CMSのシェア・市場規模
CMSのシェアや市場規模について説明します。
Webサイトの半数以上がCMSで作られている
あらゆるWebサイトの半数以上がCMSで作られています。Web市場調査会社のQ-Success社によると、2019年3月の時点で約55%のサイトがCMSで作成されています。
また、CMSの中ではWordPressのシェアが最大です。同社の調査によると、Webサイトの約3割、CMSで作られたWebサイトの約6割がWordPressによるものだといいます。
また特に日本ではその傾向が強く、使われているCMSの8割以上がWordPressであると同社の調査で報告されています。
今後もCMSの利用規模は拡大する見込み
CMSを利用したWebサイトは長期的に増加し続けており、今後も利用規模が拡大するといわれています。
特に、WordPressのシェアは拡大の一途をたどっています。Q-Success社のデータでは、2018年4月の時点で30.4%(世界シェア)だったものが、2018年11月には32.2%となっています。
一方、WordPress以外のCMSのシェアは、減少あるいは現状維持の傾向にあります。CMSの利用規模拡大はWordPressが牽引しているといえるでしょう。
参照:
■Historical trends in the usage of content management systems|Q-Success
■Distribution of content management systems among websites that use Japanese|Q-Success
■Usage statistics and market share of WordPress for websites|Q-Success
CMSの必要性
CMSの必要性の必要性を、コンテンツの質や作業効率、SEOの観点から解説します。
質が高いサイトを作成するために必要
CMSは、質が高いサイトを作成するために必要な存在です。たとえば、以下のような形でサイトの質が向上します。
- 綺麗なデザインのテンプレートが豊富
- ビジュアルの質を簡単に向上
- すべてのページのレイアウトを統一できる
- 統一感がありユーザビリティが向上
CMSを使わない場合は、外部の業者に依頼するなどしてデザインやレイアウトを整える必要があります。しかし、それでは多くの時間や費用を要します。
一方、CMSを利用すれば専門知識がない人でもそれらのことを実現できます。質の高いサイトを作成するハードルが大幅に下がるでしょう。
サイト更新を効率化するために必要
CMSはサイトを効率化するために必要です。たとえば、以下のような点で効率の向上が期待できます。
- HTML(Webサイト作成に必要な言語)を使わずテキストが書ける
- 誰でも扱えるため担当スタッフを確保しやすい
- アカウント管理が簡単
- 複数人で分担してWebサイトを運営できる
CMSは誰でも簡単に扱えるため、専門知識のある人材が少ないことによる更新の停滞を回避できます。また、複数人で扱うのに向いているため、各部署が担当のページを運営するといった分業も可能です。
SEOに対応するために必要
CMSはSEO対策にも有効です。以下の特徴を備えているためです。
- ■検索エンジンに好まれるHTMLコードを生成
- ■更新性が高い
- ■ユーザビリティの高いサイトを作りやすい
CMSが自動で生成するHTMLコードは、検索エンジンに好まれる無駄のない構造になっています。また、更新しやすい・統一感のあるサイトを作りやすいという特徴もSEO対策につながります。検索エンジンは新しい情報やユーザビリティの高いコンテンツを好むためです。
とはいえ、SEO対策にとって最も重要なのはコンテンツの質や他サイトからのリンクです。CMSによるSEO対策効果は、CMSの利便性に付随するメリットであると考えましょう。
CMSの導入ポイント
CMSを導入する際に気を付けるべきポイントを3つ紹介します。
サイトの目的を明確にしておく
CMSを導入する前に、Webサイトの運営目的を明確にしておきましょう。
たとえば、企業情報を紹介するコーポレートサイトや、一度きりのキャンペーンサイトであれば、CMSを導入するメリットは少ないでしょう。更新が手軽であるというCMSのメリットを活かせないためです。
逆に、オウンドメディアやニュースサイトであればこのメリットを最大限に活かせるでしょう。
また、CMSの導入目的も明確化する必要があります。たとえば、以下のような目的が考えられます。
- ■運用コストを削減したい
- ■更新頻度を上げたい
- ■SNSと連携させたい
一口にCMSといっても、製品によって機能が異なります。適切な製品を選ぶために、目的から必要な機能を洗い出しましょう。
サイトで更新する内容を明確にしておく
CMSを導入する前に、何を更新するのかを明確にしておきましょう。たとえば、以下のようなものが考えられます。
- ■ニュース記事
- ■自社の製品情報
- ■店舗の紹介
- ■Q&Aなどのサポート用コンテンツ
更新内容を洗い出し、それに適したCMSを選ぶことが大切です。
社内の運用体制を整えておく
あらかじめ社内での運用体制を整えておきましょう。うまく運用できないと、導入したCMSを活かしきれなくなります。たとえば、以下のようなことを考えておきましょう。
- ■運用する人や部署
- ■更新頻度
- ■コンテンツの評価方法
コンテンツの入力やアクセス解析などを、誰が担当するのかを決めておきましょう。また、具体的な更新頻度を決めておくことも大切です。
さらに、社内での評価方法も検討しましょう。CMSには権限設定機能を備えたものもあるため、上司が確認してから公開するというワークフローを実現できます。そして、コンテンツの質を業務評価に反映するなどすれば、よりよいコンテンツになるでしょう。
CMSのシェア・必要性を認識し、導入を検討しましょう
CMSはWordPressを筆頭にシェアを拡大しつつあります。長期的に市場規模が広がっており、今後もこの流れは変わらないでしょう。
CMSの利用により、コンテンツの質やWebサイト運営の効率化を図れます。自社のサイトをうまく運用できていないと感じたら、CMSの運用を検討してもよいでしょう。ただし、その際には導入目的や運用体制を明確にすることが大切です。
ぜひ、自社に適したCMSを導入してください。