IT資産管理を行う上での課題
どの企業内でもハードウェアやソフトウェア、すなわち「IT資産」は日々増え続けています。人手で情報を集め、表計算ソフトで整理する、そうした手間のかかる方法で管理することは難しくなってきています。
IT資産管理を行う上で、以下のような課題が見られます。
- ●企業内にどれだけの機器類があるのか正確に把握できていない
- ●システムの更新のルールがない
- ●ライセンス費用などのコストを把握できていない
- ●セキュリティポリシーが徹底できていない
- ●システムの活用がうまく行っていない
このような課題をIT資産管理ソフトであれば、解決することができます。IT資産管理ソフトとは、IT資産の数や内部の状態をリアルタイムに可視化し、資源の最適配置に必要な情報を瞬時に出力してくれるツールです。
IT資産管理ソフト導入のよる解決策
IT資産管理ソフトによってこれらの課題がどのように解決できるのか、具体的に見ていきましょう。
1. 企業内の機器類を把握・管理できる
企業が保有・利用するIT機器を実際に数え上げてみると、意外なほど膨大な数になります。
把握する機器の多さと複雑さ
第一に、社員ひとりひとりが利用しているPCとその付属品、USBメモリなどの周辺機器。第二に、プリンタ、ファクス、NAS、各種サーバ、ネットワーク機器などの共有機器。
最近はこれにスマートフォンやタブレットなど、モバイル機器が第三のハードウェアとして加わったことで、「モバイルデバイス管理」の必要性も高まっています。
量的な把握だけではありません。企業の組織変更や人事異動などにともなって、ハードウェアの配置、管理者や使用者もどんどん変わっていきます。
機器の管理状況の可視化
IT資産管理ソフトを導入することで、このように日々変化する組織とIT資産の動きをリアルタイムに正確にトレースすることが可能となります。たとえば組織マスタ情報を変更するだけで、機器の配置情報もそれに追従して変更されます。
こうした台帳管理の自動化は、人手では膨大なコストのかかる作業を大幅に効率化します。IT資産管理ソフトがもたらす大きな利便性は、まずこの資産の可視化という課題を解決してくれる点にあるでしょう。
2. システムの更新を計画的に行える
各機器の内部構成、導入年月日、故障履歴、廃棄年月日などのライフサイクル情報も、IT資産管理ソフトで一元管理できるようになります。
機器の利用状況の把握
スペックの低いマシンを優先的に入れ替えたり、故障率の高い部署やメーカーを把握して原因を探ったり、廃棄を確実に記録してセキュリティを強化したり、IT資産管理ソフトのもとに蓄積した情報は、IT戦略を立案していくために有益な判断材料となります。
機器のリースや契約を把握
またリースやレンタル機器の契約期間、費用などを管理できる製品もあります。こうした情報を可視化することで、契約切れを事前に把握したり、費用の見直しの基礎資料を提供することが容易になります。
契約やコストに関する意思決定に必要な資料を、手間をかけず、タイムリーに作成できることもIT資産管理ソフトを用いる大きなメリットと言えるでしょう。
3. ライセンス費用などのコストを把握できる
ソフトウェアを利用規約に違反して使用したため莫大な違約金を課されてしまう、そんな企業が後を絶ちません。こうした違反は、経済的な損失ばかりでなく、当該企業のコンプライアンスに対する信頼の喪失にもつながってしまいます。
一方、ソフトウェアの管理は、外から数え上げることはできない点でハードウェアの管理以上に困難な作業となります。
IT資産管理ソフトのインベントリ収集機能を利用することで、ハードウェアの管理だけでなく、ソフトウェアに関する情報収集も同時に行うことができます。ソフトウェアの名前やバージョン、ライセンス番号などをもれなく収集し、ソフトウェアの管理台帳を自動的に作成することができるのです。
この台帳を、あらかじめ登録しておいたライセンス台帳と照合することで、ライセンス違反を防止したり、あるいは過剰なライセンス購入による無駄な出費を削減することが容易にできるようになります。
4. セキュリティポリシーの徹底を図ることが可能
セキュリティを守る上で、OSのアップデート、アンチウィルスソフトのインストールなどは必須の対策です。上述のソフトウェア情報の収集機能により、このチェックが容易になります。
ソフトウェアやファイルの配布
IT資産管理ソフトの中には、ソフトウェアやファイルの配布機能を備えるものがあります。企業内のソフトウェアのバージョンを自動的に最新のものに統一したり、新規に導入したツールを一括配付したりすることができるのです。
この機能によって、必須の対策をエンドユーザ任せにするのではなく、システム管理者が主体となって実施することができ、セキュリティ強化をより徹底することが可能になるのです。
利用ツールの管理
必須ツールや禁止ツールを監視して、これに違反するPCを発見する機能を備えるソフトもあります。たとえばウィルス定義ファイルが古いままのパソコンを発見した際には、ログインをブロックするとともに、利用者や管理者に警告を発したりといった運用が可能になります。
5. 社内ヘルプデスク機能を強化し、システム活用を促進できる
リモートコントロールの機能を装備したIT資産管理ソフトを使えば、IT資産をもっと有効に活用できるよう支援することが可能になります。
操作方法がわからないユーザから問い合わせが入った、トラブルが発生したが遠隔地のためシステム管理者がすぐに対処できない、というケースでは、このリモートコントロール機能が役立ちます。
問題発生のつどユーザやマシンの近くまで出向いていく必要がなくなるため、問題解決までのスピードアップが図れ、システム管理の負担も大幅に軽減できます。サポート体制への信頼性が向上すれば、社内ユーザも積極的に相談するようになるため、企業全体のリテラシー向上が期待できるようになるのです。
IT資産管理ソフト導入で適切な運用をしよう!
IT資産管理ソフトは、単に企業が保有するハードウェアやソフトウェアの可視化という役割を超えて、いまやコンプライアンス、セキュリティ、資源の有効活用といった幅広い視点から導入効果を期待できるものになっています。それだけに各製品はさまざまな特徴を備えています。
導入する際には、導入目的を踏まえて、必要な機能やその使い勝手、運用形態、コストなどを仔細に比較検討しましょう。製品にご興味のある方は、無料で資料請求してみてはいかがでしょうか。