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固定資産管理システムをオンプレミスで運用する判断基準と役割分担

固定資産管理システムをオンプレミスで運用する判断基準と役割分担

固定資産管理システムをオンプレミスで運用するかどうかは、基幹システムとの連携や独自の管理項目、データの保管に関する社内規程といった要件で判断します。これらの要件を持つ企業にとって、自社サーバーでの運用は有力な選択肢です。一方で、税制改正版の適用やサーバーの更新を自社で担う体制が欠かせません。この記事では、オンプレミスを選ぶ判断基準と、経理部門と情報システム部門の役割分担、費用の考え方を解説します。

この記事は2026年10月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次

    ITトレンドがおすすめする製品・サービス

    ■提供形態別
    ■連携・拡張の要件別
    ■内部統制への備え別
    • 操作ログの保存やユーザー別の権限設定に対応:FAManager

    固定資産管理システムのオンプレミス運用とは

    オンプレミス運用とは、固定資産管理システムのアプリケーションとデータベースを、自社のサーバーに置いて運用する方法です。パソコン1台に導入する使い方とは目的や規模が異なるため、まずは位置づけを整理します。

    自社サーバーで台帳を一元管理する仕組み

    オンプレミス型では、社内のデータセンターやサーバールームに固定資産管理システムのサーバーを置き、各部署のパソコンから社内ネットワーク経由で利用します。資産台帳のデータベースも自社の設備内に保存されます。

    本社の経理部門だけでなく、工場や支店の担当者が同じ台帳を参照・更新できる点が特徴です。サーバーの設定やアクセス権、バックアップの方法を自社の方針で決められるため、ほかの社内システムと同じ基準で管理したい企業で検討されます。

    関連記事 固定資産管理システムを導入する5つのメリット!税務申告も効率化?

    インストール型・クラウド型との違い

    インストール型という呼び方は、パソコンにソフトを入れて使う形を指すことが多く、オンプレミス型と重なる部分があります。この記事では、複数の部署が共有する社内の基盤として運用する形をオンプレミス型として扱います。

    クラウド型は、提供事業者のサーバーで動くシステムをインターネット経由で利用する形です。サーバーの保守は事業者が担うため自社の作業を減らせますが、画面や管理項目を自社向けに変更できる範囲は限られる場合があります。

    オンプレミスを選ぶ理由になりやすい業務要件

    固定資産管理システムをオンプレミスで運用する企業には、クラウド型では満たしにくい業務要件がある場合があります。ここでは、オンプレミスを選ぶ判断材料になりやすい3つの要件を紹介します。自社の要件と照らしあわせてみてください。

    ERPや基幹システムとの社内連携

    会計や購買、生産管理などの基幹システムを自社サーバーで運用している場合、固定資産管理システムも同じ社内ネットワークに置くと連携の仕組みを組みやすい場合があります。購買システムで発注した設備の情報を、取得時に台帳へ引き継ぐといった使い方が一例です。

    ただし、連携の方法は製品や既存システムの仕様によって異なり、追加の開発が必要になる場合もあります。API連携ができるクラウド型の製品もあるため、両方の方式で費用と手間を比べることが大切です。

    独自の管理項目や複数帳簿への対応

    資産の管理区分や承認の流れが自社独自に決まっている場合、画面や帳票を改修できるオンプレミス型が検討されます。設備の保守履歴や補助金の情報など、標準の項目にない情報を台帳で管理したいケースもあります。

    また、IFRS(国際財務報告基準)を適用している企業では、IFRSと日本基準、税務で別々に償却を計算する複数帳簿の管理が必要になる場合があります。どこまで標準機能で対応でき、どこから改修が必要かを、提供元に具体的な例を示して確認しましょう。

    関連記事 IFRS適用で固定資産管理はどう変わる?日本基準との違いとシステム要件を解説

    データを社外に置かない社内規程

    財務情報を社外のサーバーに保存することを、社内の情報セキュリティ規程で制限している企業もあります。この場合、規程を改定しない限り、オンプレミス型が選択肢の中心となります。

    一方、オンプレミス型であれば安全というわけではありません。アクセス権の管理やOSの更新、バックアップを自社で適切に行うことが前提です。クラウド型の事業者が取得している第三者認証や監査報告書の内容と比べたうえで、規程の見直しが必要かどうかを検討する企業もあります。

    オンプレミス運用で必要な体制と役割分担

    固定資産管理システムをオンプレミスで運用する場合、経理部門だけでは対応しきれない作業が生じます。誰が何を担うのかを決めておかないと、更新の遅れや障害時の混乱につながるおそれがあります。必要な体制を整理しましょう。

    経理部門と情報システム部門の分担

    例えば、資産の登録や償却の確認、帳票の出力は経理部門が担い、サーバーの監視やバックアップ、OSの更新は情報システム部門が担います。障害が起きた際に、どちらが最初に対応し、提供元へ連絡するのかも決めておく必要があります。

    分担は文書にまとめ、各部門で複数の担当者が内容を把握しておきましょう。特定の担当者だけが設定を知っている状態では、異動や休暇の際に対応が滞るおそれがあります。

    関連記事 固定資産管理システム導入で解決できる課題とメリットとは?

    税制改正版の適用と検証

    オンプレミス型では、税制改正に対応したプログラムを提供元から受け取り、自社で適用します。適用の前に検証用の環境で減価償却費の計算や帳票の出力を確認すると、本番の台帳への影響を抑えられます。

    独自の改修を加えている場合は、改正版の適用で改修部分が動かなくなる可能性もあります。改修の範囲が広いほど検証の手間は増えるため、保守契約で改正対応と改修部分の動作確認をどこまで支援してもらえるかを確認しておきましょう。

    内部統制とアクセス管理への備え

    上場企業では、内部統制報告制度への対応として、システムのアクセス権や変更の管理が評価の対象となる場合があります。固定資産の台帳や償却計算は財務報告に関わるため、誰がどの操作をできるかを適切に設定することが求められます。

    オンプレミス型では、ユーザーの追加や削除、権限の変更、プログラムの変更を自社の手順で管理し、記録を残す必要があります。操作ログを出力できるか、ログの保存期間を設定できるかも、製品を比べる際に確認しましょう。

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    固定資産管理システムの自社運用にかかる費用

    オンプレミス型の固定資産管理システムは、導入時にまとまった費用がかかり、その後も保守費用とサーバーの更新費用が続きます。金額は規模や改修の範囲で大きく変わるため、費用の項目と考え方を押さえておきましょう。

    導入時に見積もる費用の項目

    導入時には、ソフトウェアのライセンス費用に加えて、サーバー機器やOS、データベースのライセンス費用がかかります。サーバーの構築や既存台帳の移行、基幹システムとの連携開発、独自の改修を依頼する場合は、その作業費も必要です。

    見積もりを比べる際は、どの作業が費用に含まれているかをそろえて確認しましょう。データ移行や操作研修が別料金になっている場合もあります。社内の担当者が構築や移行にかける作業時間も、見えにくい費用として考慮しておくとよいでしょう。

    サーバー更新にあわせたリプレイス

    オンプレミス型では、サーバー機器の保守期限やOSのサポート期限にあわせて、数年ごとに機器の入れ替えが必要です。その際、ソフトウェアのバージョンアップやデータの移行も同時に行うことがあります。

    そのため、初期費用だけでクラウド型と比べるのではなく、保守費とリプレイス費用を含めた5年程度の総額で比べると判断しやすくなります。次回の更新時期をあらかじめ把握し、予算計画に組み込んでおきましょう。

    関連記事 固定資産管理システム導入後の3ステップを解説!うまく運用するには

    クラウドへの移行を検討したい場面

    オンプレミス型で運用している企業でも、状況の変化によってはクラウド型への移行が選択肢になることがあります。移行を検討するきっかけになりやすい場面を2つ紹介します。どちらの場合も、現状の要件を棚卸ししてから判断しましょう。

    サーバーの更新時期が近づいたとき

    サーバーやOSのサポート期限が近づき、リプレイスを計画するタイミングは、運用方法を見直す機会です。改修した部分が本当に必要かを確認し、標準機能で代替できるなら、クラウド型へ移行することで自社の保守作業を減らせる場合があります。

    一方で、基幹システムとの連携や社内規程の制約が残る場合は、オンプレミス型を継続する判断もあり得ます。どちらを選ぶ場合も、期首など会計期間の区切りにあわせて移行の日程を組むと、償却計算の引き継ぎを整理しやすくなります。

    関連記事 固定資産管理システム導入後によくある3つの失敗例を紹介!

    拠点や現場からの利用を広げたいとき

    テレワークで経理業務を行う場合や、各拠点の担当者がスマートフォンで現物の棚卸しを行いたい場合は、社内ネットワークの外からの利用が必要です。オンプレミス型でもVPNを使えば社外から接続できますが、端末の管理や回線の整備に手間がかかります。

    利用する人と場所が広がるほど、クラウド型のほうが環境を整えやすい場合があります。現場の利用範囲を書き出し、両方の方式で必要な準備を比べてみましょう。

    提供形態と連携要件で見る固定資産管理システム

    オンプレミスかクラウドかを判断する材料として、この記事で紹介する製品の提供形態と、連携や複数帳簿への対応を一覧にしました。

    製品名提供形態特徴
    Plaza-i 固定資産管理システムオンプレミス/クラウド/パッケージソフトERPの一部としても単独でも使え、経理・税務・IFRSの複数台帳に対応
    OBIC7固定資産管理システムクラウド日本基準とIFRSのダブルスタンダードに対応し、6基準で償却計算できる
    FAManagerクラウド/SaaS購買システムなどとのデータ連携に対応し、操作ログの保存も可能
    PCAクラウド 固定資産クラウドAPIで会計・購買管理システムと連携でき、複数法人の管理にも対応
    Universal Business Cloud リース固定資産クラウド/SaaS複数の会計基準に対応し、業務にあわせた仕様変更も可能
    ProPlus固定資産システムオンプレミス/クラウド/パッケージソフト1資産に複数帳簿を設定でき、IFRS16号の新リースにも対応

    自社運用とクラウドで比べる固定資産管理システム

    オンプレミスで運用できる製品と、基幹システムとの連携や複数帳簿に対応するクラウド型の製品を紹介します。自社の要件をどちらの方式で満たせるかを比べてみてください。

    Plaza-i 固定資産管理システム

    株式会社ビジネス・アソシエイツ
    製品・サービスのPOINT
    1. 建仮、償却資産、リース資産を多く抱える中堅/上場企業に最適
    2. 法令改正にも保守範囲でバージョンアップ対応
    3. 豊富な管理コードや配賦機能で管理会計もカバー

    株式会社ビジネス・アソシエイツが提供する「Plaza-i 固定資産管理システム」は、ERPの一部としても単独でも利用できる固定資産管理システムです。提供形態はオンプレミスとクラウドから選べ、オンプレミスではWindows Server 2019・2022で稼働します。経理・税務・IFRSなど複数の台帳で償却計算ができ、画面と帳票は日英の両方で表示可能。減損会計やリース会計、資産除去債務などの法令改正にも保守範囲内で対応しているため、改正版を自社で適用する体制と照らしあわせて検討できます。

    OBIC7固定資産管理システム

    株式会社オービック
    《OBIC7固定資産管理システム》のPOINT
    1. 会計との一体運用で、固定資産管理を総合的に管理
    2. 建設仮勘定やリース資産管理、減損処理にも柔軟に対応
    3. 不動産や工事取引など関連業務ともスムーズなデータ連携を実現

    株式会社オービックが提供する「OBIC7固定資産管理システム」は、日本基準とIFRSのダブルスタンダードに対応する固定資産管理システムです。台帳登録から分割・売却・除却・移動・減損などの異動管理、6基準での減価償却計算、法人税別表十六や固定資産税申告書の作成までを総合的に管理します。リース資産管理と建設仮勘定はオプションで追加でき、会計と一体で運用できる点も特徴です。複数帳簿での償却管理を重視する企業が比較しやすい製品です。

    FAManager

    株式会社TKC
    《FAManager》のPOINT
    1. 安全・安心・安定のクラウド環境で固定資産をリアルタイムに管理
    2. リース・減損・資産除去債務の管理機能が標準搭載
    3. 常に最新の会計基準、税制に対応したシステムを利用できる

    株式会社TKCが提供する「FAManager」は、既存の業務システムとのデータ連携に強みを持つクラウド型の固定資産管理システムです。購買システムなどからデータを連携して、固定資産台帳への登録を効率化できます。会計と税務の償却方法を同時に登録でき、リース会計・減損会計・資産除去債務の処理機能も標準搭載。アクセスログや操作ログの保存、ユーザー別の権限設定に対応し、受託業務に係る内部統制の保証報告書も無償で提供されています。

    PCAクラウド 固定資産

    ピー・シー・エー株式会社
    《PCAクラウド 固定資産》のPOINT
    1. どんな会計システムともマッチする仕訳データを自動作成
    2. 特に複雑なリース資産管理機能が充実
    3. グループ会社全体で導入しやすいコストパフォーマンスと機能性

    ピー・シー・エー株式会社が提供する「PCAクラウド 固定資産」は、APIによって会計システムや購買管理システムとの連携に対応するクラウド型の固定資産管理システムです。PCA会計シリーズのほか他社の会計システムとも仕訳を連動でき、減価償却だけでなく取得や減損、除却の仕訳も連動可能です。税法基準と会計基準で期首簿価や償却方法を分けて管理でき、運用領域を分けた複数法人の管理にも対応。基幹システムとの連携をクラウド型で実現できるか比べる際の候補です。

    Universal Business Cloud リース固定資産

    合同会社デロイト トーマツ
    製品・サービスのPOINT
    1. デロイトトーマツの持つ専門性を生かしたリース固定資産システム
    2. リース新基準に対応しリース支払負債使用権資産の管理は万全
    3. フルクラウドでスピーディーな操作感と強固なデータセキュリティ

    合同会社デロイト トーマツが提供する「Universal Business Cloud リース固定資産」は、IFRSや日本基準など複数の会計基準に対応するSaaS型のソフトウェアです。リース契約の管理やリース負債・使用権資産の自動計算から、固定資産の取得・償却・除却までを一元的に管理できます。業務にあわせた仕様変更が可能で、仕訳出力による会計システムとの連携にも対応。クラウド型でも自社の運用にあわせた調整を検討したい企業で比べやすい製品です。

    ProPlus固定資産システム (株式会社プロシップ)

    《ProPlus固定資産システム》のPOINT
    1. 最適な固定資産管理で業務効率化を実現したい企業
    2. IFRS対応も見据え、多彩な事例をベースに再構築を検討中の企業
    3. グローバル固定資産管理基盤の構築を実現したい企業

    まとめ

    固定資産管理システムのオンプレミス運用は、基幹システムとの連携や独自の管理項目、データを社外に置かない社内規程といった要件がある企業の選択肢です。導入する場合は、経理部門と情報システム部門の役割分担、税制改正版の検証、内部統制への備えを整え、リプレイスまで含めた費用で判断しましょう。要件に適した固定資産管理システムを比較したい方は、一括資料請求を活用してください。

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