ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■提供形態別
- 自社サーバに導入するパッケージ型:NI+C EDIシリーズ、Biware EDI Station 2、ACMSApex
- クラウド型のEDIサービス:JFT/SaaS、EDI-Master Cloud、eCubenet、トラコ、JSOL-EDIサービス/Web-EDIサービス
- ■対応する通信手順別
オンプレミス型EDIソフトで自社が持つもの
オンプレミス型のEDIソフトとは、取引先とデータをやり取りする仕組みを、自社が用意したサーバに導入して運用する形態です。クラウド型との違いを把握するために、自社で持つ範囲を確認しましょう。
通信と変換の機能を自社サーバで動かす
EDIソフトの中心となる機能は、取引先とデータを送受信する通信機能と、受け取ったデータを自社の形式に置き換える変換機能です。オンプレミス型では、これらを社内やデータセンターに置いたサーバで動かします。
受注データを基幹システムに取り込む処理や、出荷データを取引先に送る処理も、社内のネットワークの中で完結させられます。処理の時刻や順番を自社で細かく決められる点が、クラウド型との大きな違いです。その分、処理が止まったときの原因調査や再実行も、自社の担当者が行うことを前提に考えます。
回線や証明書、取引先ごとの設定も自社で管理する
オンプレミス型では、取引先と通信するための回線やネットワーク機器、インターネットEDIで使う電子証明書も自社で管理します。取引先ごとの接続先や識別子、データの形式といった設定も、自社の担当者が登録し、変更します。
クラウド型のEDIサービスでは、こうした設定の一部をサービス提供会社が担う場合があります。どこまでを自社で行い、どこからを委託できるのかは製品や契約によって異なるため、見積もりの段階で範囲を確認しておきましょう。
EDIソフトのオンプレミス運用が向くケース
オンプレミス型のEDIソフトが向くかどうかは、社内システムの構成や取引の特徴によって変わります。代表的な3つのケースを紹介するので、自社の状況と照らしあわせてみてください。
基幹システムと社内ネットワークで密に連携したい
販売管理や生産管理などの基幹システムが社内のサーバで動いている場合、EDIソフトも同じネットワークに置くと、データの受け渡しを社外の経路を通さずに行えます。ファイルの受け渡しやデータベースへの直接登録など、連携方法の選択肢も広がります。
一方で、基幹システムをクラウドへ移す計画がある場合は、EDIだけを社内に残すと構成が複雑になる可能性があります。基幹システムの更新計画とあわせて、EDIを置く場所を検討しましょう。
業界固有の手順や個別のデータ形式が多い
取引先ごとに通信手順やデータの形式が異なり、標準の設定だけでは対応しきれない場合は、変換ルールを自社で作り込めるオンプレミス型が検討対象となります。業界独自の項目を扱う取引も、自社の判断で変換処理を追加できます。
ただし、作り込みが増えるほど、設定を理解している担当者が限られ、変更や引き継ぎが難しくなる傾向があります。変換ルールの一覧と変更履歴を残し、複数の担当者で内容を把握できる状態にしておくことが大切です。
決まった時刻に大量のデータを処理する
毎日の締め時刻にあわせて大量の受発注データを一括で処理する業務では、処理にかかる時間が出荷や生産の計画に影響します。オンプレミス型であれば、サーバの性能や処理する順番を、締め時刻にあわせて自社で調整できます。
クラウド型でも大量のデータを扱えるサービスはありますが、料金がデータ量や通信回数に応じて変わる場合があります。現在の取引量と今後の増加を見込み、処理時間と費用の両面から比べるとよいでしょう。
回線と通信手順から見直すオンプレミスEDI
オンプレミス型のEDIソフトを使い続けるうえで、避けて通れないのが回線と通信手順の見直しです。ISDN回線の終了をきっかけに、通信の方法を切り替えた企業もあります。自社の対応状況を確認しましょう。
ISDN回線を使った手順からの切り替え
NTT東日本と西日本のINSネットのディジタル通信モードは、2024年1月に提供を終えました。従来の電話回線で使われてきた全銀手順やJCA手順などのEDIは、補完策で通信を続けている場合でも、通信速度の低下などの影響が案内されています。
補完策は当面の対応として位置づけられているため、提供期間や条件はNTT東日本と西日本の公式情報で確認しましょう。取引先と相談し、インターネットを使う通信手順へ切り替える計画を立てることが大切です。
インターネットEDIで必要な設定と準備
インターネットEDIでは、流通BMSで採用されているebXML MSやAS2、JX手順、IP網に対応した全銀TCP/IP手順(広域IP網)など、取引先にあわせた通信手順を選びます。
オンプレミス型では、通信を受け付けるためのファイアウォールの設定や、電子証明書の取得と更新も自社で行います。取引先との接続テストには相手側の作業も必要なため、日程に余裕を持たせて計画しましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でEDIの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
自社サーバでEDIを運用する負担
オンプレミス型のEDIは、導入後もサーバと通信の両方を自社で管理し続ける必要があります。運用に入ってから想定外の負担が生じないよう、主な作業を把握しておきましょう。
サーバとOS、EDIソフトの保守
オンプレミス型では、EDIソフトだけでなく、動かしているサーバの機器やOSの保守も自社で担います。OSのサポート期限が切れると、セキュリティ上の修正が提供されなくなるため、期限にあわせた更新が必要です。
OSを更新する際は、EDIソフトが新しいOSに対応しているかをベンダーに確認します。取引先との通信や基幹システムへの取り込みが更新後も正常に動くかは、本番前に検証環境で確かめておくと安心です。
夜間や休日の受信と障害への備え
取引先によっては、夜間や休日にも発注データを送ってくる場合があります。サーバが停止していると受信できず、出荷の遅れなど取引への影響が出る可能性があります。
通信の失敗やサーバの異常を担当者に通知する仕組みを整え、複数の担当者で対応できる体制にしておきましょう。障害が長引く場合に、取引先へ連絡する手順や、別の方法でデータを受け取る代替手段も決めておくと、取引への影響を抑えられます。
取引先の追加や変更に伴う設定作業
EDIでつながる取引先が増えるたびに、接続先や識別子、データの形式、変換ルールを登録し、接続テストを行う作業が発生します。取引先が通信手順やデータの項目を変更した場合も、自社側の設定を追随させる必要があります。
オンプレミス型では、こうした作業を社内の担当者が行うか、ベンダーに依頼して費用を払うかを選びます。年間に追加や変更が見込まれる件数を見積もり、作業の手順書と費用をあらかじめ把握しておきましょう。
サーバ更新を機に考えるクラウド型EDIとの併用
EDIソフトをオンプレミスで持つか、クラウド型のサービスを使うかは、どちらか一方に決める必要はありません。取引先や業務の特徴に応じて使い分ける方法もあります。
取引先の手順や規模に応じて併用する
取引量が多く、個別の変換処理が必要な主要取引先はオンプレミス型のEDIでつなぐ方法があります。取引量の少ない取引先には、クラウド型のサービスやWeb-EDI(ブラウザの画面で受発注する方式)を使うという分け方です。
併用する場合は、どちらから受け取ったデータも同じ形式で基幹システムに取り込めるかを確認しましょう。取り込みの方法が分かれると、確認作業や障害時の調査の手間が増えるためです。それぞれの経路で何件のデータを受け取ったかを、一つの画面や帳票で確認できると管理の負担を抑えられます。
サーバ更新時に比べたい費用の項目
サーバの更新時期は、オンプレミスを続けるかクラウドへ移すかを見直す機会です。オンプレミス型の費用には、ソフトウェアのライセンスや保守料に加え、サーバの購入費、回線費用、担当者の作業時間も含めて考えます。
クラウド型では月額料金のほか、取引先の追加やデータ量に応じた費用がかかる場合があります。5年程度の期間で総額を試算し、自社で担う作業の量もあわせて比べると判断しやすくなります。移行する場合は、取引先との再接続テストの工数も見込んでおきましょう。
自社運用とクラウドで比べるEDI製品一覧
自社サーバに導入できるEDIソフトと、通信や変換をクラウドで担うEDIサービスを一覧にまとめました。対応する通信手順や提供形態の違いを比べる際に役立ててください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| NI+C EDIシリーズ | EDIPACKはオンプレミス型のパッケージとASP型から選べる。流通BMSや全銀TCP/IPに対応 |
| JFT/SaaS | 全銀TCP/IP・JX・AS2・ebXML MSなどに対応するクラウド型。専用回線やVPNでの接続も可能 |
| EDI-Master Cloud | JX・全銀TCP/IP・AS2に対応するクラウド型。OpenAPIで基幹システムなどと連携 |
| eCubenet | 全銀TCP/IP・AS2・JX手順などに対応するフルアウトソーシング型。自社のEDI設備が不要 |
| トラコ | 全銀TLS・AS2・ebXML・JXなど多様な手順に対応するASP。レイアウト変換や監視機能を実装 |
| JSOL-EDIサービス/Web-EDIサービス | SaaSと業務運用を組み合わせたEDI。AS2・JXから従来型のJCA手順・全銀手順まで対応 |
| Biware EDI Station 2 | Windows Serverに導入するオンプレミス型。受発注データの処理をワークフローで自動化 |
| ACMSApex | オンプレミスで動くデータ連携基盤。Web APIやアダプタで社内外のシステムをつなぐ |
| REDISuite 汎用EDIサービス | 全銀TCP/IP・JX・ebXML・AS2のほかINSや専用線にも対応。取引先ごとの個別仕様に対応 |
自社サーバ運用と委託で選べるEDI製品
オンプレミスで導入できるEDIソフトに加え、サーバ更新時の移行先や併用先として検討できるクラウド型のEDIサービスを紹介します。取引先が使う通信手順に対応しているかを確かめながら比較してください。
NI+C EDIシリーズ
- 40年以上に渡るEDIサービスの提供と14,000サイト以上の接続実績
- NTTグループの高品質NWと国内最高レベルの堅牢なクラウド基盤
- EDI + 付加価値でお客様業務を幅広く支援
NTTインテグレーション株式会社が提供する「NI+C EDIシリーズ」は、自社で運用するパッケージと、運用を任せられるサービスの両方を用意したEDI製品群です。中核のEDIPACKは、オンプレミス型で利用するためのパッケージ販売と、同社がEDI業務を運用するASP(SaaS)型から選べます。流通BMS(AS2・ebXML・JX)や全銀TCP/IP(広域IP網)、SFTPなどの手順に対応し、フォーマット変換もオプションで用意されています。自社運用とアウトソースを比べながら検討したい企業の候補です。
JFT/SaaS
- 月額3万円から利用可能なクラウド型EDIサービス
- マルチプロトコル対応。サービス開始10年以上で豊富な接続実績
- EDI専門部隊による安心のサポート。24時間365日のサービス提供
株式会社TOKAIコミュニケーションズが提供する「JFT/SaaS」は、サーバや通信設備を自社で持たずにEDIを運用できるクラウド型のEDIサービスです。全銀TCP/IP、全銀TLS、JX、EDIINT-AS2、ebXML MS2.0/3.0などの手順に対応し、専用回線やインターネットVPNによる閉域網での接続も選べます。サーバの更新時期を迎えたときや、取引先から未対応の通信方式を求められたときの移行先として検討できます。
EDI-Master Cloud
- EDI運用サービスで運用負荷/サーバの維持保守にかかる負担を軽減
- 変化するビジネス環境に対応した機能拡張やシステム変更が可能
- OpenAPIを活用したデータやシステムの連携で業務効率化に貢献
キヤノンITソリューションズ株式会社が提供する「EDI-Master Cloud」は、自社サーバがなくてもJX・全銀TCP/IP・AS2の通信やデータ変換をクラウド上で行えるEDIサービスです。基幹連携サービスとSFTPクライアントツールにより、クラウドのデータストレージと社内の基幹システムの間でファイルを連携できます。機能はOpenAPI(Web API)で提供され、運用管理ソフトなどとの連携も可能です。稼働監視や定期メンテナンスを代行するEDI業務運用サービスも用意されています。
eCubenet
- 導入から運用までワンストップでスピーディにサービス提供
- 様々な業界仕様EDI対応の他、FAX・帳票・郵送までカバー
- 35年以上のサービス提供と3,500社以上が利用する信頼の実績
株式会社オージス総研が提供する「eCubenet」は、自社専用のEDI設備を持たずに、同社のサービス基盤へEDIを移せるフルアウトソーシング型のサービスです。全銀TCP/IP・広域IP、EDIINT AS2、JX手順、流通BMSなどの手順や、CII・業界標準・取引先独自のフォーマットの変換に対応します。日々の運行や取引先の追加作業も任せられるため、オンプレミスのEDIで保守や機器更新の負担が大きくなっている場合の選択肢です。
トラコ
- あらゆるEDIに対応したASPサービス
- 自社システムにあわせたファイルレイアウトでの連携
- 24時間サポート(夜間はベストエフォート)
デジタルトランスコミュニケーションズ株式会社が提供する「トラコ」は、取引先ごとに異なる通信手順をまとめて引き受けるEDIのASPサービスです。全銀TLS、AS2、ebXML、JX、sftp、HULFTなどの手順に対応し、固有レイアウトや流通BMS、CIIなどの相互変換も行えます。スケジュール実行や自動リトライ、正常終了・異常終了のメール通知を備え、AWS環境で冗長化されています。手順ごとに自社で通信環境を整える負担を減らしたい場合に検討できます。
JSOL-EDIサービス/Web-EDIサービス
- 各種通信手順・個別フォーマットに対応した、高いカスタマイズ性
- 基幹システムやWeb-EDI連携、API連携など多彩なシステム連携基盤
- EDI専門メンバーによる、導入から運用までのトータルサポート
株式会社JSOLが提供する「JSOL-EDIサービス/Web-EDIサービス」は、オンプレミスで構築したEDIのアウトソーシングを考える企業にも向くSaaS+BPO型のEDIサービスです。AS2やJXなどの流通BMS手順に加え、JCA手順や全銀手順といった従来型の手順、Web-EDIにも対応します。取引先ごとに異なる電文レイアウトを自社レイアウトに変換でき、通信エラー時の取引先との連絡やリトライなどの運用も任せられます。データ量に応じて支払うSaaS方式です。
Biware EDI Station 2 (株式会社インターコム)
- ワークフローを自動処理し、受発注業務の効率化に最適
- 簡単操作でバックアップ・リストアでき、安心した運用を実現
- 導入企業は60,000社以上!業界・業種を問わず利用可能
ACMSApex (株式会社データ・アプリケーション)
- Web APIやアダプタで多様なアプリ/SaaSと連携可能。
- PCI DSS準拠のセキュア設計で暗号化保管。
- クラスター/二重化により、障害時もデータ連携を継続。
REDISuite 汎用EDIサービス (株式会社日立システムズ)
- 医療・金融・物流・メーカーなど他業界の取引先へ導入可能!
- 取引先が接続できるインターフェイスの種類が多様!
- サービス導入時に、スムーズで効率な移行を実現!
まとめ
EDIソフトをオンプレミスで持つかは、基幹システムとの連携方法や取引先の通信手順、サーバと回線を自社で管理し続けられるかで判断します。オンプレミス型は処理や変換を自社にあわせて作り込める一方、OSの保守や障害対応、証明書の管理まで自社で担います。対応する通信手順や提供形態は製品によって異なるため、複数のEDI製品の資料請求をして比較してみてください。

