ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■AI活用領域別
- 注文書の読み取り(AI-OCR):スマレジEC・B2B
- 受注データの要約・分析:キントーン
- AIを用いた機能の拡張開発:CBP
- ■利用する立場別
- 受注側(卸売業・メーカー):スマレジEC・B2B、COREC
- 発注側(小売業・飲食業):COREC、ラクミー飲食店管理クラウド
受発注システムのAIが担える作業
受発注業務でAIが役立つのは、大量の書類やデータを扱う定型的な作業です。代表的な活用領域は、注文書のデータ化、発注量の提案、入力内容のチェックの3つです。それぞれの仕組みと期待できる効果を見ていきましょう。
FAXやPDFの注文書をデータ化する
AI-OCRを使うと、FAXやPDFで届いた注文書から品名や数量、納期を読み取り、受注データとして取り込めます。AI-OCRとは、AIの学習によって手書き文字や多様な帳票の読み取りに対応しやすくしたOCR(文字認識)技術です。
取引先ごとに注文書の書式が違っても、項目の位置を学習させたり、読み取り範囲を設定したりして対応できる製品があります。手入力の時間を減らせるうえ、転記の際に起こる入力ミスの削減も期待できます。
過去の実績から発注量を提案する
需要予測の機能は、過去の販売実績や季節、曜日、天候といったデータをもとに、次に発注すべき数量を提案するものです。発注担当者の経験に頼っていた判断を、データにもとづいて補助できます。
欠品や過剰在庫を減らすきっかけになるほか、担当者が替わっても判断の基準を引き継ぎやすくなる点も利点です。ただし、提案はあくまで目安であり、販促の予定や取引先の事情など、データに表れない情報を加味して最終判断する必要があります。
入力ミスや普段と違う注文を検知する
過去の注文傾向と比べて、数量や単価が極端に違う注文を検知し、担当者に確認を促す機能もあります。例えば、普段10個単位の注文が1,000個で入力された場合に、桁の誤りの可能性を知らせる使い方です。
受発注のミスは、誤出荷や過剰な仕入れにつながるおそれがあります。こうしたチェックを人の目だけで行うと見落としが生じる場合があるため、AIによる検知を確認作業の補助として組み込むと、確認漏れを減らしやすくなります。
受注側と発注側で異なる受発注システムのAI活用
受発注システムは、注文を受ける側と出す側の両方で使われます。立場によって負担の大きい作業が異なるため、AIに期待する役割も変わります。自社がどちらの立場で使うのかを整理してから、必要なAI機能を見極めましょう。
受注側:注文の取り込みと内容確認
卸売業やメーカーなど注文を受ける側では、多数の取引先から届く注文の取り込みに手間がかかります。FAXやメール、Web発注が混在している場合は、AI-OCRによるデータ化と、取引先名や商品名の表記揺れの自動照合が役立ちます。
読み取った内容は、確認画面で原本と見比べながら修正できる仕組みがあると安心です。取り込み後に在庫引当や出荷指示まで連動できるかによって、削減できる作業の範囲が変わります。
発注側:補充数とタイミングの判断
小売業や飲食業など注文を出す側では、何をいつ、どれだけ発注するかの判断に時間がかかります。需要予測による発注量の提案は、こうした判断を補助する機能として活用されています。
店舗や拠点が多い企業では、各拠点の担当者の判断を平準化する目的で使われる場合もあります。予測の対象となる商品の種類や、提案を採用したか修正したかの記録を残せるかも確認すると、予測の改善に役立ちます。
受発注システムのAIの限界と注意点
AIは受発注業務の負担を減らす手段ですが、導入すればすぐに作業がなくなるわけではありません。読み取り精度や予測の当たり外れ、データの扱いについて、導入前に限界を理解しておくことが重要です。
読み取り精度は帳票と運用に左右される
AI-OCRの読み取り精度は、注文書の書式や手書きの有無、FAXの画質といった条件によって変わります。かすれた文字や罫線にかかった文字は、誤って読み取られる場合があります。
そのため、読み取り結果を人が確認し、修正する工程は残しておく必要があります。誤読が起きたときに修正履歴が残るか、修正内容が次回以降の読み取りに反映されるかによって、運用の負担は変わります。精度の数値だけで判断せず、確認の手間も含めて評価しましょう。
需要予測は学習データの量と質に依存する
需要予測の精度は、学習に使う過去データの量や期間、正確さに左右されます。新商品や取扱いを始めたばかりの商品は実績データが少なく、予測の根拠が限られます。
また、過去のデータに欠品期間や入力漏れが含まれていると、実際の需要より少なく予測される場合があります。導入前に販売実績や発注履歴のデータを整理し、何年分のデータがそろっているかを確認しておきましょう。
取引先情報や社内データの扱いに注意する
受発注データには、取引先の担当者名や連絡先、取引条件など、外部に出すべきでない情報が含まれます。AI機能がクラウド上で処理される場合は、データの保存場所や保存期間を確認する必要があります。
あわせて、入力したデータがAIの学習に使われるかどうか、使われる場合に自社で停止できるかも確認したいポイントです。生成AIを使った機能では、社内ルールにもとづく利用範囲の取り決めも必要です。判断に迷う場合は情報システム部門に相談しましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で受発注システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
AI搭載の受発注システムを比較する見極め方
AI機能の有無だけで製品を選ぶと、導入後に期待した効果が得られない場合があります。自社の帳票やデータで効果を確かめること、人の確認の流れ、既存システムとのつながりの3点から比較しましょう。
自社の注文書で読み取りを試す
AI-OCRの読み取り性能は、製品のカタログ上の説明だけでは判断しにくいものです。可能であれば、無料トライアルやデモの場で、実際に取引先から届いている注文書を使って読み取りを試しましょう。
その際は、手書きの注文書や画質の悪いFAXなど、読み取りにくい帳票も含めて確認するのがポイントです。読み取れなかった項目をどう修正するか、修正後にどの程度の時間で受注登録まで終えられるかも、あわせて確認しておくと比較に役立ちます。
人の確認と修正の流れを確かめる
AIの結果を人が確認する前提で使う以上、確認画面の使い勝手は重要な比較項目です。原本の画像と読み取り結果を並べて表示できるか、確認が必要な箇所を色分けなどで示せるかを確認しましょう。
また、誰がいつ修正したかの履歴を残せるかどうかも大切です。処理が途中で止まった注文を一覧で確認できるか、再処理できるかといった、エラー時の対応も比較しておくと、運用開始後の混乱を防げます。
販売管理や会計システムとの連携を確認する
AIで取り込んだ受注データが、そのまま販売管理システムや会計ソフトに連携できるかによって、業務全体の効率は変わります。連携できない場合は、データの転記作業が残ります。
連携方法には、API連携やCSVファイルの取り込みなどがあります。連携先の製品名や対応している項目、データが反映されるタイミングを提供会社に確認しましょう。既存システムの改修が必要かどうかも、費用に影響するため事前に把握しておくと安心です。
AI搭載の受発注システムのAIを運用するコツ|段階的に進める
AI機能は、最初から全取引先・全商品に適用するより、範囲を絞って始めるほうが効果を確かめやすくなります。効果の測り方と対象範囲を決めてから、少しずつ広げていく進め方を紹介します。
効果を測る指標を決める
導入前に、AIによって何を改善したいのかを数値で測れる形にしておきます。例えば、注文1件あたりの入力時間、入力ミスによる訂正件数、欠品の発生回数などが指標の候補です。
導入前の数値を記録しておけば、導入後に効果があったかどうかを客観的に判断できます。効果が出ない場合も、読み取りの問題なのか、運用の問題なのかを切り分けやすくなります。指標は現場の担当者と相談して、無理なく記録できるものを選びましょう。
対象の取引先や商品を絞って始める
最初は、注文件数が多く書式が安定している取引先や、販売実績が十分にある商品に絞って導入するのがおすすめです。効果が見えやすく、読み取りや予測の課題も把握しやすくなります。
試験運用で見つかった課題をもとに、読み取り設定や確認手順を見直してから、対象を広げていきます。段階的に進めることで、現場の担当者もAIの結果を確認する作業に慣れる時間を確保できます。
AI機能搭載の受発注システム一覧
この記事で紹介する受発注システムのうち、製品ページでAI機能を確認できる製品を一覧にまとめました。AIが担う範囲や機能の違いを比較してください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| スマレジEC・B2B | FAXや電話の注文をWeb受注に切り替えるBtoB受発注システム。一部残るFAX注文はAI-OCRで取り込める |
| キントーン | ノーコードで受発注管理アプリを作れる。kintone AIで受注データや取引履歴を要約・分析できる |
| CBP | 受発注から入金確認までの企業間取引を一元管理するSaaS。AIを用いた拡張開発で帳票・画面などを個別に追加できる |
AI機能搭載の受発注システムの紹介
ここでは、AI機能を備えた受発注システムを紹介します。AIが担う範囲と、対応する業務や機能を確認し、自社の課題にあう製品を選びましょう。
スマレジEC・B2B
- 買い手企業数250,000社突破!中堅・大手企業様の導入多数!
- WEB受注で業務の効率化を図って、ECによる売上向上を実現!
- 基幹・販売管理システムなど外部ソリューションとの連携が充実!
株式会社スマレジが提供する「スマレジEC・B2B」は、FAXや電話による注文をWebに切り替える法人向けのBtoB受発注システムです。取引先ごとの個別価格設定や、発注履歴・注文ステータスの可視化に対応しています。Web受注への移行後も一部にFAX注文が残る場合は、AI-OCRで自動取り込みが可能です。公開APIやCSVでのデータ出力にも対応しているため、受注データを基幹システムへ渡す流れも検討できます。
キントーン
- 受発注管理業務にフィットするアプリをシュシュッとつくれる
- Webフォーム連携でワンストップで発注できる
- 請求書発行もワンクリックで効率化
サイボウズ株式会社が提供する「キントーン」は、ノーコードで業務アプリを作れる業務改善プラットフォームです。案件名や担当者、対応ステータスなど、自社の受発注業務にあわせた項目で管理アプリを作成可能です。kintone AIを使うと、蓄積した受注データや取引履歴をAIが要約・分析し、注文の多い商品や取引先ごとの傾向を把握できます。なお、kintone AIの利用対象は、お試し中またはスタンダードコース以上の契約です。
CBP
- 取引先と同じ取引データを共有し、認識齟齬・突合・手戻りを削減
- 柔軟な個別仕様対応が可能、ERP側のクリーンコアに貢献
- 電帳法・インボイス制度対応、ISMS認証取得で安心
株式会社テクノスジャパンが提供する「CBP」は、受発注から入金確認までの企業間取引を一気通貫で管理するSaaS型のプラットフォームです。メールやFAX、各種EDIなど取引先ごとに異なる受発注手段を統一し、ERPとの連携にも対応します。AIを用いた拡張開発により、帳票・画面の追加や承認フローの変更などを自社の商習慣にあわせて開発できる点が特徴です。売上分析のダッシュボード作成にもAIを活用できます。
AI機能以外の目的で選ぶ受発注システム
AI機能以外の観点で受発注システムを選びたい場合に検討できる製品を紹介します。製品ページにAI機能の記載がないため、AIの有無は資料で確認してください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| COREC | BtoBの受発注をWebで完結させるシステム。受注用と発注用に分かれ、どちらか一方だけを導入できる |
| ラクミー飲食店管理クラウド | 飲食店の発注・仕入・棚卸業務をアプリで完結。POSや勤怠と連携し、日次で予実を管理できる |
COREC (株式会社ラクーンコマース)
- 受注情報を複数人でリアルタイムに共有!スマホ通知もOK!
- 取引先ごとのクローズドな受注ページを作成可能!
- スマホからFAX・メール送信可能!取引先ごとのニーズに対応!
ラクミー飲食店管理クラウド (株式会社ラクミー)
- 30種以上の管理ツールと連携可能
- 目標利益から逆算した日次計画作成でPDCAを迅速化
- ブロックパズル形式で直感的にお金の流れを把握
まとめ
受発注システムのAIは、注文書のデータ化や発注量の提案、入力ミスの検知などで、担当者の作業を補助する機能です。一方で、読み取り精度や予測は帳票や学習データに左右されるため、人による確認を前提に運用する必要があります。自社の注文書で試せるか、確認画面や既存システムとの連携はどうかを比較し、範囲を絞って導入を始めましょう。AI機能を備えた受発注システムを比較するために、まずは資料請求してみてください。

