
メンバー管理における「RACI」とは?
メンバー管理における権限管理手法RACI(レイシー)の意味を解説します。
R:実行責任者
RはResponsibleの頭文字で、該当するタスクの遂行に対して責任を負う実行責任者を意味します。たとえば、コンビニのレジ業務の実行責任者はレジを打っているスタッフです。実行責任者には以下のことが求められます。
- ■タスクの進捗や問題点を説明責任者に報告する
- ■計画通りにタスクを遂行する
- ■疑問点があれば説明責任者に確認する
A:説明責任者
AはAccountableの頭文字で、該当するタスクの結果に対して責任を負う説明責任者を意味します。たとえば、コンビニのレジ業務であれば店長が説明責任者です。
説明責任者には以下のことが求められます。
- ■自身が説明責任を持つタスクの実行責任者を指導・育成する
- ■実行責任者の状況を監視する
- ■報告先にタスクの進捗や懸念点を報告する
説明責任者は1つのタスクに対して1人のみ設定します。複数人いた場合、誰の説明が正しいのか分かりづらいためです。
C:協議先
CはConsultedの頭文字で、支援やアドバイスを求められる人物を意味します。コンビニのレジ業務では、新人アルバイトにとってベテランスタッフが協議先です。
協議先には以下のことが求められます。
- ■実行責任者からの相談に応える
- ■実行責任者がタスクを完了し、説明責任者に報告できる支援をする
- ■実行責任者が自力でタスクを完遂できるよう導く
I:報告先
IはInformedの頭文字で、タスクの進捗について最新の状況を把握すべき人物を意味します。協議先のような双方向のコミュニケーションではなく、一方的な報告です。たとえば、コンビニの業務ではオーナーが該当します。
ただし、この役割は必須ではありません。業務によっては存在しない場合もあります。報告先には以下のことが求められます。
- ■最新の状況を把握し、後続タスクへの対応などを行う
- ■報告に意見がある場合は、説明責任者に伝える
メンバーを適切に管理する方法
プロジェクトを成功させるためには、どのようにメンバーを管理すればよいのでしょうか。
メンバーの性格・能力を把握する
適材適所な人材配置のために、メンバーの性格や能力を把握しましょう。そのためには以下のことに気を付けましょう。
- ■日ごろからメンバーを観察する
- ■コミュニケーションを積極的にとる
能力はもちろんですが、性格もタスクに反映されます。メンバーの性格を理解し、うまく内的動機に結び付けられれば、高いパフォーマンスが期待できるでしょう。
特に確認しておきたいのが、楽観的か悲観的かです。同じ状況でも、性格によってとらえ方が大きく異なります。そのため、メンバーによって指示を変えて、モチベーションを向上・維持させましょう。
そのほか、メンバーと信頼関係を築くことも欠かせません。そのためには、間違いを容認できる雰囲気を作りましょう。この雰囲気が作れなければ、メンバーは悪い報告をするのを躊躇し、プロジェクトが失敗する原因となります。
進捗率の認識を統一する
進捗率の認識を統一しましょう。進捗率は明確に定義を決めなければ、正確な状況把握ができません。特に、感覚や時間で進捗率を定義した場合、メンバー間で認識にずれが生じる恐れがあります。明確に進捗率を定義するには、以下のような方法があります。
- ■成果物を基準にする
- ■タスクを細分化する
10ページ作成する書類の7ページ目を作成した時点で進捗度70%にするなど、成果物を基準にすることで分かりやすくなります。また、タスクを細分化し、それぞれを完了・未完了の2種類に分類することでも明確な定義が実現します。
リアルタイムに状況を把握する
プロジェクトの状況をリアルタイムで把握できる環境を構築しましょう。リアルタイムで状況が把握できなければ、何か問題が起きたときの対応が遅れるためです。
ただし、大切なのは実態が見えることです。そのときの状況だけでなく、メンバーのスケジュールから今後の見通しまでが分かれば、より早い段階で問題に対処できるでしょう。
そして、そのために利用したいのがプロジェクト管理ツールです。メンバー同士の情報共有やコミュニケーションを促進することで、プロジェクト全体の透明度が向上します。
メンバーを適切に管理し、プロジェクトを成功へ!
プロジェクト管理におけるRACIは以下の4種類の責任を意味します。
- ■実行責任者
- ■説明責任者
- ■協議先
- ■報告先
また、メンバーを適切に管理するポイントは以下の3つです。
- ■性格と能力の把握
- ■進捗度の明確な定義
- ■リアルタイムな状況把握
情報共有やコミュニケーションの促進には、プロジェクト管理ツールの導入がおすすめです。メンバーの心理面やシステム面での課題を解決し、プロジェクトを成功に導いてください。
