ゲストプロフィール
株式会社マツリカ
事業戦略/開発室 室長
中谷 真史 氏
慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系製薬企業へ入社、MR約1,000名中トップセールスを経験。
その後コンサルティングファーム2社にて、セールス分野のプロジェクトを中心としたコンサルティングに従事。2018年マツリカに入社後はカスタマーサクセス統括、セールス&マーケティング統括を歴任。
『セールスというアートをサイエンスし、日本の営業をアップデートする 』をモットーに活動し、年間約20回の講演ほか、新規プロダクト開発に従事。また併行して、Sales Science Lab, Inc. を創業しCEOを務める。米ロサンゼルス在住。
中谷さんが紹介する3つのツールはこちら
はじめに
ーー御社の事業について教えてください。
株式会社マツリカは、CRM/SFA領域の営業支援ツールSensesを開発、運営している会社です。Sensesのローンチは2016年ですが、業界を問わずにスタートアップで(ホリゾンタルな)CRMを展開している会社は、日本で弊社だけではないかと思います。
ーー中谷さんのミッションを教えてください。
2018年秋に入社して、現在、事業戦略/開発室の責任者をしております。事業戦略/開発室には2つのミッションがあり、1つはSensesの事業を中長期的にどのような戦略を描いてどう伸ばしていくのかを考えることです。もう1つは新しいビジネス、新しいプロダクトの立ち上げで、2023年の春~夏ぐらいでの一般公開を予定しています。どちらもプロジェクトによって参画するメンバーが変わるので、それを統括するポジションを担っています。
その他、セミナーや講演、Japan Sales Reportという年に2回刊行している市場調査レポートの作成を通じて日本の営業やセールステックに関する啓蒙活動も進めています。
LinkedIn
日本でいうとSNSですし、米国ではソーシャルメディアと呼ばれるものです。主にビジネス情報のインプットに使っているのですが、世界の最先端の情報を取りたいのであれば必須のツールと言えると思います。
LinkedInを本格的に使い始めたきっかけは、日本にいて日本語で情報取得をしようとしていては取れる情報に限りがあるという危機感でした。特に営業分野については、アカデミックな部分でも、テクノロジーに関しても5~10年は遅れていると思っています。Googleなどで自分から検索して取れる情報にも限りがあるので、より早く、より受動的に毎日情報をインプットできるものは何かと考えたときに、LinkedInに行き着きました。
例えば、僕が興味があるのはセールステックとセールスについてなので、この分野で有名な経営者や企業、研究機関などをLinkedInで検索して、現在600以上のアカウントをフォローしています。そうすると、海外のベンダーがいつ、どのくらいの金額で調達したか、どんな機能を出したか、どんな調査結果を発表したかといった情報やデータが毎日流れてきます。一般的なメディアやブログと比べても特に情報が早いと思いますね。
毎日1時間以上、週に5時間ぐらいはチェックしています。翻訳して表示する機能もついているので、英語が苦手な人でも十分使えるツールだと思います。
- Q.どんなときに使っているか
- ビジネスの最新情報のインプットに使っています。能動的な検索では得づらい情報を、毎日受動的に入手することができます。
- Q.気に入っている機能
- 情報のインプット以外では、コネクション作りにも使えます。例えば、ある分野で世界の第一人者と言われる人とつながってコミュニケーションを取っておけば、世界最先端の情報が自分にも入ってくるようになります。
- Q.おすすめの企業
- 事業企画、経営企画、事業戦略などの部署で働いていて、海外の最新情報をダイレクトにインプットしたい方や、新たな市場を開拓したいと考えている経営者の方には本当に役立つツールです。
LinkedInの公式サイトはこちら
https://www.linkedin.com/
Showell
日本ではほぼ認知度ゼロに近いですし、使っている人もほぼいないのではないでしょうか。フィンランドの会社が提供していて、デジタルセールスルーム、もしくはセールスイネーブルメントプラットフォームと呼ばれる領域に属するプロダクトです。
まだ日本でデジタルセールスルームという言葉をTwitterで検索しても、僕のツイートしか出てこないような状態ですが、今後の営業の発展においてキーになるようなデータがこのカテゴリーのプロダクトにはあると考えているので、非常に注目しています。
営業活動には売り手と買い手がいて、通常はメールをしたり、電話をしたり、商談をしたりすることで情報のやり取りが行われます。一方で、デジタルセールスルームは何かというと、両者の間にマイクロポータルサイトのようなものを作り、そこに売り手と買い手がアクセスすることでそれぞれの行動データが自動的にたまっていくというものです。
例えばどの資料を何回見たか、いつどこを見たか、担当以外の関与者は何人でどのような人物がいるのかといった行動データが、セラー、バイヤー両方についてデジタルセールスルームにたまっていくので、今まで限られたチャネルからしか得られなかったような顧客企業内の一次データがもたらされるようになります。
新たなセールステックの領域として非常に注目していて、その中でもShowellは使い勝手もよく、珍しく無料で使えるので、半年ほど前から活用しています。
- Q.どんなときに使っているか
- 資料をお客様と共有するときなどに使っています。まずルームに資料を入れてURLを発行して、お客様にURLを送付しアクセスしてもらうと、どの資料を見たか、どの部分を見ていないかといったことが分かります。相手の興味や理解度、つまづいているポイントが浮かび上がってきます。
- Q.気に入っている機能
- ルーム内の資料のどのポイントを中心に見たかがわかる点です。購買者も人間なので、言動に不一致がある。例えば「提案が良ければ買うよ」って言ったのに、実は金額のページばかり見ているといったことがあるわけです。データを分析することで、背景で何が起きているのかを推察できるようになります。
- Q.おすすめの企業
- 非常に新しい分野ですが、購買者の行動データに興味がある方はお試しで使ってみると良いと思います。
Showellの公式サイトはこちら
https://www.showell.com/
Mazrica Sales(旧:Senses)
Sensesは、CRMやSFAと呼ばれる領域のプロダクトです。ITリテラシーがそんなに高くなくても、営業のことをわかっている人ならば、こういう意図でこの機能があるんだ、こんなマネジメントができるんだ、というところが非常に分かりやすいツールです。
CRMやSFAは、自分たちの業務を楽にしたいという効率化に目が向きがちですが、Sensesはセールスのベストプラクティスを詰め込んでいるので、効率化だけでなく「高度化する」という側面も非常に強いです。Sensesならではのユニークなデータを使って、マネージャーが中心となって、みんなが営業のデータについて考える機会をもち、Sensesの中で営業活動やプロセス、オペレーションの改善をしていくことができます。
元々は営業組織に特化したツールだったのですが、マーケティングオートメーションの機能ができたり、ビジネスインテリジェンスの領域もカバーできたりなど、ワンプラットフォームで全てがカバーできるようになってきているのが最近の強みだと思っています。
ーーSensesがマツリカ入社のきっかけになったそうですね。
元々は、コンサルタントとして外部から営業組織の売り上げを上げるのに非常に有用なツールだと思っていました。僕が、コンサルタントとして独立しようと考え始めたときに、日本のセールステックを調べ始めたのがSensesに出会ったきっかけです。コンサルティングは自分の時間と労力を使わないとフィーが発生しない労働集約型のビジネスモデルなので、何かしらのセールステックを使って自身の業務をより効率化しなければいけない、と考えていろいろ探していたときにSensesが目に留まりました。
ちょっと話を聞いてみたら、ちょうど自分がやりたいことが実現できそうな会社だと考えて入社に至ったというわけです。
- Q.どんなときに使っているか
- 営業部門を中心に使っています。営業と営業マネジメントの効率化はもちろんですが、高度化していくという側面が強いですね。そしてそのデータは、営業部門に閉ざされるわけではなく経営会議に直接届き、議論の土台となります。
- Q.気に入っている機能
- 案件が来たときに、AIが企業属性、企業規模、業種やニーズをデータ分析して「営業パーソンがどのようなアクションをすると良いか、受注につながる確率が何パーセントか」とと示してくれる機能があります。受注失注の判定精度はなんと92.6%です。
- Q.おすすめの企業
- 営業のデータ活用をこれから本格的に始めたい企業や、更なる営業のデジタル化、高度化を進めたいけれどもどうしたらいいのかわからない企業様におすすめです。
《Mazrica Sales》のPOINT
- 現場の定着にもっともフォーカスした営業⽀援ツール
- 誰でも簡単に操作できる画面設計で、運用定着率UP!
- 最短で2週間で利用開始!国内外1,000以上のアプリと連携可能
※編集部注※ Sensesは、2023年7月より「Mazrica Sales」にプロダクト名が変更されました。統合プラットフォームとして進化したMazrica Salesをぜひ製品詳細ページにてご確認ください。
編集後記
現在、ロサンゼルスを拠点に生活する中谷さんに、オンラインでお話を伺いました。常に新しい分野に目を向け、世界の最新の情報をインプットしようとする姿勢を強く感じました。LinkedInは日本では一般的にSNSの一種と捉えられていますが、情報収集ツールとして使うという柔軟な発想も印象的でした。
営業支援ツールは、ともすると営業活動の効率化に目が向きがちですが、データや情報分析に基づいてさらなる高度化を目指す企業にとっても有効活用できる可能性が大きいと思いますので、参考にしてみてください。
Sensesは、ITトレンドからもお問い合わせが可能です。営業のプロセスを改善したい、というかたはぜひ一度資料請求をしてみてください。
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