余剰在庫とは
余剰在庫とは、倉庫などに保管されている売れ残り商品のことです。今後売れる見込みがあるため、在庫リスクとして直ちに問題になるわけではありません。その証拠に売れる商品であっても、仕入れ過ぎると余剰在庫になります。
ただし利益を圧迫する要因になるのは違いないので、できるだけ迅速に対処する必要があります。
滞留在庫とは
滞留在庫とは、売れる見込みのない商品のことです。もうすぐ賞味期限を迎えるものや、パッケージに損傷が見られるものなどが該当します。余剰在庫と比べて、今後利益となる可能性は極めて低いです。そのためできるだけ早く排除する必要があります。
対処方法はさまざまで、業者に売ったり廃棄したりするのが一般的です。
余剰在庫・滞留在庫があるデメリット
余剰在庫と滞留在庫には、どのようなデメリットがあるのでしょうか。
キャッシュフローが悪化する
商品は、仕入れたままでは赤字です。仕入れ資金以上の価格で売ることで、初めて利益が出ます。
しかし、余剰在庫や滞留在庫が増え、売れないままだと、仕入れに使った資金を回収できません。そのため、在庫量が多くなるほど資金繰りが苦しくなります。
コストが増加する
倉庫内が在庫商品で溢れると、保管コスト・棚卸に必要な人件費・賃貸料・金利コストなどが過剰になります。
たとえば滞留在庫の増加は、倉庫内の保管スペースを圧迫するため、在庫管理やピッキングの邪魔になります。滞留在庫が増えることで余計な作業が発生するので、人件費も高くなるのです。
また法人税や都道府県税では、在庫にも税金がかかります。そのため、在庫が増えるたびに法人税や都道府県税の支払いも多くなります。
このように余剰在庫や滞留在庫は、利益を減らし、コストの増加につながります。
品質が低下する
余剰在庫や滞留在庫が溢れ、保管期間が長くなると、商品の摩耗や損傷を招きます。商品に瑕疵があると、適正価格では売れなくなるので利益も減少するでしょう。
滞留在庫が増え、今後商品が売れないと予想できる場合は、商品を手放してしまった方がよいかもしれません。
余剰在庫・滞留在庫の対処方法
余剰在庫や滞留在庫は、どのように処理すればよいのでしょうか。ここでは、具体的な対処方法を紹介します。
余剰在庫:値下げセールで売る
需要がある商品なら、値下げすることで大量に販売できます。「値下げセール」という言葉に反応する購買者は多く、場合によっては赤字を出さずに余剰在庫を一掃することも可能でしょう。商品のタイミングを見計らって、最適な値下げ幅で販売するのがポイントです。
ただし頻繁に行うと、ブランドイメージが低下し、購入者が買い控えを行う可能性もあります。セールを実施する際は 、購入者が希少性を感じるように工夫しましょう。
余剰在庫・滞留在庫:アウトレットストアで売る
アウトレットストアでは、劣化や損傷などで、通常の価格では販売できなくなった商品を扱います。余剰在庫や滞留在庫も、通常の価格では売れなくなってしまった商品たちです。そのため、アウトレットストアと相性がよく、仕入れ価格の何割かを現金化することも可能です。
購入者から見ても、通常の価格より安く購入できるアウトレットストアは、魅力的なお店です。まだまだ使える商品なのに定価より安めに販売されていることが、消費者の購買意欲を刺激します。うまく活用すると、在庫を一気に減らせるでしょう。
滞留在庫:業者に買い取りを依頼する
滞留在庫は今後売れる見込みのない商品ですが、取引先を限定しなければ、それを必要とする業者も多いです。滞留在庫が溜まった場合は、その商品を買い取ってくれる業者を幅広く探しましょう。それでも売れない場合は、在庫処分業者に依頼します。
在庫処分業者なら、値下げセールやアウトレットストアほどではありませんが、短期間である程度の金額を現金化できます。業者のスタッフが倉庫まで商品を取りに来てくれることが多いため、人件費の節約も可能です。
ただし料金を水増し請求したり、追加料金を請求したりする企業もあるので、在庫処分業者は慎重に選びましょう。
余剰在庫や滞留在庫を減らす方法
余剰在庫や滞留在庫を減らすには、適切な在庫管理が必要です。過去の発注量・市場の状況・シーズン・天気などから、正確な需要予測を行わなければなりません。入出庫のタイミングと量を適切に見極められれば、適正在庫量を維持することができます。
そのためには、精度が高い在庫管理システムを使うのが有効です。近年ではAIを用いて需要予測を行う企業も増えています。在庫管理システムを導入し、需要予測を適切に行って、余剰在庫や滞留在庫を減らしましょう。
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余剰在庫・滞留在庫の違いを知り適切に対処しよう!
余剰在庫は今後売れる見込みのある商品です。一方滞留在庫は、今後売れる見込みがありません。これらが増えると、キャッシュフローの悪化や品質低下を招きます。以下を利用して減らしましょう。
また、精度の高い在庫管理システムを用いると正確な需要予測が可能です。導入を検討してみてください。