コールセンターにおける「応対品質」とは
コールセンターにおける応対品質とは、いったい何なのでしょうか。
顧客に対する電話対応レベルのこと
コールセンターにおける応対品質とは、オペレーターの電話応対レベルのことです。「顧客のニーズを理解・解決できているか」「言葉遣いに問題はないか」「トークスクリプト通りに業務を遂行できているか」などを評価項目とします。
QAによって管理される
QAとは、コールセンターのモニタリングやフィードバックを行う担当者、あるいは組織のことです。業務サポートやセンター内の状況把握が目的であるSAとは異なり、顧客満足度の向上を第一としています。トークスクリプトを徹底させたり、コミュニケーション能力や総合的な印象を向上させたりするのが主な業務です。正式にはQuality Administratorとも呼ばれます。
オペレーターのモニタリングは、応対品質管理とも呼ばれており、一般的な手法は以下の通りです。
- ■オペレーターのコールセンター業務をリアルタイムで確認する
- ■過去の通話履歴を確認する
- ■オペレーターの側で端末操作手順を確認する
コールセンターにおける応対品質の測定方法
コールセンターにおける応対品質の測定方法としておすすめしたいのが、モニタリングスコアです。モニタリングスコアとは、数字では表しにくい、印象などの項目を評価することを指します。
具体的な評価項目は、以下の通りです。
- ■最初の第一声が快活であるか
- ■心地よい話し方をしているか
- ■顧客のニーズにしっかり対応できているか
- ■丁寧な言葉遣いで応対しているか
- ■どれくらいの情報を提供しているか
- ■顧客に共感できているか
- ■顧客満足度が高いか
評価項目の相対価値は、コールセンターの人材スキルに応じて柔軟に変えます。例えば丁寧な言葉遣いやマナーがすでに徹底されている場合は、「顧客のニーズに対応できているか」などの価値が相対的に高くなるでしょう。
コールセンターの応対品質を向上させる方法
コールセンターの応対品質を改善するには、どのようなことをすればよいのでしょうか。
モニタリングを継続して実施する
モニタリングを継続して実施することで、問題の分析・改善が繰り返し行えるようになり、応対品質が向上します。散発的なモニタリングでは、その時の問題点は把握できても、改善策の効果検証は不可能です。
理想的な応対品質にするには、長い時間をかけて一つ一つ問題を解決しなくてはならないのです。モニタリングを実施する際は、以下を参考にしてください。
- ■最低でも月に1回、全てのオペレーターのモニタリングをする
- ■複数の業務を兼任してるオペレーターのモニタリングは、3ヶ月に1回
- ■オペレーターの近くで行うモニタリングと音声のみのモニタリングは3ヶ月に1回
- ■応対品質の合格ラインを明確に設定する
モニタリングは、理想的な応対品質になったとしてもやめてはいけません。応対品質は人材の入れ替えやコール内容の変化などで容易に変化するためです。途中でモニタリングをやめてしまうと、新たな問題が発生したときに対応できなくなります。
チェック項目を具体的に設定する
モニタリングのチェック項目は、「評価項目が分かりやすい」「採点がしやすい」「フィードバックを確認しやすい」の3点を意識しましょう。「第一声⇒ニーズの把握と理解⇒回答⇒締め」という風に流れに沿って項目を設定すると、応対品質を測りやすくなるのでおすすめです。
評価項目は、人材の平均的スキルに応じて最適なものを設定します。例えば「元気でハツラツとした声」がすでに達成されている場合は、「顧客に信頼感を与える声」などにバージョンアップしましょう。
顧客に不快感を与える言い回しが発見された場合は、使ってはいけないワードとして明確にチェックシートとマニュアルに記載します。
フィードバック体制を整備する
フィードバック体制を整備すると、具体的な改善案を繰り返し実行できるようになり、応対品質が向上します。
このフィードバックは説得力を持たせるのが重要なため、オペレーター経験者が担当するのがよいでしょう。オペレーター経験者なら、現役のオペレーターにも的確なアドバイスができます。ただし、基準に達しないオペレーターに対して、時には厳しい意見を言うことも大切です。業務上必要な指示を出しつつ、モチベーションを下げないギリギリのラインを見極めましょう。
フィードバックでほかに注意すべき点は、以下の通りです。
- ■オペレーターと対面し具体的な改善案を話し合う
- ■基準に達しないオペレーターには改善案を徹底させ、モニタリングの頻度をあげる
フィードバックを担当するQAを育成するには、最初にある程度オペレーターとして経験を積ませます。そのあとモニタリングを行わせると、フィードバック体制を効率的に整備できます。
コールセンターシステムを活用する
発信数・成約数・通話時間などのコール情報を自動管理できるのが、コールセンターシステムです。
通話内容を確認することが可能なので、成約に結びつきやすい言い回しやキーワードを見つけられます。オペレーターが手動でデータを入力する必要がなく、ミスの減少や効率化にもつながるでしょう。
また、記録したデータは項目別に集計・分析できるため、問題点の可視化に役立ちます。
コールセンターの応対品質を改善し、顧客満足度を向上!
コールセンターの応対品質は、QAがモニタリングスコアをもとに評価します。
評価項目は、人材の平均的なスキルレベルによって最適なものを設定しましょう。「評価項目が分かりやすい」「採点がしやすい」「フィードバックを確認しやすい」の3点を意識すれば、より具体性も高まるのでおすすめです。
フィードバック体制を整備し、PDCAを回していきましょう。応対品質を改善し、顧客満足度を向上させてください。