
プロジェクトにおけるバージョン管理とは
プロジェクトにおけるバージョン管理とは、成果物のバージョンを管理することです。
テキストやエクセルファイルを筆頭に、プロジェクトにおいては多数のファイルを扱います。そして、ファイルにはバージョンがあります。最新のバージョンだけでなく、問題が起きたときに備えて過去のバージョンも管理しておきたいでしょう。
ところが、このバージョンを適切に管理するのは簡単ではありません。ファイル名に編集日時を記入するなどの方法もありますが、記入漏れが発生するためうまくいきません。特に複数人で1つのファイルを編集する場合は、正確な管理は困難でしょう。
そのため、プロジェクトにおいてどのような方法でバージョン管理するかは重要な課題となります。
バージョン管理の方法
バージョン管理の方法を2つ紹介します。
1:エクセルの利用
エクセルファイルのバージョン管理は簡単です。
Excel 2010からはバージョン管理機能が搭載され、一度保存したファイルであれば自動でバックアップが随時保存されます。いつ編集されたかが一目で分かるため、最新バージョンだけでなく過去のバージョンを把握するのも容易です。
また、手動で保存する際は上書き保存ではなく「名前を付けて保存」にすることで、バックアップを作成できます。ファイル名に編集日時を記入するなどしてバージョン管理しましょう。
さらに、そのファイル内に更新内容をメモしておけば、後で目的のバージョンを探し出しやすくなるでしょう。
2:バージョン管理システムの利用
バージョン管理システムを使う方法があります。エクセルファイルだけであれば、専用のシステムを使う必要はないかもしれません。しかし、複雑なデータや複数の種類のデータを扱う場合は、バージョン管理システムが便利です。
すべてのファイルの更新履歴を残せるため、ファイルの種類に関係なくバージョン管理できます。プロジェクトにおけるバージョン管理が効率化するでしょう。
バージョン管理システムの種類
バージョン管理システムには2種類の方式があります。それぞれ見ていきましょう。
1:サーバで一括管理をする「集中管理方式」
集中管理方式とは、専用のサーバでバージョンを一括管理する方式です。専用サーバ上にリポジトリと呼ばれるフォルダが作成され、管理したいファイルはすべてその中に保存されます。
ユーザーは自身のPCに専用ソフトウェアを導入し、そのサーバにアクセスすることでファイルを編集できます。ファイルを編集するたびに自動でバージョンが追加されるため、ユーザーはバージョン管理を意識する必要がありません。
ただし、サーバに接続しなければファイルを編集できない、サーバが故障すると全データが損失するという弱点があります。
2:ユーザーがコピーを持つ「分散管理方式」
分散管理方式は、ユーザーがリポジトリのコピーを持つ方式です。
この方式では、ユーザーはPC内のローカルデータとしてファイルを保存することになります。それを随時サーバのリポジトリに反映させることで、サーバでの一元管理も実現します。
ユーザーがそれぞれ手元にファイルを持っているため、サーバに接続しなくてもファイルを編集できるのが特徴です。また、サーバが故障してもユーザーのPCにデータが残っているので、リスクが少ない方式といえるでしょう。
バージョン管理システムを使うメリット
バージョン管理システムのメリットを2つ解説します。
以前の状態に戻すことができる
バージョン管理システムを利用すれば、簡単に以前のバージョンを復元できます。
ローカルでファイルを操作していると、誤って上書き保存し、前のバージョンが消失することがあるでしょう。しかし、バージョン管理システムのリポジトリでは上書き保存ではなく、随時新規のファイルが追加されます。
自動でバックアップが保存されているような状態であるため、過去のバージョン復元が簡単です。
変更履歴を知ることができる
変更履歴の把握も容易です。以下のような内容がリポジトリに保存されるためです。
- ■作成者
- ■更新者
- ■作成・更新日時
- ■変更履歴
これらの情報から、いつ、誰が、どこを変更したのかを把握できます。特に多人数で1つのファイルを編集する場合にこの機能は役立つでしょう。更新者が分かれば、どのような意図で変更を加えたのか確認できます。
バージョン管理システムを導入して効率的な管理を!
プロジェクト管理におけるバージョン管理とは、ファイルのバージョンを適切に管理することです。バージョン管理システムを利用すれば、ファイルの種類に関係なく効率的に管理できます。
バージョン管理システムには以下の2種類があります。
- ■集中管理方式
- ■分散管理方式
システムの導入により以下のことができます。
- ■以前のバージョンへの復元
- ■変更履歴の確認
バージョン管理システムを導入し、効率的な管理を実現しましょう。
