コールセンターにおけるスーパーバイザー(SV)とは?
コールセンターにおいてスーパーバイザーはどんな位置付けなのでしょうか。
オペレーターの責任を持つ役職
スーパーバイザーはオペレーターの教育やマネジメントが主な役割です。オペレーター10~20名につき1名のスーパーバイザーが配置され、チーム責任者としての意味をもちます。
具体的にはクレームの処理や、オペレーターでは応対が難しい事案の交代を行います。また、オペレーターの悩みを共有し、働きやすい環境づくりを行うことも大切な役割です。
さらに、経営方針に沿ってチーム全体の質の向上を目指します。オペレーターの働きぶりを見て助言を行い、スキルアップを図ります。
仕事内容が多岐に渡る
スーパーバイザーは電話応対業務を行いながら、コールセンターの品質向上を目指す統括的な業務も行います。主な業務は以下のとおりです。
- ■オペレーターの教育・研修、勤怠管理
- ■顧客対応の品質・管理
- ■パフォーマンス分析
一般的なコールセンターの場合、このように仕事内容は多岐に渡ることが多いです。そのため業務負担が大きくなりやすく、コールセンター運営はスーパーバイザーのスキルの影響を受けやすいのが特徴です。
しかし、間接部門が充実している大規模コールセンターのスーパーバイザーは例外で、この場合は仕事が限定的なものになります。
コールセンターのスーパーバイザーに求める能力は?
コールセンターのスーパーバイザーにはどういった能力が求められるのでしょうか。スーパーバイザーに必要な3つのスキルを紹介します。
一定の業務遂行能力
スーパーバイザーは、クレームや特殊案件といった対応が難しい事案に対処しなければならず、オペレーター以上の業務遂行能力が必要です。
オペレーターから引き継いで対処するからには、前任者以上の対応をしなければいけません。顧客の課題を即座に認識し、事態収束に向けて適切な判断を下す問題解決力が求められます。
さらにスーパーバイザーには、オペレーター以上の業務知識が必要です。オペレーターの疑問に的確に答えられないと不安を覚えさせてしまい、現場が混乱します。
マネジメント能力
コールセンターの品質や成果は、応答率や架電率などの数字に表れます。その数値データから現状の課題を読み解く能力が必要です。
たとえば、問い合わせ数やクレーム数が減らない場合、電話応対に問題があるのかもしれません。オペレーターの業務負担が高いと電話応対品質は低下し、クレームにつながりやすいです。
オペレーターの仕事量や内容は妥当か、数字を通して課題を把握し、解決するスキルがスーパーバイザーには求められます。さらに、スーパーバイザーは全体像を把握しながら動く能力も必要です。
ただ、オペレーターをサポートするだけでなく、「スタッフの育成」という観点から行動しなければいけません。
コミュニケーション能力
オペレーターがミスをした場合、スーパーバイザーの指示が的確でないと事態はさらに悪化します。特に問題発生時は緊迫した状況であるため、分かりやすく指示を伝える能力は必須です。
また、スーパーバイザーはオペレーターから頼られる存在でなければいけません。日頃からオペレーターとのコミュニケーションを心がけ、皆から信頼される人間性を持つ者がスーパーバイザーに適任だといえるでしょう。
なお、業務に私情を挟む性格のスーパーバイザーだと派閥ができやすかったり、優秀な人材が定着しなかったりと、職場環境が悪化する恐れがあります。
コールセンターのスーパーバイザー育成を成功させるには?
コールセンターのスーパーバイザー育成はどんな点に気を付ければ良いのでしょうか。育成時に大切な3つのポイントを解説します。
職務定義を明確にする
職務定義が明確でないと雑多な仕事がスーパーバイザーに割り振られ、業務負担が大きくなり、長時間労働につながります。そのような環境では誰もスーパーバイザーになりたがらず、人材が育ちません。
スーパーバイザーを育成するために、職務定義を明確にし、業務負担を必要最小限にしましょう。さらに、スーパーバイザーの権限を明確化することで、オペレーターがスーパーバイザーという役職に魅力を感じるはずです。
そうすれば、その役職を目指すオペレーターが増えるでしょう。目標ができることでオペレーター自身の成長につながり、ひいてはコールセンター全体の質の向上が実現します。
コールセンターシステムを活用する
コールセンターシステムとは、コールセンター業務を効率化するシステムです。電話応対しながらパソコンの画面上で顧客情報を確認したり、オペレーターに電話を自動で割り振ったりできます。
さらに、オペレーターやコールセンターの稼働状況をリアルタイムで把握できる機能を搭載しています。これによりオペレーターをマネジメントしやすく、センター全体を俯瞰できるので、スーパーバイザーの業務負荷軽減が可能です。
心理的なサポート体制を構築する
スーパーバイザーはオペレーターや上司など、さまざまなスタッフと関わります。そのため相応の人間関係を構築しなければならず、ストレスを感じやすいです。人間関係や処遇が悪い職場だとスーパーバイザーの離職率が高くなります。
そこで、スーパーバイザーの心理的なサポートを組織ぐるみで行いましょう。着任したてのスーパーバイザーには活発なコミュニケーションを心がけたり、チーム全体でサポートしたりしましょう。こうすることでスーパーバイザーの不安解消につながります。
アルバイトからスーパーバイザーへ昇格したスタッフであれば正社員に登用する、ボーナスを支給するなど、キャリアパス制度の整備も進めてください。
また、業務へのやりがいを求めるスタッフも中にはいます。そんな人には、権限移譲を行ったりスーパーバイザーの地位向上を図ったりする取り組みが効果的です。
コールセンターのスーパーバイザーを育成し、品質を向上!
コールセンターのスーパーバイザーはオペレーターに対して責任をもち、業務内容が多岐に渡ります。
そんなスーパーバイザーには業務遂行能力・マネジメント能力・コミュニケーション能力が求められます。育成する際には職務定義の明確化・サポート体制の構築・コールセンターシステムの活用が効果的です。
スーパーバイザーの育成に努め、コールセンターの品質向上を行いましょう。