労務管理における問題
労務管理は社員の労働にまつわるさまざまな業務を遂行・管理します。遂行・管理する内容が幅広いことから問題を抱えやすい職務ともいえるでしょう。ここでは、労務管理における問題点を解説します。
各種手続きに手間がかかる
労務上の諸手続きは、フォーマットへの入力や書類作成といった単純作業が多いです。反復作業を伴う業務も多く、処理量が増えると入力・作成ミスをしやすくなります。さらに、修正に時間がかかってしまい、業務の進捗に影響するケースもあります。
また、社員によって対応が異なる手続きもあり、それらもミスなく適切に処理しなければいけません。さらに、書類の中には申請期限が設けられているものもあり、期限に間に合わないと社員に迷惑がかかります。
このように労務手続きは煩雑な業務が多く、生産性の低さが問題点として挙げられるでしょう。
コンプライアンスを徹底する必要がある
労務管理では、さまざまな関連法規に則って業務を遂行しなければなりません。法律の遵守が特に重要となる3つのポイントを見ていきましょう。
正確かつ迅速な計算が必要
給与計算は、労働保険料徴収法、健康保険法、厚生年金保険法、所得税法の諸法に則って、適切に行う必要があります。手当や控除は各社員で異なり、雇用契約に基づいて正確な給与を計算しなければいけません。さらに、期日厳守で行わなければならず、ミスは絶対許されません。なぜなら、給与の支払い遅れや計算ミスは企業への不信感につながるからです。
これらが頻繁に起こると社員から訴えられたり、人材の流失につながったりする恐れがあります。
参照:労働保険の保険料の徴収等に関する法律|e-Gov
健康保険法|e-Gov
厚生年金保険法|e-Gov
所得税法|e-Gov
労働実態の把握・環境の整備が必要
社員一人ひとりが個々の能力を十分に発揮するには、企業が健全な労働環境を構築しなければいけません。そのためには、労働基準法と労働安全衛生法を遵守し、労働実態を把握して社員が働きやすい職場づくりに努めることが大切です。各社員の労働や残業時間、有給の取得状況は実態が把握しづらく、可視化する仕組みづくりが求められるでしょう。
労働時間や労働環境は労働の質につながり、社員の健康・精神衛生面に大きな影響を与えます。社員を取り巻く環境によっては、最悪の場合、過労死が発生するリスクもあります。そうなると、企業は安全配慮義務の過失を問われかねません。
こういった事態を避けるためにも、企業は社員の健康・精神衛生を適切に管理する体制の構築に尽力しなければいけません。
個人情報の扱いに注意が必要
改正個人情報保護法に基づき、企業は個人情報の扱い・管理に細心の注意を払わなければいけません。担当者が変わっても法律に則った適切な処理が行えるよう、個人情報の取り扱いに関するマニュアルを明文化しておきましょう。
個人情報の漏えいは社会的信用の失墜といった、深刻なダメージを企業に与えます。リスクを最小化するためにも、個人情報の取り扱いには厳格なルールを設けてください。そして、個人情報を厳重に保管・管理する体制の整備に努める必要があります。

労務管理の問題を防ぐ方法
労務管理の問題を防ぐ2つの方法を紹介します。
労務管理の専門家に協力してもらう
給与計算や福利厚生の管理、労働環境の整備など、労務管理の業務は多岐に渡ります。労務管理には専門的な知識だけでなく、ある程度の経験が求められます。部署の人員だけでこれらの業務を適切にこなすことが厳しいケースもあるでしょう。そのような状況が続くと、問題が山積し、さらなる悪循環を招きかねません。
そこで、専門家への依頼も視野にいれるべきです。給与計算であれば会計事務所、社会保険関連であれば社会保険労務士事務所など、各分野のプロフェッショナルに協力してもらいましょう。
最近は、給与計算代行といったサービスを提供するアウトソーシングが注目されています。高いスキルや知識をもつ専門スタッフが業務に臨み、高品質なサービスを提供しているのが特長です。豊富な知識や経験により、ミスなくスムーズに業務を遂行できるため、問題を事前に防ぐことが可能です。
労務管理システムを活用する
労務管理システムは、業務のシステム化・自動化を実現します。社員の情報を一元管理できるため、入退社に伴う一連の手続きの簡素化が可能です。社会保険の申請を電子化できるシステムもあり、業務の効率化を期待できるでしょう。さらに、最新の関連法規やセキュリティを実装した製品が多く、担当者の負担なくこれらへの対応を図れます。
これにより、労務管理における業務が問題化することなく、さらなる生産性のアップにつながるでしょう。
労務管理システムを活用して問題発生を事前に防ごう
労務管理における問題として「諸手続きに手間がかかる」「コンプライアンスの遵守」が挙げられます。
これらの解決方法には「専門家への依頼」「労務管理システムの活用」があります。労務管理システムは一連の業務をシステム化し、効率化を可能にします。
ぜひ、システムの導入を検討して問題の発生を事前に防ぎましょう。
