ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■構築の方式別
- 提供元が接続基盤を運用するクラウド型:RemoteOperator Helpdesk、moconavi RDS、Splashtop、RemoteView
- オンプレミスでの構築にも対応:ISLOnline、RemoteView
- VPN・ZTNAで社内ネットワークに接続:FLESPEEQ Web Access、株式会社USEN ICT SolutionsのビジネスVPN、IIJフレックスモビリティサービス/ZTNA
- 仮想デスクトップ(DaaS)を利用:AQStage仮想デスクトップ
- ■接続先・利用目的別
- 社員ごとの社内PCを遠隔操作:AnyClutch Remote(リモートアクセスサービス)、moconavi RDS、Splashtop、RemoteView
- 従業員PCのサポート・サーバー保守:RemoteOperator Helpdesk
- サーバー・データベースへのアクセス管理:Teleport
リモートアクセス環境を構築する3つの方式
社外から社内の業務環境に接続する仕組みは、大きくVPN、仮想デスクトップ、リモートアクセスツールの3つの方式に分けられます。構築にかかる作業や費用、データの残り方が異なるため、まず違いを整理しておきましょう。
VPNを自社で構築する方式
VPNとは、インターネット上に暗号化された通信の経路をつくり、社外の端末を社内のネットワークにつなぐ仕組みです。社内にVPN装置を設置し、社外の端末には接続用のソフトを入れて使います。接続後は、社内のファイルサーバーや業務システムに直接アクセスできます。
一方で、社外の端末に社内のデータを保存できるため、端末の紛失時の対策が必要です。VPN装置の設定や脆弱性への対応も自社で担います。利用者が増えると、装置の性能や回線の帯域が足りなくなる場合もあります。
仮想デスクトップを構築する方式
仮想デスクトップとは、サーバーの中に利用者ごとのパソコン環境をつくり、その画面を社外の端末に転送して使う仕組みです。VDIとも呼ばれます。データはサーバー側に残り、端末側には画面だけが表示されます。
端末にデータが残りにくい点が特徴ですが、サーバーや仮想化のソフト、ライセンスの準備が必要で、構築には専門の知識と期間がかかります。クラウド上の仮想デスクトップのサービスを使えば、サーバーの構築を省ける場合もあります。
リモートアクセスツールを利用する方式
リモートアクセスツールは、社内に置いたパソコンの画面を社外の端末に転送し、遠隔で操作する仕組みです。クラウド型の製品では、提供元が運用する中継サーバーを経由して接続するため、社内に新たなサーバーを構築せずに始められます。
普段使っている社内のパソコンをそのまま操作できるため、業務の手順を大きく変えずに済みます。一方で、接続先のパソコンを起動しておく必要があり、社員の人数分の接続先が必要です。方式ごとの特徴を比べ、業務にあう方式を選びましょう。
リモートアクセス構築の前に決める要件
リモートアクセスツールは短期間で導入できるぶん、要件を決めないまま始めてしまうことがあります。後から利用ルールや設定を作り直さずに済むよう、構築の前に利用者、接続先、セキュリティ方針の3点を決めておきましょう。
誰がどの業務で使うか
最初に、リモートアクセスを使う部署と人数、使う業務を洗い出します。在宅勤務で日常の事務作業を行う社員と、休日に社内のサーバーを保守する情報システム部門の担当者では、必要な機能も接続する時間帯も異なります。
あわせて、接続元に使う端末の種類も確認します。会社が貸与したパソコンだけか、スマートフォンや私物の端末も使うのかによって、選ぶべき製品や設定が変わります。利用者の一覧と用途を表にまとめ、製品の比較にも活用しましょう。
接続先は社員ごとのPCか共用のサーバーか
接続先が社員一人ひとりの社内パソコンなのか、業務システムが動く共用のサーバーなのかを整理します。社員ごとのパソコンに接続する場合は、台数分のエージェントの導入と、各パソコンを起動しておく運用が必要です。
共用のサーバーに接続する場合は、複数の担当者が同じサーバーに入るため、誰がいつ操作したかを記録する仕組みが求められます。接続先の種類によって必要なライセンスの数え方が変わる製品もあるため、提供元に確認しておきましょう。
セキュリティ方針と社内規程の確認
社外から社内のパソコンを操作できる仕組みは、使い方を誤ると情報漏えいの経路になるおそれがあります。社内の情報セキュリティ規程に、社外からの接続やテレワークに関する定めがあるかを確認しましょう。
規程がない場合は、総務省の「テレワークセキュリティガイドライン(第5版)」などを参考に、認証の方法や端末の条件、ファイル転送の可否を決めます。経営層や情報システム部門、利用部門で合意してから構築に進むと、展開後の方針変更を防ぎやすくなります。
リモートアクセスツールの構築を進める手順
要件が決まったら、リモートアクセスツールの構築に進みます。いきなり全社に広げず、小さな範囲で試してから段階的に展開する進め方が安全です。ここでは3つの手順に分けて解説します。
手順1:認証と接続の権限を設計する
次に、誰がどの接続先に接続してよいかを決め、管理画面で権限を設定します。社員は自分のパソコンだけ、情報システム部門は保守対象のサーバーにも接続できる、といった形で範囲を分けます。
ログイン時の多要素認証を有効にし、社内で使っているID管理の仕組みと連携できる場合は連携を検討します。退職や異動の際に権限を外す手順も、この段階で決めておきましょう。権限の一覧は、管理者が複数人で確認できる場所に保管します。
手順2:小さな範囲で試行する
最初に、試用版などを使い、一つの部署の数人で試行します。社内のネットワークから中継サーバーへの通信が許可されているか、自宅や外出先から接続したときの画面表示や操作の速さに問題がないかを確認します。
試行では、印刷やファイル転送、複数画面の利用など、実際の業務で使う機能をひととおり試しましょう。試行した社員から使いにくい点を聞き取っておくと、全社展開の前に設定や利用ルールを調整できます。
手順3:利用ルールと問い合わせ窓口を整える
全社に展開する前に、利用できる時間帯や場所、私物端末の扱い、接続中に席を離れる際の注意といった利用ルールを文書にまとめます。接続の手順書もあわせて用意し、社員が自分で接続できるようにします。
展開の直後は「つながらない」「画面が遅い」といった問い合わせが寄せられる可能性があるでしょう。問い合わせの窓口と対応の担当を決め、よくある質問をまとめて共有しておくと、特定の担当者に負担が集中するのを防げます。問題がないことを確認したうえで、部署ごとに段階的に展開します。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でリモートアクセスツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
中継サーバーを社内に置く場合の追加作業
リモートアクセスツールの中には、提供元の中継サーバーを使わず、自社の設備に中継サーバーを構築できる製品があります。通信の経路を自社で管理したい場合の選択肢ですが、クラウド型にはない作業が加わります。
中継サーバーの設置とネットワーク設定
中継サーバーを社内に置く場合は、サーバー機器や仮想環境を用意し、中継用のソフトを導入します。社外の端末が中継サーバーに接続できるよう、ファイアウォールで通信を許可し、外部に公開する範囲を最小限に絞る設定が必要です。
中継サーバーが止まると社外から接続できなくなるため、2台構成にするかどうかも検討しましょう。ネットワークの設定はセキュリティに直結するため、情報システム部門や構築を担う事業者と相談して進めることが大切です。
サーバーの保守と脆弱性への対応
社内に置いた中継サーバーは、OSやソフトの更新、証明書の期限の管理を自社で行います。外部に公開されたサーバーは攻撃の対象になりやすいため、提供元から脆弱性の情報が公開された場合は、速やかに修正プログラムを適用できる体制が必要です。
保守を担う担当者を複数人決め、作業手順を文書に残しておきましょう。社内で対応が難しい場合は、クラウド型を選ぶか、保守を外部に委託する費用もあわせて比べると判断しやすくなります。
リモートアクセス環境の構築後の運用
リモートアクセス環境は、構築して終わりではありません。利用状況や脅威の変化にあわせて設定を見直すことで、安全に使い続けられます。構築後に続けたい運用を3つ紹介します。
接続ログの定期確認
管理画面の接続ログを定期的に確認し、深夜や休日など想定外の時間帯の接続や、普段と異なる場所からの接続がないかを見ます。不審な接続を見つけた場合に、誰に報告し、どう対応するかを決めておきましょう。
確認を一人の担当者に任せると、不在時に確認が止まるおそれがあります。複数人で分担し、確認した日と結果を記録しておくと、運用を引き継ぎやすくなります。
利用者と接続先の棚卸し
退職者や異動者のアカウント、使われなくなったパソコンの登録が残っていると、不要な接続経路が残り、ライセンスも消費し続けます。半年に一度など時期を決めて、利用者と接続先の一覧を人事の情報と照らしあわせましょう。
最終接続日を確認できる製品なら、長期間使われていない端末を見つけやすくなります。棚卸しの結果をもとにライセンスの数を見直すと、費用の無駄も抑えられます。
利用者の声をもとにした構成の見直し
利用者から、画面の表示が遅い、使いたい機能が制限されているといった声が寄せられることがあります。回線の状況や接続先パソコンの性能、設定の制限など、原因は複数考えられるため、状況を聞き取ってから対応を決めます。
業務の変化で、接続先を共用のサーバーに広げたい、スマートフォンからも使いたいといった要望が出る場合もあります。要望とセキュリティ方針を照らしあわせ、設定や構成を定期的に見直しましょう。
構築方式で比べるリモートアクセス製品の一覧
この記事で紹介するリモートアクセス製品を、構築方式や接続先の違いで比較しました。画面転送型のツールに加え、VPN・ZTNAや仮想デスクトップも含めて、自社に適した方式を検討してください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| FLESPEEQ Web Access | ゲートウェイとクライアントソフトを提供。リモートアクセスや拠点間接続に対応し、運用サービスも利用できる |
| 株式会社USEN ICT SolutionsのビジネスVPN | 複数メーカーの機器からVPN環境を提案。導入から運用・監視まで任せられるマネージド型も選べる |
| RemoteOperator Helpdesk | 従業員PCのサポートとサーバーの遠隔保守に対応。有人・無人アクセスを使い分けられる |
| IIJフレックスモビリティサービス/ZTNA | 端末のエージェントがアクセスを制御。セキュリティ状態の確認やVPNの強制接続に対応 |
| AQStage仮想デスクトップ | 国内データセンターで提供するプライベート型DaaS。インフラからOSまでの運用管理を任せられる |
| RemoteView | 社内PCを遠隔操作する画面転送型。クラウドのほかオンプレミスやアプライアンスにも対応 |
| AnyClutch Remote(リモートアクセスサービス) | 既存ネットワークを変更せずに社内PCを遠隔操作。ワンタイムパスワード認証にも対応 |
| ISLOnline | オンプレミスとクラウドの両方に対応。ワンタイム接続や常駐接続、Web会議に利用できる |
| moconavi RDS | サーバー構築不要のクラウド型リモートデスクトップ。アプリの導入で社内PCを遠隔操作できる |
| Splashtop | 専用アプリを導入して利用するクラウド型リモートデスクトップ。シングルサインオンに対応 |
| Teleport | SSH・Kubernetes・データベースなどへのアクセスを統合管理。多要素認証や監査ログに対応 |
社外からの接続環境づくりに使える製品・サービス
クラウド型のリモートアクセスツールを中心に、VPNや仮想デスクトップなどの製品・サービスも紹介します。接続先や構築方式、運用体制にあわせて比較してみてください。
FLESPEEQ Web Access
- 拠点間、リモートアクセス、クラウドなど様々な接続構成に対応!
- 1人情シスや情シスがいない企業様でも安心な手厚い運用サービス
- まずはお試し!無料トライアルが可能
日本通信ネットワーク株式会社が提供する「FLESPEEQ Web Access」は、ゲートウェイとクライアントソフトをワンパッケージで提供するリモートアクセスサービスです。テレワークや外出先からの接続に加え、本社・支社・データセンター・クラウド間の接続にも対応しています。ゲートウェイ機器の管理や初期設定、設定変更などを含む運用サービスを利用できるため、社内でネットワーク機器を管理する負担を抑えられます。リモートアクセス環境の構築と運用をまとめて任せたい企業に適しています。
株式会社USEN ICT SolutionsのビジネスVPN
- 様々な機器を利用したリモートVPN環境をご提供
- 様々な通信方式(PPTP/ L2TP over IPsec/IPsec/SSL/証明書認証)
- 運用管理をお任せできるマネージド型がおすすめ
株式会社 USEN ICT Solutionsが提供する「株式会社USEN ICT SolutionsのビジネスVPN」は、利用規模や予算にあわせて複数メーカーの機器からリモートVPN環境を提案するサービスです。IPsecやSSL、証明書認証など複数の通信方式に対応し、新規構築だけでなく既存環境のリプレイスも支援します。導入前のコンサルティングから初期設定、運用・監視・障害対応まで依頼可能です。運用管理を任せられるマネージド型もあり、VPN環境の構築・保守を外部に委託したい企業が検討できます。
RemoteOperator Helpdesk
- 従業員やお客様のPCトラブルをリモートサポート
- 自宅や外出先から社内システムやサーバーをメンテナンス
- システム導入先の緊急トラブルをリモートコントロールで迅速対応
株式会社インターコムが提供する「RemoteOperator Helpdesk」は、従業員のPCサポートや社内サーバーの保守に利用できるクラウド型のリモートアクセスツールです。利用者の端末にその都度接続する有人アクセスと、常時接続できる無人アクセスの両方に対応。在宅勤務中の社員への操作支援や、オフィスのサーバーの遠隔メンテナンスなど、用途に応じて使い分けられます。従業員のPCサポートとシステム保守を一つのツールで行いたい企業に適しています。
IIJフレックスモビリティサービス/ZTNA
- 独自のエラー補正技術で、快適なリモートアクセス!
- 強制VPN接続で、インターネットへの直接接続をストップ!
- ウイルス感染したリモートアクセス端末の通信を自動ストップ!
株式会社インターネットイニシアティブが提供する「IIJフレックスモビリティサービス/ZTNA」は、ゼロトラストの考え方にもとづくクラウド型のリモートアクセスサービスです。端末に導入したエージェントがセキュリティ状態などを判断し、アクセスを制御します。セキュリティ対策済みの端末に限って接続を許可したり、VPN接続を強制したりする機能を備えています。また、独自の通信安定化技術によって、移動中など通信環境が変わる場面でも接続を維持しやすい点が特徴です。端末の状態に応じたアクセス制御を導入したい企業に向いています。
AQStage仮想デスクトップ
- インフラ~OSを一括管理し日常運用を削減
- 顧客専用サーバーと閉域網接続で高セキュリティ
- 場所・端末を選ばず二要素認証で安全にリモート接続
NTT西日本株式会社が提供する「AQStage仮想デスクトップ」は、国内データセンターで提供されるプライベート型のDaaSです。データセンター上のデスクトップ環境を、PCやタブレット、スマートフォンからインターネットまたは閉域網経由で利用できます。画面転送方式により端末側へのデータ保存を抑えられ、二要素認証はオプションで追加可能です。インフラからOSまでフルマネージドで提供されるため、自社で仮想デスクトップ基盤を構築・運用する負担を減らしたい企業に適しています。
RemoteView
- 即日導入!インストール不要でブラウザからすぐにリモート接続
- 安心&使いやすい!強固なセキュリティと管理者による一元管理
- 1台から契約可能、スモールスタートに最適なお手軽な価格設定
RSUPPORT株式会社が提供する「RemoteView」は、自宅や外出先から会社のPCを遠隔操作できる企業向けリモートアクセスツールです。クラウド型のほか、オンプレミスやアプライアンスなど複数の提供形態に対応しています。Webブラウザや専用ビューア、スマートフォンから接続でき、利用者や端末をグループ単位で管理可能です。操作ログや接続履歴の記録、IP・MACアドレスによる接続制限などの管理機能も備えています。別途RemoteWOLを導入すれば、遠隔地のPCやサーバーの電源管理にも対応します。
AnyClutch Remote(リモートアクセスサービス) (株式会社エアー)
- 少人数から導入可能!会社のPCをいつ・どこからでも遠隔操作
- 操作側とアクセスされるPCで別のID・パスワードを使う2段階認証
- 遠隔操作側はデータの保存をしないので紛失・盗難時も安全
ISLOnline (株式会社オーシャンブリッジ)
- 年間稼働率99.9922%の安定性
- 全世界で300,000社、国内2,000社以上の導入実績
- すべてのセッションを暗号化(256bit-AES)
moconavi RDS (株式会社レコモット)
- アプリを入れるだけの簡単導入、低コストでテレワーク環境を実現
- サーバー不要のクラウド型で堅牢なセキュリティ
- リアルタイムに高速描写する最新技術を採用
Splashtop (スプラッシュトップ株式会社)
- 簡単な手順ですぐにリモートワークを始めることができる!
- 無料お試しも可能!年額15,000円からのリーズナブルな料金プラン
- シングルサインオンでパスワード不要で安全にログインできる!
Teleport (GRAVITATIONAL,INC.)
- SSH、K8s、DB、Webアプリのアクセス統合管理
- MFAとRBACによるアクセス制御を実装
- 全セッション記録と監査ログ生成
まとめ
リモートアクセスツールを使った環境の構築は、VPNや仮想デスクトップより少ない作業で始められる一方、利用者や接続先、セキュリティ方針を先に決めておくことが欠かせません。小さな範囲での試行、権限と認証の設計、利用ルールの整備の順に進め、構築後もログ確認や棚卸しを続けましょう。構築の方式や接続先に対応した製品を比べたい方は、リモートアクセスツールの資料請求を活用してください。

