ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■データ接続の方式別
- データを取り込んで保持する取り込み型:Domo、Dr.Sum
- 元データに直接問い合わせる直接接続型:Excellent、WebQuery、FineReport
- 取り込み型と直接接続型を選べる:Tableau Server
- ■分析の進め方別
- 定型レポートの作成・配信が中心:WebQuery、FineReport、軽技Web Cloud
- 現場が自分で分析するセルフサービス型:Spotfire®、SAP Analytics Cloud BI、Tableau Desktop、Yellowfin
BIツールの仕組みは4段階で成り立つ
BIツールの内部では、データの接続、整形、集計、表示という処理が順番に行われています。まず全体の流れと、周辺のツールとの役割分担を押さえておきましょう。
つなぐ・整える・集計する・見せるの流れ
1段階目の「つなぐ」では、販売管理や会計、CRM(顧客管理システム)、Excelファイルなどのデータ元に接続します。2段階目の「整える」では、項目名の統一や表どうしの関連づけを行い、分析に使える形にします。
3段階目の「集計する」では、利用者が選んだ条件に応じて合計や平均、前年比などを計算します。4段階目の「見せる」では、計算結果をグラフや表、ダッシュボード(複数のグラフを1画面にまとめた表示)として描画する段階です。利用者が画面を操作するたびに、3段階目と4段階目が繰り返し動いています。
ExcelやETLツール、DWHとの役割分担
BIツールが主に担うのは、集計と表示の部分です。データを各システムから抜き出して加工するのはETLツール、分析用のデータを大量にためておくのはDWH(データウェアハウス)です。このように周辺のツールと役割を分けて使う構成もあります。
一方で、データ量が少なければ、BIツールが直接データベースやExcelを読み込む構成でも動かせます。Excelでの集計との大きな違いは、データ元とつながったまま自動で更新される点と、同じ画面を複数人で共有できる点です。手作業の転記や集計の手間を減らせることが、BIツールを使う理由の一つといえます。
BIツールがデータにつながる2つの方式
BIツールがデータを読み込む方式には、データを手元に取り込んで保持する方式と、元データに毎回問い合わせる方式があります。方式によって表示の速さやデータの新しさが変わります。
データを取り込んで保持する取り込み型
取り込み型は、データ元から必要なデータをコピーし、BIツール側に保存してから集計する方式です。BIツール内部に分析向けの形でデータを持つため、画面の操作に対する応答が速くなりやすい特徴があります。
一方で、表示されるのは最後に取り込んだ時点のデータです。取り込みは1日1回や1時間ごとなどのスケジュールで運用するため、最新の状況をすぐに反映したい用途には向かない場合があります。取り込めるデータ量に上限が設けられている製品もあるため、扱う件数の見込みを確認しておくと安心です。
元データに直接問い合わせる直接接続型
直接接続型は、データをコピーせず、画面を操作するたびにデータ元のデータベースやDWHへ問い合わせる方式です。ライブ接続やダイレクトクエリと呼ばれることもあります。データ元が更新されれば、その内容がすぐ画面に反映される点が利点です。
ただし、表示の速さはデータ元の処理能力や通信の状況に左右されます。基幹システムへ直接つなぐと、問い合わせが集中した際、元システムの動作が遅くなるおそれもあります。分析用のDWHを経由させるなど、接続先の構成を情報システム部門と相談して決めるとよいでしょう。
データが更新されるタイミング
画面に表示される数字の時点は、接続方式と更新の設定で決まります。取り込み型ではスケジュールに沿った取り込みの時刻、直接接続型では画面を開いた時点のデータ元の状態が表示されます。
さらに、ETLツールやDWHを経由する構成では、それぞれの処理時刻も影響します。例えば夜間にDWHへデータを集め、早朝にBIツールへ取り込む場合、画面に映るのは前日分までのデータです。業務で必要な鮮度を先に決めてから、接続方式と更新の時刻を組み合わせて設計することが大切です。
集計を速く正確にする仕組み
BIツールは、大量のデータを条件に応じて素早く集計するために、データの持ち方や計算方法に工夫を加えています。ここでは代表的な3つの仕組みを紹介します。
データモデルと指標の定義
データモデルとは、売上の明細、商品、顧客、日付といった複数の表を、共通の項目でどう結びつけるかを定めた設計図です。BIツールはこの設計図をもとに、「商品分類ごとの月別売上」のような集計を組み立てます。
あわせて、売上や粗利率といった指標の計算式をあらかじめ定義しておく仕組みもあります。共通の定義を使えば、誰がレポートを作っても同じ計算式で集計されるため、部門ごとに数字が食い違う事態を抑えやすくなります。この定義の層は、セマンティックレイヤーと呼ばれることがあります。
多次元で集計するOLAPの考え方
OLAP(オンライン分析処理)は、データを「期間」「地域」「商品」といった複数の軸の組み合わせで集計する考え方です。売上を立方体のように軸ごとに切り分けて捉えるため、軸を入れ替えるだけで見方を変えられます。
この考え方を使うと、全社の売上から地域別、さらに店舗別へと細かく掘り下げるドリルダウンや、逆に大きな単位へまとめるドリルアップが可能です。集計の切り口を利用者が自由に変えられる点は、あらかじめ決めた形式で出力する帳票との大きな違いです。
インメモリ処理と事前集計
インメモリ処理は、データをハードディスクなどの記憶装置ではなく、読み書きの速いメモリ上に置いて計算する方法です。取り込み型のBIツールの中には、この方法で応答を速めているものがあります。データを列ごとに圧縮して保持し、必要な項目だけを読み出す工夫が組み合わされることもあります。
もう一つの方法が、よく使う集計結果をあらかじめ計算して保存しておく事前集計です。毎回明細から計算し直さずに済むため、表示までの時間を短くできます。どの方法をどの範囲で使えるかは製品によって異なるため、扱うデータ量とあわせて確認しましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でBIツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品の比較検討を進めましょう。
グラフとダッシュボードが動く仕組み
利用者が画面を操作すると、BIツールは条件を集計の命令に置き換えて処理し、結果を描き直しています。ここでは画面操作の裏側と、表示を出し分ける仕組みを解説します。
フィルターやドリルダウンの裏側
ダッシュボードで期間や部署を絞り込むと、BIツールはその条件を集計の命令に組み込み、データを計算し直してグラフを描き直します。直接接続型であれば、条件を反映した問い合わせがデータ元へ送られます。
1つのグラフで選んだ項目に連動して、ほかのグラフも同じ条件で絞り込まれる仕組みを持つ製品もあります。グラフ上の数字をクリックして元の明細を確認する機能は、ドリルスルーと呼ばれます。こうした操作のたびに集計が走るため、データ量が多い場合は応答の速さを試用で確かめておくと安心です。
閲覧権限による表示の出し分け
BIツールでは、同じダッシュボードでも、見る人によって表示するデータを変える仕組みを使えます。例えば支店長には自分の支店の数字だけ、本社の管理者には全支店の数字を表示するといった設定です。
代表的な方法が、利用者の所属や役職に応じて参照できる行を制限する行レベルセキュリティです。画面を部署ごとに作り分ける必要がなくなるため、管理の手間も抑えられます。権限の設定方法や、社内の認証の仕組みと連携できるかは製品によって異なるため、導入前に確認しておきましょう。
生成AIが加わったBIツールの仕組み
近年は、生成AIを組み込んだBIツールも登場しています。ここでは、AIがBIツールの処理に関わる部分と、活用するうえで押さえたい前提を整理します。
自然な言葉の質問を集計の命令に置き換える仕組み
生成AIを組み込んだBIツールでは、「先月の地域別の売上は?」のような文章での質問を受け付ける機能を持つものがあります。AIが質問の意図を読み取り、データモデルの項目と対応づけて集計の命令に変換し、結果をグラフや文章で返す流れが基本です。
ほかにも、グラフの傾向を文章で要約する機能や、計算式の作成を手助けする機能を備えた製品もあります。これまで操作に慣れた担当者が行っていた作業の一部を、ほかの利用者も行えるようになることが期待されています。
AIの回答を確かめるための前提
AIが正しく集計できるかどうかは、データモデルや指標の定義が整っているかに左右されます。項目名があいまいだったり、同じ意味の指標が複数あったりすると、AIが意図と異なる項目を選ぶ可能性があります。
そのため、AIの回答をそのまま使わず、どの項目と条件で集計したかを確認できるかが重要です。社内データを外部のAIサービスで処理する場合は、データの取り扱いについて提供会社の説明や社内規程も確認しましょう。AI機能の範囲は製品によって異なるため、試用で確かめることをおすすめします。
データのつなぎ方で比べるBIツール一覧
BIツールは、データの接続方式と分析の進め方によって向き不向きが分かれます。この記事で取り上げる製品の特徴を、仕組みの違いがわかるように一覧にしました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| Domo | 1,000以上のコネクターで接続しDWHへ集約。ETLから可視化まで一体 |
| Dr.Sum | 高速集計のデータマートを核に、Excelやブラウザから集計・分析 |
| Tableau Server | ライブ接続と抽出の両方でデータを整備し、権限を管理して共有 |
| Excellent | Excelアドイン型。データベースを直接参照し、キューブ構築は不要 |
| WebQuery | ブラウザ型。データベースを直接参照し、決めた時刻に自動実行 |
| FineReport | 帳票とダッシュボードを事前に作って共有。データベースへ直接接続 |
| 軽技Web Cloud | サーバレスのクラウド型。検索・集計分析からレポート出力まで対応 |
| Spotfire® | 複数のグラフを連動させてデータを探索。統計解析や予測分析にも対応 |
| SAP Analytics Cloud BI | ドラッグ&ドロップで作るセルフサービスBI。予算・見込も一体で分析 |
| Tableau Desktop | ドラッグアンドドロップでデータを可視化。クラウドとオンプレミスに接続 |
| Yellowfin | セマンティックレイヤーが中核。自然言語の質問から分析できる |
接続方式と分析スタイルで選ぶBIツール
データを取り込んで持つか、元データへ直接問い合わせるかという接続方式と、定型レポート中心か現場の自由な分析かという使い方の2軸で整理しました。自社のデータ量や必要な鮮度とあわせて比べてください。
Domo
- データ活用を実現するために必要な機能をオールインワンで提供
- SaaS型BI国内市場NO.1!※高い顧客満足度を獲得!
- モバイル標準対応なのでデータを元に迅速なアクションを促進可能
ドーモ株式会社(代理店:NDIソリューションズ株式会社)が提供する「Domo」は、クラウド型のBIプラットフォームです。1,000以上のコネクターでSaaSやオンプレミスのデータベース、Excelなどを接続し、DomoのDWHに集約して使います。GUIで操作できるETLで結合や集計を行い、グラフで可視化するまでを一つの環境で進められます。データを取り込んで保持する方式の仕組みを、そのまま体感しやすい製品です。
Dr.Sum
- 導入実績8,000社超!顧客満足度No.1・サポート品質三ツ星評価
- 散在したデータを一元化、10億件のデータも1秒台で◆高速集計◆
- 直感的な操作で誰でも簡単にデータ分析が可能
ウイングアーク1st株式会社が提供する「Dr.Sum」は、社内のデータを収集し、高速集計に向いたデータマートに蓄えて分析に使うデータ分析基盤です。集計を速くする仕組みを内部に持つため、大量データの集計を軸に検討する際に確認したい製品といえます。操作画面はExcelとWebの2種類で、ノンプログラミングで使えるETLツールとも組み合わせられます。
Tableau Server
- オンプレミス・パブリッククラウドの柔軟な導入体系
- 利用状況を俯瞰できるガバナンス機能
- あらゆる環境から暗号化されたデータをシームレスに抽出
株式会社セールスフォース・ジャパンが提供する「Tableau Server」は、データソースを整備して公開し、共有できるプラットフォームです。ライブ接続や暗号化された抽出といった形で接続します。接続方式を使い分けたい場合に、鮮度と速度のどちらを優先するかを検討しやすい製品です。導入先はオンプレミスとパブリッククラウドから選べ、セキュリティルールやメタデータを一元的に管理するガバナンス機能も備えています。
Excellent
- 【導入実績 6,400件】幅広い業種・業務で活用中!
- 【安全にデータ公開】金融機関200社以上/銀行70行以上の導入実績
- 【手厚いサポート】純国産!納得・満足するまでサポート!
株式会社システムコンサルタントが提供する「Excellent」は、ExcelからデータベースのデータをSQLの知識なしで抽出できるアドイン型のBIツールです。データベースを直接参照するため、現在の状態をそのまま取り出せ、分析用のキューブを作らないので維持管理の手間もありません。抽出結果はExcel帳票のテンプレートへの貼り付けや、ピボットテーブルとの連携に使えます。
WebQuery
- 【導入実績 6,400件】幅広い業種・業務で活用中!
- 【安全にデータ公開】金融機関200社以上/銀行70行以上の導入実績
- 【手厚いサポート】純国産!納得・満足するまでサポート!
株式会社システムコンサルタントが提供する「WebQuery」は、Webブラウザ上でデータベースのデータを検索・集計できるBIツールです。キューブを構築せず、データベースを直接参照する方式をとっています。定型化した処理を決めた時刻に自動実行でき、結果はブラウザでの確認のほか、CSVやExcel帳票として出力できるため、毎回同じ形式のレポートを出力する運用にあいやすい製品です。
FineReport
- ローコードでExcelライクのデザイナにより、分析画面を簡単作成
- データ可視化にデータ入力機能もあり、社内様々な課題が解決可能
- 日本国内大手企業の導入実績が多く、各種事例と安心サポート
バリューテクノロジー株式会社が提供する「FineReport」は、ローコードで帳票とBIダッシュボードを作成できるデータ活用ツールです。JDBCやODBCなどでデータベースへ直接接続し、分析用キューブを設計しない構成が特徴です。担当者が次元ごとの分析画面を先に作り、利用者はそれを見て分析する運用が中心で、定型のレポートや帳票を決まった形で届けたい場合に合います。
軽技Web Cloud
- サーバレス運用でインフラ管理の手間と費用を抑制
- AWS・Azureとオンプレデータベースを一括活用
- 簡単操作で検索からダッシュボード表示まで完結
富士電機ITソリューション株式会社が提供する「軽技Web Cloud」は、サーバーを用意せずに使えるクラウド型のBIツールです。AWSやAzure上のデータに加え、オンプレミスのデータベースにも接続できます。検索から集計分析、ExcelやCSVへのレポート出力、スケジュール実行、ダッシュボードの表示までを一連の流れで進められ、定期的な集計作業を自動化したい場合に使いやすい構成です。
Spotfire®
- 対話的な操作による探索型分析
- 可視化と高度な分析を一つの環境で実現
- 分析結果の共有と組織内での活用
ジャパンシステム株式会社が提供する「Spotfire®」は、複数のグラフやフィルター、ドリルダウンを連動させ、データをさまざまな角度から探索できるBIツールです。分析中に生まれた疑問に応じて対象や切り口を変えられるため、決まった帳票を見るだけでなく、傾向や関係性を掘り下げたい場面に向いています。統計解析や予測分析にも対応し、オンプレミスとクラウドの提供形態があります。
SAP Analytics Cloud BI
- 実績・予算・見込を一体分析し、未来志向の経営管理を実現
- 経営&営業ダッシュボードを統合、経営と営業の高い連携を実現
- 競合企業のデータも分析し、市場でのポジションを把握可能
アクセス・インテリジェント・ソリューションズ株式会社が提供する「SAP Analytics Cloud BI」は、セルフサービス型のクラウドBIです。画面上でドラッグ&ドロップするだけで、レポートやダッシュボードを作れます。Excelライクな操作で行と列を指定してデータを参照でき、勘定科目の階層に沿ったドリルダウンにも対応します。実績に加えて予算や見込も同じ画面で分析できる点も特徴です。
Tableau Desktop
- スプレッドシートやAWSなどさまざまなソースと接続
- 統計的処理もドラッグアンドドロップで可能
- マッピング機能でデータを地図上に表示
株式会社セールスフォース・ジャパンが提供する「Tableau Desktop」は、ドラッグアンドドロップを基本とした操作でデータを可視化できるBIプラットフォームです。クラウドとオンプレミスのどちらにあるデータにも接続でき、現場の担当者が自分で切り口を変えながら確認する使い方に合います。データの高速処理に重きを置き、インメモリへの取り込みにも対応しています。
Yellowfin
- 自然言語で質問するだけでAIが分析・可視化
- セマンティックレイヤーで統制されたAIデータ活用
- AIが異常や変化を検知し、気づきを自動通知
Yellowfin Japan株式会社が提供する「Yellowfin」は、AI NLQ(自然言語クエリー)によって、SQLの知識がなくても質問文からチャートや分析結果を作れるBIプラットフォームです。指標の定義を共通の辞書で管理するセマンティックレイヤーが中核にあり、AIが参照する項目の食い違いを抑えやすい点が、生成AIを使う場面で確認したいところです。
まとめ
BIツールの仕組みは、データに「つなぐ」、分析しやすく「整える」、すばやく「集計する」、グラフで「見せる」の4段階で成り立っています。接続方式が取り込み型か直接接続型かによって、表示の速さやデータの新しさが変わり、データモデルや指標の定義が集計の正確さを支えます。自社のデータ量や必要な鮮度、利用者の使い方を整理したうえで、仕組みがあうBIツールを比較しましょう。資料請求で各製品の対応方式を確認してみてください。

