
IP-PBXの構築手法は?
IP-PBXを構築する方法を2つ紹介します。
1.自前で開発する
IP-PBXはIPネットワーク上に設置されるサーバです。メールサーバやWebサーバと同じような存在と言えます。従来のPBXと違い、電話回線上に設置するものではありません。したがって、IP-PBX環境を自前で用意しようと思ったら、まずはそのサーバを用意しなければなりません。
そして、そのためのオープンソースソフトウェアが存在します。オープンソースソフトウェアとは、ソースコードが公開されており、そのコードを改変して利用・配布することが認められているソフトウェアのことです。つまり、誰でも無料で利用できます。
IP-PBX開発用のオープンソースソフトウェアを使えば、基本的に無料でIP-PBXを構築可能です。ただし、使いこなすにはかなり高度な知識が求められます。専門知識がないのであれば、後述するもう1つの方法を採用しましょう。
2.構築サービスを利用する
構築サービスを利用すれば、IP-PBX環境を構築してもらえます。費用はかかりますが、自力で構築するより確実で安心です。ベンダーによってサービス内容の詳細は異なりますが、具体的には以下のようなことが実現します。
- ■レガシーPBX機能を維持しつつAPI連携やスマホ内線化を実現
- ■フルIP化だけでなく、段階的なIP化も可能
- ■異なる拠点間での通信も容易
- ■通話だけでなく転送や履歴管理、録音など幅広い機能を実現
IP-PBXを構築する目的は、自社の電話環境を改善して業務を円滑化することです。そのため、業務の効率化を支援するさまざまなサービスが提供されている構築サービスは、IP-PBXを構築する際の有力な選択肢と言えます。
自社がどのような電話環境を作りたいのかをよく考え、それを叶えてくれる構築サービスを選定しましょう。
IP-PBXの構築事例は?
前述したように構築サービスを使えばスムーズにIP-PBXを構築できます。しかし、費用が高いため自前で構築したケースも少なくありません。そこで、オープンソースソフトウェアでIP-PBXを構築した事例を2つ紹介します。
ある市の役場ではIP-PBXの構築をベンダー依頼しようとしたところ、見積もりで2億円かかると言われました。そこで、プログラミングの知識を持つ職員が自前での開発を提案。段階的に導入し、最終的には約500端末に適用しました。かかった費用は1,000万円以下で、IP化により削減できた通話料金は年間400万円に及んだと言います。
ある映画興行会社は、本社と各映画館を繋ぐ内線電話網を構築しました。こちらも、一部の内線網を独自に構築するところから始め、コストを削減できることを確認してから本格的な導入に乗り出しました。結果として、数百万円程度で全拠点の内線網IP化が実現したと言います。
IP-PBXを構築し、柔軟な運用を実現しましょう!
IP-PBXを構築する方法には以下の2種類があります。
- 1.自前で開発する
- 2.構築サービスを利用する
構築サービスを利用したほうが確実なうえ、業務を効率化できる多くの機能を利用できます。ただし、自前で開発したほうが大幅にコストが安く済みます。自社にIT技術を持つ人材がいれば、視野に入れても良いかもしれません。
以上を踏まえ、自社に合った方法でIP-PBXを構築しましょう。
