給与計算システムとは
給与計算システムとは、従業員の勤怠情報と紐づけて給与計算を行えるツールです。他システムとの連携により、勤怠情報の集計作業の工数が削減できるので、経理の給与計算業務を大幅に効率化できます。
制度や法改正にも対応できる
度重なる法改正や煩雑な転記・入力などから、給与計算は早くからシステム化されてきました。2016年から利用が開始されたマイナンバー制度への対応でも、多くの企業が給与計算システムの刷新や新規導入を実施したようです。
個人番号の管理はガイドラインによって細かく規定されており、違反者には罰則金が科せられます。給与計算システムもマイナンバー制度の影響を受けることから、管理体制の整備一貫として多くの企業でシステムが見直されました。
出典:「マイナンバー社会保障・税番号制度 よくある質問(FAQ)」
給与計算システムの種類
給与計算システムは、大別して以下の3つのタイプがあります。
- ■給与計算専門のパッケージソフト
- 低価格で導入しやすい。保険料の天引きや年末調整など、給与関連専門業務が対象。
- ■人事・勤怠管理関連のサブシステム
- 既存の人事システムや勤怠管理システム、経費精算システムと連携したい場合におすすめ。
- ■ERP(統合基幹業務システム)のモジュール
- 同一パッケージを追加可能。
また提供形態で分類した場合は、クラウド型・オンプレミス型・パッケージ型があります。給与計算システムは、法令への対応や他システムと連携する必要性が高いことから、クラウド型の給与計算システムが注目されています。
クラウド型給与計算システムを選ぶ際のポイント
ここでは、クラウド型給与計算システムの導入にあたって重要視したいポイントをいくつか紹介します。
既存システムとの連携性
クラウド型給与計算システムは、勤怠システムなどと連携して活用することで業務効率が向上します。そのため、現在活用しているシステムと相互運用できるかどうかが大切です。
システムごとに違いがあるので、既存システムとの相性を事前に確認したうえで導入を検討しましょう。
サポート体制
自社内にクラウド型給与計算システムに関した知見を持っている人材がいない場合、サポート体制の充実さが重要視されます。サポート内容はもちろんのこと、受付可能時間なども確認しておきましょう。
提供企業ごとにサポート体制自体も異なるので、違いを比較することも忘れてはいけません。
システムそのものの使いやすさ
導入予定のクラウド型給与計算システムが、自社に導入して持て余してしまうものではないかを確認しておきましょう。基本的には大きな違いがないものの、システムごとの微妙な違いで使いにくさを感じることもあります。
給与計算を担当する従業員の理想や意見を尊重して選定・導入しましょう。
クラウド型給与計算システムのメリット
ここからはクラウド型給与計算システムのメリットや、クラウド型を選ぶべき理由について紹介します。
導入時の負荷軽減
クラウド型はハードウェアを調達する必要がなく、提供されるサービスを利用するだけなので、短期間・低コストに構築できます。テンプレートを用意し、よりスムーズな導入を支援しているサービスもあります。
法制度変更への確実な対応
給与に連動する所得税や年末調整は、税率の影響を受けます。税金関係は毎年税率が変わるため、制度変更への対応が頻繁に必要ですが、クラウド型はこの対応が自動化されています。またシステムのアップデートも自動で行われるため、常に最新の状態で利用できるのもメリットです。
高度なセキュリティ
給与計算システムで扱うデータは、個人情報を含む機密情報です。さらにマイナンバーが加わって、その取り扱いには高いレベルのセキュリティが求められます。
一般的にデータセンターから提供されるクラウドサービスは、これに対応する十分なセキュリティを提供しているのが特徴です。さらに二重三重のバックアップにより、BCP(事業継続計画)対策が施されたサービスもあります。そのため、自社のセキュリティポリシーに応じたものを選択すれば、安心安全に利用できるでしょう。
拠点間での運用に対応
複数拠点で給与計算システムを構築する場合、クラウド型であれば新たにネットワーク機器の購入が不要です。インターネットに接続できる環境さえあれば、全社共通のシステムを利用でき、頻繁な進出・撤退・統廃合にも対応できます。グローバルな企業に向けて、多言語多通貨対応のサービスもあります。
スマートデバイスとの相性
クラウド型は、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスからも簡単に利用でき、新たなネットワークを構築する必要もありません。また勤怠管理機能も含まれている場合、出勤や退社時刻をスマートデバイスから入力できます。また、パートやアルバイトの従業員が、自身の勤務時間や給与をスマートデバイスから確認することも可能です。
クラウド型給与計算システムのデメリット
ここからは、クラウド型給与計算システムを導入するうえで把握しておきたいデメリットについて紹介します。
セキュリティ面の不安
クラウド給与計算システムには、給与関係のデータが全社分入ります。そのため、万が一流出してしまうと大きな損害・信用問題につながるでしょう。
情報漏えいの危険がないシステムも当然ありますが、システムが強固なほど導入にコストがかかるのもデメリットです。
成果が出るまでに時間を要する
クラウド給与計算システムを導入する企業のほとんどは、導入後すぐに成果が上げられないことに頭を抱えるでしょう。新しいシステムの導入・浸透には時間がかかることを把握し、成果が出るまでの期間を多めに設けておく必要があります。
新しいシステムに敏感な従業員や、システムを浸透させるための人材を配置するのも対策としておすすめです。
人気のクラウド給与計算システム
それではここで、カテゴリー数・製品数業界最大級の当サイトがおすすめする、クラウド型給与計算システムを厳選し紹介します。製品は無料で資料請求できるので、比較のうえ自社にあうものを検討してください。
《ジョブカン給与計算》のPOINT
- かんたん勤怠連携・計測自動化で作業時間を大幅に削減!
- Web給与/賞与明細・源泉徴収票の自動交付!
- 年末調整もジョブカンで完結!計算後の帳票作成まで完備。
株式会社DONUTSが提供する「ジョブカン給与計算」は、さまざまな項目を自動計算しWEB明細の発行を効率化させる給与計算システムです。ITトレンド2021年上半期ランキング「給与計算システム」部門で1位を獲得しており、同社の勤怠や労務などのシリーズと連携が可能です。
対象規模 |
すべての規模に対応 |
価格 |
月額400円/1ユーザー ※無料プランあり |
機能 |
給与明細電子化機能、マイナンバー管理機能、スマホ対応 |
製品・サービスのPOINT
- とにかく使いやすい画面設計が好評です
- web明細にも対応。スマートフォンでも給与明細の確認が可能です
- テレワーク・在宅勤務も簡単に実現
株式会社マネーフォワード提供の「マネーフォワード クラウド給与」は、勤怠チェック・給与チェック・確定処理が簡単3ステップで行え、作業時間の大幅な短縮が実現できる給与計算ソフトです。たった5つの設定項目で初期設定も楽々。初心者でも扱いやすい画面設計が魅力です。
対象規模 |
すべての規模に対応 |
価格 |
従業員数30名以下の場合:基本料金+α 従業員数31名以上の場合:月額300円×利用人数 |
機能 |
給与明細電子化機能、マイナンバー管理機能(連携可)、スマホ対応 |
《給与奉行クラウド》のPOINT
- テレワークに対応
- 法令改正プログラムの自動アップデート
- 税理士、社労士等の専門家ライセンスが無償
鈴与シンワート株式会社が提供する「給与奉行クラウド」は、自動入力・自動計算機能で給与・賞与処理を効率化できるシステムです。年末調整計算や源泉徴収票等などの帳票作成、法改正のアップデートなども自動で行ってくれます。
対象規模 |
すべての規模に対応 |
価格 |
年間利用料:96,000円(月換算8,000円) 初期費用:50,000円 ※従業員50名まで、1ユーザーの場合 |
機能 |
給与明細電子化機能、マイナンバー管理機能 |
そのほかのクラウド型給与計算システムについては、以下の記事で価格や機能などに注目し比較紹介しています。
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クラウド型の給与計算システムは、法改正への迅速な対応ができ、モバイル対応しているものも多いためテレワークなどに導入しやすいなどのメリットがあります。カテゴリー数・製品数業界最大級のITトレンドでは、さまざまなクラウド型給与計算システムを取り扱っており、無料で資料請求ができます。さっそく資料を取り寄せ比較検討してみてはいかがでしょうか。