WebRTCとは
近年注目を集めているWebRTCとはいったい何なのでしょうか。Web会議システムと関連付ける前に、まずは概要について説明していきます。
映像・音声データ通信のオープン規格のこと
WebRTCとは、「Web Real-Time-Communication」の略で、Webブラウザを通して映像や音声データの高速通信を可能にしたオープン規格です。これまでも、LINEなどのtoC向けコミュニケーションアプリやSkypeなどのインターネットを介して通話ができる規格はありましたが、これらの規格はクローズド規格。すなわち、規格を開発した各社が独占して管理します。
一方でWebRTCはオープン規格のため、様々な場面で利用できるということになります。例えば、すでにWindowsやMac、iOSなどがサポートしているため、多くのソフトウェアやアプリで利用が始まっているのが現状です。
WebRTCが果たす役割
先ほども述べたように、WebRTCは従来、高い技術力を持つ企業しか参入できなかったリアルタイム通信の分野に、誰もが参入できるようにした画期的な規格です。特にこの技術を利用するのに必要な資格や費用はなく、誰でもリアルタイム通信の技術を利用できます。
これによって、技術力に乏しくリアルタイム通信を実現できなかった中小企業などもWebRTCを利用できるようになり、様々なサービスが生まれるようになりました。
このような背景から、WebRTCの技術を応用したWeb会議システムも今後増えていくと考えられています。次に、WebRTCがWeb会議システムに与える影響について見ていきましょう。

WebRTC対応のWeb会議システムのメリット
まずはWebRTCを応用したWeb会議システムのメリットを紹介します。
画質・音質が上がる
まず、映像や音声の高速通信規格であるWebRTCを用いることで、Web会議における映像や音声のクオリティが高まります。
従来のWeb会議システムでは音声が聞こえづらくなることが多々ありました。また、画像が粗く、細かい文字をはっきりと認識することはできませんでした。しかし、WebRTCの導入によって画質・音質が飛躍的に向上します。
通信のタイムラグが軽減される
従来のWeb会議では、映像と音声に時間差が生まれ、会議の進行の妨げとなることが多く、利用者の不満の声が多発していました。
これは、パケットロス(通信データが欠損してしまうこと)が原因で、発生するとデータを取り戻そうとする仕組みが働き、その結果として音声が遅れてしまうのです。しかし、WebRTCではパケットロスを許容していますので、影響を受けず遅延の少ないWeb会議を行うことが可能になりました。
Web会議で専用アプリケーションが不要に
これまでのWeb会議システムでは、プラグインや専用アプリケーションのインストールが必要なケースがほとんどでした。
しかしWebRTCに対応したWeb会議システムはこうしたプラグインやアプリケーションを不要とし、Google ChromeをはじめとするPCブラウザのみで利用できるようになったため、一層使い勝手がよくなりました。
ワークスタイルの変革を加速させる
WebRTCは、iOSやAndroidといったキャリアを選ばないので、現在使用しているモバイル端末でも使うことができます。そのためリモートワークの社員とのミーティングや外出先からのミーティングでも質の高い打ち合わせができるようになりました。
Web会議を使うために新たに社員の端末を入れ替えるといった必要もないので、経費削減にも大きく貢献します。
以下の記事ではWebRTCに対応しているWeb会議システムも含め、多くの製品を紹介していますので、WebRTCを使ってさらに質の高い会議を目指すのであれば、一度ご覧になってはいかがでしょうか。
WebRTC対応のWeb会議システムを使って会議の最適化を
今後、WebRTC対応のWeb会議システムがほとんどを占め、快適な通信環境の中で会議ができるような製品が数多く生まれることが予想されます。現状のWeb会議に満足していない場合は、WebRTC搭載のWeb会議システムを導入し、Web会議の最適化を目指してみてはいかがでしょうか。
