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ビジネスチャットは内製すべき?自社構築の型とセキュリティ要件

ビジネスチャットは内製すべき?自社構築の型とセキュリティ要件

ビジネスチャットの内製は、閉域網での利用や業務システムとの深い連携など、市販製品では満たせない要件がある場合に検討する選択肢です。ただし、チャットは社員が毎日使う連絡手段のため、止まらない運用やスマホ対応、セキュリティ対策まで自社で担い続ける必要があります。この記事では、ビジネスチャットを自社で構築する3つのパターンと運用・セキュリティ面の負担、内製か製品導入かを判断する進め方を解説します。

この記事は2026年10月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次

    ITトレンドがおすすめする製品・サービス

    ■導入形態別
    ■拡張方法別

    ビジネスチャットの内製が検討される理由

    ビジネスチャットを内製しようと考えるきっかけは、費用よりも要件にあることが少なくありません。ここでは、自社構築が検討される主な理由を3つ取り上げ、それぞれ市販製品で代替できる余地があるかもあわせて整理します。

    社外のサーバにデータを置けない

    機密性の高い情報を扱う組織のうち、社内規程で情報を社外のクラウドに置けないと定めている場合は、自社の管理下でチャットを動かしたいという要件が生じます。インターネットから切り離した閉域網の中で使いたい場合も同様です。

    ただし、市販のビジネスチャットにも、自社サーバに設置するオンプレミス型や、閉域網での接続に対応した製品があります。内製を決める前に、こうした導入形態で規程を満たせるかを情報システム部門と確認しましょう。

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    業務システムと深く連携させたい

    受発注や生産管理、顧客管理といった自社の業務システムとチャットを一体で動かしたいという理由もあります。例えば、システム上の承認依頼をチャットで受け取り、その場で承認まで完了させるといった使い方です。

    この種の連携は、API(システム同士がデータをやり取りする窓口)やボットの仕組みを公開している製品なら、チャット本体を作らずに実現できる場合があります。連携部分だけを自社で開発する方法も比較対象に入れておきましょう。

    ライセンス費用を抑えたい

    利用人数が多い企業では、1人あたりの月額料金が積み重なり、内製すれば安くなるのではと考えることがあります。オープンソースのチャットソフトを使えば、ソフトウェアのライセンス費用はかからない場合もあります。

    一方で、サーバの調達や運用、障害対応、アップデート作業にかかる人件費は自社の負担です。比較する際は、ライセンス費用だけでなく、数年単位の利用期間で運用担当者の工数も含めた総額を見積もると、判断を誤りにくくなります。

    ビジネスチャットを自社構築する3つのパターン

    ビジネスチャットの内製といっても、ゼロから開発する方法だけではありません。自社で担う範囲の広さによって、主に3つのパターンに分けられます。必要な技術力と運用負担が大きく異なるため、違いを把握しておきましょう。

    フルスクラッチで開発する

    フルスクラッチ開発とは、既存のソフトウェアを使わずに、利用者が操作する画面とサーバの仕組みの両方をゼロから作る方法です。自社の業務にあわせて機能や画面を自由に設計できる点が利点です。

    反面、メッセージの送受信や既読管理、ファイル共有、検索、スマホアプリといった基本機能をすべて自社で作る必要があります。開発期間が長くなりやすく、公開後も機能追加や不具合修正が続くため、専任の開発チームを継続して確保できるかが前提となります。

    オープンソースのチャットを自社サーバで動かす

    オープンソースソフトウェア(OSS)とは、ソースコードが公開され、条件に従えば誰でも利用や改変ができるソフトウェアです。チャット用のOSSを自社サーバに導入すれば、基本機能を一から作らなくても、自社で管理するチャット環境を用意できます。

    ただし、セキュリティ更新の適用やバージョンアップは自社で行います。OSSのライセンス条件や、開発コミュニティの活動状況、日本語への対応度合いも事前に確認しましょう。有償の保守サービスがあるOSSを選ぶ方法もあります。

    市販製品をAPIやボットで拡張する

    3つ目は、チャット本体には市販製品を使い、自社固有の部分だけを開発するパターンです。業務システムとの連携や社内向けのボット、通知の仕組みを、製品が公開するAPIを使って作ります。

    この方法なら、メッセージ基盤やスマホアプリの保守は提供会社に任せつつ、自社の業務にあわせた使い方を実現できます。ただし、APIで扱えるデータの範囲や呼び出し回数の上限は製品やプランによって異なるため、連携したい内容が実現できるかを事前に確かめておく必要があります。

    内製チャットで自社が担う運用の負担

    ビジネスチャットは、メールと違って相手にすぐ届くことが前提の連絡手段です。そのため、内製した場合は「止まらない」「すぐ届く」状態の維持も自社で担う必要があります。見落としやすい負担を確認しておきましょう。

    常時接続とプッシュ通知の維持

    チャットでは、利用者の端末とサーバが常につながり、新しいメッセージを即座に届ける仕組みが必要です。利用者が増えるほど同時接続数も増えるため、サーバの負荷を監視し、必要に応じて増強する作業が発生します。

    スマホへのプッシュ通知は、端末OSの提供会社が用意する通知の仕組みを経由して届けるのが通常です。通知が届かない、遅れるといった問い合わせには、サーバ側と通知の仕組み側の両方を確認する必要があり、原因の切り分けに時間がかかる場合があります。

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    障害対応とスマホアプリの更新

    チャットが止まると、社内の連絡が滞ります。内製の場合は、夜間や休日を含めて障害を検知し、復旧させる体制を自社で用意しなければなりません。担当者1人に任せると不在時に対応が止まるため、複数人で手順を共有しておく必要があります。

    また、スマホアプリを自社で提供する場合は、端末OSのバージョンアップごとに動作確認や改修が求められます。配布方法によってはアプリストアの審査対応も発生するため、社内の開発体制で継続して対応できるかを見極めましょう。

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    内製ビジネスチャットのセキュリティ要件

    セキュリティ上の理由で内製を選んでも、対策を自社で設計・運用できなければ安全性は高まりません。ビジネスチャットの内製で自社が担うことになる主なセキュリティ対策を、認証と記録の2つの面から確認します。

    認証とアカウント管理

    内製のチャットでは、誰がログインできるかを自社で管理します。社内の認証基盤と連携したシングルサインオン(1回のログインで複数のシステムを使える仕組み)や、多要素認証への対応を設計に含める必要があります。

    あわせて、入社や異動、退職にあわせたアカウントの追加・削除の手順も欠かせません。退職者のアカウントが残ったままになると、情報漏えいの原因となるおそれがあります。人事データと連動してアカウントを更新できる仕組みがあるかも確認しましょう。

    ログの保全と脆弱性への対応

    トラブルや不正の調査に備えて、メッセージや操作の記録を一定期間保管し、必要なときに検索できる状態にしておくことも求められます。保管期間や閲覧できる担当者は、社内規程や業界の規制にあわせて決めましょう。

    また、利用しているソフトウェアに脆弱性(セキュリティ上の弱点)が見つかった場合は、速やかに修正を適用しなければなりません。脆弱性情報を継続して収集し、検証環境で確認してから本番に反映する手順を整えておく必要があります。

    内製か製品導入かを見極める進め方

    内製と製品導入のどちらが向くかは、要件と社内の体制によって変わります。いきなり開発を始めるのではなく、要件の整理と製品の確認を先に行い、それでも満たせない部分を内製の対象にすると判断を誤りにくくなります。

    要件を必須と希望に分けて書き出す

    最初に、チャットに求める要件を「満たせなければ導入できない必須要件」と「あると便利な希望要件」に分けて書き出します。データの保管場所や接続方法、認証方式、連携したい業務システムが主な項目です。

    必須要件が少なく、希望要件が中心であれば、市販製品で対応できる可能性が高まります。要件の整理は情報システム部門だけで進めず、利用部門や法務、セキュリティの担当者も交えて行うと、後からの追加要件を減らせます。

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    製品で満たせるかを確認してから決める

    必須要件を整理したら、オンプレミス型や閉域網対応の製品、API連携に対応した製品の資料を取り寄せ、要件を満たせるかを確認します。提供会社に要件表を渡して回答を得る方法も有効です。

    そのうえで満たせない要件が残る場合に、OSSの活用や連携部分の開発、フルスクラッチ開発を検討する順番で進めましょう。内製を選ぶ場合も、試験運用で同時接続や通知の安定性を確かめてから全社に広げると、導入後の手戻りを抑えられます。

    導入形態と拡張性で比べるビジネスチャット一覧

    内製を検討する前に確認したい導入形態やAPI・ボットへの対応を軸に、この記事で紹介する製品を一覧にまとめました。自社の必須要件を満たせそうな製品を絞り込む際に役立ててください。

    製品名特徴
    ChatLuckクラウド・オンプレミス両対応。VPN・LGWAN・ネットワーク分離など導入要件に応じた構成が可能
    SlackAPI連携や外部ツール連携に対応し、ワークフロービルダーで定型業務を自動化できる
    キントーンノーコードで業務アプリを作成し、スペースやスレッドで情報を集約できる。API連携やカスタマイズにも対応
    LINE WORKSLINEのような操作感のビジネスチャット。Botや他社サービス連携に対応し、ログ検索などの管理機能も備える
    WowTalk機能をユーザーごとに設定できる国産チャット。オプションでWowBotやAPI連携(スタンダード以上)を使える
    Tocaroオンプレミスにも対応するビジネスチャット。公開APIやWebhook、AD連携を備える
    direct現場向けの国産ビジネスチャット。ボット開発ツール「daab SDK」を無償公開し、業務システムと連携できる
    TAGS勤怠管理連携や翻訳、安否確認などのBOTを用意。Azure ADと連携してアカウントを一括管理できる
    IP Messenger各PCにインストールして社内LAN内で使うメッセンジャー。サーバ環境を構築せずに利用できる

    自社要件にあわせて導入・拡張できるビジネスチャット

    チャット本体をゼロから作らずに、オンプレミス導入やAPI・ボットによる拡張で自社の要件を満たせる可能性がある製品を紹介します。必須要件の一覧を手元に用意して、資料と照らしあわせながら比較してみてください。

    ChatLuck

    株式会社ネオジャパン
    《ChatLuck》のPOINT
    1. 政令市・金融・大手製造・鉄道など実績多数!
    2. チャットからファイル共有・ビデオ通話までこれ一つで完結!
    3. ゲストユーザー機能を使えば取引先や外部スタッフと一緒に使える

    株式会社ネオジャパンが提供する「ChatLuck」は、クラウドとオンプレミスのどちらでも導入できるビジネスチャットです。自社専用環境の構築に加え、VPNやLGWAN、ネットワーク分離など、さまざまな導入要件に応じたシステム構成に対応しています。社外のサーバに情報を置けない組織でも、チャット本体を開発せずに自社で管理する環境を用意できる点が特徴です。API連携に対応しているほか、端末認証やメッセージ・ファイルのログ管理といったセキュリティ機能も備えています。

    Slack

    株式会社セールスフォース・ジャパン
    《Slack》のPOINT
    1. 従業員・データ・アプリ・AIを1か所に集め、業務を完結。
    2. SlackbotがパーソナルAIエージェントとして進化
    3. 2,700超アプリ連携とAIワークフローで業務プロセスを自動化

    株式会社セールスフォース・ジャパンが提供する「Slack」は、チャンネル単位で情報を整理できるクラウド型のビジネスチャットです。API連携に対応しています。Slack Marketplaceのパートナーソリューションや、Google Workspace・Salesforce・Asanaなどの外部ツールとも連携可能です。ワークフロービルダーを使えば、特定のメッセージやイベントを起点にしたリマインダー送信やデータ収集をノーコードで自動化できます。メッセージ基盤は製品に任せ、業務システムとの連携部分だけを作り込みたい場合の候補となるでしょう。

    キントーン

    サイボウズ株式会社
    《キントーン》のPOINT
    1. 情報に紐づけてコミュニケーションがとれる
    2. チームやプロジェクトごとに情報を整理して集約
    3. 取引先など、社外のメンバーともセキュアにやりとりが可能

    サイボウズ株式会社が提供する「キントーン」は、ノーコードで業務アプリを作成できる業務改善プラットフォームです。スペースにプロジェクトや部署ごとのアプリとコミュニケーションを集約でき、アプリにためたデータの一つひとつにコメントを書き込めます。API連携や導入企業ごとのカスタマイズにも対応しています。案件などの業務データとやり取りを同じ画面で扱えるため、チャットと業務システムを一体で使いたい場合に、フルスクラッチ開発と並べて比較できる製品です。

    LINE WORKS

    LINE WORKS株式会社
    《LINE WORKS》のPOINT
    1. LINEのような操作性で、誰でもすぐに使えます
    2. LINEとつながる唯一のビジネスチャット
    3. ファイル保存制限・紛失時の遠隔データ削除など管理機能も充実

    LINE WORKS株式会社が提供する「LINE WORKS」は、LINEのような操作感で使えるクラウド型のビジネスチャットです。トークや掲示板、カレンダー、タスクなどの機能に加え、Botや他社サービス連携、外部ソリューション連携にも対応しています。管理者向けには、組織・メンバー・権限の管理や利用履歴のモニタリング、ログ検索、端末紛失時の遠隔データ削除、外部MDM連携などを搭載。スマホアプリの保守を自社で抱えずに、社員全員が使えるチャット環境を整えたい企業に向いています。

    WowTalk

    キングソフト株式会社
    《WowTalk》のPOINT
    1. シンプルな操作性でとっても使いやすい!
    2. クローズド環境でセキュアにコミュニケーションできる!
    3. 40種を超える充実した管理機能で管理がしやすい!

    キングソフト株式会社が提供する「WowTalk」は、クローズドな環境で社内のやり取りを進められる国産のビジネスチャットです。オプションでWowBotやAPI連携(スタンダード以上)を利用でき、Googleなどの外部サービスとも連携できます。端末制限やIPアドレス制限、トークログ抽出、特定ワード検知といった統制機能を組み合わせられるため、内製では作り込みに手間がかかるセキュリティ機能を製品側でまかなえます。ISO27001とISO27017も取得しています。

    Tocaro (伊藤忠テクノソリューションズ株式会社)

    《Tocaro》のPOINT
    1. セキュリティ機能の組み合わせで安全性と利便性を両立
    2. チャットと業務管理を一元化して仕事の見える化を促進
    3. シンプルで使いやすいUI

    direct (株式会社L is B)

    《direct》のPOINT
    1. 現場の声を反映する純国産ビジネスチャット
    2. 連携チャットボットで定型業務を自動化・効率化
    3. 3,000社以上の幅広い業種に導入

    TAGS (鈴与シンワート株式会社 )

    《TAGS》のPOINT
    1. 月額180円/人と業界最安値クラスの価格設定
    2. BOTや他サービスとのシステム連携で仕事を効率化
    3. 3段階の暗号化(DB、通信、キャッシュ)でセキュリティも万全

    IP Messenger (合同会社FastCopy研究所)

    《IP Messenger》のPOINT
    1. 完全無料で使えるビジネスチャットツール!
    2. クラウドレス・サーバーレスで使える高可用性!
    3. PCを起動していないユーザに対して遅延送信が可能!

    まとめ

    ビジネスチャットの内製は、閉域網での利用や業務システムとの深い連携など、市販製品で満たせない要件がある場合の選択肢です。一方で、常時接続や通知の維持、障害対応、認証やログ保全まで自社で担い続ける必要があります。まずは要件を整理し、オンプレミス型やAPI連携に対応した製品で満たせるかを確認しましょう。社内SNS・ビジネスチャットの資料請求をして、導入形態や拡張性を比較してみてください。

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