中小企業における福利厚生の重要性
近年、特にZ世代を中心とした若者における会社選びのポイントが変わってきています。大和ライフネクスト株式会社は2024年7月18日~23日の期間、2025年4月入社を目指している就職活動中の学生400人に対しアンケートを行いました。その結果、企業選びで重視することの1位が「福利厚生が整っている」であると分かりました。
少子高齢化による人手不足が加速している現代において、優秀な人材を獲得するには福利厚生のアピールがもはや必須です。また人材の流出を防ぐためにも、福利厚生を充実させ今在籍している従業員の満足度を高めることも重要になってくるでしょう。
参考:「2025年卒・Z世代の就活トレンド 学生400人を調査「社員寮」に関する学生の意見とは?」ー大和ライフネクスト株式会社のプレスリリース|PRTIMES
中小企業におすすめの福利厚生
福利厚生の重要性は理解しているものの、実際に何から取り組むべきか迷っている経営者や担当者も多いでしょう。そこで、中小企業でよく取り入れられているおすすめの福利厚生の例を7つ紹介します。
福利厚生の例 |
詳細 |
住宅手当(家賃補助) |
賃貸を借りる、または住居を購入・建築する従業員に対し、一定の金額を補助する |
特別休暇 |
勤続〇年、結婚記念日、誕生日などのタイミングで取得できる休暇制度を設ける |
テレワークの推進や必要な備品の補助 |
出社が必須でない業務には積極的にテレワークを導入する あわせて、インターネット環境やデスクなどの備品費を補助する |
時短勤務・フレックス勤務の導入 |
子どもがいる・親の介護が必要な従業員が働きやすいよう、時短勤務やフレックス勤務の制度を就業規則に盛り込む |
食事補助 |
社員食堂や提携飲食店での飲食に使えるクーポンを毎月一定額配布する
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旅行支援 |
旅行会社やレジャー施設と提携し、休暇時の旅行や施設利用の費用を補助する |
リスキリングや資格取得の補助 |
リスキリングや資格取得を目的とする通信講座やセミナー等の受講費・書籍代などを補助する |
最近は「アイドルなどの推し活をしている従業員は、推しの誕生日に休暇を取ってもよい」といったユニークな福利厚生を導入する企業も増えてきています。自社独自の福利厚生は他社との差別化を図り、求職者の注目を集めるのにも有効といえるでしょう。
中小企業の福利厚生は「福利厚生サービス」の導入がおすすめ
福利厚生サービスとは、福利厚生に関する業務をアウトソーシング(外注)できるサービスです。福利厚生制度の維持や整備には時間がかかります。しかし、リソースを割けなくてもアウトソーシングすれば、簡単に福利厚生を導入可能です。
また、自社で完結させた場合に実現し得ないような、幅広い福利厚生を従業員に提供できるのも福利厚生サービスのメリットといえます。リソースを確保しにくい中小企業こそ、福利厚生サービスを活用するのがおすすめです。どのようなサービスがあるのか知りたい方は、以下の記事をご覧ください。活用メリットや料金相場も解説しています。
福利厚生サービスの選び方
福利厚生サービスには非常に多くの種類があり、自社にマッチしないものを選ぶと無駄な支出が発生しかねません。そこで、福利厚生サービスを選ぶポイントを解説します。
パッケージプランかカフェテリアプランか
福利厚生サービスには以下の2種類があります。
- ●パッケージプラン:複数の福利厚生メニューがパッケージされたもの
- ●カフェテリアプラン:企業が独自に福利厚生をパッケージ化して従業員に提供するもの
それぞれのメリットとデメリットは下記のとおりです。
項目 |
メリット |
デメリット |
パッケージプラン |
・コストが安く済む ・すぐに導入できる ・利用がWeb完結で社内手続きが不要 |
・カスタマイズ性が低い ・従業員のニーズを満たさない可能性がある
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カフェテリアプラン |
・従業員のニーズを満たしやすい ・より平等な福利厚生を整備できる ・基本的にポイント制でコストを把握しやすい |
・導入に手間がかかる ・ポイントを消化できなかった従業員から不満が出ることがある ・コストが高くなりやすい |
コストや手間を軽減したいならパッケージプランがおすすめです。一方でオリジナリティの高い福利厚生を整備し、従業員の満足度をより高めつつブランディングを狙いたい企業にはカフェテリアプランをおすすめします。
従業員のニーズにあっているか
企業側で一方的に導入した福利厚生サービスでは従業員のニーズにあわず、思ったように利用されない可能性があります。また、子どもがいる従業員など一部の従業員にしかメリットがない場合も、不満を生み出しかねません。
福利厚生サービスを導入する前には、必ずアンケートなどで従業員が求める福利厚生を確認しましょう。可能な限り従業員の希望にあったものを選べば、満足度の高い福利厚生が整備できます。
従業員が使いたくなる設計か
福利厚生サービスは、会員サイトへのログインが手間だったり、申し込みのフローが煩雑だったりするとなかなか利用率が上がりません。デモや無料トライアルで実際の使い勝手を確認して、従業員にとって使いやすい設計のものを選ぶのがポイントです。
またスマホやパソコンに慣れていない従業員がいれば、電話で申し込みが可能なことも一つのチェックポイントです。そのほか、プッシュ通知機能でキャンペーンや新サービスを告知する福利厚生サービスなら、より利用が活性化され満足度を上げられるでしょう。
中小企業におすすめの福利厚生サービス
中小企業におすすめの福利厚生サービスを紹介します。比較して自社にあうものを検討してみてください。
《福利厚生倶楽部》のPOINT
- 施設契約などの手間をかけずに多彩な福利厚生を社員に提供できる
- 全国各地の施設が利用できるので拠点による格差が解消できる
- 契約企業1万8千社、会員数670万人超のスケールメリット
株式会社リロクラブが提供する「福利厚生倶楽部」は、中小企業でも大企業に劣らない充実した福利厚生を実現できるサービスです。宿泊施設やスポーツ施設、育児施設など、企業ニーズやトレンドにあった福利厚生を従業員に提供できます。利用実績の年次レポートとそれにもとづく改善提案により、導入後の利用格差の解消も可能です。
《ごちクルNow》のPOINT
- 選べる日替わりメニューをアプリやサイトから簡単に注文できる
- 当日10時までのオーダーでランチタイムにデリバリー
- 企業の援助率は自由に設定可能
スターフェスティバル株式会社が提供する「ごちクルNow」は、東京23区内で利用できる食事補助サービスです。連携している飲食店からランチを従業員にデリバリーします。メニューは和・洋・中や有名レストランなど、多彩なジャンルから選べます。また、ランチ代金の会社負担分は0~100%の範囲で自由に設定できます。
《ライフサポート倶楽部》のPOINT
- 地域格差、年代格差のない福利厚生制度が構築できる
- 低コストと手間で充実したサービスを社員に提供できる
- 社員一人ひとりが、ニーズに合ったサービスを自由に選べる
リソルライフサポート株式会社が提供する「ライフサポート倶楽部」は、従業員1人あたり月額350円から利用できるリーズナブルな福利厚生サービスです。旅行や自己啓発など多彩なジャンルが用意されています。拠点間や世代間の偏りを解消し、ミスマッチが起きにくいのが特徴です。
《OFFICE DE YASAI》のPOINT
- 1つ100円から手軽に購入できて社員の満足度アップ!
- 準備は冷蔵庫の設置だけ!管理はすべておまかせ可能!
- 10名から20,000名まで、5000拠点以上の導入実績!
株式会社KOMPEITOが提供する「OFFICE DE YASAI」は、野菜や惣菜をオフィスの冷蔵庫に届ける置き型社食サービスです。全国の農家や生産者のとりまとめを行っている企業と契約しており、鮮度の高い国産野菜のみを提供します。賞味期限の管理も配達員が行うので、導入後のメンテナンスにも手間がかかりません。
《チケットレストラン》のPOINT
- 導入企業は2,000社以上!毎日100,000人が利用しているサービス
- 国税庁のお墨付き!非課税対象でコストメリットのある福利厚生
- 時間の制限なし!ランチ以外にも活用できる
株式会社エデンレッドジャパンが提供する「チケットレストラン」は、コンビニや飲食店など全国66,000もの店舗で利用可能なチケットを従業員に配布するサービスです。対象店舗が幅広いため、すべての従業員が平等に福利厚生を利用できます。飲食店を格安で利用可能なため従業員満足度の向上につながりやすく、離職率低下に貢献します。
《オフィスグリコ》のPOINT
- 導入コスト、運用の手間がゼロ!
- 利用人数に関わらず対応可能
- 社員のコミュニケーションに笑顔が増える
江崎グリコ株式会社が提供する「オフィスグリコ」は、お菓子や飲食物をラインナップした「ミニコンビニ」をオフィスに設置するサービスです。商品補充はサービス側で行うため、商品管理は一切不要。また商品の代金は従業員が支払うスタイルで、企業側に導入費や月額費用が発生しないのがメリットです。
《スマートマルシェ》のPOINT
- 交通系カードやpaypayでキャッシュレス決済
- 導入費用、月額費用なし!企業の負担は電気代のみ
- 福利厚生として割引販売も可能
ブリッジ・モーション・トゥモロー株式会社が提供する「スマートマルシェ」は、オフィス内にキャッシュレス決済専用の無人コンビニを設置するサービスです。導入費・月額費用は不要で、従業員個人が商品の代金を支払って利用します。企業側で割引率を設定し一部料金を負担することで、より従業員の満足度を高める福利厚生として活用可能です。
《オフィスおかん》のPOINT
- 1品100円で月替わり20種類から好きなお惣菜が選べる!
- 24時間対応で夜勤でも休憩時間がバラバラでもOK!
- 3サイズの冷蔵庫や自動販売機版であらゆる企業規模に対応!
株式会社OKANが提供する「オフィスおかん」は、24時間対応の置き型社食をオフィス内に設置するサービスです。従業員は、電子レンジで温めるだけの惣菜を1品100円で購入可能。コストパフォーマンスの高さから、昼食代を抑えたい従業員の満足度を向上できます。利用時間を問わないため、特に夜勤をともなう職場におすすめです。
《パンフォーユーオフィス》のPOINT
- レンジに40秒かけるだけで焼き立てパンが食べられる!
- 運用管理はすべておまかせ!総務の手間なく導入可能!
- 冷凍庫を置くだけ!24時間いつでも誰でも利用可!
株式会社パンフォーユーが提供する「パンフォーユーオフィス」は、オフィスに手作りパンが入った冷凍庫を設置するサービスです。オフィスの周辺に飲食店がない企業や、社員食堂ほどのコストをかけるのが難しい企業で活躍します。パンのラインナップも豊富で、多くの従業員の満足度向上が期待できます。
《Perk》のPOINT
- 導入が簡単で、手間もコストも不要
- 在宅勤務の社員も自由に選べる多彩なサービスメニュー
- トレンドに合うサービスだから利用率が高い
ウォンテッドリー株式会社が提供する「Perk」は、1,000以上のメニューから好きなものを選び、割引を受けながら利用できる福利厚生サービスです。グルメやファッション、旅行など豊富なラインナップで、すべての従業員のニーズを満たせます。工数を最小限に抑えつつ、従業員全体の満足度を向上したい企業におすすめです。
まとめ
人手不足が深刻化する現代において、採用活動の効果を高めたり従業員の定着を図ったりする面で、福利厚生の整備が重要視されています。福利厚生サービスを活用すれば、リソースを割くのが難しい中小企業でもすぐに福利厚生を整備できます。自社のニーズにあうものを探して、導入を検討してみましょう。