経理の仕事!帳簿の意味・作成を効率化する方法を詳しく解説!
経理では帳簿をつけて日々の取引や財務状況を管理しなければなりません。しかし帳簿の意味や役割、適切な管理方法が分からないために業務が捗らないといったことはありませんか。帳簿は税法とも関係しているので、正しい知識を身につけることが求められます。そこでこの記事では経理業務と深い関わりがある帳簿について詳しく解説します。
帳簿の種類や効果的な作成方法もあわせて紹介するので参考にしてください。
経理作業で必要な「帳簿」とは
まずは、経理業務で必要となる帳簿の役割・保管方法を見ていきましょう。
取引の内容を記録するもの
帳簿とは、会社の取引内容を記録するために使われる書類です。経理では取引の証拠となる伝票をもとに会計帳簿を作成します。会計帳簿を作成することで企業の収益・支出を正確に管理し、経営状況を把握して最適な意思決定を行うことが可能です。
また会計帳簿の作成は税金とも深い関わりがあるため、税法や会社法といった法律で作成が義務付けられています。
基本的には事実上の取引を記録しますが、資産変化も全て記載しなければなりません。税務上の監査が入るときに適切な書類や記録を提示できなければ、違反と判断される可能性もあります。
7年から10年の保存が必要
帳簿と法律の種類によって帳簿の保存期間は変わり、少なくとも7年間、最長で10年間は保存しなければなりません。会社法で定められている売上帳・仕入帳・現金出納帳などの帳簿の保存期間は10年とされています。法人税法で定められている損益計算書や通帳、領収書などの書類や帳簿は7年間の保存が必要です。
このような帳簿や重要書類は誤って破棄してしまうと追徴課税を受けることもあります。そのため間違いがないよう、会計帳票をまとめて10年間保存する企業が多いです。
主要帳簿とは
つづいて、帳簿の中でも重要な役割をはたす主要帳簿について見ていきましょう。
日記帳:日々の取引を発生順に管理
日記帳では日々の取引全般を時系列ごとに記録し管理します。日記帳を作成しておけばどのような取引を行ったか、日付順に確認可能です。他の帳簿を作成するときにも事実を分かりやすく管理できるため、便利な帳簿ではあります。
しかし日記帳に記入した内容を仕訳帳にも記録することになり、二度手間になるため現在ではあまり使われていません。
仕訳帳:日々の取引を借方・貸方で管理
仕訳帳とは、日々の取引を借方・貸方で管理します。基本的には日記帳と同様に取引内容を時系列ごとに記録する帳簿です。仕訳帳には、取引の日付・内訳・金額を分かるように記録していきます。
総勘定元帳:すべての取引を勘定科目で管理
総勘定元帳とは、全ての取引を勘定科目ごとに管理する帳簿です。主に仕訳帳の内容を勘定科目ごとに分類しています。そのため勘定科目ごとの取引がわかりやすく、一覧性に優れているのが特徴です。総勘定元帳を元に損益計算書や貸借対照表を作成するため、仕訳帳の内容を正確に転記することが求められます。
補助簿とは
つづいて、補助簿とはどのようなものか見ていきましょう。
現金出納帳:現金の入出を管理
現金出納帳とは現金の出入りを管理する補助簿です。基本的には全ての現金取引を記録する必要があります。つまり現金出納帳上の金額と実際の現金残高が一致しないといけません。現金を日々の業務で使う場合は注意して作成してください。
預金出納帳:預金の入出金を管理
預金出納帳とは、金融機関の口座ごとに預金額を管理・記録する帳簿です。企業間の支払いは銀行振込が多いため、その内容を正確に管理します。通帳だけでは日付と金額、引き落とし・振り込み先の名称しか確認できず、取引の詳細は詳しく分かりません。そのため取引のたびに預金出納帳に記入する必要があります。
買掛帳:仕入れ先の取引を管理
買掛帳は、仕入先の取引を管理する帳簿です。企業間の取引では商品を購入後、決まった日時に支払いを行うことも少なくありません。取引があった事実と支払いを行った事実を記録するため、1回の取引で2回記入します。
売掛帳:得意先の取引を管理
売掛帳は、得意先との取引を管理する帳簿です。買掛帳に記録する取引とはいわば逆の取引であり、商品やサービスを提供した事実と代金を回収した事実を記録します。
経費帳:必要経費を管理
経費帳は、日々の業務の中で発生した必要経費を管理するものです。消耗品費や給与賃金などの経費を勘定科目ごとに記録していきます。勘定科目は企業によって内容が異なるため、管理しやすいように設定しましょう。
経費帳は作成する義務はありませんが、自社で発生した経費を把握できるため無駄を発見しやすくなる効果があります。経費帳には日付・内容・金額を明記するのが一般的です。
固定資産台帳:減価償却資産や繰延資産を管理
固定資産台帳は、減価償却資産や繰延資産などの固定資産を管理します。固定資産は10万円以上で1年以上事業のために使用する資産です。企業にとって金額が大きく資産価値があるため適切に管理してください。固定資産台帳には主に金額・資産内容・耐用年数を記入します。
帳簿作成を効率化する方法
帳簿作成では正確性と処理の早さが重要になるため、会計ソフトを活用して効率化するのがおすすめです。システム化することで計算や勘定科目の振り分けを自動で行えます。
また会計ソフトは現金出納帳・仕入帳・売上帳のような補助簿に内容を入力するだけで、自動的に総勘定元帳に転記が可能です。取引数が多い企業であれば、業務を一部自動化することで効率化が図れます。また無駄な転記を省くことで正確さも向上するでしょう。
経理の知識や経験がない人でも使いやすい会計ソフトは多くあり、簡単に正確な帳簿の作成を行えます。
会計ソフトによる帳簿作成で、経理の負担削減を!
帳簿作成業務は会計取引があるたびに発生し、正確性が求められるため負担が非常に大きいです。特にこれから経理部門に配属されるのであれば、覚えることが多く大変なことでしょう。まずは帳簿の役割や種類、保管期限など基本的なことから覚えてください。アナログで帳簿の作成・管理を行っていると業務量が多くなるため、効率化が求められます。初心者でも使いやすい会計ソフトを使い業務負担を減らしましょう。