ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■他システムとのデータ連携方法別
- APIで他システムとつなぐ:ビジネスナビタイム輸配送管理クラウド、TCloud for SCM、ODIN リアルタイム配送システム
- 倉庫管理・請求システムなどとデータを連携:ASSORT、簡易配車インタフェース
- ■データベースの置き場所別
配送管理システムのデータベースに蓄積される情報
配送管理システムのデータは、あまり変わらない基本情報であるマスタと、毎日発生する計画や実績のデータに分けられます。両者の役割を押さえておくと、導入時に準備するデータと、運用で増えていくデータの見通しが立てやすくなります。
届け先と荷主のマスタ
届け先マスタは、配送先の名称や住所、電話番号、受け取り可能な時間帯などをまとめた基本情報です。荷主マスタには、荷主ごとの契約条件や運賃の計算方法、請求先などを登録します。
これらは配車計画の作成や運賃計算のたびに参照されるため、誤りがあると計画や請求に影響が広がります。導入時には、既存の台帳や表計算ソフトから届け先の情報を移す作業が発生するでしょう。移す前に、使われていない届け先や重複している届け先を整理しておくと、運用開始後の管理負担を減らせます。
車両とドライバーのマスタ
車両マスタには、車両番号や車格、最大積載量、冷蔵や冷凍への対応といった車両の仕様を登録します。ドライバーマスタには、氏名や所属拠点、運転できる車両の種類、勤務の条件などを持たせます。
配車計画では、「この荷物は冷凍車でないと運べない」「このドライバーは中型車までしか運転できない」といった組み合わせの判断に使われます。車両の入れ替えやドライバーの入退社があったときに、マスタの更新が遅れると、実際には使えない車両や人が計画に組み込まれるおそれがあります。
配送計画と実績のデータ
配送計画のデータは、どの日に、どの車両が、どの届け先をどの順番で回るかという予定の記録です。実績データは、出発や到着、配達完了の時刻、不在や持ち戻りの結果といった、実際に起きたことの記録を指します。
こうしたデータは毎日増えていくため、データベースの中でも量が多くなりやすい部分です。計画と実績を同じ配送単位でひもづけて保存しておくと、予定どおりに進まなかった便を後から確認できます。動態管理の機能があれば、走行中の位置情報もここに加わる仕組みです。
届け先マスタの精度を保つ方法
配送管理システムのデータベースの中でも、届け先マスタは配車の精度に直結する重要な情報です。登録時の表記の揺れや、更新の漏れによって起こる問題と、その防ぎ方を整理します。
住所の表記揺れと位置情報の補正
配送管理システムでは、届け先の住所を緯度・経度の位置情報に変換して、地図上の場所や距離を計算します。「1丁目2番3号」と「1-2-3」のような表記の違いや、ビル名の有無によって、同じ届け先が別の場所として扱われる場合があります。
変換された位置が実際の荷受け口とずれていると、ルートの計算や到着予定時刻の予測もずれます。地図上の位置を手作業で補正できるか、補正した位置が次回以降も使われるかを確認しておきましょう。新しい届け先を登録するときに住所の形式をそろえるルールも決めておくと効果的です。
納品条件と荷受け時間の登録
届け先マスタには、住所だけでなく納品に関わる条件も登録しておくと、配車計画の精度が上がります。例えば、荷受けできる時間帯や、入れる車両の大きさ、荷降ろしにかかる時間の目安などが挙げられます。
これらの情報は、ドライバーや配車担当者が経験として知っていても、データベースに入っていないことがあります。届け先ごとに自由に入力できるメモ欄だけでは計画の計算に使えないため、条件を決まった項目として登録できるかを確認することが大切です。
重複登録や古い情報を防ぐ運用
複数の担当者が届け先を登録していると、同じ届け先が別のコードで二重に登録される場合があります。重複があると、届け先ごとの配送件数や荷受け条件が分かれてしまい、分析や計画の精度が下がります。
新しく登録するときに、似た名称や同じ電話番号の届け先を探せる機能があるかを確認しておくと安心です。あわせて、閉店や移転した届け先を定期的に見直す時期を決め、変更の履歴が残る形で更新していくと、誰がいつ何を変えたのかを後から追えます。
配送管理システムと他システムのデータベース連携
配送管理システムは、受注や出荷の情報を他のシステムから受け取り、配達結果を返すことで業務がつながります。データの受け渡しの方法と、連携がうまくいかなかったときの備えを確認しましょう。
受注システムや倉庫管理システムからの取り込み
配送の元になる受注や出荷の情報は、販売管理などの基幹システムや、倉庫管理システム(WMS)で管理されている場合があります。これらのデータを配送管理システムへ取り込み、配車計画の対象にします。
取り込むときに問題となるのが、システムごとに届け先コードや商品コードの体系が違う点です。どちらのコードを基準にするのか、対応表をどこで管理するのかを決めておかないと、取り込みのたびに手作業の修正が発生します。配達完了の情報を元のシステムへ返す必要があるかも、あわせて整理しましょう。
CSV連携とAPI連携の違い
データの受け渡し方法には、主にCSVファイルによる連携と、API(システム同士が直接データをやり取りする窓口)による連携があります。CSV連携は、ファイルを出力して取り込む方法で、導入時の開発を抑えやすい点が特徴です。
一方のAPI連携は、データを自動でやり取りできるため、当日の追加注文のように頻繁にデータが変わる業務に向いています。ただし、連携先のシステム側にも対応が必要です。どちらの方法に対応しているか、APIの仕様書を公開しているかを提供会社に確認しておきましょう。
連携エラーの検知と再取り込み
データ連携では、項目形式の違いや通信の不具合、連携先システムの停止などにより、一部のデータが取り込まれない場合があります。気づかないまま配車計画を作ると、荷物が計画から漏れて未配送が起こるおそれがあります。
取り込みに失敗したデータを一覧で確認できるか、管理者に通知されるかを確認しておくことが重要です。修正したデータを再度取り込めるか、同じデータを二重に取り込んだときに重複を防げるかも、運用前に検証環境などで試しておくと安心です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で配送管理システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品の比較検討を進めましょう。
データベースの置き場所とデータの保管
配送管理システムのデータベースをどこに置くかによって、管理の手間や、社内で負う責任の範囲が変わります。提供形態ごとの違いと、データを失わないための保管の考え方を紹介します。
クラウド型のデータ管理
クラウド型の配送管理システムでは、データベースは提供会社が用意したサーバー上にあり、利用者はインターネット経由で利用します。サーバーの保守やデータベースの更新作業を自社で行わずに済む点が特徴です。
その一方で、データの保存場所やバックアップの頻度、契約を終えたときのデータの返し方は、提供会社の規定に従う形となります。解約時にデータをどの形式で出力できるのかは、将来ほかのシステムへ移る場合にも影響するため、契約前に確認しておきましょう。
自社サーバーにデータベースを置く場合
自社サーバーにシステムとデータベースを置く方式では、データを社内で管理でき、社内の他システムと直接つなぎやすい面があります。社内規程でデータを外部に置けない場合に選ばれることがあります。
ただし、サーバーの機器更新やOSの更新、障害時の復旧は自社の責任です。担当者が1人だけだと、異動や退職で管理が止まるおそれがあるため、手順書を作って複数人で対応できる体制を整えることが欠かせません。保守を提供会社に任せられる範囲も確認しておきましょう。
バックアップとデータの保存期間
どちらの方式でも、データベースの障害や誤操作に備えたバックアップは欠かせません。バックアップの頻度と、どの時点の状態まで戻せるのかを確認しておくと、万一のときの影響を見積もれます。
また、実績データをいつまで保存するかも決めておく必要があります。運送事業では、運行に関する記録について法令で保存が求められるものもあります。対象となる記録と期間は国土交通省などの公式情報で確認し、配送管理システムで保存する範囲と、別の仕組みで保存する範囲を整理しましょう。
蓄積したデータを分析に活かすポイント
配送管理システムのデータベースにたまった実績は、日々の配車だけでなく、配送体制の見直しにも使えます。分析に使うときの指標と、データを取り出す方法を確認しましょう。
実車率や積載率などの指標
配送の効率を測る指標としては、走行距離のうち荷物を積んで走った割合を示す実車率や、積める量に対して実際に積んだ量の割合を示す積載率がよく使われます。1台あたりの配送件数や、届け先での待ち時間も改善の手がかりとなります。
こうした指標を正しく出すには、実績データの入力が正確であることが前提です。配達完了の時刻がまとめて入力されていたり、積載量が登録されていなかったりすると、指標が実態とずれます。指標を見る前に、元のデータの入力ルールを確認しましょう。
BIツールや表計算ソフトへのデータ出力
配送管理システムの標準の帳票だけでは、知りたい切り口で集計できない場合があります。そのようなときは、データを出力してBIツール(データを集計してグラフなどで見える化するツール)や表計算ソフトで分析する方法があります。
確認したいのは、どの項目を、どの単位で出力できるかです。配送ごとの明細まで出力できれば、届け先別や曜日別といった自由な集計が可能です。定期的に自動で出力できるかどうかも、分析を続けるうえでの負担に関わります。
データ連携と置き場所で比べる配送管理製品
マスタや実績データの扱い、他システムとの連携方法、利用形態に着目して、この記事で紹介する配送管理システムを一覧にしました。データの持ち方を比較する際に使ってください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| ビジネスナビタイム輸配送管理クラウド | 配車計画と走行実績の分析に対応。API提供も可能 |
| TCloud for SCM | 運行データのCSV出力と外部連携用APIに対応 |
| ODIN リアルタイム配送システム | 位置情報の履歴を保存し、日報を自動作成できる |
| TUMIX配車計画 | 受注情報を自社専用DBに蓄積し、検索・帳票出力できる |
| ルート計画システムジオルーター | コース・顧客情報を管理し、ドライバーのスマホと共有できる |
| ASSORT | オンプレミス利用に対応し、倉庫管理などと連携できる |
| 簡易配車インタフェース | TAB区切りテキストの入出力と外部モジュール実行に対応 |
マスタと実績を扱いやすい配送管理製品
届け先や車両のマスタ、日々の配送実績をどう蓄積し、どこまで他システムとつなげられるかを基準に、配送管理システムを紹介します。
ビジネスナビタイム輸配送管理クラウド
- 経路検索技術を活かした、効率的な配送計画をかんたんに作成
- 今の車両位置だけでなく、正確な到着予想時刻もわかる動態管理
- 大型車の車格を考慮した高性能なカーナビ
株式会社ナビタイムジャパンが提供する「ビジネスナビタイム輸配送管理クラウド」は、訪問先や車両、ドライバー、荷量を考慮した配車計画を作成できるクラウド型の配送管理システムです。走行実績のログから、ドライバーごとの労働状況や訪問先の待機時間の発生状況を分析できます。倉庫管理や受注管理、基幹システムなど利用中のシステムとの連携を相談でき、必要な機能のみのAPI提供にも対応しています。走行実績の蓄積と他システムとのデータ連携を重視する企業の候補です。
TCloud for SCM
- 専用の車載端末など機器不要でスマホとネット環境のみで利用可能
- 長年の経験で培ったノウハウを詰め込んだ配送業務システム
- リアルタイムに位置・作業情報を送信し、配送状況を可視化
都築電気株式会社が提供する「TCloud for SCM」は、車両や乗務員、ルート、便、納品先の情報を登録し、配送予定と実績を見くらべられるクラウド型の動態管理システムです。運転日報のPDF出力や運行データのCSV出力に対応し、外部システムと連携するAPIも標準サービスで提供しています。取得した情報をもとにしたBIツールでのデータ分析も支援されます。マスタと実績を手元のデータとして活用したい企業の選択肢です。
ODIN リアルタイム配送システム
- 効率の良い配送ルートで無駄を省き、売上アップ!
- 配送の進捗がリアルタイムでわかる運行管理システム
- 最大年間530万円のコスト削減、配送品質向上の為の機能が豊富
株式会社オンラインコンサルタントが提供する「ODIN リアルタイム配送システム」は、ドライバーのスマートフォンの位置情報と速度をクラウド上で閲覧でき、履歴も保存できる配送システムです。配送先の管理や日報の自動作成に対応し、API連携は有償プランで相談できます。計画と現在位置を照らし合わせて進捗を管理するため、日々の走行履歴をデータとして残したい企業の候補です。
TUMIX配車計画
- 貨物受注、配車、請求、支払、経営分析を手間なく一元管理!
- 毎月20万円以上の利益改善!90時間もの残業削減実績あり!
- 操作はカンタンで、PCが苦手な方でもすぐに効果を実感!
株式会社TUMIX(鈴与グループ)が提供する「TUMIX配車計画」は、受注から配車、請求、支払までの情報を1回の入力で連動させるクラウド型の業務支援システムです。登録した情報は自社専用のデータベースに蓄積され、貨物情報や配車データをすぐに検索・抽出して帳票として出力できます。過去の手配や売上実績もクラウド上に蓄積されます。受注情報を資産として残し、再活用したい中小の運送会社の選択肢です。
ルート計画システムジオルーター
- 複数コースを一気に自動作成!マウスで簡単修正
- 顧客情報・コース情報をドライバーのスマホと共有可能
- 作業状況や到着予定時刻をリアルタイムで把握
株式会社ジオインフォシステムが提供する「ルート計画システムジオルーター」は、地図と配車AIで複数車両のコースを自動作成するルート計画ソフトウェアです。顧客情報やコース情報を管理し、ドライバーのスマートフォンと共有できます。インストール型の利用ではクライアントサーバー構成をとり、サーバーはアプリケーションサーバーとデータベースサーバーを兼用します。届け先の情報を自社の環境で管理したい企業の候補です。
ASSORT (株式会社セイノー情報サービス)
- ベテラン配車担当者のノウハウを凝縮し誰でも簡単に配車
- 配車結果を積載率や収支で評価
- 手動・自動配車による最適なルート組みと業務効率の向上
簡易配車インタフェース (アドバンスド・コア・テクノロジー株式会社)
- 直感的な操作性と豊かな表現力のユーザインタフェース
- 強力なルート計算機能を実装。最適ルートを瞬時に作成
- シンプルな自動計算ロジック の自動車両配置機能
まとめ
配送管理システムのデータベースには、届け先や車両などのマスタと、配送計画や配達結果の実績データが蓄積されます。配車の精度を高めるには、届け先マスタの住所や納品条件を正しく保ち、他システムとの連携エラーにも備えることが大切です。データベースの置き場所やバックアップ、データの出力方法も、運用と分析に関わる確認点です。自社のデータを扱いやすい製品を比べたい方は、配送管理システムの資料請求を活用してください。

