FAQとは
FAQの概要とQ&Aとの違いについて説明します。
「よくある質問」のこと
FAQとは、「Frequently Asked Questions」の略で、「よくある質問」を意味します。読み方は「エフエーキュー」「フェイク」で、実際に問い合わせのあった質問と回答を掲載します。
Q&Aとの違い:実際にされた質問かどうか
Q&Aは「Question And Answer」の略で、「一問一答」のことです。FAQと同様、質問と回答を掲載しますが、その内容は過去に質問されたものとは限りません。今後問い合わせが予想される質問と回答がメインで掲載されます。
Q&Aの中から実際にあった質問と回答を抽出したものが、FAQといえるでしょう。
FAQを設置する3つのメリット
FAQを設置するメリットを3つ解説します。
1:問い合わせの工数とコストの削減
FAQを設置することで、問い合わせの対応にかかる工数やコストが低減します。FAQがない場合、オペレータがすべての問い合わせに対応することになります。こうなると、異なるユーザーに同じ質問をされる可能性があり、効率的ではありません。
そこで、あらかじめよくある質問と回答を掲載すると、ユーザーはまずそれを確認します。ユーザー自身で解決できることが多くなり、電話をかけなくても良い状態になります。問い合わせの数が全体的に減るため、オペレータの負担も軽くなるでしょう。
2:対応の質・顧客満足度の向上
カスタマーサポートだけだと、ユーザーの悩みを満足に解決できません。営業時間外や混雑時は、充分な対応を受けられないでしょう。
特に一般人は営業時間外の問い合わせが多く、疑問をすぐに解消できないことに大きな不満を持ちやすいです。そのため一般ユーザーが顧客の企業ほど、FAQが必要になるのです。
FAQを設置すると、ユーザーが電話をかける機会自体を減らせます。オペレータは本当に必要な質問にだけ集中できるため、対応の質も向上するでしょう。FAQを見るだけで悩み解決が可能になった結果、顧客満足度も向上します。
3:新サービス開発への貢献
FAQは、ユーザーニーズの宝庫です。したがって、運用を続けていく中で新サービスのヒントを見つけられます。
潜在ニーズの把握には、アクセス数の多いコンテンツと、カスタマーサポートに直接問い合わせしている内容を整理することが大切です。それぞれの関連性を分析することで、商品やサービスの問題点を見つけやすくなります。これらの課題を商品開発部や経営施策部で共有すれば、商品の改善・新サービスの開発に役立つでしょう。
FAQの作り方
FAQはどのように作れば良いのでしょうか。
疑問と回答に必要な情報を収集する
まずは商品・サービスの仕様書やマニュアル、リリースノートなどを用意してください。そして、そこから商品・サービスの基本情報を収集します。この情報をベースに、予想できる質問を設定しましょう。ユーザーの疑問点は以下の方法で抽出します。
- ■過去の質問のうち、問い合わせ回数の多いものから順にピックアップする
- ■アンケートやインタビューを実施し、顧客ニーズを直接聞き出す
- ■営業担当者から、ユーザーにどのような質問を受けたか報告してもらう
- ■商品やサービスを利用して、問題点をピックアップする
質問が設定できたら、解決のために必要な情報を収集します。収集の際は、目的の情報を保有している人や部署をピックアップしましょう。
普段から部署ごとの業務内容や責任者を知っておくと、情報共有しやすくなるのでおすすめです。
収集した情報を整理する
収集した情報を体系化し、必要な情報をピックアップしていきます。質問や回答の内容、トラブルの種類、購入の段階などによって分類するのがおすすめです。過去のFAQやクレーム案件を参考にしましょう。
たとえばIT商品に関する質問の場合、型番やバリエーション、使用可能なOSなどの情報があると良いです。購入前の段階であれば、カタログ請求や見積もり、支払い方法などが必要です。使用方法に関する質問は、電源が入らない場合の対処法や故障が疑われるケースなどを記載します。
FAQの文章を作成する
FAQの文章は、平易な言葉を使って分かりやすくしましょう。図やイラストを入れると、視認性の高いFAQになるのでおすすめです。また、情報の網羅性や正確性も重視しましょう。
専門用語は、知識のある人にしか伝わらないので避けます。もし専門的で広範的な情報を入れたい場合は、FAQではなく、URLや関連情報として別途記載します。
文章を作成したら、校正作業に移ります。校正の際は「情報が網羅されているか」「誤字脱字がないか」「デザインやバランスに問題がないか」などを確認しましょう。チェック項目を作成しておくと、順序だてて品質チェックできるのでおすすめです。
校正作業は、FAQを作成した人以外が担当してください。同じ人が校正を行うと、改善点や間違いに気づきにくくなります。
校正終了後は関係部署や職員に、内容に関する最終確認をとりましょう。確認時は、承認日時や承認者の名前・コメントなどを併記します。
FAQを作成する際のポイント
FAQを作成する時は、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。
検索しやすいFAQを目指す
いくら分かりやすいFAQでも、ユーザーが使いづらければ意味がありません。そのため、FAQは検索性も重視する必要があります。FAQは、キーワードによって検索されるのが一般的です。よって、FAQのタイトルや本文に、検索キーワードをしっかり入れましょう。
ただ商品を使用したことがない、もしくは使用歴が浅いユーザーにとって、自身の悩みをキーワードで検索するのは困難です。したがって、検索性を上げるには、「電源が入らない」「フリーズした」など、大カテゴリから順に検索できる仕組みを構築すると良いです。
もちろん玄人向けに、商品名やキーワードで検索できることも重要です。FAQ作成後は、Googleのサイト内検索ツールなどを設置しましょう。
また、同一ページ内に関連するFAQページのリンクを設置するのもおすすめです。これにより、1回のアクセスで複数の悩みを解決できます。
定期的に改善をする
FAQは、一回作成して終わりではありません。定期的にチェックして、質問や回答、検索性を改善する必要があります。
たとえばアクセス数が少ない質問は、タイトルや内容にキーワードが入っていないか、検索性に問題がある可能性が高いです。一方アクセス数が多くても問い合わせ件数が減らない場合は、専門性が高すぎて、そもそもFAQでは解決できない可能性があります。この場合は、問題解決の抜本的な改革が必要でしょう。
FAQへのアクセス数を知りたい場合は、アクセス解析サービスを利用します。これを活用すれば、FAQの利用状況を細かく把握することが可能です。
ポイントを押さえて効果的なFAQを作成しよう
FAQとは、「よくある質問」のことです。「コスト削減」「顧客満足度の向上」「潜在ニーズの把握」など、さまざまなメリットがあります。興味がある方は、以下の手順で作成しましょう。
- 1.疑問と回答に必要な情報を収集する
- 2.収集した情報を整理する
- 3.FAQの文章を作成する
FAQは、検索性を重視してください。定期的に改善して、最適化することも大切です。ポイントを押さえて、効果的なFAQを作成しましょう。