改訂が重ねられ、現在は2017年版が最新です。

    この規格は、ソフトウェアを含むIT資産を適切に管理するための仕組みや手順を定めたものです。ツールを導入するだけでなく、資産の取得から廃棄までの管理手順や責任者を明確にする考え方は、現在のIT資産管理にも通じます。

    OSのサポート終了がIT資産管理の需要を動かす

    IT資産管理ツールの市場は、WindowsのOSサポート終了の時期とも関係してきました。どの端末がどのOSで動いているかを一覧で把握する必要が生じるためです。調査会社の公表資料をもとに見ていきます。

    Windows 7の延長サポート終了とPC資産管理市場

    調査会社のアイ・ティ・アール(ITR)は2019年9月、国内のPC資産管理市場の2018年度の売上金額を94億円、前年度比6.8%増と発表しました。2018~2023年度の年平均成長率は5.1%と予測しています。

    ITRは市場を支える要因として、2020年1月のWindows 7の延長サポート終了にともなう、Windows 10への移行とPCの買い替え需要を挙げていました。どの端末を入れ替えるべきかを把握する場面で、インベントリ収集の機能が求められたといえます。

    Windows 10のサポート終了

    Microsoftの公式情報によると、Windows 10のサポートは2025年10月14日に終了しました。終了後は、原則としてセキュリティ更新プログラムが提供されなくなります。

    サポートが終了したOSの端末を使い続けると、新たに見つかった脆弱性(セキュリティ上の弱点)が修正されないまま残ります。IT資産管理ツールでOSのバージョンごとに端末を絞り込み、入れ替えや延長措置の対象を確認する使い方は、今後のOS更新の際にも役立ちます。

    関連記事 IT資産管理ソフト導入から運用までの簡単手順を紹介!

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    テレワークで社外へ広がったIT資産管理の対象

    2020年以降、テレワークを取り入れる企業が広がり、社内ネットワークに接続しないPCやスマートフォンの管理が課題になりました。IT資産管理ツールの提供形態や、周辺の管理ツールとの関係も変わってきています。

    社外PCを管理するクラウド型の広がり

    従来の社内設置型の管理サーバーでは、社外にあるPCとの通信に、VPN(インターネット上に仮想の専用線をつくる仕組み)や中継サーバーが必要になる場合がありました。管理サーバーをクラウドに置く製品では、PCがインターネットにつながっていれば情報を集められます。

    前述のITRの発表でも、SaaS型で調達する企業は徐々に増えるとの見方が示されていました。ただし、社内で記録を保管したい企業ではオンプレミス型を選ぶ場合もあり、どちらが適しているかは保存したいデータや社内規程によって異なります。

    スマートフォンを含めたエンドポイント管理

    ITRは2023年7月、国内のユニファイド・エンドポイント管理市場の2022年度の売上金額を417億3,000万円、前年度比25.9%増と発表しました。PCとモバイル端末をまとめて管理する製品の市場です。

    ITRは、リモートワークの増加にともない、オフィスの外で使うモバイル端末を管理するツールとして需要が続いていると説明しています。スマートフォンまで管理したい場合は、IT資産管理ツールのモバイル対応の範囲を確認するか、MDMとの併用を検討しましょう。

    IT資産管理の歴史を市場データで読む際の注意

    IT資産管理の歴史を市場の数値で追う際は、調査ごとの前提の違いに気をつける必要があります。数値をそのまま比べず、自社の検討にどう生かすかを考えることが大切です。

    調査ごとに市場の範囲が違う

    この記事で紹介したPC資産管理市場とユニファイド・エンドポイント管理市場は、同じITRの調査でも対象とする製品の範囲が異なります。調査会社が変われば、市場の定義や集計の対象年度、調査したベンダーの数も変わります。

    そのため、異なる調査の金額を並べて、市場が何倍になったと比べるのは適切ではありません。数値を引用する際は、調査会社名と調査名、公表時期、市場の定義をあわせて確認しましょう。

    市場の流れを自社の課題に置き換える

    市場の伸びや提供形態の変化は、ほかの企業がどのような課題に向き合っているかを知る手がかりです。ただし、市場で伸びている形態が自社に適しているとは限りません。

    自社の端末の台数や社外で使うPCの割合、次のOS更新の予定、守るべき社内規程を書き出し、歴史で見た課題のうち、まだ自社に残っているものを確認すると、重視すべき機能が見えてきます。ライセンス管理と情報漏えい対策のどちらを優先するかも、この整理で決めやすくなります。

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    管理課題で見るIT資産管理ツール一覧

    ライセンスや操作ログ、更新プログラム、テレワークなど、時代の変化で加わった管理課題に対応する製品を、特徴ごとに一覧にまとめました。

    製品名特徴
    LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版PC・スマホ・Microsoft 365をクラウドで一元管理。操作ログの取得・最大5年分の保存やWindowsのアップデート管理に対応
    MaLionCloudWindows・MacのIT資産情報や操作ログを管理。ライセンス管理や操作制限に対応し、MDMオプションでスマホ管理も可能
    IIJセキュアエンドポイントサービスIT資産管理とアンチウイルスなどのセキュリティ機能をクラウドで提供。操作ログの取得や脆弱性の把握、MDMにも対応
    Watchy必要な機能を選べるクラウド型。ハード・ソフト情報の自動収集やWindows Updateの適用状況確認、USB監視に対応
    System Support best1(SS1)オンプレミスとクラウドを選べる。ソフトウェア辞書や更新プログラム管理に対応し、操作ログ管理などの機能も追加可能
    AssetViewハードウェア台帳やライセンス台帳など4つの管理台帳を作成。IT資産管理に加え、PCログ管理やデバイス制御にも対応
    QND Premium/StandardPCやソフトウェアの資産情報を一元管理。操作ログの取得、不正接続端末の検知、外部メディアの利用制限に対応
    Endpoint Centralソフトウェアの使用状況把握やOS・アプリのパッチ管理に対応。オンプレミスとクラウドを選べる

    管理課題の変化に対応するIT資産管理ツール

    台帳の管理から情報漏えい対策、社外PCの把握へと広がった管理課題ごとに、対応できる機能を備えた製品を紹介します。提供形態もあわせて確認してください。

    LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版

    エムオーテックス株式会社
    製品・サービスのPOINT
    1. 使いやすい管理コンソールでPC・スマホ・M365をクラウド一元管理
    2. IT 資産管理・操作ログ管理など PC 管理に必要な機能を網羅
    3. Microsoft 365 にアクセスするユーザーの利用状況を見える化

    エムオーテックス株式会社が提供する「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」は、PCやスマートフォン、Microsoft 365を一元管理できるクラウド型のIT資産管理・MDMツールです。ハードウェア情報や設定情報を自動取得し、IT資産台帳として活用できます。PC操作ログは最大5年分の保存に対応し、Windowsのアップデート管理や記録メディアの利用制御も可能です。社外で利用する端末の管理と情報漏えい対策を両立させたい企業に適しています。

    MaLionCloud

    株式会社インターコム
    《MaLionCloud》のPOINT
    1. Windows、Mac、スマホを一元管理
    2. IT資産を見える化して、ライフサイクルを徹底管理
    3. 労働状況の見える化で、長時間労働・サービス残業を把握・是正

    株式会社インターコムが提供する「MaLionCloud」は、インベントリ収集やライセンス管理、PC操作ログの取得、操作制限に対応したクラウド型のIT資産管理ツールです。WindowsとMacの端末を管理でき、MDMオプションとの組み合わせでスマートフォンも対象に含められます。また、PC操作ログをもとに勤務状況を可視化するレポートも出力可能です。台帳管理から情報漏えい対策まで幅広く対応し、テレワークや複数拠点の管理を効率化したい企業に向いています。

    IIJセキュアエンドポイントサービス

    株式会社インターネットイニシアティブ
    製品・サービスのPOINT
    1. IT資産管理と各種セキュリティ機能をアセットレスに導入
    2. AIを駆使した「Aurora Protect」で、未知のマルウェアも検知
    3. 脆弱性の自動抽出から対策までをワンストップで実現

    株式会社インターネットイニシアティブが提供する「IIJセキュアエンドポイントサービス」は、IT資産管理とアンチウイルス、内部情報漏えい対策などを組み合わせて利用できるクラウド型サービスです。資産情報の自動取得やPC操作ログの収集、アプリケーションの配信に対応しています。また、脆弱性のある端末を抽出し、必要なパッチ情報を確認する機能も搭載。MDMによるスマートフォン管理にも対応しており、社外端末の管理とセキュリティ対策をまとめて強化したい企業の候補です。

    Watchy

    株式会社スタメン
    《Watchy》のPOINT
    1. PC1台100円〜で手軽に始められる
    2. IT資産管理〜ログ管理まで幅広く管理ができる
    3. 運用の保守点検負担が少ないクラウドサービス

    株式会社スタメンが提供する「Watchy」は、必要な機能を選んで導入できるモジュール設計のクラウド型IT資産管理ツールです。ハードウェアやソフトウェアの情報を自動収集するほか、Windows Updateの適用状況確認、USBドライブやフォルダーの監視にも対応しています。管理サーバーの構築が不要で、クラウド側の更新にも自動で対応するため、運用負担を抑えやすい点が特徴です。必要な機能から導入し、管理課題に応じて利用範囲を広げたい企業に向いています。

    System Support best1(SS1)

    株式会社ディー・オー・エス
    製品・サービスのPOINT
    1. シンプルで使いやすい画面で誰でもすぐ操作可能
    2. 必要な機能だけ選択してコストを抑制
    3. 安心のサポート体制で顧客満足度No.1(※)!

    株式会社ディー・オー・エスが提供する「System Support best1(SS1)」は、PCやソフトウェアの資産情報を一元管理し、棚卸やライセンス管理を効率化するツールです。ソフトウェア辞書や更新プログラム管理を備え、PC操作やWeb閲覧、メール送受信などのログ管理機能も必要に応じて追加できます。オンプレミス版とクラウド版を提供しており、運用環境にあわせて選択可能です。既存のIT資産管理を見直しながら、セキュリティ対策を段階的に強化したい企業に適しています。

    AssetView (株式会社ハンモック)

    《AssetView》のPOINT
    1. PCの管理・セキュリティ対策を包括的に実現!
    2. 多彩な機能をひとつの画面で操作・管理でき、使いやすい!
    3. 導入コスト・環境に合わせた理想的な管理が可能

    QND Premium/Standard (クオリティソフト株式会社)

    《QND Premium/Standard》のPOINT
    1. 社内外問わずマルチデバイスの一元管理が可能!
    2. 32億以上のデータベースに登録された不審なサイトへの接続制限!
    3. 個人情報・機密情報を自動探査でリネームし可視化!

    Endpoint Central (ゾーホージャパン株式会社)

    《Endpoint Central》のPOINT
    1. 全世界累計32,000社以上で導入の実績を誇る!
    2. USBメモリの接続制御と監視を実現!
    3. 企業のデータとユーザーポリシーを制御!

    まとめ

    IT資産管理ツールの歴史は、台帳づくりから、情報漏えい対策とライセンス管理、社外の端末やクラウドの把握へと目的が広がってきた流れです。個人情報保護法の全面施行や内部統制報告制度、ISO/IEC 19770-1の発行、Windowsのサポート終了、テレワークの定着がその節目となりました。自社に残る管理課題を整理したうえで、資料請求で各製品の対応範囲を比べてみてください。

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