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放棄呼とは?あふれ呼との違い・計算方法・対策をわかりやすく解説

放棄呼とは?あふれ呼との違い・計算方法・対策をわかりやすく解説

放棄呼とは、顧客がコールセンターに電話をかけたものの、オペレーターが応答する前に切断してしまった呼を指します。放棄呼が増えると、問い合わせの取りこぼしや顧客満足度の低下を招きます。

この記事は2026年9月時点の情報に基づいて編集しています。
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    放棄呼とは?あふれ呼との違いと計算方法

    放棄呼への対策を考える前に、まずは言葉の意味と数え方を関係者の間でそろえておく必要があります。ここでは、放棄呼の定義や混同されやすいあふれ呼との違いを確認し、放棄呼率と応答率の計算式をわかりやすく整理します。

    放棄呼の意味とあふれ呼との違い

    放棄呼とは、コールセンターに着信した電話のうち、オペレーターが応答する前に顧客が切断した呼のことです。「呼(こ)」は、電話の発着信1回分を数える単位です。呼び出し音が長く続くときや、混雑を知らせる案内が流れている間に起こりやすい傾向があります。IVR(音声自動応答)の操作途中で切断された呼を、放棄呼に含めるセンターもあります。

    混同されやすい「あふれ呼」は、同時に受けられる回線数や待ち呼の上限を超えたために、受け付けられなかった呼を指します。放棄呼は受け付けた後に顧客が待ちきれず切断した呼で、あふれ呼はシステム側で受け付けられなかった呼です。どちらも顧客と話せなかった点は同じです。両方を把握しないと、つながらなかった電話の量を少なく見積もるおそれがあります。

    放棄呼率と応答率の計算式

    放棄呼の状況は、放棄呼率という指標で数値化します。一般的な計算式は「放棄呼数÷着信呼数x100」です。反対に、オペレーターが応答できた割合を示すのが応答率で、「応答呼数÷着信呼数x100」で算出します。放棄呼率と応答率を同じ母数で計算していれば、放棄呼率が下がると応答率は上がる関係にあります。

    着信呼数が100件で、そのうち応答が90件、放棄が10件であれば、応答率は90%、放棄呼率は10%です。ただし、分母にあふれ呼を含めるか、IVRで用件が完了した呼を除くかによって数値は変わります。他社や過去の数値と比べる際は、計算の前提がそろっているかを確認してください。社内の報告資料や会議資料にも計算式を明記しておくと、読み手の誤解を防げます。

    放棄呼が増える原因と見過ごせない損失

    放棄呼は、顧客が「待たされている」と感じたときに発生します。その背景には、人員配置や電話の受付設計の問題が隠れていることが少なくありません。放棄呼が増える主な原因と、企業にもたらす損失を確認しましょう。

    呼量の変動に人員配置が追いついていない

    放棄呼が増える大きな原因は、呼量と対応できるオペレーター数のずれです。呼量とは、一定時間内にかかってくる電話の量を指します。呼量は曜日や時間帯によって変わり、センターによっては週明けの午前中などに着信が集中します。月末や月初といった周期でも増減するため、単純な平均値では実態をつかめません。

    キャンペーン開始直後や請求書の発送後、システム障害の発生時などは、通常時の予測を大きく上回る電話が集まることもあります。こうした山に固定的なシフトで対応していると、ピーク時にオペレーターが足りず、待ち時間が延びてしまいます。特定の業務に詳しいオペレーターが不足している場合も、対応できる人が空くまで待ちが発生します。応答を待つ顧客が増えるほど、途中で電話を切る人も増えていきます。

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    放棄呼がもたらす顧客満足度の低下と機会損失

    放棄呼は、単に「電話に出られなかった」だけでは終わりません。何度電話をかけてもつながらない体験は顧客のストレスとなり、企業やサービスへの信頼を損ないます。不満がSNSや口コミで広がれば、ブランドイメージにも影響が及びます。一度つながらなかった経験から、次回以降の問い合わせをあきらめてしまう顧客もいます。

    受注や申し込みを受け付けるセンターであれば、放棄呼はそのまま売上の取りこぼしといえます。つながらなかった顧客がかけ直すと着信が重なり、呼量がさらにふくらむ悪循環も起こります。サポート窓口の場合は、解約や不具合の相談がつながらないまま、他社へ乗り換えられるリスクも考えられます。放棄呼の数は、見えにくい損失のサインとして扱うことが重要です。

    放棄呼を正しく把握するKPIの設計

    放棄呼を減らすには、現状を正確に数値で把握することが出発点です。放棄呼率だけを追うと、原因の特定や改善効果の判断を誤ることがあります。コールセンターのKPI(重要業績評価指標)をどう設計すればよいかを解説します。

    応答率や平均待ち時間とあわせて評価する

    放棄呼率は、ほかのKPIと組み合わせて見ることで意味をもつ指標です。代表的なのは、応答率、平均応答時間、サービスレベルです。平均応答時間は、着信から応答までに顧客を待たせた時間の平均を指します。サービスレベルは一定秒数以内に応答できた呼の割合で、「20秒以内に80%」のような目標設定の例がよく知られています。

    放棄呼率が下がっていても、平均応答時間が長ければ顧客は長く待たされています。反対に、1件あたりの平均処理時間を縮めようと応対を急ぎすぎると、用件を解決できずに再入電が増えることもあります。複数の指標をセットで追うことで、数字の改善が顧客体験の向上につながっているかを判断できます。目標値は業種や問い合わせ内容によって異なるため、自社の実績をもとに設定しましょう。

    時間帯ごとに放棄までの待ち時間を分析する

    放棄呼率は、1日や1か月の平均値だけでは実態がつかめません。30分や1時間単位で呼量と放棄呼数を並べると、どの時間帯に取りこぼしが集中しているかが見えてきます。改善すべき時間帯が明確になるため、人員配置の見直しにも直結します。曜日別や月別に同じ分析を行えば、週単位や季節ごとの傾向も把握できます。

    放棄までの待ち時間の分布もあわせて確認しましょう。数秒で切れる呼には、かけ間違いや急な来客など顧客側の都合による切断が含まれる可能性があります。そのため、一定秒数未満の放棄を集計から除く運用を採るセンターもあります。除外する秒数は、社内で基準を決めて統一しておきましょう。何秒前後で放棄が増え始めるかがわかれば、応答時間の目標を決める根拠にもできます。

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    呼量予測と窓口設計で放棄呼を減らす運用策

    原因と現状が把握できたら、運用面の改善に取り組みます。ポイントは、電話が集中する時間帯に対応力を合わせることと、電話で問い合わせる必要がある件数を減らすことです。代表的な2つの取り組みを見ていきましょう。

    過去データから呼量を予測してシフトを組む

    放棄呼の削減で基本となるのが、呼量予測をもとにした人員計画です。過去の着信履歴から曜日・時間帯ごとの呼量と平均処理時間を割り出し、必要なオペレーター数を算出します。計算には、待ち行列理論を用いた「アーランC式」がよく使われます。呼量や平均処理時間、目標とする待ち時間から、必要なオペレーターの席数を見積もる方法です。

    予測した呼量に合わせて休憩や研修の時間をずらしたり、ピーク時間帯に短時間勤務のスタッフを配置したりすると、限られた人員でも対応力を高められます。キャンペーンや請求書の発送など、呼量が増える予定が事前にわかる場合は、関係部署と情報を共有しておくことも欠かせません。予測と実績の差を定期的に振り返り、予測の精度を少しずつ上げていきましょう。

    コールバック予約や電話以外の窓口で待ちを減らす

    混雑時にすべての電話へすぐ応答するのは現実的ではありません。そこで有効なのが、顧客に待ってもらう以外の選択肢を用意することです。IVRで折り返しを案内し、連絡先を登録してもらうコールバック予約は、放棄呼の抑制に役立ちます。顧客は待ち続ける必要がなく、センター側は空いた時間に折り返せるため、ピーク時の負荷を分散できます。

    よくある質問をWebサイトのFAQやチャットボットで解決できるようにすると、電話で問い合わせる件数そのものを減らせます。住所変更などの定型的な手続きは、Webフォームへ誘導する方法もあります。電話は複雑な相談に集中させることで、応答率の向上が期待できます。複数の窓口を設ける際は、電話窓口と案内内容をそろえておくことも大切です。

    ACDなどのシステム機能で放棄呼を抑える方法

    運用の工夫に加えて、コールセンターシステムの機能を活用すると、放棄呼をより効率的に抑えられます。着信の振り分けや混雑状況の可視化など、放棄呼対策に役立つ主な機能と活用のポイントを順に見ていきましょう。

    ACDで着信を適切なオペレーターへ振り分ける

    ACD(Automatic Call Distribution)は、着信呼自動分配と訳される機能です。着信した電話を、あらかじめ設定したルールに従ってオペレーターへ自動で分配します。対応可能なオペレーターのうち、待機時間が長い人やスキルが合う人へ優先的につなぐなど、振り分けの条件を設定できます。

    特定のオペレーターに着信が偏ったり、担当外の問い合わせで転送が発生したりすると、顧客の待ち時間は延びてしまいます。ACDで振り分けを最適化すれば、空いている人員を無駄なく活用でき、放棄呼の抑制につながります。IVRと連携させて用件ごとに担当グループへつなげば、応対時間の短縮も見込めます。待ち時間が長い呼を別のグループへ回す設定ができる製品もあります。

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    リアルタイムモニタリングで混雑を早期に察知する

    多くのコールセンターシステムには、センターの状況をリアルタイムで表示する機能があります。待ち呼数や待ち時間、オペレーターの状態などをひとつの画面で一覧として確認できます。管理者は画面を見ながら、放棄呼が増えそうな兆候をいち早くつかめます。問題が大きくなる前に手を打てるのが特徴です。

    待ち呼が一定数を超えたら通知する設定にしておけば、後処理中のオペレーターを電話対応に戻したり、他チームへ応援を頼んだりといった対応をすぐに取れます。蓄積された着信データは、呼量予測や時間帯別の放棄呼分析にも活用できます。放棄呼率を自動で集計するレポート機能があれば、担当者が手作業で集計する手間も減らせます。日々の運用と中長期の改善を同じシステムで進められる点も利点です。

    放棄呼対策に使えるACD搭載のコールセンターシステム

    ここでは、本記事で紹介したACDによる着信の振り分けに対応し、放棄呼対策に活用しやすいコールセンターシステムを紹介します。

    BIZTELコールセンター

    株式会社リンク
    《BIZTELコールセンター》のPOINT
    1. インターネット回線とPCのみで導入できます
    2. 豊富な導入実績。業種を問わず様々なセンターで利用されています
    3. 柔軟な運用設計でお客様固有のニーズに対応します

    株式会社リンクが提供する「BIZTELコールセンター」は、インターネット環境とPCがあれば導入できるクラウド型のコールセンターシステムです。数席の規模から300席以上のセンターまで対応しています。オペレーターのスキルやコール数などの条件に従って着信を振り分けるACDや、IVRを搭載。着信数や待ち呼数をリアルタイムで表示するモニタリング機能や、センター単位・オペレーター単位のレポート機能も備えており、混雑状況の把握に役立ちます。

    CT-e1/SaaS

    株式会社コムデザイン
    《CT-e1/SaaS》のPOINT
    1. IP電話だけではなく、ビジネスフォンやモバイルでも利用可能
    2. クラウドでありながら柔軟に個別カスタマイズ可能
    3. 全機能、設定変更作業、カスタマイズ対応を追加費用不要で提供

    株式会社コムデザインが提供する「CT-e1/SaaS」は、クラウド型のCTIシステムです。IP電話や既存のPBX、携帯電話などを組み合わせて利用でき、大きな設備投資をせずに導入できます。ACDやIVR、通話録音、オペレーターの状態を確認できるモニタリング、統計レポートといった機能を搭載。コールバックや留守番電話の機能も備えています。月額のライセンス料の範囲でカスタマイズや設定変更に対応している点も特徴です。

    NICECXone (ナイスジャパン株式会社)

    《NICECXone》のPOINT
    1. 業界最大のCXデータと顧客応対データで学習されたAIを搭載。
    2. 第三者機関から高い評価を獲得
    3. 世界トップクラスのブランドが導入

    まとめ

    放棄呼は、オペレーターが応答する前に顧客が電話を切った呼であり、顧客満足度の低下や売上の機会損失に直結します。対策の第一歩は、あふれ呼を含めて定義をそろえ、放棄呼率を応答率や待ち時間とあわせて時間帯ごとに分析することです。

    そのうえで、呼量予測をもとにしたシフト設計やコールバック予約、ACDなどのシステム機能を組み合わせましょう。自社の課題に合ったコールセンターシステムを比較検討してみてください。

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