IT資産の棚卸を行う目的
IT資産の棚卸を行う目的は、以下の3点です。
- 【コンプライアンス遵守】
- IT資産であるソフトウェアライセンスが適切に管理されていない場合、ライセンスの不正使用を起こしてしまい、刑事罰の対象となってしまう可能性がある。棚卸作業を定期的に行うことによってライセンス違反を防ぐ。
- 【セキュリティ対策】
- 不正使用のソフトウェアはサポートやアップデートの対象外で、ソフトウェアの脆弱性につながり、外部攻撃を受けやすくなる。IT資産棚卸業務でアップデートの状況を確認し、セキュリティリスクを防ぐ。
- 【適正なコスト管理】
- ソフトウェアの稼働状況が正確に把握できていないと、未稼働のパソコンやソフトウェアで無駄な運用コストがかかったり、余剰ライセンスが発生したりする可能性もある。社内のIT資産を正確に把握することで、無駄を防ぎ、IT資産を有効活用できる。
IT資産の棚卸を行う方法
ここでは、IT資産の棚卸方法について紹介します。IT資産の棚卸は3つのステップで進めます。
1.正確な台帳を作成する
所有しているハードウェア、リース資産、ソフトウェアを把握し、正確な台帳を作成します。記載する項目は以下のとおりです。
- ●種類
- ●品名
- ●設置場所
- ●取得価額
- ●取得年月日
- ●耐用年数など
なお、リース資産は上記に加えて契約期限などを記載します。
2.ハードウェアとソフトウェアライセンスを紐付ける
自社で購入しているソフトウェアライセンスと、使用しているハードウェアの紐付け作業を行います。また、ソフトウェアライセンスが正式な契約にもとづいて使用されているかどうかを管理するために、以下の項目についても確認しておきましょう。
- ●ライセンス数
- ●ライセンスの名称
- ●ライセンス契約の内容
- ●購入元
- ●保守契約の有無
- ●取得年月日
3.台帳と現物が一致しているか確認する
最後に、台帳と現物のIT資産が一致しているかを確認する照合作業を行います。
照合作業は、IT資産に「資産管理番号」と呼ばれるシールを貼り、目視による確認作業を行います。
なお、IT資産管理ツールの活用で効率的な照合作業が可能です。IT資産にバーコードやICタグを貼り、その情報を専用機器で読み取ります。その後は、ツール上で照合ができるため、人的・時間的コストの削減が可能です。
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IT資産の棚卸を行う際の注意点
IT資産の棚卸を実施する際の注意点を3つ紹介します。
台帳へ正確に記入する
今あるIT資産をすべて台帳に記入するようにしましょう。特に大量のIT資産の購入・廃棄時は、記入漏れやミスが発生しやすくなるので注意が必要です。台帳に正確な情報が記入されないと、棚卸時に現物数と一致せず、無駄な税金を払う事態になりかねません。
さらにリース契約の場合、不要な契約継続をしていることも多いため、無駄なコストが発生します。そのため、台帳には正確で詳細な情報の記入が必要です。
役割分担を明確にする
IT資産はハードウェア・ソフトウェア・リースの3つにわけれられます。
特にソフトウェアは、ライセンス数の把握が複雑で多くの購入形態があるため、棚卸作業の負荷が大きくなることがあります。そこで、可能な限り多くの人員を動員し、効率よく短期間で棚卸しを行うことが大切です。
その際、役割分担を明確にして作業すると、重複入力などのミスや時間的ロスを未然に防げます。また、棚卸をソフトウェアの利用者自身が行ったり、部署全員で行うケースもあります。
マンパワーに頼りすぎない
IT資産の棚卸を手作業で行うとミスが起こりやすく、完璧な資産状況の把握は難しいです。日頃からパソコンなどを管理する担当者がいない場合には、棚卸作業に追われ、通常業務が滞る事態につながりかねません。
IT資産の所有台数や利用台数が少ないうちは、ExcelやAccessで台帳を作成し管理できます。しかし、台数が増えてくると、適切な管理や維持が難しくなるでしょう。
そこで、IT資産管理や棚卸の属人化を防ぐため、資産管理に特化したIT資産管理ツールの導入をおすすめします。IT資産管理ツールは、ハードウェアやソフトウェアの情報を自動収集し、常に最新の状態を維持します。管理するパソコンやソフトウェアの数が増えても、設定さえしておけば管理することが可能です。このように、IT資産管理ツールは煩雑な作業を伴う棚卸業務をサポートし、業務の属人化を防ぎます。
以下の記事では、IT資産管理ツールのおすすめ製品を紹介しています。ツールの必要性や導入メリットについても解説しているため、あわせて参考にしてください。
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