調達管理(マネジメント)とは
まずは調達マネジメントについて見ていきましょう。
契約のマネジメントプロセス
調達マネジメントとは、プロジェクトの中で必要になる資材・サービスを母体組織以外から調達するときの引合から契約完了までを管理する工程です。外部から物資を調達するときには必ず外部機関との契約が行われるため、調達マネジメントは契約のマネジメントとも呼ばれます。
プロジェクトを完遂するためにはリソースが必要であり、社内で不十分な場合は外部から調達しなければなりません。しかし、プロジェクトにも予算が割り振られています。そのため、適切なリソースを確保しなければ、プロジェクトは失敗するでしょう。
プロジェクトに効果的な「調達」を実施し、コストパフォーマンスを最適化を行います。それだけでなく、契約の管理まで行うことが調達マネジメントの役割です。
仕入れ先との連携に調達管理が必要
調達マネジメントは仕入れ先との連携を行うためにも必要です。特にIT企業の場合、リソースは資材だけでなくサービスやメンバーである可能性もあるでしょう。人的リソースを確保するときに、担当者のスキルを把握してなければアウトプットの質は低くなります。
特に大きなプロジェクトでは、人数だけでなく技術的にも不足しやすくなるでしょう。成功させるためには適切なリソースを確保できるよう、取引先と連携し適切な調達管理を行うことが求められます。

調達管理(マネジメント)のプロセスとは
では、具体的にどのようなプロセスで調達管理を行うのか見ていきましょう。
1:外注契約準備の「調達マネジメント計画」
調達マネジメント計画とは、どのように調達プロセスを進めるかという計画を立てることです。
プロジェクトを適切に進めるためには、なるべく早いタイミングで外注契約準備の調達マネジメント計画を作成する必要があります。また、適切な計画を立てるためには、プロジェクトの全体を見渡し必要な資材を把握しておかなければなりません。
最終的には調達の進め方をまとめた調達マネジメント計画書を作成します。
2:適切に契約を行う「調達実行」
調達実行とは、調達マネジメント計画に基づいて資材の調達を実行することです。
実行の際は、計画書以外にも必要な情報を集めプロジェクトメンバー内にも共有します。場合によっては資材の入札説明会の出席し、積極的に情報を得ることが大切です。
入札説明会を実施する場合は、特定の業者に有利になる扱いをしてはならないため注意しましょう。そのため、情報を周知・共有しなければなりません。最終的には選定納入者と調達の交渉を行い、プロジェクトを効果的に進めます。
3:パフォーマンスの監視・修正を行う「調達コントロール」
調達コントロールとは、契約内容や資材のパフォーマンスの監視を行い、必要に応じて変更や修正を加えることです。基本的に契約の進捗管理や納品物の状態・品質管理、変更があった場合の管理を行います。
4:プロセスの最終段階の「調達終結」
調達マネジメントの最終段階は調達終結です。調達したものがしっかりと納品されているかどうかはもちろん、契約内容に不備がないか確認する必要があります。
調達マネジメント計画書の内容と照らし合わせ、調達の工程を評価することも重要です。成功、あるいは失敗した原因などを明確化し、今後のプロジェクトに繋げていきましょう。
調達管理(マネジメント)のメリット
調達マネジメントを正確に行うためにも、どのようなメリットがあるか見ていきましょう。
コストの削減
調達マネジメントの最大のメリットは適切な調達を行うことによるコスト削減の実現です。
しかし、そのためには状況に応じて適正な仕入れ価格でリソースを調達しなければなりません。調達管理の担当者は、仕入れ状況や価格、品質などをプロジェクトに合わせて判断することが求められます。
また、毎回決まった取引先から調達をするよりも、プロジェクトごとに見積りを取り最適な業者を選定することで大きな効果が期待できるでしょう。
ノウハウの蓄積
企業単位で調達管理を適切に行い共有することで、ノウハウが蓄積し、より効果的に業者選定を行えます。
実際に、同一企業内でも部門ごとに見積書や発注書、仕入れ業者が異なることもあるでしょう。また、担当者に任せっきりだと属人化してしまい恐れがあります。担当者がその職場を離れるとトラブルに対応できなくなることも珍しくありません。
調達マネジメントを正確に評価し、ノウハウを共有することで生産性を上げることも可能です。
全体のフローの把握
調達マネジメントを行い社内で共有することで、プロジェクトメンバーだけでなくステークホルダーも全体のフローを把握できます。プロジェクトに関する資材の納期遅れはもちろん、社内に無駄な在庫があることも大きな問題です。
プロジェクトの効率を上げるためには、調達・管理部門の方法を見直すと良いでしょう。
適切な調達管理で、プロジェクト管理を円滑に進めましょう
効果的なプロジェクト管理を行うためには最適な調達管理が必要でしょう。
調達管理とはプロジェクトに必要なリソースを適切に調達・管理することです。実行するためには計画を立て、状況に応じて適切な調達管理を行います。効果的に調達管理を行えばコスト削減や業者選定のノウハウの蓄積が可能です。
適切な調達管理でプロジェクトを管理し、円滑に進めましょう。
