FAQシステム導入を検討する目的の整理
FAQシステムとは、よくある質問と回答をまとめ、顧客や社員が自己解決できるようにするための仕組みです。導入目的を最初に整理すると、必要な機能の優先順位が明確です。ここでは、導入検討の出発点となる代表的な目的を紹介します。
よくある問い合わせの可視化
問い合わせ対応の記録が担当者ごとに分散していると、どの質問が多いのか把握しにくくなります。FAQシステムを導入すると、閲覧数や検索キーワードの集計から、頻出する質問の傾向を確認できます。電話やメールの記録だけでは見落としがちな、潜在的な疑問点まで洗い出せる場合があります。部署をまたいで問い合わせが発生する製品では、傾向の把握そのものが後回しになりやすい点にも注意が必要です。
集計結果をもとにFAQの内容を見直すと、問い合わせ対応の効率化につながる場合があります。あわせて、既存のメールや電話対応の記録と照らし合わせ、抜け漏れがないかも確認しましょう。
問い合わせ対応の負荷軽減
電話やメールでの問い合わせが集中すると、対応担当者の業務負荷が高まる場合があります。FAQシステムを活用すると、利用者が自己解決できる質問については、問い合わせ件数を抑えられる可能性があります。緊急性の低い質問への対応時間を減らせれば、優先度の高い問い合わせに注力しやすくなります。
ただし、FAQの内容が分かりにくいと自己解決率は上がりにくくなります。導入時は検索のしやすさや回答の分かりやすさも、あわせて確認する必要があります。読みやすい文章量や構成になっているかも、事前に確認しておきましょう。
この記事をご覧の方には、以下の記事もおすすめです。あわせて参考にしてください。
比較で確認したいFAQシステムの機能面
FAQシステムは製品によって搭載機能が異なります。ここでは、比較検討の際に確認しておきたい代表的な機能面のポイントを紹介します。
検索精度とAI機能の確認
検索機能の精度は、利用者が目的の回答にたどり着けるかを左右する要素です。キーワードの表記ゆれに対応できるか、関連する質問を提示できるかなど、具体的な検索の挙動を確認しましょう。カタログ上の説明だけでなく、実際にデモ環境で検索を試すことも有効です。
近年はAIを活用した検索機能を搭載する製品もあります。AIの正解率は非公開の場合が多いため、利用しているエンジンの種類や、回答の根拠を確認できるかといった点を選定時の判断材料にするとよいでしょう。
既存システムとの連携範囲
チャットボットやCRM、問い合わせ管理システムなど、既存システムと連携できるかは業務効率に関わります。連携できる範囲は製品によって異なるため、必要な連携先が対応しているか事前に確認が必要です。連携によって蓄積データを一元的に扱えるようになると、対応履歴の把握もしやすくなります。
API連携を行う場合は、同期の停止や認証エラー、データ反映の遅延が起こる場合があります。エラー発生時に通知を受け取れるか、履歴を確認できるかも確認しておきましょう。連携先が複数にわたる場合は、責任の所在を一方に限定せず、両者に確認できる体制を整えておくと安心です。
利用者の操作性の確認
FAQを管理する担当者にとって、記事の作成や更新のしやすさは運用の負担に直結します。専門知識がなくても編集できる画面か、実際の操作イメージを確認しておくと安心です。テンプレート機能や画像挿入のしやすさなど、日常的な更新作業に関わる細かな仕様も比較しておきましょう。
利用者側の画面についても、スマートフォンでの表示や検索のしやすさを確認しましょう。社内向けと社外向けで求められる操作性は異なるため、用途に応じた確認が求められます。
FAQシステムの導入形態と料金体系の選び方
FAQシステムには、クラウド型とオンプレミス型があり、それぞれ初期費用や運用の手間が異なります。自社の運用体制や予算にあわせて選ぶことが大切です。料金体系もあわせて確認し、無理のない範囲で継続できる製品を選びましょう。
クラウド型とオンプレミス型の違い
クラウド型は、インターネット経由で利用するサービスで、サーバの構築や保守を自社で行う必要がありません。初期費用を抑えられる場合が多く、短期間での導入を目指す企業に選ばれる傾向があります。
オンプレミス型は、自社サーバに構築するため、セキュリティポリシーにあわせた細かなカスタマイズがしやすい一方、構築や保守の負担が発生します。社内の情報システム部門と、対応できる体制か確認しましょう。
| 導入形態 | 特徴 |
|---|---|
| クラウド型 | サーバ構築が不要で、初期費用を抑えて短期間で導入しやすい形態です。 |
| オンプレミス型 | 自社サーバに構築するため、セキュリティポリシーにあわせたカスタマイズがしやすい形態です。 |
料金体系で見る予算感の把握
料金体系は、月額固定制や利用件数に応じた従量制など、製品によって異なります。想定する利用規模にあわせて、費用感をシミュレーションしておくとよいでしょう。
初期費用や保守費用が別途発生するかも、見積もり段階で確認が必要です。複数の製品から資料を取り寄せ、料金体系を比較しながら検討することをおすすめします。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でFAQシステムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
FAQシステムの運用を始めてから失敗しないための準備
導入したFAQシステムを定着させるには、運用体制をあらかじめ整えておくことが大切です。担当者1人に依存しない体制づくりを意識しましょう。
コンテンツ更新の体制を整える
FAQの内容は、製品の仕様変更や新しい問い合わせの発生にあわせて更新が必要です。更新のルールや頻度を決めておかないと、情報が古いまま放置される場合があります。公開前の確認フローを決めておくと、誤った情報を掲載してしまうリスクも減らせます。
更新作業を特定の担当者だけに任せると、その人が不在の際に対応が滞る可能性があります。複数人で更新できる体制や、ナレッジを共有できる仕組みをあわせて整えましょう。
効果測定の指標を決める
導入後は、閲覧数や自己解決率、検索の離脱率などの指標をもとに効果を確認します。指標を決めずに運用すると、改善すべき箇所が見えにくくなります。導入前の問い合わせ件数と比較できるよう、あらかじめ現状の数値を記録しておくことも役立ちます。
効果測定の結果は、FAQの内容修正や検索キーワードの見直しに活用できます。定期的に振り返る機会を設け、継続的に改善する運用を心がけましょう。
業種や規模で異なるFAQシステムの選定ポイント
FAQシステムに求められる要件は、業種や企業規模によって異なります。自社の状況に近いケースを参考に、確認すべきポイントを整理しましょう。
中小企業が確認したいポイント
- 操作画面が専門知識なしで扱えるか
- 初期費用を抑えたクラウド型に対応しているか
- 問い合わせ窓口の対応時間や相談方法
中小企業では、情報システム部門の専任担当者がいない場合もあります。設定や更新の作業を、専門知識がなくても行える製品かを確認するとよいでしょう。導入時のサポート体制が整っているかも、あわせて確認する必要があります。
費用面では、初期費用を抑えられるクラウド型が選択肢になりやすい傾向があります。サポート体制についても、問い合わせ窓口の対応時間や相談方法を確認しておくと安心です。運用担当者が兼任になりやすい点をふまえ、無理なく続けられる製品を選びましょう。
コールセンターやEC事業者が確認したいポイント
問い合わせ件数が多いコールセンターやEC事業者では、検索精度やチャットボットとの連携範囲が重要な確認項目です。繁忙期のアクセス集中に耐えられるかも確認しましょう。注文状況や在庫情報など、外部データと連携できるかも業務効率に影響します。
複数のスタッフで同時に編集する場合は、権限管理や変更履歴を確認できる機能があると、対応責任が不明確になりにくくなります。運用規模にあわせた機能を選び、拡張性も考慮しておくとよいでしょう。
FAQシステムのおすすめ製品を紹介
ここでは、検索方式やAI活用のアプローチが異なるFAQシステムを紹介します。自社のサポート体制や導入目的に合わせて比較検討する際の参考にしてください。
Zendesk
- 顧客向け、社内向けFAQをノーコードで簡単に作成
- コンテンツは見たままに編集でき、デザインもカスタマイズ可能
- アクセス数や解決率、検索キーワードなど、データ分析機能も充実
株式会社Zendeskが提供する「Zendesk」は、ヘルプセンター機能「Zendesk Guide」によりFAQ・ナレッジベースを構築できるカスタマーサポートプラットフォームです。直感的な操作で記事の作成・編集ができ、SEO最適化機能により検索エンジンからFAQページに到達しやすくなります。ブランド化されたヘルプセンターやコミュニティフォーラムを構築できるほか、過去のチケットデータをもとに生成AIでFAQ記事を作成する機能も備え、80以上の言語での多言語対応も可能です。
PKSHA FAQ
- 社内・社外のお問い合わせ業務を効率化し、対応コスト削減
- 顧客向けFAQと社内ナレッジ、さらに応対ログを一元管理
- 1500サイト以上の導入実績を基とした運用ノウハウを提供
株式会社PKSHA Technologyが提供する「PKSHA FAQ」は、約7万種類の知識と1,200万語の辞書を用いた言語理解エンジンを搭載したFAQシステムです。社内文書や蓄積データから自動でFAQを生成し、重複チェックや分類も自動化することで運用負荷を軽減します。個別の問い合わせに対してFAQデータベースから回答を自動生成する機能もあり、ブランドイメージに合わせたFAQサイトのデザインを柔軟にカスタマイズできる点も特徴です。
Helpfeel(ヘルプフィール)
- 特許を持つ検索技術であいまい検索。“使われないFAQ”から脱却
- AIで構築/運用/分析もらくらく。AI技術と伴走サポートが高評価
- 継続率99%!生成AIを安全に活用し既存システムとも連携
株式会社Helpfeelが提供する「Helpfeel(ヘルプフィール)」は、特許取得の「意図予測検索」と生成AI技術を組み合わせた自己解決型のFAQシステムです。表記ゆれや送り仮名の違い、スペルミス、感覚的な言葉の表現などに対応し、質問の予測パターンを拡張することで、回答ページを1つ用意するだけで多様な表現からユーザーを答えに導きます。AIのハルシネーションを防ぐ独自の仕組みも備えており、金融・医療・行政など正確性が求められる業界での導入実績があります。
Tayori (株式会社PRTIMES)
- プレスリリース配信のPR TIMESが開発。
- 大切な想いを届ける「お便り」がサービス名の由来。
- 紙飛行機で日本記録を達成するプロジェクトを実施。
sAISearch (株式会社サイシード)
- AIタグで直感的にFAQを絞り込める
- FAQをアップロードするだけで高精度検索が可能なシステム
- コールセンターや社内FAQなどに最適化された検索パッケージ
まとめ
FAQシステムを選ぶ際は、検索精度や連携範囲などの機能面に加え、導入形態や料金体系、運用体制まで幅広く確認することが重要です。自社の目的や規模にあわせて優先すべき項目を整理すると、比較検討がしやすくなります。運用開始後の更新体制や効果測定の方法まで見据えておくと、導入後の定着にもつながります。複数の製品を比較しながら、自社に合うFAQシステムを検討してください。

