外国人労働者の受け入れ方法
外国人労働者を受け入れるには、どのようにすれば良いのでしょうか。受け入れ方法を手順に沿って解説します。
1.募集をする
外国人労働者を募集する方法は以下のとおりです。
- 公的機関の利用
- ハローワークや地方公共団体の就労支援窓口などを利用して外国人労働者を募集できます。
- 人材紹介・外国人派遣会社の利用
- 外国人労働者の紹介・派遣を専門に行う企業です。出身国や職種など、さまざまな強みをもつ企業も存在します。自社の求める人材とマッチする企業から外国人労働者の紹介を受けることも可能です。
- 大学や語学学校からの紹介
- 各教育機関の就職課を通じて求人を出します。
- 雑誌や自社HP、SNSの利用
- 外国人労働者に対して直接アプローチします。雑誌に求人の掲載を依頼したり、外国人向けに専門のHPやSNSを作成したりします。
2.採用する人の各種資格を確認する
外国人を採用する場合、在留資格の種類と期限を必ず確認してください。就労が認められていない、また、在留期限の切れた外国人を採用すると、出入国管理法により企業は罰せられる可能性があります。
就労可能な在留資格の有無により、外国人に確認する事項は以下のとおりです。
- 【就労可能な在留資格を持っておらず、海外から外国人を呼ぶ場合】
※必要な学歴・実務経験などの要件は、取得する在留資格や従事する業務によって異なります。 -
- ・「技術・人文知識・国際業務」を取得する場合は、大学・専門学校などで学んだ内容と従事予定業務との関連性を確認→在留資格の申請時に卒業証明書や成績証明書などを提出
- ・学歴要件を満たさない場合などは、申請する業務に応じて一定の実務経験があるかを確認→在留資格の申請時に職歴がわかる資料などを提出
- 【就労可能な在留資格を持っている場合】
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- ■在留資格の種類
- 採用後に従事する業務が、現在の在留資格で認められている活動に該当するかを確認
- ■在留期間の満了日
- 在留期間が満了していないかを確認
- ■資格外活動許可の取得有無
- 現在の在留資格で認められていない業務に従事する場合は、原則として資格外活動許可が必要です。許可される業務内容や時間には制限があります。
参照:不法就労に当たる外国人を雇い入れないようにお願いします。|厚生労働省
3.採用が決まったら手続きを行う
外国人労働者の採用後はどのような手続きを行えば良いのでしょうか。順を追って3つの手続きを解説します。
雇用契約書を作成する
採用後、賃金や労働条件を記載した雇用契約書を外国人労働者と取り交わしましょう。労使間のトラブルに備え、双方の合意に基づいてサイン・押印がされた雇用契約書の原本を保管してください。そして、雇用契約書は外国人労働者の母国語や英語で交付するといった配慮が大切です。
なお、外国人労働者向けの雇用契約書のサンプルを厚生労働省が提供しています。作成方法がわからないときは参考にすると良いでしょう。
在留資格・査証に関する手続きを行う
雇用契約書の作成後、手続きに応じた地方出入国在留管理官署で、就労に必要な在留資格に関する手続きを行います。主な手続きは以下のとおりです。
- 就労可能な在留資格を持っている場合
- 転職などで勤務先や業務内容が変わる場合は、現在の在留資格で新しい業務に従事できることを確認する方法として、外国人本人が「就労資格証明書」の交付を申請できます。
- 就労可能な在留資格を持っていない場合
- 「在留資格認定証明書」の交付後、外国人本人が海外の日本大使館・領事館で査証(ビザ)の発給を受け、原則として有効期間内に入国します。
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- 1.「在留資格認定証明書」の交付を申請する
- 2.証明書を外国人労働者に渡す
- 3.外国人本人が現地の日本大使館・総領事館などで査証(ビザ)を申請する
- 現在の在留資格では予定する業務に従事できない場合
- 予定する業務が現在の在留資格で認められていない場合は、就労開始前に在留資格変更許可申請を行います。なお、資格外活動許可で対応できる場合や、就労制限のない在留資格では変更が不要な場合もあります。
ハローワークに雇用状況を届け出る
厚生労働省は「外国人雇用状況の届出制度」に基づき、雇用管理の改善を推進する取り組みを行っています。事業主は、対象となる外国人を雇い入れたときや離職したときに、氏名や在留資格、在留期間などをハローワークへ届け出る必要があります。届出を怠ったり、虚偽の届出を行ったりした場合は、30万円以下の罰金の対象となります。
参照:「外国人雇用状況の届出」は、全ての事業主の義務であり、外国人の雇入れの場合はもちろん、離職の際にも必要です!|厚生労働省
外国人労働者の労務管理を行うポイント
外国人労働者の労務管理を行う上でどのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。注意すべき3つのポイントを見ていきましょう。
責任者を選出する
外国人労働者を常時10人以上雇用する事業所では、原則として人事課長や労務課長などの管理職から「外国人労働者雇用労務責任者」を選任します。
適正な労働条件・環境を整備する
企業は外国人労働者に対して日本人と同様に適正な労働条件の下、安全に配慮した職場環境の構築に努めなければいけません。労働基準法や雇用保険法など、各種労働関連法規においてその旨が明記されています。労務管理上、企業が留意するポイントは以下のとおりです。
- 適正な労働条件の確保
- 法律に則り、法定労働時間内の労働を遵守し、休日や有給休暇を取得させましょう。賃金も国籍による差別をしてはいけません。
- 労働安全、衛生の確保
- 労働災害を防ぐため、母国語や英語でマニュアルを作成してください。イラストや写真を活用し、外国人労働者の理解を促しましょう。また、教育の一環として、業務を熟知した労働者をリーダーに抜擢するのもおすすめです。
- 各種保険の適用
- 外国人労働者にも、国籍にかかわらず健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険が適用されます。事業主は、それぞれの加入要件を満たす場合に必要な手続きを行います。本人が加入を希望しない場合でも、加入要件を満たしていれば、事業主は法令に基づき加入手続きを行う必要があります。
転職や再就職をする際は援助を行う
外国人労働者をやむを得ず解雇する場合、企業は離職票の交付や失業給付の受給にまつわる諸手続きの援助を行う必要があります。転職や再就職の際は、在留資格に応じた関連企業へ紹介・斡旋するなどの援助に努めましょう。また、必要であれば教育訓練施設の受講を勧めます。
これらの取り組みを率先して行い、外国人労働者が再就職しやすいよう環境を整備することが企業に求められます。
外国人労働者の受け入れ・労務管理に関するFAQ
外国人労働者の受け入れや労務管理では、在留資格の確認や入国手続き、雇入れ後の届出などに注意が必要です。ここでは、外国人労働者の雇用に関するよくある質問に回答します。
- ■Q1:外国人労働者雇用労務責任者は必ず選任しなければなりませんか?
- 外国人労働者を常時10人以上雇用する事業所では、「外国人労働者雇用労務責任者」を選任します。原則として人事課長や労務課長などの管理職から選び、外国人労働者の雇用・労働条件の管理や、関係行政機関との連絡などを担当させます。
- ■Q2:海外にいる外国人を採用した場合、入国までにどのような手続きが必要ですか?
- 受入企業の職員などが、地方出入国在留管理官署へ「在留資格認定証明書」の交付を申請します。交付後は証明書または電子データを外国人本人に渡し、本人が現地の日本大使館・総領事館などで査証(ビザ)を申請します。査証の発給後、在留資格認定証明書の有効期間内に日本へ入国するのが基本的な流れです。
- ■Q3:外国人をアルバイトとして採用する場合、何を確認すればよいですか?
- 現在の在留資格で予定する業務が認められているかを確認します。「留学」や「家族滞在」など、原則として就労が認められていない在留資格の場合は、資格外活動許可が必要です。許可を受けていても、従事できる業務や時間に制限があるため、在留カードなどで許可の有無と内容を確認してください。なお、「永住者」や「定住者」など、就労活動に制限のない在留資格では資格外活動許可は不要です。
- ■Q4:外国人雇用状況の届出を怠るとどうなりますか?
- 事業主は、対象となる外国人を雇い入れたときや離職したときに、氏名・在留資格・在留期間などをハローワークへ届け出る必要があります。届出を怠ったり、虚偽の届出を行ったりした場合は、30万円以下の罰金の対象となります。
- ■Q5:外国人労働者を解雇する際、企業にはどのような対応が求められますか?
- やむを得ず解雇する場合は、離職票の交付や失業給付の受給に必要な手続きについて援助します。また、在留資格に応じて再就職先となり得る企業を紹介・斡旋したり、教育訓練施設の受講を案内したりするなど、再就職の支援に努めることが求められます。
受け入れ方法をマスターして外国人労働者を雇用しよう
外国人労働者を受け入れる際は、まず求人募集をして面接時に在留資格を確認します。採用後は雇用契約書を作成して在留資格に関する手続きを行い、雇入れ後は、ハローワークへ外国人雇用状況を届け出ましょう。
外国人労働者における労務管理のポイントは以下のとおりです。
- ■責任者の選出
- ■労働条件、環境の整備
- ■転職、再就職の支援
以上を踏まえ、外国人労働者の受け入れを実施しましょう。



