PBXとは?
Private Branch eXchangeの略であり、「構内交換機」と呼ばれています。主にオフィス内に設置されて活用されています。
PBXは音声をデジタル処理する「デジタルPBX」が主流となっていますが、システム制御をデジタルで行う「IP-PBX」の普及が急速に進んでいます。
PBXは、外線電話と内線電話を接続したり複数の内線電話同士を接続したりする機能が主な機能であり、外線からの発着信制御を行う機能もあります。
また、施設内の電話機から外線の発信を行なったり外線から代表番号への着信を特定の電話機に転送したりする機能をもつPBXもあります。
PBXの仕組みは公衆回線との接続を可能にする
PBXは、ISDN回線や加入者電話網などの公衆回線との接続を行います。
PBXの機種や構築環境により機能が異なり、公衆回線からの着信制御やPBX同士を専用回線で接続し複数拠点間の内線通話を無料で行えるようになります。
ビジネスフォンとの違いは複数拠点と接続できるか
ビジネスフォンはPBXの種類の1つですが、それぞれ区別される場合が多いです。
ビジネスフォンは数台から数十台の電話線を収容し、事業規模は中規模程度の企業を対象としており、単一事務所内のみ内線通話が可能です。
一方、PBXは数百台以上の電話線の収容ができ、事業規模は大企業を対象とした製品です。また、1つのPBXで複数拠点間の内線通話を行えるといった特長があります。
PBXの主な種類とは?
内線の通話や外線からの発着信制御を行うPBXは大きく分けて、「レガシーPBX」「IP-PBX」「クラウドPBX」の3種類があります。
ここでは、それぞれについて解説していきます。
1:歴史が長いレガシーPBXとは
レガシー(従来の)PBXは歴史が長く、主導交換器が導入された1890年まで遡ります。さまざまな改良を重ね、建物内にPBXの主装置を設置するという現在の形態に至りました。
レガシーPBXは会社内に主装置を設置し、電話線同士を接続し、電話線に電気信号を流して通信を行うスタイルです。
2:外線をIP電話へ振り分けるIP-PBXとは
IP-PBXは外線をIP電話へ振り分けます。インターネット回線(TCP/IPネットワーク)を利用して内線通話システムを構築できます。内線電話のネットワークとコンピュータのネットワークを統合することで、高度な通信システムの構築が可能です。
3:Web上で完結するクラウド型PBXとは
インターネット回線を利用したPBXですが、クラウド上のPBXを利用してインターネットに接続した端末を内線化します。音声信号も制御システムもIPベースでデジタル処理を行います。
通話相手がインターネット環境下であれば内線通話を行え、ネットワークのエリア外であればアナログ変換を行い公衆回線を利用した通話を行います。社内にPBX装置を設置する必要はなく、ソフトウェアをインストールする必要もありません。
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それぞれのPBXの実用的な違いとは?
レガシーPBX、IP-PBX、クラウド型PBXを導入する際にはそれぞれ、どのような違いがあるのでしょうか。2つの観点から解説していきます。
違い1:ハードウェアの必要性の違い
各PBXでは、ハードウェアの必要性が異なります。ここでは、ハードウェアの必要性について解説します。
レガシーPBX
レガシーPBXは、主装置であるPBXを拠点ごとに設置する必要があります。電話線が届く範囲内でしか内線をつなぐことができません。
IP-PBX
一方で、IP-PBXには2種類の設置方法があります。
- ・ハードウェアタイプ(交換機ベース)
- 専用機器を企業内に設置します。セキュリティの高さ、安定した稼動がメリットです。
- ・ソフトウェアタイプ(サーバベース)
- 既存の機器に専用のソフトをインストールして使用します。
クラウド型PBX
クラウド型は、インターネットを利用してサービスを利用する形態です。PBXは外部業者が管理や運用を行うため、自社でのハードウェアを準備する必要はありません。
違い2:導入・運用コストの違い
各PBXには、導入・運用コストにおいて大きく異なる点があります。ここでは、導入・運用コストの違いについて解説します。ぜひ違いを理解して自社に合ったPBXを選んでみてください。
レガシーPBXは割高
電話線が届く範囲内でしかPBXを設置できません。また、社内レイアウト変更や導入の度にPBXを設置する際は専門の業者に工事を依頼しなければならなため、「IP-PBX」「クラウド型PBX」に比べて、導入や運用時のコストが発生します。
IP-PBXは負担が少ない
レガシーPBXとは異なり電話線を開通する必要はありません。インターネット環境下であれば、社内LANに接続するだけでシステムの構築が可能です。また、社内レイアウト変更の際は、LANケーブルの変更だけで利用を再開できる、内線番号の再設定は必要ありません。
ですが、ハードウェア・ソフトウェアタイプの導入を検討している場合は、専用機器の購入や専用ソフトを購入する必要があります。
クラウド型PBXは高機能・低コスト
ベンダーが提供するサービスを利用する形態のため、導入時のコストを抑えることができます。また、自社にハードウェアを設置しないため運用コストを抑えることが可能です。ベンダーによって様々な機能を備えたクラウド型PBXが存在しています。自社のニーズに合ったシステムを理解して、導入することが大切です。
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PBXの違いを理解し、自社に合ったシステムを導入しよう
PBXは企業内には欠かすことのできないシステムであり、円滑なコミュニケーションをサポートするビジネスツールです。従来は電話回線を利用したレガシーPBXが主流でしたが、急速なITの発達によりIP-PBXやクラウド型PBXが主流になりつつあります。
IP-PBXやクラウド型PBXにはそれぞれの製品特長があります。以下の記事では、人気のPBX比較と選び方を詳しく解説しています。ぜひ無料で資料請求をして、どの製品が自社の業務スタイルにフィットするのかをよく検討し、最適なシステム導入を検討してみましょう。
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