
プロジェクト管理において優先順位をつける方法
まずはプロジェクト管理における優先順位のつけ方について見ていきましょう。
1:マストな作業を明確にする
優先順位をつけるには、まず「マストな作業」と「マストではない作業」に分類します。基本的にどのプロジェクトも、想定し得るタスクの全てを実行するリソースはありません。プロジェクトを完遂するために欠かせないタスクを明確にする必要があります。
もしマストでないタスクを実行すれば、必然的に重要なタスクに充てる時間が少なくなり、スケジュールが遅れてしまうでしょう。
2:重要度・緊急度が高い作業を仕分ける
マストな作業とそうでない作業の分類ができれば、今度はマスト業務の中でさらに重要なものと緊急性があるものを分けてください。それにより優先順位をつけていけます。
縦軸に重要度、横軸に緊急度を示したマトリクスを作成し、4つのパターンから優先順位を決めていくのが一般的です。
「緊急性が高く重要度が高いもの」が最も優先順位が高くなり、「緊急ではないが重要なもの」が2番目です。3番目は「重要でない緊急度が高いもの」で、「緊急でも重要でもないもの」が最も優先順位が低いです。
優先順位通りにプロジェクトを進めるコツ
プロジェクトの優先順位をつけた後は、その優先順位通りにプロジェクトを進めなければなりません。そのコツを見ていきましょう。
スケジュールを見える化する
優先順位通りにプロジェクトを進めるには、スケジュールに合ったタスクを見える状態にするのが有効です。進捗状況を知り、今すべきタスクが明確になれば、効率的に取り組めるでしょう。
特に有効な手段として用いられるのが「ガントチャート」です。ガントチャートは縦軸に実施項目、横軸に期間を取り、いつ何をすれば良いかを表にしたものです。
開始から終了までを矢印で表示するのが一般的。矢印の重なりでタスクが立て込んでいることがわかります。この縦軸の実施項目に担当者名を入れチームで共有すれば、状況を一目で確認できます。
スケジュールを見える化すれば、今やるべきことが明確になり、各メンバーが優先順位通りに業務に取り組めるでしょう。
作業分担を的確に行う
プロジェクトを成功させるには、優先順位が高いタスクを完了させる必要があります。そのために作業分担を的確に行わなければなりません。
例えば、ガントチャートで短期間に矢印が重なっているメンバーがいれば、他のメンバーが手伝い負担を減らすのも有効です。また、リーダーや能力が高いメンバーが優先順位の高いタスクを担当するのも良いでしょう。
他のメンバーに優先順位の低いタスクを任せることで効率化を図れます。
このとき、仕事を依頼できる人間関係が重要です。仕事を手伝って欲しい状態でも、チームの雰囲気が悪ければ依頼しにくいでしょう。リーダーはチームワークを発揮できるように働きかけることも大切です。
知っておくべき!優先度と優先順位の違い
優先順位に似ている言葉に「優先度」があります。一般的に優先度と優先順位は同様な意味に捉えられますが、プロジェクト管理では明確に異なる意味で使われます。優先度と優先順位の違いについて見ていきましょう。
優先度:指標を示す
優先度は「高い」「低い」「中くらい」などのランク分けに指標化できる概念です。同一の視点での程度の比較ができます。ただし、視点により異なる複数の評価を持つ場合も多くあります。例えば、収益率からの優先度は低いが、企業イメージからの優先度は高いといった具合です。
優先度は主に、優先順位をつける前のタスクを分類するときに使うことが多いです。
優先順位:順序を示す
優先順位とは優先度などによって決められた「順番」のことで、明確な序列を示します。優先度とは違い、決められた優先順位が視点によって異なることはありません。ただし、相対的な順番は明確に示すものの、絶対的な評価やその根拠は不明瞭な場合があります。
基本的にはタスクの「優先度」を見積もってから順番を並べ替え、「優先順位」を決めることになるでしょう。
優先順位に沿って効率的なプロジェクト管理を!
プロジェクト管理を成功させるカギはタスクの優先順位をつけることです。そのためにマストの業務を明確にし、さらに重要度と緊急度で分類しましょう。優先順位に従ってプロジェクトを進めるために、スケジュールを見える化し、作業分担を行います。
明確な優先順位に沿った効率的なプロジェクト管理を行いましょう。
