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給与計算で所得税はどうやって決まる?所得税の計算方法や基本を徹底解説

給与計算で所得税はどうやって決まる?所得税の計算方法や基本を徹底解説

企業は従業員に代わり、給料から所得税を源泉徴収して納付します。不手際があった場合、延滞税や無申告加算税などの追徴金が課せられるケースがあり、経理や労務の担当者はミスなく正確に所得税額を算出することが必要不可欠です。

この記事では、給与所得者における所得税の計算方法について、3ステップでわかりやすく解説します。また、源泉徴収の概要や計算方法、年末調整についても説明しています。関連製品の一括資料請求も可能なため、製品をじっくり検討したい方はぜひご利用ください。

この記事は2023年8月時点の情報に基づいて編集しています。
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所得税とは

所得税とは、年間に得た所得に対する税金のことです。所得税額を求めるには、年間に得た総収入から経費と所得控除を差し引きます。

経費は主にその収入を得るために要した費用のことであり、一例としては事務所の賃料や設備機器代、そして従業員の給与が挙げられるでしょう。しかし、一般的に企業に勤める給与所得者の場合は、具体的な金額ではなく、ある程度一律の「給与所得控除」という形で差し引くことが可能です。

また以下のように、所得にはさまざまな種類があります。

  • 給与所得、事業所得、利子所得、配当所得、不動産所得、一時所得、譲渡所得、雑所得、山林所得、退職所得

基本的には、これらの所得を合算し、所得控除を差し引いた金額に税率を掛け、そこから税額控除を差し引けば所得税額を求めることが可能です。

ITトレンドでは、給与計算機能はもちろんのこと、年末調整や所得税計算に対応した多機能な給与計算ソフトを多数取り扱っています。最新のおすすめ給与計算ソフトを以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

関連記事 給与計算ソフト比較16選!規模別おすすめやランキングを紹介

参考:No.2011 課税される所得と非課税所得|国税庁

所得税の計算方法

ここでは給与所得者における所得税額の計算方法を解説します。所得税額は、以下の計算式で算出します。

課税所得金額✕所得税率ー控除額=所得税額

さっそく以下の3ステップを踏まえて、所得税額を計算してみましょう。

  • 1.給与所得金額を算出
  • 2.課税所得金額を算出
  • 3.所得税額を算出

1.給与所得金額を算出

給与所得金額の計算式は、以下のとおりです。

給与収入額ー給与所得控除額ー非課税の手当=給与所得金額

1月から12月までの給与や賞与などの合計給与収入から、給与所得控除額を差し引きます。給与所得控除額は収入によって異なり、算出方法は以下の表のとおりです。

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
1,625,000円まで550,000円
1,625,001円から1,800,000円まで収入金額✕40%ー100,000円
1,800,001円から3,600,000円まで収入金額✕30%+80,000円
3,600,001円から6,600,000円まで収入金額✕20%+440,000円
6,600,001円から8,500,000円まで収入金額✕10%+1,100,000円
8,500,001円以上1,950,000円(上限)

なお以下のものは、非課税の手当となります。

  • ・通勤手当のうち、15万円以下のもの
  • ・宿直や日直の手当のうち1回あたり4,000円以下のもの
  • ・転勤や出張など旅費のうち、通常必要と認められるもの

そのほか、「傷病手当金」や「育児休業手当金」も所得税の課税対象外です。

参考:
No.1400 給与所得|国税庁
No.1410 給与所得控除|国税庁
No.2508 給与所得となるもの|国税庁

2.課税所得金額を算出

課税所得金額の計算式は、以下のとおりです。

給与所得金額ー所得控除額=課税所得金額

課税所得金額とは、「所得税の対象となる所得」という意味で、1.で求めた給与所得金額から、所得控除額を差し引きます。また、所得控除額には、すべての人に適用される「基礎控除」、16歳以上の子どもや両親などを扶養する場合に適用される「扶養控除」、健康保険料や厚生年金などの支払いがある場合に適用される「社会保険料控除」など、以下の15種類があります。

  • 雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、 小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、 地震保険料控除、寄附金控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除

このうち、災害などで被害を受けた場合の「雑損控除」、一定の金額以上の支払いがあった場合の「医療費控除」、ふるさと納税で寄付をした場合の「寄附金控除」は、企業の年末調整で対応していないため確定申告が必要となります。

参考:No.1100 所得控除のあらまし|国税庁

3.所得税額を算出

所得税額は、以下の計算式で算出します。

課税所得金額✕税率ー控除額=所得税額

2.で求めた課税所得金額に、以下の「所得税の速算表」を参照して税率を掛け、控除額を差し引きます。税率は、超過累進課税制度が採用されているため、課税所得金額によって以下のように異なります。

課税される所得金額税率控除額
1,000円から1,949,000円まで5%0円
1,950,000円から3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円から6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円から8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円から17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円から39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円以上45%4,796,000円

参考:No.2260 所得税の税率|国税庁

【場合によっては】税額控除額を差し引く

税額控除とは、所得税額から差し引ける控除のことを指します。税額控除額を差し引くと、実際の納税額が算出可能です。以下の表で、税額控除の主なものを一部紹介します。

税額控除の主なもの条件
配当控除総合課税の配当所得がある場合
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除住宅ローンを組んで、住宅の新築または増改築した場合
住宅耐震改修特別控除昭和56年5月31日以前に建築された居住用家屋で住宅耐震改修をした場合
寄附金特別控除政党、認定NPO法人、公益社団法人に一定の寄付金を支払った場合
外国税額控除所得の中に外国で生じた所得があり、外国での所得税相当の税が課税がされている場合

参考:No.1200 税額控除|国税庁

実際の計算例

合計収入が600万円の場合の、所得税を実際に算出してみましょう。

1.給与所得金額【給与収入額ー 給与所得控除額ー非課税の手当】
  • 【給与所得控除額】6,000,000円✕20%+440,000円=1,640,000円
  • 【給与所得金額】6,000,000円ー1,640,000円=4,360,000円
2.課税所得金額【給与所得金額ー所得控除額】
  • 【所得控除額】基礎控除額のみと仮定して480,000円
  • 【課税所得金額】4,360,000円ー480,000円=3,880,000円
3.所得税額【課税所得金額✕税率ー控除額】
  • 【税率】20%
  • 【控除額】427,500円
  • 【所得税額】3,880,000円✕20%ー427,500円=348,500円
    ※税額控除額はなしと仮定

参考:No.1199 基礎控除|国税庁

このように、条件によって所得税の金額が異なるため、手動での管理はミスが起きるリスクがあります。給与計算システムは複雑な計算をシステム上で行えるため、正確かつ効率的な給与業務が可能です。以下のボタンより、人気の給与計算システムの資料をまとめて請求できるので、ご利用ください

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復興特別所得税の計算方法

復興特別所得税とは、平成25年1月1日から令和19年12月31日まで源泉所得税を徴収する際に、あわせて徴収される税金です。第179回臨時国会において、東日本大震災からの復興に必要な財源を確保することを目的として「復興特別所得税」が創設されました。復興特別所得税の計算式は、以下のとおりです。

所得税額✕2.1%=復興特別所得税

参考:個人の方に係る復興特別所得税のあらまし|国税庁

給与計算における源泉徴収

年間の所得にかかる所得税に対し、月々の給与や賞与から前もって徴収し従業員の代わりに納税するのが源泉徴収税です。ここでは源泉徴収の概要やおおまかな計算方法、年末調整について解説します。

源泉徴収と所得税の違い

所得税と源泉徴収はそもそも概念が異なります。所得税が税金の一種であるのに対し、源泉徴収は給与から予定税額を差し引き、前もって納税することです。

源泉徴収を行うメリットとしては、間違いなく税金が納められるという点が挙げられます。通常は当人が年度中に得た所得を確定申告し、その後決まった税額を支払う形になりますが、源泉徴収であれば前納税になるため、ほぼ確実に納税が行われます。

源泉徴収で納めた税金はあくまでも年度中の仮計算によって行われるため、実際の税額と異なることも多いでしょう。その場合は年末調整や確定申告を行うことで、オーバーした分の税金の返還を受けられます。

源泉徴収額の計算方法

源泉徴収額の計算は、「源泉徴収税額表」を参照して行います。まずは当人の給与から社会保険(健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料、雇用保険料)などの控除を差し引き、源泉徴収の元となる額を算出します。それに加え、源泉徴収額の計算には当人の扶養人数も必要になるため、あらかじめ確認しておきましょう。

源泉徴収のもとになる給与額と扶養人数がわかれば、あとは源泉徴収税額表を参照するだけで源泉徴収額を割り出せます。なお、源泉徴収税額表には月額・日額・賞与の3種類が設けられています。給与が月ごとに支払われている場合は月額表を、日払いや週払いの場合は日額表を用いるのが一般的です。そして、ボーナスに対する計算を行う場合は「賞与に対する源泉徴収額の算出率の表」を活用しましょう。

なお、以下に該当する場合は源泉徴収が不要です。

  • ・支給する給与が8万8,000円未満
  • ・支払先が法人
  • ・報酬と区別された消費税
  • ・企業が国に支払うべきもの(弁護士の委託費用など)

参考:
給与所得の源泉徴収税額表(令和5年分)|国税庁
賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和5年分)|国税庁

年末調整で所得税を最終確認

源泉徴収で先取りされた税金は年度の途中で計算されるため、必ずしも最終的な額と合致しているとは限りません。超過している場合は還付し、不足している分は追加で納税する必要があります。

そのための制度として、年末調整が設けられています。年の終わりに年末調整を行えば、12月に支給する給与に超過分の税額を加えて支払いが可能です。もちろん、不足している場合は追加で徴税する形になるでしょう。

給与計算と所得税を理解してミスなく行おう

給与計算はミスが生じると延滞税や無申告加算税などのペナルティが課せられるため、所得税の計算方法や概要を正しく理解することが求められます。従業員によって、税率や控除内容も異なり複雑な計算を要するため、手動計算をするとミスの原因にもなり得るでしょう。

給与計算システムは、毎月の給与を自動計算できるほか、年末調整や所得税の算出にも役立ちます。また所得税率や社会保険料率の変更など、法令改正があった場合にも自動的にアップデートされるため、正確な税率が随時反映されています。業務の正確性、効率化のためにさっそく資料を取り寄せ、自社に合う製品の比較をしてみてはいかがでしょうか。

松崎 啓介
松崎 啓介さんのコメント

簡単な給与所得者の所得税額の計算については、確定申告書作成ソフトを使えば、最低限の項目を入力するだけで、自動的に納付すべき税額まで計算してくれますが、計算の構造を知ったうえで利用しなければ、控除すべき所得控除が引かれていない場合もあります。基本的な計算方法については、押さえておきましょう。

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