ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■給与計算システムとの組み合わせ方別
- 今の給与計算ソフトはそのままで明細の配信だけクラウドで行う:ポケット給与、マネーフォワード クラウド給与、BeSpice Payslip、Payslippro Web給与明細、集いクラウド給与明細
- 給与計算から明細の配信までクラウド型にまとめる:マネーフォワード クラウド給与、freee人事労務
- ■明細を閲覧する場所別
- ■クラウド型で確認したいセキュリティ対策別
オンプレミス型の給与明細電子化システムの仕組み
オンプレミス型とは、ソフトウェアを自社で用意したサーバに導入して使う形態です。給与明細電子化システムの場合、明細データの保管から従業員への公開までを、自社の管理下にある環境で行います。
明細データが社内で完結する流れ
オンプレミス型では、給与計算システムで作成した明細データを、社内に設置した給与明細電子化システムのサーバに取り込み、従業員が社内のパソコンからブラウザで閲覧する流れが基本です。明細データは社外のサービス事業者のサーバを経由しません。
データの保管場所やバックアップの方法、アクセスできる端末を自社の規程にあわせて決められる点が特徴です。ただし、安全性は自社のサーバ管理やネットワークの設定に左右されるため、オンプレミス型にすれば安全とは限りません。
クラウド型との違い
クラウド型は、サービス事業者が用意したサーバを、インターネット経由で利用する形態です。サーバの保守や機能の更新を事業者が行うため、自社の運用負担を抑えやすい一方、データの保管場所や更新の時期は事業者の方針に従います。
オンプレミス型は、構成を自社で決められる反面、サーバの調達や設定、障害時の対応を自社または委託先が担います。どちらが向くかは、社内のセキュリティ規程や、サーバを管理できる人員の有無、社外から閲覧する従業員の割合によって変わります。
給与明細電子化でオンプレミスが選ばれる事情
給与明細電子化システムにはクラウド型とオンプレミス型があり、社内の事情によってはオンプレミス型が選択肢にあがります。主な背景を整理します。
給与データを社外に置かない規程がある
取り扱う情報の性質や業界の規制から、個人情報を社外のサーバに保管しない方針を定めている組織があります。こうした組織では、給与明細も社内の管理下に置くことを求められる場合があります。
ただし、最近はクラウド型でも、通信の暗号化やアクセス制限、第三者認証の取得状況を示している製品があります。社内規程がクラウドの利用を一律に禁じているのか、条件付きで認めているのかを、情報システム部門に確認してから形態を決めましょう。
既存の給与計算システムがオンプレミスで動いている
給与計算システムを自社サーバで運用している場合、給与明細の電子化も同じ環境で行うと、データの受け渡しを社内で完結できます。給与計算システムの提供会社が、オンプレミス型の明細配信機能やオプションを用意していることもあります。
一方で、給与計算システムの更新時期が近い場合は、明細の電子化だけを先に進めると、後で連携方法を見直す手間が生じるおそれがあります。両方の更新計画をあわせて検討するとよいでしょう。
社外やスマートフォンから明細を見せる方法
オンプレミス型の給与明細電子化システムで課題になりやすいのが、社外からの閲覧です。社内のパソコンを使わない従業員がいる場合は、閲覧の経路をどう用意するかを、導入前に決めておく必要があります。
社内ネットワークに限定する構成
閲覧できる場所を社内ネットワークに限定する構成は、外部からのアクセス経路を設けないため、管理すべき範囲を絞れます。全員が社内のパソコンを使う事務職中心の職場では、この構成でも運用できる場合があります。
一方、工場や店舗、外回りの従業員など、業務で個人のパソコンを持たない人は明細を確認しにくくなります。共用端末を設置する場合は、利用後のログアウトや、画面をのぞき見されないための配置の工夫も必要です。退職者が過去の明細を確認したい場合に、PDFで渡すのか、一定期間だけ閲覧を認めるのかといった対応も決めておきましょう。
VPNや公開サーバを使う構成
社外から閲覧させる方法として、VPNと呼ばれる暗号化した通信経路で社内に接続する方法や、インターネットからアクセスできる位置にサーバを置く方法があります。いずれもネットワークの設計や証明書の管理が必要で、情報システム部門や構築を担う事業者との相談が欠かせません。
スマートフォンから閲覧させる場合は、多要素認証や端末の制限など、なりすましを防ぐ対策も検討します。社外公開の手間が大きい場合は、明細の配信部分だけクラウド型を使う構成を検討する企業もあります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で給与明細電子化システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
オンプレミス型で自社が担うサーバ管理
オンプレミス型の給与明細電子化システムは、導入後もサーバとソフトウェアの管理を自社で続ける必要があります。給与支払日に明細を公開できない事態を避けるため、管理の範囲と担当を明確にしておきましょう。
更新プログラムの適用とアクセスログの確認
サーバのOSやデータベース、給与明細電子化システム本体には、不具合の修正やセキュリティ対策のための更新プログラムが提供されます。適用が遅れると、既知の脆弱性を突かれるおそれがあるため、適用の手順と確認の担当を決めておきます。
あわせて、誰がいつ明細を閲覧したか、管理者がどの操作をしたかを記録したアクセスログを定期的に確認しましょう。不審なアクセスに気づける体制は、明細データを守るうえで欠かせません。
バックアップと障害時の備え
サーバの故障や停電、ソフトウェアの不具合などで、給与支払日に明細を公開できなくなる可能性もあります。明細データと設定情報のバックアップを定期的に取り、別の場所に保管しましょう。復元の手順も事前に試しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
システムが使えない場合に備え、紙の明細を作成できる状態を保っておくことも大切です。障害の連絡先や保守契約の対応時間を確認し、担当者が不在でも対応できるよう手順書を共有しておくと安心です。
管理者権限と担当の分担
オンプレミス型では、サーバの管理者と、給与明細電子化システムの管理者が別の部署になることがあります。サーバの管理は情報システム部門、明細の公開や従業員アカウントの管理は人事・給与の担当者というように、役割を分けて決めておきましょう。
サーバの管理者が明細の中身まで見られる状態は、給与情報の取り扱いとして望ましくない場合があります。管理者の権限をどこまで分けられるかを確認し、担当者が一人に偏らないよう、手順書の共有や引き継ぎの方法も決めておくと安心です。
オンプレミス型の費用の構造と更新時期
オンプレミス型の給与明細電子化システムの費用は、ソフトウェアの料金だけでは判断できません。導入時と運用中、更新時にかかる費用を分けて見積もることで、クラウド型と比べやすくなります。
導入時と運用中にかかる費用
導入時には、ソフトウェアのライセンス費用に加え、サーバの機器やOS、データベースの費用、構築や設定の作業費がかかります。給与計算システムとの連携を設定する場合は、その作業費も見積もりに含まれるかを確認しましょう。
運用中は、ソフトウェアの保守料や、サーバの保守、電気代や設置場所の費用が発生します。社内の担当者がサーバ管理に使う時間も、目に見えにくいコストとして考慮しておくと、クラウド型の月額料金と比べやすくなります。
サーバの更新と法令改正への対応
サーバの機器やOSには保守の期限があり、期限を迎える前に入れ替えが必要です。入れ替えの際は、データの移行や動作確認も発生するため、数年単位の更新計画に費用を組み込んでおきましょう。
源泉徴収票の様式変更など、法令改正に伴う対応がソフトウェアの保守契約に含まれるかも確認が必要です。更新プログラムの提供方法や適用作業の範囲は製品によって異なるため、見積もりの段階で提供会社に確認しておくと安心です。
社内規程と照らして比べる給与明細電子化システム
この記事で紹介する給与明細電子化システムを一覧にしました。いずれもクラウド型で提供されているため、既存の給与計算システムとの組み合わせ方やセキュリティ対策を、自社の規程と照らしながら比べてみてください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| ポケット給与 | 既存給与システムのCSVを取り込んで配信。IPアドレス制限やアクセスログ取得に対応 |
| マネーフォワード クラウド給与 | 給与計算は別ソフトのままWeb明細だけを利用できる。給与賞与計算も標準で備える |
| freee人事労務 | 勤怠集計から給与計算、明細の作成・配布までをWebで完結。PDF出力にも対応 |
| カオナビ | 2段階認証やIPアドレス制限に対応。データの自動バックアップやデータベース二重化も備える |
| SmartHR | 給与情報の取り込みと通知・配付の2ステップで公開。スマホアプリで明細を確認できる |
| BeSpice Payslip | 他社給与ソフトとの連携が可能。ID・パスワード認証や暗号化に対応 |
| Payslippro Web給与明細 | 弥生給与や給与奉行など主要給与ソフトと連携。表示項目を独自に設定できる |
| 集いクラウド給与明細 | CSV取り込みで給与明細を一括公開。PCやスマホなどで閲覧できる |
オンプレミス型と比べて検討したいクラウド型製品
オンプレミス型からクラウド型への移行を検討する企業向けに、既存の給与計算システムを残して明細配付のみ電子化できる製品から、給与計算ごとクラウド化できる製品まで紹介します。認証方式やアクセス制限、データの保管場所などが自社の規程を満たすかは、資料で確認してください。
ポケット給与
- 給与明細をスマホ・PC・タブレットで、いつでもどこでも閲覧可能
- 年末調整・マイナンバー収集・オリジナル帳票など幅広く電子化!
- 充実した機能と分かりやすい操作性で業務をサポート
株式会社ICSソリューションズが提供する「ポケット給与」は、既存の給与システムで計算したデータを使って明細を配信できるクラウド型のサービスです。給与システムから出力したCSVファイルをアップロードするだけで配信でき、給与計算の環境を変えずに配付の部分だけを電子化できます。IPアドレス制限や2フェーズ認証、アカウントロックに加え、アクセスログ取得による追跡調査にも対応しています。サーバのセキュリティ環境はISO 27001の認定を受けており、社内規程と照らし合わせる際の材料にもなります。
マネーフォワード クラウド給与
- 給与計算、Web明細の利用が可能!
- 給与計算は別のソフトを利用しWeb明細だけでお使いいただけます
- Web明細で印刷・配布のコスト削減。配布ミスも防止
株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウド給与」は、給与賞与計算とWeb給与明細を標準機能として備えたクラウドサービスです。給与計算は別のソフトを利用し、Web明細だけを使うこともできるため、自社サーバの給与計算システムを当面残したい企業でも、明細の配付から電子化を進められます。従業員はIDとパスワードでログインし、自分専用の画面だけで明細を確認する仕組みです。紙での印刷にも対応しています。
freee人事労務
- 10万事業所が利用!中小企業向けクラウド給与計算
- PC・スマホ・タブレットでいつでもどこでも明細閲覧
- 給与明細のペーパーレス化による配布・保管コストの削減
フリー株式会社が提供する「freee人事労務」は、給与計算と明細の配付をまとめてクラウドへ移したい場合に検討できるサービスです。登録された勤怠データの集計から給与計算、給与明細の作成までを自動化し、明細の配布もWeb上で行えます。明細はパソコンやスマートフォンから確認でき、データはクラウド上に保管されるため、過去の明細もWebで確認可能です。給与明細をPDFで出力して紙に印刷することもできます。
カオナビ
- 明細の作成・配付にかかるコストや工数を削減
- 給与明細の配布ミスや紛失によるセキュリティリスクを防止
- 従業員は簡単にWEB明細へアクセス可能で問合せ軽減
株式会社カオナビが提供する「カオナビ」は、クラウド型を検討する際に気になるセキュリティ対策を具体的に公開している製品です。2段階認証やIPアドレス制限、パスワード強度の設定、全データのSSL/TLS暗号化通信に対応しています。データベースの二重化やデータの自動バックアップ、第三者機関による脆弱性診断も挙げられています。給与・賞与明細や源泉徴収票の作成・配付をオンラインで完結でき、入社手続きや年末調整の電子化にも活用できます。
SmartHR
- 給与明細の作成・配付にかかる時間を99%削減
- 配付ミスや紛失などのセキュリティリスクを防止
- 蓄積データを活用し、「離職証明書」などの退職手続きも自動化
株式会社SmartHRが提供する「SmartHR」は、社外にいる従業員にも明細を届けやすいクラウドサービスです。給与明細の配付は、アプリケーション上で給与情報を取り込み、従業員へ通知・配付する2ステップで完了します。明細は従業員個別のアカウントを通じて配付されるため、手渡しによる誤配付や紛失のリスクを抑えられます。スマホアプリを使えば明細の公開をプッシュ通知で知らせられ、パソコンを持たない従業員も手元で確認できます。
BeSpice Payslip (カコムス株式会社)
- マルチデバイス対応でスマホからも簡単に閲覧
- ID/パスワード認証や暗号化などセキュリティも万全
- 他社給与ソフトとの連携も可能
Payslippro Web給与明細 (株式会社シスプロ)
- 全機能を60日間無料トライアル
- 弥生給与、給与奉行など主要給与ソフトと連携
- 給与明細の表示項目を独自設定可能
集いクラウド給与明細 (株式会社エッサム)
- CSV取り込みで給与明細を短時間で一括公開。
- PC・スマホなどマルチデバイスでの閲覧に対応。
- 印刷や郵送の不要化によりコスト削減を実現。
まとめ
給与明細電子化システムのオンプレミス型は、明細データを社内で管理でき、閲覧の経路や保管方法を自社で決められる形態です。その一方で、社外からの閲覧の仕組み、サーバの保守、障害への備え、機器の更新を自社で担う必要があります。社内規程や管理体制をふまえてクラウド型と比べ、自社に向く形態を見極めましょう。オンプレミス型とクラウド型を比べたい方は、資料請求で提供形態や保守の範囲を確認してください。

