プロジェクト管理を効率化させる「PDCA」とは
PDCAとは計画・実行・評価・改善を繰り返すことで、プロジェクト管理を効率化させる手法です。一つのプロジェクトを四つのセクションに分けることで、業務を評価・改善していきます。
プロジェクトを成功させるには、高品質な計画が必要ですが、事前に完璧なプランを用意することは不可能です。PDCAサイクルを徹底すればプランの評価・改善が可能になり、不確実性の高いプロジェクトにも効果的に対応できます。
- 【PDCAサイクル】
- 計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Act)

基本的なPDCAの回し方
ここでは、基本的なPDCAの回し方を紹介します。
1:計画を作成するPlan
Planは、プロジェクトを成功させるための事前プランを作成する作業です。一つ一つの作業を具体的なPlanに落とし込み、期限と担当責任者を決めていきます。理想とする目標を掲げ、現時点で何をすべきかを特定しましょう。
例えば、「ウェブサイトのPVを10倍に増やす」という目標を立てたとします。このような場合は、「Googleの検索順位を上げるためにコンテンツを増やす」などがPlanとして有効です。
Planを立てるときは、現時点でのギャップを埋めるための施策を、仮説ベースで作成するようにしましょう。現行の業務と並行して作業するための予算管理も重要です。
2:計画を実行するDo
ここでは担当責任者を中心に、スケジュール通りに計画を実行していきます。現場から不満の声が上がることもありますが、毅然とした態度で臨むようにしましょう。
Doをやり遂げないとPDCAサイクルが止まってしまいます。担当責任者やリーダーは、Doを完遂することを目的にしましょう。
3:計画を評価するCheck
Checkでは、Planで立てた計画が達成されているかを確認します。達成されていない場合は、どこがダメだったのか、原因を特定していきます。
4:計画を修正するAct
Checkで特定した原因を分析し、改善していくためのフェーズです。Planで立てた作業案に、具体的な修正案を組み込んでいきます。場合によってはPlan自体を変更する必要もあるでしょう。よい改善策が出ない場合は、checkページに戻って原因の特定からやり直しましょう。
プロジェクト管理においてPDCAを回すコツ
プロジェクト管理においてPDCAを回すコツを4つ紹介します。
目標を具体的にする
PDCAをうまく回すには、「新規顧客からの問い合わせ数を30件伸ばす」など、具体的な数値目標を立てましょう。 PDCAが失敗するのは、目標が具体的ではないときです。「業務を改善して売上を伸ばす」などの目的では、具体的に何をすればよいのかわかりません。
時間設定を的確にする
PDCAは、「日単位」で作業の進行状況をチェックするのが基本です。Planを実行するときは必ず期間を設定しましょう。時間設定を的確にしなければ、PDCA全体のバランスが崩れます。大規模なプロジェクトになるほど、少しの遅れが膨大な損失につながるので注意してください。
Planの段階で2割ほどの余剰期間をおくのがおすすめです。そうすることで、日単位の遅れに対処できます。
失敗の原因の仮説を立てる
PDCAをうまく回すなら、Checkの段階で原因の仮説を立てることが大切です。最初に立てたPlanがうまくいくことは、ほとんどありません。仮説でもよいので、具体的な改善を出すことが重要です。
仮説を出す時は、トヨタで活用されているなぜなぜ分析がおすすめです。これを活用してWhy(なぜ)を5回繰り返すことで、原因の仮説が立てやすくなるといわれています。
上位層のPDCAを意識する
PDCAには階層があるため、うまく回したいなら、上位層の改善に意識を向けるべきです。PDCAの上位層は、根本的な原因の改善にあたります。下位層とくらべ、改善の重要性が高いのが特徴です。
例えば、自社が運用するアプリケーションにバグが発生したとします。この場合の上位層はバグが発生しないような施策を行うことです。そしてバグの改善が下位層にあたります。同じ失敗を繰り返さないためには上位層の改善が重要ということは一目瞭然です。
PDCAを導入てプロジェクト管理を効率的に!
プロジェクト管理におけるPDCAは、プロジェクトを成功させるための効果的な手法です。計画(Plan)・実行(Do)・評価(Check)・改善(Act)という手順で行われます。
成功させるためには目標や時間設定を明確にして、一つ一つのフェーズを的確にこなすことが大切です。PDCAを導入してプロジェクト管理を効率化しましょう。
