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上場に労務管理は必須?影響を与えるトラブルや審査前の確認事項とは

上場に労務管理は必須?影響を与えるトラブルや審査前の確認事項とは

上場審査に向けて、どのような労務管理体制を整えておけばよいのでしょうか。労務管理に問題があると、審査に影響するおそれがあります。

この記事では、上場審査と労務管理の関係、審査前に押さえたいトラブル、見直すべき点を解説します。これを機に自社の労務管理体制を見直しましょう。

この記事は2026年10月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次

    上場するには労務管理が必須?

    上場を目指す企業にとって、労務管理は欠かせない準備のひとつです。上場審査と労務管理の関係を紹介しますので、しっかり理解しておきましょう。

    上場するには労務管理が必須

    上場審査で労務管理が見られる理由

    東京証券取引所の上場審査では、「企業のコーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性」が審査の項目に含まれます。審査基準に「労務管理」という項目名はありませんが、法令を守る体制は内部管理体制の一部と考えられます。

    従来は業績や財務状況に目が向きがちでした。近年は働き方への関心が高まり、労働時間の管理や賃金の支払いが適切かどうかも点検されやすくなっています。

    なお、賃金の未払いがある場合は、さかのぼって支払う必要があります。未払い賃金を請求できる期間は、法律の原則では5年です。ただし、現在は特例として3年になっています。残業代の計算間違いや法改正への未対応で、金額が誤っていることもあるため、自社の状況を再確認しましょう。

    参考:未払賃金が請求できる期間などが延長されています|厚生労働省

    労務管理を整えていないと上場が遅れるおそれがある

    上場するには、会社の規則に従うとともに、監督官庁から指摘を受けない体制を整えることが大切です。次の点を確認しましょう。

    • ■法令や指針を守っているか
    • ■勤怠情報や賃金支払い額に誤りはないか
    • ■勤怠時間に切り捨てなどの端数処理をしていないか
    • ■始業・終業の時刻を適切に管理できているか
    • ■労働保険や社会保険への加入は適切か
    • ■労働基準監督署や労働局からの指導にすべて従っているか

    これらが実施できていない場合は、体制を見直しましょう。人力に頼っている場合は、ITシステムの導入も視野に入れてください。

    関連記事 【2026年最新】労務管理システムおすすめ17選!比較表・ランキング・費用相場あり

    労務管理システム紹介ページ遷移画像

    上場審査に影響を与える労務管理トラブルは?

    上場審査を通過するために、どのようなトラブルを避ければよいのでしょうか。

    賃金の未払い(残業代)

    労務トラブルで多いのが賃金の未払いです。正しく支払うには、労働時間と残業時間を的確に把握する必要があります。

    注意したいのが法改正です。2023年4月以降は、中小企業でも月60時間を超える時間外労働に5割以上の割増賃金を支払う義務があります。計算方法を改めないと未払い金が発生するため、気をつけましょう。

    出典: 労働基準法改正の条文|厚生労働省

    長時間労働と36協定の不備

    法定労働時間を超えて働かせるには、労使で36協定を結び、労働基準監督署に届け出る必要があります。

    協定を結んでも、時間外労働には上限があります。原則は月45時間・年360時間です。臨時的な事情がある場合でも、月100時間未満(休日労働を含む)、年720時間以内に収める必要があります。

    協定の届出漏れや、上限を超える運用がないかを確認しましょう。

    パート・アルバイトなどの社会保険未加入

    正社員だけでなく、一定の条件を満たすパート・アルバイトや派遣社員も社会保険の加入対象です。

    短時間労働者の適用は、段階的に広がっています。2024年10月から従業員51人以上の企業が対象になりました。さらに2026年10月1日には、加入要件のうち賃金の要件(月額8.8万円以上)が撤廃されています。今後は企業規模の要件も、次のように段階的に引き下げられる予定です。

    • ■2027年10月:36人以上
    • ■2029年10月:21人以上
    • ■2032年10月:11人以上
    • ■2035年10月:すべての企業

    加入が必要な人が未加入のままだと、法令に沿った運用とはいえません。制度改正への対応が遅れたり、要件の判定が不十分だったりすると起こりやすいため、早めに点検しましょう。可能であれば専門家の助力も仰いでください。

    就業規則と実際の体制のギャップ

    常時10人以上の労働者を使用する会社は、就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出る義務があります。

    関連法規に則っておらず形だけになっている就業規則は、審査で評価されにくいでしょう。実際の労働と規則の内容がかけ離れている場合も同様です。特に、成長を優先するベンチャー企業で起こりがちです。運用状況を見直しましょう。

    有給休暇の年5日取得と安全衛生体制

    年10日以上の有給休暇が付与される労働者には、そのうち5日を、会社が時季を決めて取得させる義務があります。取得状況を管理できているか確認しましょう。

    また、常時50人以上の労働者を使用する事業場では、衛生管理者の選任が必要です。人数が増えてきた会社は、選任漏れがないか点検しましょう。

    労務管理で発生する問題を詳しく知りたい方は、次の記事も参考にしてください。

    関連記事 労務管理における問題とは?事前に防ぐポイントや方法も徹底解説!

    上場に向けて見直すべきことは?

    上場に向けて見直すべき項目3つを紹介していきます。

    就業規則・社内規則

    就業規則や社内規則が適切に整備され、それが運用されているかを確認しましょう。

    起業時のまま放置していると、法改正に則った内容になっていない可能性があります。給与規程や育児介護休業規程、労使協定などにも注意が必要です。改めて労働基準法を確認し、改正内容も盛り込んだ規則を定めましょう。

    人事政策・制度

    人事政策や人事制度において、以下のような点に注意しましょう。

    • ■採用人数や退職率は把握できているか
    • ■従業員の定着率はどうか
    • ■グループ会社間での二重就業などはないか
    • ■育成や評価について合理的な仕組みは整っているか

    正しく現状を把握し、適切な仕組みを構築していることはもちろん、それが長期的に持続できるかどうかも重要です。たとえば、従業員の定着率が低いと企業の継続性が不安視されます。

    勤怠管理の体制

    上場審査に通過するには、従業員の勤怠情報を適切に管理する体制が欠かせません。

    もし過剰な労働や従業員間における負担の分配偏りが見られた場合、対処する必要があります。放置すると、従業員の肉体や精神に不調をきたすおそれがあります。これらの問題が生じれば、上場審査に通過するのは難しくなるでしょう。

    また、従業員の勤務時間のごまかしを防ぐうえでも勤怠管理の体制作りは必須です。適切に管理していなかったせいで、従業員たちが組織的に就業時間を水増しするケースもあります。

    タイムカードなどを用いた厳密な勤怠管理体制を構築し、上場審査通過の妨げとなるトラブルを防止しましょう。

    関連記事 【2026ランキング】勤怠管理システム比較24選!料金や満足度、シェア率も紹介

    上場前の労務チェックリスト

    確認項目見るポイント
    残業代割増率・端数処理・法改正への対応
    労働時間始業・終業の記録と実態が合っているか
    36協定締結・届出済みか、上限を守れているか
    社会保険加入対象者の判定漏れがないか
    就業規則届出済みか、実態と合っているか
    有給休暇年5日の取得を管理できているか
    安全衛生50人以上で衛生管理者を選任しているか

    労務管理体制を整えて上場審査を通過しよう!

    上場審査において適切な労務管理体制の構築は重要事項です。規則や法令に従って労務管理を実施しなければ、審査通過は難しいでしょう。上場準備には以下の点を注意しましょう。

    • ■就業・社内規則
    • ■人事政策・制度
    • ■勤怠管理体制
    • ■有給休暇・36協定

    労務管理体制を整えて、上場審査に備えましょう。ぜひ気になる方は、労務管理システムの導入も検討してみてください。

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