中小企業における電子契約の必要性
中小企業では小口・多頻度発注を実施する傾向があり、それに伴って契約頻度も増えていきます。紙の契約書の場合、書類作成以外に印刷・郵送といった作業が発生します。この頻度が高ければ、業務の負担が大きくなるだけでなく、コストも増えてしまうでしょう。
中小企業は大企業と比較すると情報化・機械化が遅れており、現在でも紙の契約書が多く、効率化が求められています。発生する頻度が高い契約業務を電子化するだけで、大きな業務改善ができるでしょう。
電子契約の普及率が上昇している
JIPDECの2018年の調査によると、電子契約の普及率は43.1%とされており、電子契約を検討している企業を含めると63.7%にもなります。
インターネットが普及し、電子契約を含む多くの業務が効率化されています。現在ではインターネットとビジネスは切り離せない関係にあるでしょう。このような環境が整備されたことや、業務効率を改善したい企業を中心に電子契約のニーズが高まっています。
また、電子契約は双方の合意があって成り立つため、導入する企業が増えるほど電子契約への対応を迫られる企業が増すでしょう。
参照:JIPDEC IT-Report2018 Spring|一般財団法人 日本情報経済社会推進協会
電子契約のメリット
電子契約のメリットは主に下記の2つです。1つずつ詳細を解説します。
事務作業の効率化
電子契約を導入することで、従来必要だった業務プロセスやコストが不要になります。
たとえば、押印・郵送・印紙貼付が必要ありません。ファイリングや保管場所の管理といった作業も不要になります。ファイル名や日付、取引先などで検索すれば、簡単に目的の契約書を見つけられます。
さらに、契約完了までに2~3週間ほどかかっていた場合は、その期間も短縮できるでしょう。数分で契約が完了するケースもあります。
また、紙の契約書の場合は、不備や変更があれば再度印刷しなければなりませんでした。電子契約だとインターネット上でデータを修正・更新するだけで済むため、スムーズに対応できます。
企業コンプライアンスの強化
電子契約の場合、契約には電子署名とタイムスタンプが必要で、万が一改ざんされても改ざんの事実を把握できるようになっています。アナログな押印と比較すると、改ざんを判断しやすく、リスク対策になるでしょう。
また、電子化した契約書はサーバ上に管理され、バックアップなどの対策を行っていれば、消失する心配もありません。ログ監視などのセキュリティ対策を実施すれば、情報漏えいを予防できます。
電子契約の導入手順
次に、一般的な電子契約の導入手順を見ていきましょう。主に3STEPに分けれています。1つずつ解説していきます。
- 1.電子契約導入の費用対効果を確認する
- 2.電子契約導入後の業務フローを策定する
- 3.取引先向けに説明会を実施する
1.電子契約導入の費用対効果を確認する
電子契約を導入しても費用対効果が低ければ意味がありません。まずは、電子契約の導入・運用コストと、電子契約の導入による効果を比較してください。
契約書を電子化することで、印刷代や印紙代、送料、人件費の削減はもちろん、契約業務の効率化によってほかの重要な業務に時間を費やすことができます。営業効率が良くなれば売上にもつながっていくでしょう。
それに対し、電子契約の導入・運用コストがあまりにも高ければ、電子契約の導入による効果が薄れてしまいます。
2.電子契約導入後の業務フローを策定する
電子契約を導入する前に、現状ではどのような流れで業務を行っているか整理します。電子契約システムによってはカスタマイズできるため、必要な機能があれば追加することが可能です。
たとえば、稟議機能や承認機能を搭載すれば、社内の合意や決裁を進めやすいでしょう。また、導入後の運用をスムーズに行うためにも、電子契約システムに合った業務フローに見直すことも必要です。
3.取引先向けに説明会を実施する
電子契約の導入をリードする場合、電子契約を導入していない取引先から了承を得なければなりません。取引先が合意しないと従来通りの契約フローになります。
電子契約システムを導入する際は取引先にその旨を報告し、取引先にも契約フローの変更を求めます。状況に応じて説明会を実施するのが有効です。メリットやデメリットを事前に伝えておくことでトラブルを予防できるでしょう。
中小企業におすすめの電子契約システム
ここからは、実際に中小企業におすすめしたい電子契約システムを紹介します。
《クラウドサイン》のPOINT
- 累計契約送信件数1000万件超! 導入実績130万社以上※
- 弁護士監修。日本の法律に関する知見を活かした開発・サポート
- 電子帳簿保存法の要件を満たしたデータ保存が可能
弁護士ドットコム株式会社が提供する「クラウドサイン」は、初めて利用される方でも直感的に操作がわかるシンプルな画面でありリアルタイムで回答を得られるチャットサポートもありますので、これから電子契約システムを導入したい企業様におすすめです。
対象従業員規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
クラウド / SaaS |
参考価格 |
Lightプラン:月額費用:10,000円~ |
参考価格補足 |
初期費用:0円 |
業種 |
金融・証券・保険 |
従業員規模 |
10名以上 50名未満 |
クラウドサインのいい点 |
★ ★ ★ ★ ☆ 4
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契約がオンライン上だけでできるので、印鑑や印紙がいらない。ペーパーレスなので書類の管理もかなり楽です。
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業種 |
卸売・小売業・商業(商社含む) |
従業員規模 |
100名以上 250名未満 |
クラウドサインの改善してほしい点 |
★ ★ ★ ★ ★ 5
|
正直快適すぎるので、改善してほしいところは見当たりません。
強いていうなら、相手の会社が電子契約に対応していない場合があったりするので、更なるPRが必要と感じます。
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製品・サービスのPOINT
- 企業間の契約締結・保管・共有をクラウド化。電子保管庫にも◎
- 電子帳簿保存法の要件を満たした文書保管・管理が可能
- 法的効力のある安全な電子契約サービス
株式会社インフォマートが提供する「BtoBプラットフォーム 契約書」は、契約書の締結・保管だけでなく、ワークフロー(社内承認)をWeb上で行うことができます。クラウド上で進行状況の把握や締結ができるため、業務のスピードアップと効率化を実現でき、印紙税などのコスト削減も可能になります。
対象従業員規模 |
全ての規模に対応 |
提供形態 |
クラウド / SaaS |
参考価格 |
シルバープラン:10,000円~ |
参考価格補足 |
フリープラン:0円~
ゴールドプラン:30,000円~ |
業種 |
飲食店・宿泊 |
従業員規模 |
100名以上 250名未満 |
BtoBプラットフォーム 契約書のいい点 |
★ ★ ★ ★ ☆ 4
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契約の相手先とクラウド上でやりとりしますので時間がかかりません。しかも、契約状況が一目でわかりますので、どこまで進んでいるのか、進捗状況が把握できる点も良い点です。
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業種 |
食品、医薬、化粧品 |
従業員規模 |
750名以上 1,000名未満 |
BtoBプラットフォーム 契約書の改善してほしい点 |
★ ★ ★ ★ ☆ 4
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添付ファイルの容量が限られている点。
請求書のやり取りがある上で添付ファイル(請求明細)が多くてなる事は想定できると思うのだが、容量制限があり結局別途メールが必要になったりする事がある。
時間制限を付けてでもある程度大容量のファイルも送れるようにして欲しい。
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製品・サービスのPOINT
- 契約書作成ー申請ー承認ー締結ー保存ー管理までまるっとサポート
- 紙の契約書も電子契約もまとめて管理
- わかりやすいデザインと定額制の料金体系で安心して使える
株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウド契約」は、契約書の申請ー承認ー締結ー保存ー管理までをカバーする、電子契約・契約書管理サービスです。電子契約データと紙の契約書もまとめて保管し契約業務の効率化、内部統制強化を実現可能です。また、送信料無料なので契約締結数の多いお客様にもおすすめです。
対象従業員規模 |
全ての規模に対応 |
提供形態 |
クラウド / SaaS / ASP / サービス |
参考価格 |
2,980円 ~ |
参考価格補足 |
2,980円:1ユーザーIDまで利用可能
4,980円:3ユーザーIDまで利用可能
50,000円:10ユーザーIDまで利用可能 |
業種 |
コンサル・会計・法律関連 |
従業員規模 |
10名未満 |
マネーフォワード クラウド契約のいい点 |
★ ★ ★ ★ ★ 5
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ひととおり初期設定をした後は、簡単な操作で電子契約の手続きを相手先に送信することができます。
クラウド側で認証手続きなどをすべて行ってくれるので、利用者側で必要なのは担当者のメールアドレスだけです。
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業種 |
その他 |
従業員規模 |
1,000名以上 5,000名未満 |
マネーフォワード クラウド契約の改善してほしい点 |
★ ★ ★ ★ ★ 5
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改善してほしい点については、今のところ特にありません。非常に便利に使っていますので、満足しています。
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電子契約の必要性を理解し、中小企業でも導入しましょう!
電子契約は業務負荷と経費の削減・コンプライアンスの強化ができます。
特に中小企業の場合は契約の頻度が高いため、電子化による効果が大きくなります。また、電子契約の普及率も高まっており、今後も導入を求められる中小企業は増えていくでしょう。
中小企業が電子契約を導入する必要性を理解し、導入を検討しましょう。