ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■法改正アップデートの受け取り方別
- ■利用する事業所・環境別
インストール型の給与計算システムが向く事業所
インストール型は、給与計算を担当する人数が限られ、決まったパソコンで作業する事業所に向いています。クラウド型と比べたときの違いを、作業する場所とデータを置く場所という2つの観点から整理します。
担当者1~2人で給与を締める事業所
インストール型は、ソフトを入れたパソコンで作業する形態のため、給与計算を1~2人で担当している事業所と相性がよいといえます。ライセンスを利用するPCの台数で数える製品もあり、使うPCが決まっていれば費用の見通しを立てやすくなります。
一方で、在宅勤務の担当者が社外から作業したい場合や、拠点ごとに入力したい場合は、インストール型だけでは対応が難しいことがあります。将来の働き方も含めて、作業する場所を確認しておきましょう。
給与データを社内のPCで保管したい場合
インストール型では、給与データをパソコンや社内のファイルサーバーに保存します。インターネットに接続しなくても計算できる製品もあり、データを外部のサーバーに預けたくない事業所に向いています。
ただし、社内で保管するぶん、パソコンの故障や盗難、ウイルス感染への備えは自社で行う必要があります。ウイルス対策ソフトの導入やパスワードの設定、バックアップの方法まで決められるかを、導入前に検討しておくことが大切です。
給与計算システムのインストールから初回計算まで
インストール型の給与計算システムは、ソフトを入れた後の初期設定で計算結果の正しさが決まります。動作環境の確認から、会社と従業員の情報登録、前月までの実績との照合までを順に進めましょう。
1. 動作環境とライセンス数の確認
最初に、使うパソコンのOSやメモリなどが、製品の動作環境を満たしているかを確認します。OSのサポートが終了したパソコンでは、更新プログラムが提供されない場合があるため、サポート期限も見ておきましょう。
複数のPCで同じデータを使う場合は、ネットワーク対応版が必要か、追加ライセンスで足りるかを販売元に確認します。インストール作業は管理者権限が必要なことがあるため、社内でPCを管理している担当者と日程を決めて進めます。
2. 会社情報と従業員マスタの登録
次に、会社の基本情報と、給与計算のもとになる従業員マスタを登録します。会社情報では、締め日や支給日、加入している健康保険の種類、労働保険の区分などを設定します。
従業員マスタには、基本給や手当、通勤費、扶養親族の人数、社会保険の標準報酬月額、住民税の月割額などを入力します。前のソフトや表計算から移す場合は、CSVファイルで取り込めるかを確認し、取り込んだ後に1人ずつ内容を見直しましょう。
3. 前月までの実績との並行計算
本番の給与を確定させる前に、前月の勤怠データを入力して計算し、実際に支払った金額と比べます。手取り額だけでなく、所得税や社会保険料、住民税の各項目が一致しているかを確認します。
差が出た場合は、標準報酬月額や扶養人数、手当の課税区分といった設定を見直します。1か月分で一致を確認できたら、本番の計算に切り替えると安心です。年の途中から使い始める場合は、その年の支給済み金額も登録しておきましょう。
法改正アップデートの受け取り方と適用手順
給与計算では、社会保険料率や雇用保険料率、所得税の税額表などが改定されます。インストール型の給与計算システムでは、改定に対応した更新プログラムを自社で入手し、適用するのが基本です。受け取り方と適用の流れを確認します。
毎年見直される保険料率と税制改正
給与計算に関わる改定は、年に複数回あります。例えば、協会けんぽの健康保険料率は例年3月分から、雇用保険料率は年度の切り替わりにあわせて見直されることがあります。
所得税も、税制改正によって控除の仕組みが変わることがあります。令和7年分からは「特定親族特別控除」が設けられ、年末調整の申告書も変わりました。改定がソフトに反映されていないと、控除額や税額の誤りにつながるため、改定時期を把握しておくことが大切です。
更新プログラムの入手経路と保守契約
インストール型の更新プログラムは、販売元のWebサイトからのダウンロードや、ソフトの自動更新機能で受け取る方法があります。製品によっては、年間の保守契約やサポート契約を結んでいることが、更新プログラムを受け取る条件とされています。
買い切りで購入し保守契約を結ばない場合は、改正のある年に新しいバージョンを購入する方法もあります。どちらの方法か、費用はいくらかを導入前に確認し、法改正のたびに追加費用が発生するかを把握しておきましょう。
適用前のバックアップと適用後の検算
更新プログラムは、給与の締め作業の前に余裕をもって適用します。適用する前にはデータのバックアップを取り、万一エラーが起きた場合に元の状態へ戻せるようにしておきます。
適用した後は、料率や税額表が新しい値に変わっているかを設定画面で確認し、何人か分の保険料や税額を手計算や公的機関の料額表と照らし合わせます。改定がいつの給与から適用されるかも確認し、適用月を間違えないよう注意しましょう。
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インストール型で年末調整と年度更新を進める
年末調整の時期は、インストール型の給与計算システムで特に作業が集中します。年末調整用の更新プログラムの適用と、源泉徴収票などの書類を作って提出するまでの流れを押さえておきましょう。
年末調整前に必要な年度の更新
年末調整の計算式や申告書の様式は、その年の税制にあわせて変わります。インストール型では、年末調整に対応した更新プログラムが秋から冬にかけて提供される製品があり、適用してから計算を始めます。
あわせて、ソフト内の年度を翌年に切り替える年度更新の作業が必要な製品もあります。切り替えのタイミングを誤ると、前年のデータが確認しにくくなる場合があるため、手順書に沿って、バックアップを取ってから進めましょう。
源泉徴収票と給与支払報告書の提出方法
年末調整が終わったら、従業員に源泉徴収票を交付し、税務署に法定調書を、市区町村に給与支払報告書を提出します。提出方法には紙のほか、e-TaxやeLTAXによる電子提出があります。
前々年に提出すべきだった源泉徴収票などの枚数が一定数以上の場合は、電子提出が義務となります。インストール型の製品で、電子提出用のデータを作成できるか、別の申告ソフトと連携する必要があるかを確認しておきましょう。
インストール型でPCの買い替えや担当者交代に備える
インストール型の給与計算システムは、データがパソコンの中にあるため、PCの故障や買い替え、担当者の交代が業務の継続に影響します。日頃から備えておきたい運用のポイントを紹介します。
別の媒体へのバックアップ
給与データのバックアップは、ソフトを入れたパソコンとは別の場所に保存します。外付けの記憶媒体や社内のファイルサーバーなどに、給与の確定ごとに保存しておくと、PCが故障した際にも直近の状態から再開できます。
バックアップの媒体を持ち出す場合は、パスワードを設定し、保管場所を決めておきます。保存したデータから実際に復元できるかを年に1回程度試しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
PC入れ替え時のライセンス移行
パソコンを買い替える際は、新しいPCにソフトを入れ直し、データを移す作業が必要です。ライセンスの認証を古いPCで解除してから移す製品もあるため、販売元の手順を事前に確認しましょう。
移行の後は、従業員マスタや過去の給与データが正しく表示されるかを確かめます。古いPCのデータは移行の確認が済むまで残し、不要になったら復元できない方法で消去してから処分します。
操作手順と権限の共有
インストール型は1人の担当者で運用するケースもあるため、給与の締めや更新プログラムの適用手順を書き出し、複数人で共有しておきます。担当者の休暇や退職で給与計算が止まる事態を防ぐためです。
ソフトに利用者ごとのIDを設定できる場合は、担当者と確認者を分け、操作できる範囲を決めておきます。誰がいつ何を変更したかを後から確認できるよう、作業の記録を残す習慣もつけておきましょう。
パッケージソフトの給与計算システム一覧
パソコンに入れて使うパッケージソフトの給与計算システムを、想定する利用者や法改正への対応方法とあわせて一覧にまとめました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| 給与kid6 | 複数の会社や顧問先の給与を1つで管理でき、法改正にはサポート体制で対応 |
| 給与計算DX | 従業員50名までの会社専用。Excelからの取込みと自動オンラインアップデートを搭載 |
| CCS給与計算 | 従業員100名までの中小企業向け。入力箇所を黄色のセルで示し、帳票はA4白紙に印刷 |
| Cells給与 | 社労士向けの給与計算システム。Excelと同じ操作画面で顧問先独自の手当計算に対応 |
| Macの給与 | Macユーザー向けの給与計算ソフト。月給・日給・時給など多様な給与形態に対応 |
| キーパー給与 | 経営者・給与担当者向けの給与計算ソフト。e-Tax/eLTAX用のCSVを作成できる |
| 給与マイスター | 源泉納付書や法定調書合計表の作成機能と、立替金精算の機能を搭載 |
PC1台から始めるインストール型の給与計算ソフト
決まったパソコンで給与を締める事業所に向けて、パッケージソフトとして提供されている給与計算システムを紹介します。更新プログラムの受け取り方や、複数のPCで使う場合のライセンスは製品ごとに異なるため、資料で確かめましょう。
給与kid6
- 多様な給与体系に柔軟な対応ができ、1つで複数会社の管理が可能
- 充実したナビゲーション機能で会社情報から年末調整まで簡単入力
- 充実のサポート体制で税法や保険の法律改正にも素早く対応
株式会社日本法令が提供する「給与kid6」は、オンプレミス・パッケージソフトで提供される給与計算ソフトです。複数の会社や顧問先の給与計算データを1つで管理でき、会社ごとに異なる計算ルールを設定できます。ナビゲーション画面に業務手順が表示され、社員情報の登録から給与・賞与、算定・月変、年末調整まで入力を進められます。年の途中から導入することも可能です。参考価格は66,000円~で、購入後6ヶ月間の無償保守契約が付いています。保険料率や税制の改正にはサポート体制で対応し、30日間の体験版も用意されています。
給与計算DX (秀峰システム株式会社)
- 累積15,230社以上が口コミで選んだ給与計算ソフト
- PSQ Lite認証取得済みの高品質ソフト
- クラウドを使わないため情報漏洩リスクが激減
CCS給与計算 (CCSサポート株式会社)
- 入力箇所は黄色のセルで着色され判別可能
- 帳票は全てA4白紙に印刷、ミシン目入り用紙も提供
- 令和8年版への無償バージョンアップキャンペーン中
Cells給与 (株式会社Cells)
- Excelと同じ操作画面ですぐに使える
- 顧問先独自の複雑な手当計算式にも柔軟に対応可能
- 社労士有資格者含む実務経験豊富なスタッフの充実サポート
Macの給与 (マグレックス株式会社)
- Mac環境に最適化されたインターフェイスで直感的な操作が可能。
- 給与明細一括発行や勤怠取込など大量処理に対応。
- 法定帳票をワンクリックで迅速に生成。
キーパー給与 (株式会社シスプラ)
- 会計事務所と連携し中小企業を支援
- スタンダード・スーパーパックで機能拡張可能
- e-Tax/eLTAX用CSV作成可能
給与マイスター (ベータ・テクノロジー株式会社)
- 源泉納付書・法定調書合計表作成機能搭載
- 立替金精算機能で振込手数料を削減
- マイナンバー対応済み(2015年12月)
まとめ
インストール型の給与計算システムは、PC1台から少人数で始められ、給与データを社内で管理できる形態です。導入時は動作環境と初期設定を確認し、前月の実績と照らし合わせてから本番に切り替えます。保険料率や税制の改正には、保守契約や新バージョンの購入で更新プログラムを受け取り、バックアップを取ってから適用しましょう。法改正への対応方法や対応できるPCの台数は製品で異なるため、資料請求で比べてみてください。

