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固定資産管理システムの乗り換えは期首か期中か?台帳移行の要点

固定資産管理システムの乗り換えは期首か期中か?台帳移行の要点

固定資産管理システムの乗り換えは、事業年度の期首に切り替えると、前期末の帳簿価額をもとに移せるため照合の手間を抑えられます。期中に切り替える場合は、移行日時点の帳簿価額や、期首から移行日までの償却額をどう扱うかを決める必要があります。この記事では、固定資産管理の台帳を新システムへ移す際に引き継ぐ項目と、移行後の償却額の照合、償却資産申告を続けるための準備を解説します。

この記事は2026年10月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次

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    ■移行の進め方別
    • 資産データやマスタを取り込める:FAManager
    • 導入やデータ移行の支援を相談できる:FAManager
    ■税務・会計の対応別
    ■現物管理の対応別

    固定資産管理システムを乗り換える時期は期首か期中か

    固定資産管理システムの乗り換えでは、切り替える時期によって移すデータの内容が変わります。期首と期中それぞれの特徴に加え、年に一度の申告業務との重なりも考えて時期を決めましょう。

    期首の切り替え

    期首に切り替える場合は、前期の決算で確定した期末の帳簿価額を、新システムの期首の帳簿価額として登録します。決算で数値が固まっているため、旧システムと新システムの金額を照合しやすい点がメリットです。

    注意したいのは、前期の決算が確定するまで最終的な数値が決まらない点です。期首から新システムを使い始め、決算確定後に数値を確認して修正する流れを想定しておきましょう。前期の決算作業は旧システムで行うため、決算が終わるまでは旧システムも使える状態にしておく必要があります。

    関連記事 固定資産管理システムを導入する5つのメリット!税務申告も効率化?

    期中の切り替え

    期中に切り替える場合は、期首の帳簿価額に加えて、移行日時点の帳簿価額や、期首から移行日までに計上した償却額を新システムに引き継ぐ必要があります。この期間の償却を新旧どちらのシステムで計上するかを決めておきましょう。決めないまま進めると、償却費の二重計上や計上漏れが起きるおそれがあります。

    新システムによって、期中の移行に必要な項目を入力できるかが異なります。期中に切り替える予定なら、移行日時点の金額をどの画面や取り込みファイルで登録できるかをベンダーに確認しましょう。

    償却資産申告の時期との重なり

    固定資産税の対象となる償却資産の所有者は、地方税法第383条にもとづき、毎年1月1日時点で所有する償却資産を、原則1月31日までに資産の所在地の市町村などへ申告します。年末から1月にかけて乗り換えると、移行作業と申告書の作成が重なります。

    この時期に切り替える場合は、どちらのシステムで申告書を作るかを先に決めておきましょう。3月決算の企業であれば、申告を旧システムで済ませてから4月の期首に切り替えると、作業の集中を避けられます。

    参考:固定資産税(償却資産)|東京都主税局

    乗り換えで資産台帳から移す項目と償却の引き継ぎ

    固定資産管理システムの乗り換えでは、資産の基本情報だけでなく、これまでの償却の経過も引き継ぐ必要があります。移す項目を一覧にし、新システムの登録項目と対応させてから作業を始めましょう。

    取得日や取得価額などの基本情報

    まず移すのは、資産の名称や管理番号、勘定科目、取得日、事業に使い始めた日、取得価額、耐用年数、償却方法、設置場所などの基本情報です。旧システムからCSVで出力し、新システムの取り込み用ファイルの形式に並べ替えて登録する流れが考えられます。

    項目名が同じでも、選択肢の区分が異なる場合があります。例えば、資産の種類や設置場所の区分を新システムでどう設定するかを先に決めておくと、取り込み時のエラーを減らせます。除却や売却で減った資産の履歴をどこまで移すかも決めておきましょう。

    関連記事 固定資産管理システム導入で解決できる課題とメリットとは?

    帳簿価額と償却累計額

    償却を続けるためには、移行時点の帳簿価額と、これまでに計上した償却額の累計を正しく引き継ぐ必要があります。取得価額と耐用年数だけを登録すると、新システムが取得日から償却をやり直して計算し、旧システムと金額がずれる場合があるためです。

    税務と会計で耐用年数や償却方法を変えている場合は、帳簿ごとに金額を移します。旧システムで複数の帳簿を管理していたなら、新システムでも同じ数の帳簿を持てるかを確認しておきましょう。

    定率法や特別償却などの個別の調整項目

    定率法で償却している資産では、償却の途中で計算方法が切り替わる点に注意が必要です。国税庁の説明では、定率法の償却額が「償却保証額」に初めて満たなくなった年以後は、その年の期首未償却残高である「改定取得価額」に「改定償却率」を掛けて計算します。

    すでにこの切り替えが起きている資産は、改定取得価額を正しく引き継げるか確認しましょう。あわせて、特別償却や圧縮記帳、一括償却資産の残りの償却期間など、資産ごとの調整項目があれば移す対象に含めます。扱いに迷う場合は、顧問税理士に確認すると安心です。

    参考:No.5410 減価償却資産の償却限度額の計算方法(平成19年4月1日以後取得分)|国税庁

    固定資産管理システムの移行後に償却額を照合する

    データを取り込んだら、新システムで計算した償却額が旧システムと一致するかを照合します。取り込み自体が成功しても、項目の対応のずれで金額が変わる場合があるため、本番の運用前に確認しておきましょう。

    旧システムとの償却額の比較

    照合では、同じ期間の償却額を新旧のシステムで計算し、資産ごとに比べます。全体の合計額だけでなく、勘定科目ごとや資産ごとの金額まで確認すると、ずれのある資産を特定できます。

    資産の数が多い場合は、償却方法や耐用年数、取得時期の異なる資産を選んで先に確認する方法もあります。そのうえで、資産ごとの金額と全体の合計額を照合し、差がないかを確かめましょう。照合の結果は記録として残し、経理部門の複数の担当者で確認しておくと、後から経緯を追えます。

    関連記事 固定資産管理システム導入後によくある3つの失敗例を紹介!

    差異が出たときの原因の切り分け

    償却額に差が出た場合、原因は1つとは限りません。取り込み時の項目のずれや、端数処理の違い、月割り計算の扱い、期中に取得した資産の償却開始月の設定など、複数の要因が考えられます。

    差が出た資産について、取得日や償却方法などの登録内容を旧システムの画面と1件ずつ比べると、原因を絞り込めます。システムの計算方法に起因する差であれば、ベンダーに計算の仕様を問い合わせましょう。修正した内容と理由を記録しておくことも大切です。

    会計システムへの仕訳連携の確認

    固定資産管理システムで計算した償却費は、仕訳として会計システムに取り込みます。乗り換え後は、仕訳の形式や勘定科目、部門の区分が会計システム側の設定とあっているかを確認しましょう。

    連携がファイルの取り込みか、システム間の自動連携かによって、確認する手順も変わります。取り込みエラーが起きた際に、どの資産の仕訳で止まったかを確認できるか、再取り込みができるかも、運用の前に試しておきたいポイントです。

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    乗り換え後も償却資産申告を続けるための準備

    償却資産申告は毎年続く業務のため、乗り換えで前年までの申告とのつながりが途切れないようにする必要があります。申告に使うデータを新システムでも扱えるかを確認しておきましょう。

    前年の申告内容の引き継ぎ

    償却資産申告には、前年から増減した資産を申告する方法と、所有する全資産を申告する方法があります。いずれの場合も、前年の申告内容や資産の増減履歴を新システムで確認できるようにしておくことが重要です。

    移行の際は、前年の申告書の控えと、新システムに登録した資産の一覧を照らし合わせましょう。申告の対象かどうかを示す区分や、自治体ごとの資産の所在地が正しく移っているかも確認します。電子申告を利用している場合は、新システムから申告用のデータを出力できるかも確かめておきましょう。

    参考:<補足> 電子申告における申告区分について|東京都主税局

    関連記事 固定資産管理システム導入後の3ステップを解説!うまく運用するには

    複数の自治体にまたがる資産の管理

    本社や工場、営業所などが複数の市町村にある場合は、資産の所在地ごとに申告先が分かれます。資産を拠点間で移動した場合は、移動した日や移動先も申告に関係します。

    新システムでは、設置場所と申告先の自治体を結びつけて管理できるかを確認しましょう。旧システムで設置場所を自由入力にしていた場合は、表記の揺れを整えてから移すと、自治体ごとの集計が正しく行えます。

    現物管理とリース契約も移行範囲に含める

    固定資産管理システムは、帳簿上の金額だけでなく、資産の現物やリース契約の管理にも使われます。会計データ以外に何を移すかを決めておくと、乗り換え後に管理の抜けが生じにくくなります。

    棚卸しに使う管理番号とラベル

    資産に管理番号のラベルを貼って棚卸しをしている場合は、旧システムの管理番号を新システムでもそのまま使えるかを確認しましょう。番号を振り直すと、現物のラベルを貼り替える作業が発生します。

    新システムで番号の体系が変わる場合は、旧番号を別の項目に残しておくと、現物との照合がしやすくなります。棚卸しの記録や、資産を使っている部門と担当者の情報も、移すかどうかを決めておきましょう。

    リース契約の情報

    2024年9月に企業会計基準委員会が公表した新しいリース会計基準は、原則として2027年4月1日以後に開始する事業年度の期首から適用されます。借り手は原則としてリースを使用権資産とリース負債として計上するため、対象企業ではリース契約の管理範囲が広がる見込みです。

    リース契約を表計算ソフトなど別の方法で管理している場合は、乗り換えにあわせて固定資産管理システムで管理するかを検討しましょう。自社が新基準の対象かは、監査法人や顧問税理士に確認したうえで判断することが大切です。

    参考:会計基準詳細|会計基準検索システム

    関連記事 IFRS適用で固定資産管理はどう変わる?日本基準との違いとシステム要件を解説

    移行先として比べたい固定資産管理システム一覧

    台帳の取り込みや税務・会計の帳簿管理、リースや棚卸しへの対応など、乗り換えで確認したい点を比べられるよう、紹介する製品の特徴をまとめました。

    製品名特徴
    マネーフォワード クラウド固定資産複数台帳で税務基準と会計基準の両方の償却計算を管理できる
    Plaza-i 固定資産管理システム税務・会計・IFRSなど複数帳簿に対応。償却資産申告書やeLTAXにも対応
    FAManager償却計算から仕訳、償却資産申告書までを一元管理。リース会計にも対応
    OBIC7固定資産管理システム現物管理や固定資産税申告書作成に対応。リース資産管理はオプション
    Universal Business Cloud リース固定資産新リース会計基準に対応。リース契約から減価償却、除却まで一元管理
    PCAクラウド 固定資産税法基準と会計基準で期首簿価や償却方法を管理。リース債務返済予定表も搭載
    ProPlus固定資産システム1資産に複数の帳簿を設定でき、さまざまな償却方法に対応
    HUEAsset固定資産・建設仮勘定・リース・棚卸・減損に対応

    台帳移行や申告業務に対応する固定資産管理システム

    旧システムからのデータ取り込みや導入時の支援、税務と会計の帳簿管理、償却資産申告、リース契約への対応を基準に、乗り換え先として検討したい製品を紹介します。

    マネーフォワード クラウド固定資産

    株式会社マネーフォワード
    製品・サービスのPOINT
    1. 複数台帳管理で税務基準・会計基準の差異にも対応
    2. クラウドサービスで資産の見える化を実現
    3. 会計・税務・業務担当者全員が管理しやすい

    株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウド固定資産」は、複数台帳を管理できるクラウド型の固定資産管理システムです。台帳ごとに異なる償却計算ができ、税務基準と会計基準のどちらにも対応します。償却費や増減の集計も台帳別に管理できます。資産の写真や証憑をクラウド上で管理でき、会計ソフトとの仕訳データの連携にも対応しています。

    Plaza-i 固定資産管理システム

    株式会社ビジネス・アソシエイツ
    製品・サービスのPOINT
    1. 建仮、償却資産、リース資産を多く抱える中堅/上場企業に最適
    2. 法令改正にも保守範囲でバージョンアップ対応
    3. 豊富な管理コードや配賦機能で管理会計もカバー

    株式会社ビジネス・アソシエイツが提供する「Plaza-i 固定資産管理システム」は、ERPの一部としても単独でも利用できる固定資産管理システムです。税務・会計・IFRSなどの複数帳簿に対応し、経理と税務で耐用年数や償却方法を変えて管理できます。償却資産申告書は課税標準の特例や提出地区ごとの細かい指定、eLTAXに対応しています。サポートは開発元が直接行います。

    FAManager

    株式会社TKC
    《FAManager》のPOINT
    1. 安全・安心・安定のクラウド環境で固定資産をリアルタイムに管理
    2. リース・減損・資産除去債務の管理機能が標準搭載
    3. 常に最新の会計基準、税制に対応したシステムを利用できる

    株式会社TKCが提供する「FAManager」は、固定資産の会計・税務にワンストップで対応するクラウド型の固定資産管理システムです。会計と税法による償却計算に対応し、台帳に登録した資産は償却計算や仕訳、法人税別表16、償却資産申告書に反映されます。リース会計や減損会計、資産除去債務の処理機能も標準搭載。多様なデータ読込機能を備え、税務・会計の専門家による導入支援や登録資産の検証支援も受けられます。

    OBIC7固定資産管理システム

    株式会社オービック
    《OBIC7固定資産管理システム》のPOINT
    1. 会計との一体運用で、固定資産管理を総合的に管理
    2. 建設仮勘定やリース資産管理、減損処理にも柔軟に対応
    3. 不動産や工事取引など関連業務ともスムーズなデータ連携を実現

    株式会社オービックが提供する「OBIC7固定資産管理システム」は、償却計算と台帳管理に加え、現物管理や減損処理、資産除去債務管理に対応する固定資産管理システムです。法人税(別表十六)や固定資産税申告書の作成にも対応しています。リース資産管理オプションでは、契約情報から費用計上や支払予定、満了・再リース・解約などの手続きまでを管理できます。

    Universal Business Cloud リース固定資産

    合同会社デロイト トーマツ
    製品・サービスのPOINT
    1. デロイトトーマツの持つ専門性を生かしたリース固定資産システム
    2. リース新基準に対応しリース支払負債使用権資産の管理は万全
    3. フルクラウドでスピーディーな操作感と強固なデータセキュリティ

    合同会社デロイト トーマツが提供する「Universal Business Cloud リース固定資産」は、新リース会計基準に対応したSaaS型のリース・固定資産管理ソフトです。リース契約の管理から使用権資産やリース負債の計算、減価償却、除却までを一元管理でき、IFRSや日本基準など複数の会計基準にも対応しています。固定資産の取得から減損、売却まで管理できるほか、仕訳作成や各種帳票の出力にも対応し、経理業務の効率化を支援します。

    PCAクラウド 固定資産

    ピー・シー・エー株式会社
    《PCAクラウド 固定資産》のPOINT
    1. どんな会計システムともマッチする仕訳データを自動作成
    2. 特に複雑なリース資産管理機能が充実
    3. グループ会社全体で導入しやすいコストパフォーマンスと機能性

    ピー・シー・エー株式会社が提供する「PCAクラウド 固定資産」は、固定資産・リース資産の管理から申告まで対応するクラウド型の固定資産管理ソフトです。税法基準と会計基準のそれぞれで期首簿価や償却方法、耐用年数を管理でき、リース料の支払予定額の一覧やリース債務返済予定表も搭載しています。仕訳レイアウトを調整して仕訳データを作成できるため、乗り換え後も会計システムとの連携を確認しながら運用できます。

    ProPlus固定資産システム (株式会社プロシップ)

    《ProPlus固定資産システム》のPOINT
    1. 最適な固定資産管理で業務効率化を実現したい企業
    2. IFRS対応も見据え、多彩な事例をベースに再構築を検討中の企業
    3. グローバル固定資産管理基盤の構築を実現したい企業

    HUEAsset (株式会社ワークスアプリケーションズ)

    《HUEAsset》のPOINT
    1. オールインワンで資産情報を一元化
    2. 経理も現場も使いやすいUIでペーパーレス化促進
    3. 無償アプデで法改正にも長期間安心

    まとめ

    固定資産管理システムの乗り換えでは、期首か期中かを踏まえて切り替え時期を決めることが重要です。資産台帳の基本情報に加え、帳簿価額や償却累計額などを引き継ぎ、移行後は旧システムと償却額を照合しましょう。償却資産申告や棚卸し、リース契約も含めて移行範囲を確認する必要があります。移行支援や対応機能は製品によって異なるため、資料請求で比較してみてください。

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