
成功事例から見る社内SNS導入の効果
まずは、社内SNSの導入成功事例から、どの様な効果を得られるのか解説します。
メールの「情報の選別」という無駄な工数を削減
A社では、顧客とのやり取りも社内でのやり取りもメールを使用していました。特に営業担当者は、顧客からも内勤担当者からも毎日多くのメールが届いていたため、1通1通開封して中身を確認し、選別するという作業に多くの時間を割いていました。
社内SNSを導入した際に、社内のやり取りは原則すべて社内SNSに統一し、メールは外部とのやり取りに限定するという運用方針に切り替えたところ、すべてのメールを開封して緊急性・重要性からの情報選別という作業がなくなり、大幅な業務効率化に繋がりました。
また、社内SNSによって気軽にコミュニケーションが取れるようになったため、日々の業務で気がついたことなどの情報共有が活発に行われ、部署をまたいだ議論などもより活発に起きるようになりました。
情報流通のスピードが向上し企業価値がアップ
B社では、顧客から寄せられた要望や意見、苦情などを社内SNSで共有するようにしました。それによって、これまでは個別で対応していた顧客からの声が拠点を超えて伝わるようになり、商品の改善などに活かせるようになりました。また、自社商品のユニークな使われ方を共有するようにし始めたところ、様々な潜在的ニーズがあることがわかり、新商品の開発にも活かせるようになりました。
これまでは定期的な全社広報メールや社内報にて共有されていましたが、その共有の頻度とスピード・量がアップしたことにより、より有効活用されるようになったのです。
よくある失敗事例にも留意しておこう
次に、社内SNSを導入したもののうまく活用できなかった事例を見てみましょう。
私的な目的での使用
気軽なコミュニケーションが取れるからといって、なんでも話せる場というわけではありません。C社では、日々業務をおこなう中での情報共有やコミュニケーションの場として導入したにもかかわらず、ルールを決めずに導入したことで雑談ばかりおこなわれ、重要な発言が埋もれてしまいがちでした。結果、情報共有も進まず、費用をかけて雑談の場を提供しただけになってしまいました。
上司の叱責で使われなくなった
D社では、役職を超えたオープンなコミュニケーションの場を設ける目的で社内SNSを導入しました。しかし、ある日部下の発言を上司が社内SNS上で叱責した事により、その部下は社内SNSの利用頻度が下がってしまいました。
気軽なコミュニケーションを取れる場として導入したにもかかわらず、それを咎められたことにより、その後は他の社員も社内SNSから遠ざかり、結果的に誰も使わなくなってしまいました。
不十分な説明による浸透失敗
すべての社員が同じITリテラシーを持っているわけではありません。数回触れただけで使い方を理解する社員もいれば、何回も説明を受けないと十分に活用できない社員もいるでしょう。E社ではリテラシーの高い情報システム部門が中心となって社内SNSの導入を進めました。
本格的に導入された際に「自分たちが使えている」という理由で十分な説明をせずに運用が開始されましたが、リテラシーの低い社員は満足に活用することができず、組織内での情報共有をしようとしても伝わりきらないということがありました。
導入成功の秘訣は?
ここまで、社内SNSの成功事例と失敗事例を紹介してきました。これらの事例から見出される、導入成功の秘訣はどこにあるのでしょうか。ここでは、3つの秘訣をご紹介します。
どのような目的で導入するのかを決めておこう
新たにツールを導入する際には共通していることですが、導入の目的をあらかじめ定めておくことは非常に重要です。「よりスピーディーな情報共有」「オープンなコミュニケーション」など、どのような目的で社内SNSを導入するのかを決めておくことで、スムーズに運用を開始することができるでしょう。
導入前にルールを決めておこう
運用の方針やルールがない状態では、いきなりツールを導入しても現場が混乱してしまいます。「業務に関係ない雑談はNG」「目的・トピックごとにチャンネル・グループを分ける」「特定個人への叱責は避ける」など、運営側がルールを定めておくことをおすすめします。
仕組みづくりを工夫して活用促進させよう
いきなり全社的に導入しても、使い方に迷ってしまう社員もいるでしょう。スモールスタートで運用方針やルールを定めながら、ある程度定まった段階で全社に展開したり、定期的に活用勉強会を開催するなど、現場での活用が進むような取り組みを進めることが重要です。
無料トライアルを利用してテストしてみるのも成功のカギ
ツールを浸透させるには、自社の運用方針や社員のリテラシーに合ったツールを導入することがポイントです。そのため、本格導入の前に無料トライアルを実施して自社に適しているかを事前に確認しておくことも成功するポイントの一つといえるでしょう。
参考記事:社内SNS・ビジネスチャットツール導入前に準備すべきこと
まとめ
社内SNSなどのコミュニケーションツールは、うまく活用できれば社員同士のコラボレーションなども生まれやすくなる非常に重要なツールです。ただし、うまく活用しきれなければ既存ツールとの棲み分けに失敗するなどデメリットにもなってしまいます。
成功の秘訣をしっかり押さえて、自社で活用できる製品を導入するようにしましょう。 整理すべきポイントを押さえられたら、ぜひ社内SNSを比較してみてください。
