
オペレータの訓練の徹底
コールセンターあるいはコンタクトセンターやお客様センターは、業種によっては設置が義務づけられているほどで、多くの企業で設置されています。その運営は、自社で行っている場合もあれば、アウトソーシングにまかせている企業もあります。
いずれにしても、お客様との接点となる重要な業務です。お客様は、電話口に出る担当者を素人や新人、ましてや代行のパートタイマなどとは考えておらず、専門家と思って問い合わせをしてきます。そのため、コールセンターのオペレータにはどのようなお客様に対しても、その満足度を向上させるきめ細かな対応が求められます。
- ■操作の習熟
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コールセンターシステムは、お客様満足度向上のキーとなるシステムです。ほとんどはヘッドセット(マイク一体型ヘッドホン)を付けて、パソコンに向かう、テクニカルな業務です。この操作の習熟がシステム導入後の第一のステップです。
商品知識や接客マナーも必要ですが、システムを使いこなせなければ仕事になりません。実機を使って操作を習得し、研修期間を終了してから、お客様に対応します。
旧システムからの刷新も同様で、研修期間中に新しいシステムの操作方法を習得します。同じサービス提供事業者のシステムでも、システムを刷新すれば、なにかしらの違いが出てきます。変更された箇所をを中心に習得してください。
- ■運用ルールの徹底
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お客様への対応をルール化することも必要です。さまざまな事例に対して対処できるルール作りと、そのルールを徹底します。
別のサービス提供事業者のシステム、たとえば国産製品から海外製品へと変更となると、運用方法から大幅な違いが発生してきます。現場からの戸惑いも考えられますが、業務効率と内部統制の一環として説得しましょう。
- ■スーパーバイザ研修
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研修を行うのはオペレータばかりではありません。スーパーバイザへの研修も忘れてはいけません。最近のコールセンターシステムには、オペレータの通信履歴や通信内容をモニタリングする管理機能が追加されています。これを使いこなせるスーパーバイザーを育成して、コールセンターの生産性を向上していかなければなりません。
効果測定と生産性の向上
コールセンターシステムには音声自動応答や着信ポップアップ機能など、お客様対応を効率よく行える機能が充実しています。もっとも、最初のうちはあれこれと手を出さないのが得策です。新しくシステムが入ったからとはいえ、一気に使いこなそうとしても無理があります。慣れるに従って段階を踏んで機能を使いこなしていきましょう。
- ■目標設定と効果測定
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目標をどれだけ達成できたかを知る方法の1つに効果測定があります。新システム導入による効果を、特に経営者は気にするところです。
多くのコールセンターシステムには1件あたりの対応時間の遷移や、お客様からの問い合わせに対しオペレータが回答した対応率の測定機能があります。これらの機能を利用して、どれだけ成果をあげることができたかを明確にし、オープンにしましょう。
グループごとまたは全体での目標を設定することをお勧めします
- ■生産性向上の施策
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目標を達成するために、さらなるオペレータ教育を実施します。コールセンターシステムには通話記録機能が備わっていますが、これは、もともとは「証拠保全」が目的でした。これをオペレータ教育に活用して成功させている例が多くあります。
まず、オペレータの通話を記録し、スーパーバイザが確認してその応対内容を評価します。アドバイスもできますし、参考になる受け答えは共有することもできます。
FAQの活用も対応率向上に効果的です。FAQとはお客様からの問い合わせに対する回答例で、これを蓄積したものを・対応時に参照することで、お客様への対応をスピードアップできます。
このような施策を繰り返すことでし、システム導入の効果があがっていきます。また、人員を増やすことなく、より多くの問い合わせに対応できるようになるのです。
