ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■対応したい制度・基準別
- 新リース会計基準への対応:Universal Business Cloud リース固定資産、FAManager、PCAクラウド 固定資産、Plaza-i 固定資産管理システム、ProPlus固定資産システム
- IFRSの帳簿への対応:OBIC7固定資産管理システム、Plaza-i 固定資産管理システム、ProPlus固定資産システム、HUEAsset
- 償却資産税の電子申告に対応:FAManager、PCAクラウド 固定資産、Plaza-i 固定資産管理システム
- ■提供形態別
固定資産管理システムの歴史を3つの段階で整理
固定資産管理の手段は、手作業の台帳から専用システム、クラウドへと移り変わってきました。特定の年で区切れるものではありませんが、管理の担い手と道具の変化に注目すると、大きく3つの段階に整理できます。まずは全体の流れをつかみましょう。
紙の台帳と表計算ソフトで管理する段階
固定資産管理は、紙の固定資産台帳に資産を記帳し、償却費を電卓で計算する方法から始まりました。その後、表計算ソフトが普及すると、台帳をファイルで管理し、計算式で償却費を求める方法が広がります。
表計算ソフトは手軽に始められる一方、税制改正のたびに計算式を直す必要があり、担当者によって計算方法がばらつく課題がありました。資産の件数が増えると、計算ミスや更新漏れを確認する手間も大きくなります。こうした課題が、専用システムが使われるきっかけの一つです。
専用パッケージで償却計算を自動化する段階
次の段階では、固定資産管理の専用パッケージソフトが使われるようになりました。償却方法や償却率をマスタとして持ち、資産を登録すれば償却費や申告書を自動で作成できる仕組みです。
税制改正があると提供会社がプログラムを更新するため、利用企業が計算式を直す必要はなくなりました。会計システムへ仕訳を受け渡す機能や、償却資産申告書を作る機能もこの流れのなかで定着します。経理部門の担当者が、計算よりも確認に時間を使えるようになった段階といえます。
クラウドと現物管理が広がる段階
現在は、インターネット経由で使うクラウド型の固定資産管理システムも選べるようになっています。サーバーを自社で用意せずに使え、税制改正への対応も提供会社側で反映される点が特徴です。
あわせて、バーコードやQRコードを使った現物棚卸しや、スマートフォンでの資産確認など、経理部門以外の社員も使う機能が増えました。管理の範囲が、帳簿上の計算から、資産の所在や状態の把握へと広がってきたといえます。
2000年代の会計基準の改正と固定資産管理
2000年代には、上場企業などに影響する会計基準の改正が続き、固定資産管理システムに新しい管理項目が加わりました。ここでは、減損会計とリース取引の会計基準を取り上げ、台帳に何が求められるようになったかを見ていきます。
減損会計の適用と回収可能性の管理
企業会計審議会が2002年に公表した「固定資産の減損に係る会計基準」は、2005年4月1日以後に開始する事業年度から適用されました。減損とは、資産の収益性が下がり、投資額の回収が見込めなくなった場合に、帳簿価額を減らす処理です。
この基準の適用により、資産をどの単位でまとめて評価するかという資産グループの管理や、減損損失を計上した後の償却計算が必要になりました。固定資産管理システムでも、減損損失の登録や、減損後の帳簿価額をもとにした償却計算に対応する製品が見られるようになりました。
リース取引会計基準でリース資産が台帳へ
企業会計基準委員会(ASBJ)が2007年3月に公表した企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」は、2008年4月1日以後に開始する事業年度から適用されました。所有権移転外ファイナンス・リース取引は、原則として売買取引に準じた会計処理に一本化されています。
これにより、対象となる企業ではリース資産を台帳に登録し、償却費やリース債務を管理する必要が生じました。固定資産管理システムにリース資産の管理機能が加わったのは、この流れと関係しています。中小企業は「中小企業の会計に関する指針」に従った処理も認められています。
減価償却制度の改正と固定資産管理システム
税務上の減価償却制度は、2007年度以降に大きな見直しが続きました。改正後の資産と改正前の資産で計算方法が異なるため、システムは取得日によって計算方法を切り替える必要があります。ここでは主な3つの改正を順に整理します。
2007年の残存価額の廃止と250%定率法
2007年度の税制改正では、2007年4月1日以後に取得した減価償却資産について、残存価額と償却可能限度額が廃止されました。耐用年数が終わるまでに、1円の備忘価額まで償却できる仕組みに変わっています。
定率法は、定額法の償却率を2.5倍した率を使う、いわゆる250%定率法に改められました。それより前に取得した資産は、取得価額の95%まで償却した後、翌年度から5年で1円まで償却する扱いです。固定資産管理システムは、新旧の計算方法を資産ごとに使い分ける必要が生じました。
2012年の200%定率法への移行
2011年12月の税制改正により、2012年4月1日以後に取得した資産の定率法は、定額法の償却率を2倍した率を使う200%定率法に改められました。2007年の改正から約5年で、償却率が再び変わりました。
この結果、同じ定率法の資産でも、2007年3月以前、2007年4月から2012年3月まで、2012年4月以後と、取得時期によって3通りの計算が併存しています。手作業や表計算ソフトでは取り違えが起こりやすく、取得日をもとに計算方法を自動で判定するシステムの役割が大きくなりました。
2016年の建物附属設備と構築物の定額法化
2016年度の税制改正では、2016年4月1日以後に取得した建物附属設備と構築物について、定率法が廃止され、定額法に限られました。建物はそれ以前の1998年4月1日以後の取得分から、すでに定額法に限られています。
この改正で、資産の種類と取得日の組み合わせによって選べる償却方法が変わるようになりました。製品によっては、資産の種類を登録すると選べない償却方法を除外する制御や、改正前後の資産を区別して表示する機能を備えています。なお、鉱業用の資産には別の扱いがあります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で固定資産管理の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品の比較検討を進めましょう。
電子保存と国際基準への対応の歴史
償却計算の自動化に加えて、帳簿データを電子で保存するルールや、国際的な会計基準への対応も、固定資産管理システムの機能に影響してきました。台帳データの持ち方を大きく変えた2つの流れを紹介します。
電子帳簿保存法と台帳データの保存
電子帳簿保存法は1998年7月に施行され、一定の要件を満たせば、帳簿や書類を紙ではなく電子データで保存できるようになりました。2022年1月施行の改正では、事前承認制度の廃止など、要件の見直しが行われています。
固定資産台帳も帳簿書類の一部として扱われるため、システムで管理するデータを電子で保存する場合は、訂正や削除の履歴を残せるか、必要なときに検索して表示できるかが問われます。電子保存の要件を満たす方法は製品によって異なるため、提供会社の説明を確認しましょう。
IFRSの任意適用と複数帳簿の広がり
日本では、2010年3月期からIFRS(国際財務報告基準)の任意適用が認められました。IFRSでは、資産の使用実態にあわせて耐用年数や償却方法を決めるため、税務上のルールとは異なる計算が必要になる場合があります。
そのため、同じ資産について税務用、日本基準の会計用、IFRS用と、複数の帳簿で償却費を計算する機能が求められるようになりました。海外子会社を持つ企業では、各国の会計基準にあわせた帳簿の管理も課題です。複数帳簿の数や、帳簿ごとに設定できる項目の範囲は製品によって異なります。
これから実務に影響する改正の動き
固定資産管理システムの歴史は、現在も続いています。公表済みの基準や改正のなかには、これから実務に影響するものもあります。今後の固定資産管理に関わる2つの動きを確認し、システム選びで見ておきたい点を整理します。
新リース会計基準の適用への備え
ASBJは2024年9月に企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」を公表しました。2027年4月1日以後に開始する事業年度の期首から適用され、早期適用も認められています。
新しい基準では、借手はファイナンス・リースかオペレーティング・リースかを問わず、原則としてリースを資産と負債に計上します。対象となる企業では、これまで台帳に載せていなかった賃借契約も管理する必要が出てくるため、契約の情報を取り込めるか、使用権資産の償却を計算できるかが確認点です。
少額減価償却資産の特例の見直し
国税庁の「令和8年度 法人税関係法令の改正の概要」によると、中小企業者等の少額減価償却資産の特例が見直されました。2026年4月1日以後に取得する資産は、取得価額の基準が30万円未満から40万円未満に引き上げられ、適用期限も3年延長されています。
あわせて、常時使用する従業員数が400人を超える法人は対象から外れました。年300万円の合計額の上限は維持されています。取得日によって判定基準が変わるため、固定資産管理システムで取得日ごとに対象を判定できるかを確認しておくと安心です。
制度改正への備えで比べる製品一覧
新リース会計基準やIFRS、償却資産税の電子申告など、記事で触れた制度・基準の変化への対応を軸に、掲載製品の特徴をまとめました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| Universal Business Cloud リース固定資産 | 新リース会計基準に対応し、リース契約と固定資産を一元管理 |
| FAManager | 新リース会計基準の影響額試算ツールを提供。税制改正は月額利用料の範囲で対応 |
| PCAクラウド 固定資産 | 新リース会計基準に追加費用なしで対応。償却資産税の電子申告も可能 |
| OBIC7固定資産管理システム | IFRSや会計基準の改定、税制改正に対応。リース資産や建設仮勘定も管理 |
| Plaza-i 固定資産管理システム | 新リース会計とIFRSの複数台帳に対応。法令改正は保守範囲内で更新 |
| ProPlus固定資産システム | 会計・税務・IFRSの複数帳簿と、IFRS16号の新リース対応機能を搭載 |
| HUEAsset | 固定資産、リース、減損に対応するSaaS。法改正やIFRSへの追従を定額サポートで提供 |
改正のたびに更新される固定資産管理システム
減損会計やリース会計、IFRSなど、年代ごとに加わった管理項目を引き継いできた製品を取り上げます。今後の新リース会計基準の適用を見据えて、対応の時期や範囲を比べてみてください。
Universal Business Cloud リース固定資産
- デロイトトーマツの持つ専門性を生かしたリース固定資産システム
- リース新基準に対応しリース支払負債使用権資産の管理は万全
- フルクラウドでスピーディーな操作感と強固なデータセキュリティ
合同会社デロイト トーマツが提供する「Universal Business Cloud リース固定資産」は、SaaS型のリース・固定資産管理ソフトです。2027年4月から適用される新リース会計基準への対応が特徴です。リース契約の情報から使用権資産とリース負債を自動で計算し、固定資産の減価償却や減損、除却といった管理も同じ仕組みで行えます。法人税別表16の出力や注記表の作成にも対応しています。リース会計の変更に備えたい企業の候補です。
FAManager
- 安全・安心・安定のクラウド環境で固定資産をリアルタイムに管理
- リース・減損・資産除去債務の管理機能が標準搭載
- 常に最新の会計基準、税制に対応したシステムを利用できる
株式会社TKCが提供する「FAManager」は、リース会計、減損会計、資産除去債務の処理機能を標準で搭載した、クラウド型の固定資産管理システムです。新リース会計基準の適用に向け、財務諸表への影響額を試算するツールも提供しています。定期的なバージョンアップにより、税制改正には月額利用料の範囲で対応する点も特徴です。償却資産申告書の電子申告にも対応しており、制度が変わるたびの更新の手間を抑えたい企業に向きます。
PCAクラウド 固定資産
- どんな会計システムともマッチする仕訳データを自動作成
- 特に複雑なリース資産管理機能が充実
- グループ会社全体で導入しやすいコストパフォーマンスと機能性
ピー・シー・エー株式会社が提供する「PCAクラウド 固定資産」は、リース資産の管理機能と償却資産税の電子申告を備えたクラウド型の固定資産管理ソフトです。2027年4月施行の新リース会計基準には追加費用なしで対応する方針で、対応機能のリリースは2026年秋を予定しています。将来のリース料支払予定額を最大10年先まで一覧で確認できる帳票も備えます。償却資産税は、eLTAX形式への変換から送信までを専用ソフトなしで行える点も特徴です。
OBIC7固定資産管理システム
- 会計との一体運用で、固定資産管理を総合的に管理
- 建設仮勘定やリース資産管理、減損処理にも柔軟に対応
- 不動産や工事取引など関連業務ともスムーズなデータ連携を実現
株式会社オービックが提供する「OBIC7固定資産管理システム」は、IFRSをはじめとする会計基準の改定や税制改正、開示要求に対応する固定資産管理システムです。台帳登録から減損、売却、除却などの異動管理、6基準での減価償却計算までを扱い、オプションでリース資産管理や建設仮勘定の管理も追加できます。会計との一体運用を軸にしており、企業グループ全体の経営管理を見据えた導入を検討する企業の選択肢です。
Plaza-i 固定資産管理システム
- 建仮、償却資産、リース資産を多く抱える中堅/上場企業に最適
- 法令改正にも保守範囲でバージョンアップ対応
- 豊富な管理コードや配賦機能で管理会計もカバー
株式会社ビジネス・アソシエイツが提供する「Plaza-i 固定資産管理システム」は、法令改正への対応を保守範囲内で行うとしている固定資産管理システムです。減損会計、リース会計、資産除去債務、IFRS16などが対象です。新リース会計では、使用権資産とリース負債の自動計算や利息計算、貸手リースに対応します。経理償却、税務償却、IFRS基準といった複数の台帳でも償却計算ができ、オンプレミスやクラウドなど提供形態も選べます。
ProPlus固定資産システム (株式会社プロシップ)
- 最適な固定資産管理で業務効率化を実現したい企業
- IFRS対応も見据え、多彩な事例をベースに再構築を検討中の企業
- グローバル固定資産管理基盤の構築を実現したい企業
HUEAsset (株式会社ワークスアプリケーションズ)
- オールインワンで資産情報を一元化
- 経理も現場も使いやすいUIでペーパーレス化促進
- 無償アプデで法改正にも長期間安心
まとめ
固定資産管理システムの歴史は、減損会計やリース会計基準の導入、2007年以降の減価償却制度の見直し、電子帳簿保存法やIFRSへの対応にあわせて、機能を広げてきた流れです。今後は新リース会計基準の適用が控えており、少額減価償却資産の特例も2026年に見直されました。改正への対応方針や帳簿の数は製品によって異なるため、資料請求で各製品の固定資産管理の対応範囲を比べてみましょう。

