ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■AIの使い方別
- ■製品のタイプ別
- ノーコードで作る業務用データベース:JUST.DB、キントーン、軽技WebDB、HotBiz8、楽々Webデータベース
- ベクトル検索に対応したデータベース:Cloud SQL、Memory store、IBM Db2、MicrosoftSQLServer、SAPHANACloud
データベースソフトとAIの2つの関係
「データベースソフト AI」と一口にいっても、AIがデータベースを使う人を助ける場合と、データベースがAIを支える場合では、選ぶ製品も検討する部署も異なります。まずは2つの関係の違いを整理します。
AIが利用者の操作を手伝う
1つ目は、データベースソフトにAI機能が組み込まれ、利用者の操作を手伝う関係です。例えば、「先月の取引先別の売上を出して」と文章で入力すると、条件にあうデータを抽出して表やグラフにする機能が該当します。
従来は、データを取り出すためにSQL(データベースを操作するための言語)の知識や、検索画面の設定が必要でした。AI機能を使えば、現場の担当者が自分で必要なデータを確認できる場面が増え、情報システム部門への依頼を減らせる可能性があります。
データベースがAIを支える
2つ目は、データベースが生成AIの回答に使う社内データを保管し、検索して渡す関係です。生成AIは事前に学習した知識をもとに回答するため、社内規程や製品情報など自社固有の内容は、別に用意したデータから参照させる必要があります。
この用途では、文章の意味の近さで検索できる仕組みを持ったデータベースが使われます。主に情報システム部門や開発担当者が、社内向けのAIチャットや検索システムを作るときに検討する分野です。自社がどちらの関係を求めているかを先に決めると、製品を絞り込みやすくなります。
業務用データベースでのAIの活用方法
業務用のデータベースソフトでは、データの検索・集計、アプリやテーブルの作成、データの入力といった日々の作業をAIが手伝う機能が見られます。代表的な3つの作業を紹介します。
自然言語での検索と集計
自然言語での検索・集計は、ふだん使う言葉で質問するだけで、データを抽出したり集計したりできる機能です。AIが質問の意図を読み取り、検索条件やSQLに変換して実行する仕組みが使われます。
便利な一方で、「売上」が税込か税抜か、「先月」が締め日基準か暦の月かといった解釈が、利用者の意図とずれる場合があります。結果と一緒に、AIが使った条件やSQLを表示できる製品であれば、誤りに気づきやすくなります。よく使う質問の解釈を、社内で決めた定義として登録できるかも確認したい点です。
アプリやテーブルの自動作成
ノーコードで業務アプリを作るタイプのデータベースソフトでは、作りたいアプリの内容を文章で伝えると、テーブルの項目や入力画面の案をAIが作る機能があります。例えば「備品の貸出管理」と入力すると、備品名や貸出日、返却予定日などの項目が提案される使い方です。
ゼロから設計する手間を減らせる反面、提案された項目が自社の業務にあっているとは限りません。案をたたき台として、実際に使う部署の担当者と項目の過不足を確かめてから運用を始めましょう。
書類の読み取りと入力の補助
紙やPDFの書類から必要な項目を読み取り、データベースへの入力を補助するAI機能もあります。請求書や申込書の画像から、日付や金額、取引先名を取り出して入力欄に反映する使い方です。
文字を読み取る技術であるOCRにAIを組み合わせ、書式が異なる書類にも対応できるようにした仕組みが使われます。ただし手書き文字やかすれた印字では読み取り精度が下がる場合があるため、登録前に人が確認する手順を残しておくと安心です。
生成AIの活用を支えるデータベースの仕組み
社内データを生成AIに活用する場合、データベースは「AIに渡す情報を探す」役割を担います。その中心となるベクトル検索と、回答に社内データを使う仕組みについて、基本を押さえておきましょう。
ベクトル検索の仕組み
ベクトル検索とは、文章や画像を数値の並び(ベクトル)に変換し、意味の近さで検索する方法です。キーワードが一致しなくても、内容が似ているデータを見つけられる点が特徴です。
例えば「有給休暇の申請方法」と検索したときに、「年次休暇の取得手続き」と書かれた社内規程も候補として探せます。ベクトル検索に特化したデータベースのほか、既存のデータベースに機能を追加して対応する製品もあります。
社内データを回答に使うRAG
RAG(検索拡張生成)は、利用者の質問に関連する社内データをデータベースから探し、その内容を生成AIに渡して回答を作らせる仕組みです。生成AIに社内データを学習させ直さなくても、最新の社内情報を回答に反映させやすくなります。
回答の質は、データベースに入れる文書の内容や分け方、検索の設定にも左右されます。古い規程が残っていると古い内容で回答するおそれがあるため、文書の更新と削除のルールをあわせて決めておくことが大切です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でデータベースソフトの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品の比較検討を進めましょう。
データベースのAI機能を使う前に整えるデータ
AI機能の結果は、データベースに入っているデータの状態に左右されます。項目の意味がばらばらだったり、同じ取引先が別の名前で登録されていたりすると、AIの検索や集計も正しく動きません。使う前に整えたい2つの点を紹介します。
項目名と定義をそろえる
まず、テーブルの項目名と、その意味をそろえておきます。例えば「金額」という項目が、テーブルによって税込だったり税抜だったりすると、AIは区別できずに合計してしまう可能性があります。
項目名を「税抜金額」「税込金額」のように具体的にし、各項目の説明文を登録しておくと、AIが質問の意図にあう項目を選びやすくなります。項目の一覧と定義をまとめた資料を作っておくと、人が使う場合にも役立ちます。
重複や表記ゆれを減らす
次に、データの重複や表記ゆれを減らします。「株式会社」と「(株)」、全角と半角の混在、同じ取引先の重複登録などがあると、集計結果が分かれてしまいます。
取引先や商品のように繰り返し使う情報は、マスタと呼ばれる基準のテーブルにまとめ、ほかのテーブルからはマスタを選んで入力する形にすると表記ゆれを防ぎやすくなります。既存データは、AIで候補を洗い出したうえで人が確認して統合する方法もあります。
AI搭載のデータベースソフトのAIを運用するコツと情報管理
データベースソフトのAI機能を使うと、処理のためにデータの一部が外部へ送られる場合があります。安心して使い続けるために、データの扱い、権限、出力の確認の3点で情報管理を考えておきましょう。
データの送信先と学習への利用
AI機能の中には、質問やデータの一部を外部のAIサービスに送って処理するものがあります。その場合、データがどの地域のサーバーで処理されるか、AIの学習に使われるかどうかは、製品や契約内容によって異なります。
顧客情報や人事情報を扱うデータベースでは、利用規約や提供会社の説明資料で、送信されるデータの範囲と保存期間を確認しましょう。社内の情報管理規程と照らし合わせ、AI機能を使ってよいデータを決めておくと判断に迷いません。
アクセス権限とAIの回答範囲
AI機能が、利用者に閲覧権限のないデータまで使って回答してしまわないかも確認したい点です。データベースで部署ごとに閲覧範囲を分けていても、AIの検索がその設定に従わなければ、意図しない情報が表示されるおそれがあります。
製品を比べる際は、AIが回答に使うデータを、利用者が持つアクセス権限の範囲内に限れるかを確かめましょう。試用環境で、権限の異なるアカウントから同じ質問をして結果を比べると、動作を確認できます。権限の設定を変更したときに、AIの回答範囲にもすぐ反映されるかもあわせて確かめておきましょう。
AIの出力を確認する手順
AIによる集計や回答は、もっともらしい形で誤りを含むことがあります。経営会議の資料や取引先への提出物など、重要な用途に使う数値は、元のデータと照らし合わせて確認する手順を残しておきましょう。
AIが作ったアプリやテーブルについても、本番で使う前にテストデータで動作を確かめます。誰がどのAI機能を使って何を作ったかの記録を残しておくと、問題が起きたときに原因をたどりやすくなります。
AI搭載のデータベースソフトを比較するポイント
データベースソフトのAI機能は、利用者の操作を助けるものと、生成AIにデータを渡す基盤として使うもので見るべき点が変わります。自社の用途に合わせて、次の3点で比べましょう。
AIが対応する操作の範囲
自然言語での検索・集計、アプリの自動作成、書類の読み取りのうち、どの操作にAIが対応するかを確認します。日本語で指示できるかや、担当者が日常的に行う操作が対象に含まれるかも比べる点です。
デモの際は、自社の実際のデータに近い内容で指示を出し、意図どおりの結果が返るかを見ておくと違いが分かります。対応する操作が増えるほど費用も変わる場合があるため、使う予定のない機能まで求めていないかも見直しましょう。
データの送信先と権限の扱い
AI機能が外部の生成AIサービスへデータを送るのか、入力した内容が学習に使われるのかを確認します。送信先や保管場所は製品ごとに異なります。
閲覧権限のないデータがAIの回答に出ないかも重要です。部署や役職ごとのアクセス権限が、AIの回答範囲にも反映される仕組みかを問い合わせましょう。契約前に、データの取り扱いに関する資料や規約の提示を依頼しておくと、社内の確認も進めやすくなります。
費用の発生条件とデータの取り込み
AI機能が標準で使えるのか、オプションや利用量に応じた課金があるのかを確認します。利用人数や問い合わせ回数が増えたときの費用も試算しておきましょう。
ExcelやCSV、既存システムのデータを取り込める形式も比べます。取り込みに手間がかかると、AIを使い始めるまでの準備が長引くおそれがあります。無料の試用期間がある場合は、実際のデータを取り込んで手間を確かめてみてください。
AI機能搭載のデータベースソフト一覧
この記事で紹介するデータベースソフトのうち、AI機能を確認できる製品を一覧にまとめました。AIが担う範囲や機能の違いを比較してください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| JUST.DB | 生成AIにチャットで指示すると、データテーブルやパネルを自動生成 |
| キントーン | AIとノーコードで業務アプリを作成。話しかけてデータを検索できる |
| Navicat | 複数のDBを一つの環境で管理。SQLの生成・修正をAIで支援 |
| Cloud SQL | Geminiによる管理とAIアプリ向けのベクトル検索機能を提供 |
| Memory store | Valkey/Redis等と互換。生成AI向けのベクトル検索機能を提供 |
| SQLデータベースモニターソフトウェア | 機械学習でDBの異常を検出し、クエリ調整とボトルネック修正を支援 |
| IBM Db2 | AI搭載のデータベース。オンプレミスからクラウドまで展開可能 |
| MicrosoftSQLServer | 組み込みAI機能を持つエンタープライズDB。オンプレ・クラウド対応 |
| SAPHANACloud | トランザクション・分析・生成AIを含むアプリ構築に対応するクラウドDB |
AI機能搭載のデータベースソフトの紹介
ここでは、AI機能を備えたデータベースソフトを紹介します。AIが担う範囲と、対応する業務や機能を確認し、自社の課題にあう製品を選びましょう。
JUST.DB
- 【完全ノーコード×生成AI】マウス操作と"ことば"でシステム開発
- 【多彩な標準機能】高い拡張性により、全社DXをJUST.DB1つで実現
- 【同時ログインライセンス】全社展開してもコストを抑制
株式会社ジャストシステムが提供する「JUST.DB」は、生成AIとの対話でデータベースを組み立てられるノーコードのクラウドデータベースです。生成AIにチャット形式でやりたいことを伝えるだけで、データテーブルや複数のパネルを自動で生成し、設計内容を確認しながらリアルタイムに修正できます。Excelファイルやエクスポートしたデータからのシステム化にも対応しています。リアルタイム集計や帳票出力、ワークフローも標準機能として備えます。
キントーン
- AIとノーコードで業務アプリをシュシュッとつくれる
- 「アプリ」同士はデータで紐付けて連携できる
- プラグイン・連携サービスと組み合わせてデータ活用を促進
サイボウズ株式会社が提供する「キントーン」は、AIとノーコードで業務アプリをつくれる業務改善プラットフォームです。kintone AIを使うと、AIに話しかけるだけで必要な情報を探したり、データの傾向や要点を把握したりできます。アプリにたまった業務データがAI活用の土台になる設計です。kintone AIは、お試し中、またはスタンダードコース以上の契約で利用できるため、契約コースの確認が必要です。
Navicat (TenGenesis株式会社)
- ■【複数DBを一元管理】主要データベースを一つの環境で操作
- ■【開発から運用まで】SQL・データ移行・モデリングを幅広く支援
- ■【AIで開発を効率化】SQL生成・修正からデータ入力まで支援
Cloud SQL (グーグル・クラウド・ジャパン合同会社)
- Gemini管理とAIアプリのベクトル検索機能
- メンテのダウンタイムがほぼ1秒未満。
- オープンソースエンジンと標準ドライバに対応
Memory store (グーグル・クラウド・ジャパン合同会社)
- Valkey/Redis等と完全互換
- ゼロダウンタイムで最大250ノードまでスケーリング可能
- 生成AI向けベクトル検索機能
SQLデータベースモニターソフトウェア (SolarWinds Japan株式会社)
- 機械学習でデータベースの異常を検出
- AIでクエリ調整とボトルネック修正を支援
- マルチクラウドDBに対応
IBM Db2 (日本アイ・ビー・エム株式会社)
- AIによるリアルタイム分析と意思決定の支援
- オンプレとクラウドに対応し、柔軟な展開が可能。
- 高可用性とセキュリティで強固なデータ管理を実現。
MicrosoftSQLServer (日本マイクロソフト株式会社)
- オンプレミス・クラウド対応のAIエンタープライズDB
- LangChain等統合でアプリ開発加速
- Azure Arcでオンプレ・マルチクラウドのSQL Server統合管理
SAPHANACloud (SAPジャパン株式会社)
- 1つのエンジンで複数データ形式を処理可能。
- 生成AIとビジネスデータ接続でアプリ構築を加速。
- 高可用性と強固なセキュリティでクラウド運用を実現。
AI機能以外の目的で選ぶデータベースソフト
AI機能以外の観点でデータベースソフトを選びたい場合に検討できる製品を紹介します。AIの有無は資料で確認してください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| 軽技WebDB | Excel・CSVを取り込みノーコードでWebデータベース化。オンプレ型 |
| HotBiz8 | Excel(CSV)から取り込み、ブラウザでデータを一元管理・集計 |
| 楽々Webデータベース | Excelを取り込みノーコードでWebアプリ化。クラウド版とオンプレ版 |
軽技WebDB
- ノーコードでExcel/CSVを取込みWebアプリを即生成
- 複数アプリを結合しPostgreSQL上で一元管理
- BIツール軽技Web連携でレポートやダッシュボード作成
富士電機ITソリューション株式会社が提供する「軽技WebDB」は、AIを使う前のデータ整理を担えるオンプレミス型のWebデータベースです。Excelファイルをドラッグアンドドロップで取り込むだけでアプリ化でき、データはPostgreSQLに登録されます。複数アプリの結合や、BIツール「軽技Web」と連携したレポート・ダッシュボードの作成にも対応します。散在したExcelを集約し、項目や定義をそろえる段階で役立つ製品です。
HotBiz8
- 一人あたり71.3円~ 低コストでWebデータベースを利用
- Excel(CSV)から取り込み Webでデータを一元管理
- 集計・比較分析にも対応 60日間無料でお試し可能
株式会社ASJが提供する「HotBiz8」は、ExcelやCSVに散らばったデータを集め、AI活用の前提となる土台を整えたい企業向けのクラウド型サービスです。オプション機能の「Webデータベース」では、Excel(CSV)のデータを取り込み、フォームの項目や配置をドラッグ&ドロップで編集できます。データベースごとのアクセス権限設定やIP制限、表やグラフによる集計・比較にも対応します。
楽々Webデータベース
- 活エクセル|Excelを活用したままExcel業務の課題解決
- かんたん構築|ノーコードでだれもがIT人材に
- つなげて活用|貯めたデータも人もつなげて新たな価値を
住友電工情報システム株式会社が提供する「楽々Webデータベース」は、Excel業務をWebアプリ化し、データを整理した状態でためていきたい企業向けのノーコードプラットフォームです。Excelファイルをワンクリックで取り込むだけでWebアプリにでき、個別のアプリのデータをつなぐ「コレクトアプリ」「ジョインアプリ」も使えます。クラウド版とオンプレミス版から環境を選べるため、データの置き場所に条件がある企業でも検討できます。
まとめ
データベースソフトとAIには、AIが検索・集計やアプリ作成を手伝う関係と、データベースが生成AIに社内データを渡す関係の2つがあります。どちらの場合も、AIの結果はデータの整い方に左右され、送信先や権限の確認も欠かせません。自社が求める使い方を決めたうえで、AI機能の内容や情報管理の仕組みが異なるデータベース製品を資料請求で比較してみてください。

