給与計算システムの5つの導入メリット
近年、多くの企業で給与計算システムが導入されています。ここでは、給与計算システムがなぜ必要なのかを具体的に解説します。
1.煩雑な給与計算業務を効率化
給与計算業務は、以下のとおりです。
- ●給与処理
- ●賞与処理
- ●社会保険処理
- ●社会保険更新
- ●年末処理、明細書発行など
多岐にわたる計算業務を一元的に実施し、経理担当者の業務効率化を手助けするのが、給与計算システムです。これまで煩雑だった計算業務の多くを自動化するため、経理担当者の業務負荷が大きく軽減するでしょう。
また勤怠管理システムとの連携により、日々の勤怠実績からリアルタイムに給与が計上されます。集計や確認の手間が減るため、勤怠締め日以降に業務が集中するのを避け、業務の平準化にも貢献します。これまで企業は毎月・毎年のピーク時を見込んで人材を雇用しなければなりませんでしたが、業務負担の偏りを減らすことで雇用の最適化も期待できるでしょう。
2.法令改正への対応やコンプライアンスの徹底
給与計算システムのメリットとして、社会保険や税制改正など法令改正へのスムーズな対応が挙げられます。例えばクラウド型の給与計算システムは、税制改正による源泉所得税率の変更や厚生年金の保険料率の変更などがあると、自動的にアップデートします。そのため法改正への適応漏れによる計算ミスの心配がありません。
近年、企業に求められているのは時間外・休日出勤等の割増賃金など、労働基準法に則った給与計算の仕組みです。給与計算システムを活用すれば、フォームへ時間外労働時間を入力するだけで、割増賃金を含む計算が自動的に行えます。さらに勤怠管理システムとの連携によって数値入力の手間も省けるため、大幅な効率アップが期待できます。
3.雇用の多様化や頻繁な入れ替わりにも対応
給与計算システムのニーズが増している背景として、雇用の流動化や、業務・職種の多様化が挙げられます。今や一つの企業のなかに、給与規定が異なるさまざまな雇用形態の人が混在するのは一般的です。労働法制の変更により、勤務体系や雇用形態はさらに多様化する情勢にあり、しかも人員の入れ替わりが頻繁に起こる企業も多いことでしょう。
給与計算システムは、雇用形態・労働契約に合わせた設定やカスタマイズも可能です。よく利用する計算方式の設定を保存しておけば、雇用時や昇給等の変更があった際にも素早く個人データを作成できます。
4.人員配置や人材調達の意思判断に役立つ
単なる経理上の“計算”にとどまらず、人事戦略に役立てられる点も、給与計算システム導入のメリットです。例えば、人事評価システムや人事システムと連携することで、人員配置や組織戦略の練り直しに活用できます。
給与計算システム選定の際には、既存システムと柔軟に連携ができるかどうかも重要なチェック項目です。
5.給与明細書の作成や各種帳票の出力が容易
給与計算システムの多くが、給与明細や各種帳票(支給控除一覧表や振込一覧表など)の自動作成と出力に対応します。帳票ごとに必要な情報を抽出し、手入力する手間が省けるでしょう。
また、Web給与明細の発行・配信機能を備えたシステムであれば、ペーパーレス化によるコスト削減も可能です。
給与計算システム導入前の課題
給与計算業務にはどのような課題があるかも整理しておきましょう。以下の課題が当てはまれば、給与計算システムを導入、もしくは今あるシステムを見直す必要があるでしょう。
- ■業務の集中
- 締め日から支払日までの期間が短く給与計算業務が集中するため、ミスが生じやすい。また特定の経理担当者に業務が偏っている。
- ■法改正などへの対応
- 社会保険の料率変更や税制改正による年末調整の変更にかかる業務負担が大きい。
- ■煩雑な計算への対応
- 各種手当や保険料、控除項目の計算や日割・時間割計算、あるいは時間外の割増率に応じた計算など、短期間で煩雑な計算に対応するのが困難。
- ■事業規模拡大による業務負担の増加
- 事業規模が拡大し、正社員やパート・アルバイトなどさまざまな雇用形態が混在することで給与計算が複雑化。
次項では、課題解決に役立つ給与計算システムを紹介します。
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給与計算システムの選定ポイント
給与計算システムは大きく3つに分類できます。
- ■給与計算特化タイプ
- 保険料の天引きや年末調整など、給与関連専門業務を主に効率化できる。比較的低価格で、個人事業主や小規模企業でも導入しやすい。
- ■勤怠・人事労務管理(シリーズ連携型/一体型)タイプ
- 給与計算だけでなく勤怠管理や人事労務領域もカバー。シリーズ展開する製品との連携により実現するものもあれば、機能が一体化されたものもある。
- ■ERP(統合基幹業務システム)タイプ
- 基幹業務も総合的に管理したい場合に活用しやすく、一般的には中堅・大企業での導入に適している。
システムでカバーしたい業務範囲を明確にしたうえで、自社の規模にあった製品を選ぶことが重要です。
給与計算システムの概要や、より詳しい選び方を知りたい方には以下の記事がおすすめです。コスト相場や料金体系の違いについても解説しています。
現場の課題を給与計算システムで解決しよう
事業の拡大やワークスタイルの多様化に伴って業務負担が増大する給与計算業務を効率化するためには、給与計算システムの導入が欠かせません。給与計算システムの導入は、法改正への迅速な対応や正確性の担保、経理担当者の業務負担削減、人員配置への活用などさまざまなメリットをもたらします。
給与計算システム導入を前向きに検討している場合は、資料請求をしていくつか製品を比較するところからはじめましょう。製品を絞り込んだあとは、無料トライアルを活用しシステムの管理画面のイメージや操作性を体感するのもおすすめです。