ゲストプロフィール
パートナーサクセス株式会社
執行役員COO 秋國 史裕氏
セキュリティソフトウェアベンダーにて、BtoBSaaSのパートナーセールスを10年経験し、パートナーディベロップメント・パートナーサクセス及びマネジメントに従事。 2018年10月にChatworkのパートナービジネスの立ち上げに参画。
2020年11月よりパートナーサクセスに参画しSaaSベンダーを中心に様々な業界のパートナービジネスを支援。2021年10月から執行役員COOに就任し、事業全般を推進している。
秋國さんが紹介する3つのツールはこちら
はじめに
ーー御社の事業について教えてください。
弊社の創業は2019年で、主に2つの事業を展開しています。1つ目が、売れる代理店を増やすPRM(代理店連携管理クラウド)「PartnerSuccess」の開発・運用です。2022年1月から提供を開始し、現在はその販売に力を入れています。
もう1つの事業は、代理店戦略に関するコンサルティングサービスの提供です。代理店事業の立ち上げから分析まで、一気通貫でご支援させていただいています。
ーー秋國さんのミッションについて教えてください。
弊社には6名の正社員が在籍しており、東京で4名、大阪と福岡で各1名が活動しています。加えて、業務委託の方と学生のインターンが数名います。それぞれビジネスサイドとエンジニアサイドに分かれて役割を担っているなかで、私のミッションは主にビジネスサイドのセールスとマーケを中心にマネジメントしています。プロダクトの開発にも、PMと一緒になって要件を詰めるなど、関わっていますね。
Miro
Miroは、弊社のデザインチームとエンジニアチームがよく活用しているオンラインホワイトボードです。導入のきっかけは、やはりリモートワークが中心になったことですね。渋谷にあるオフィスはコワーキングスペースという位置づけになっていて、1~2カ月に1回、全員が集まって報告会などを開くときは、スペースマーケットなどで都度、場所を借りています。
そうした働き方が主流になってきたなかで、各自の活動の記録をきちんと残し、誰でも見られるような状態にする必要性が生じました。社内外とのコミュニケーションやあらゆるドキュメントの記録のためにSlackやChatwork、Notionなどを導入し、昨年からMiroも導入しています。
それまでデザインチームとエンジニアチームは、Googleスライドを使って話し合いをしていましたが、書き込めるスペースが小さいため、まとめるのに時間がかかってしまっていました。そこで、最初はMiroの無料版を使い始めたんです。スペースが広いですし、ホワイトボードを見ながらみんなで議論したり編集したりできるところが便利ですよね。「もっと使っていきたい」というメンバーからの声を受けて、有料版を契約することにしました。
ーーどのような場面でMiroを活用していますか?
主には、オンライン会議で開発ロードマップのドラフトを練ったり、整理したりするときですね。ほかの参加者のポインタが表示されるので、「今、この人はここを見ながら話してるんだな」ということが分かるのが、すごく良いなと思います。Zoomで画面共有する必要もないですし、その場で出た意見もすぐに反映させられます。付箋の機能も整理に役立ちますね。
各々のメンバーが頭の整理をするときにも、Miroでツリー状のマインドマップを描くのにも使っています。図の整形や色の変更、文字装飾などのカスタマイズはすごく柔軟ですし、誰かと共有したいときは、そのホワイトボードのリンクを送ればいいだけです。
チャットがコミュニケーションの主軸になっているので、「これ見ておいて」とリンクをパッと送れるのはすごく楽です。
- Q.どんなときに使っているか
- 主にデザインチームとエンジニアチームが、開発ロードマップを作成・整理するとき。個人で思考の整理をするときにも使っています。
- Q.気に入っている機能
- マインドマップを描く際などに、図の整形や文字の強調などが自在に行える点です。リンクを送るだけでボードを共有できるのも手軽です。
- Q.おすすめの企業
- 広く言えば、リモートワークを実施している企業にはおすすめです。
あとは、業務委託なども含めてメンバーの数が増えている段階の企業ですね。関わる人が増えるにつれて、全体像を共有するための大きな絵が必要になってきますので、Miroが活躍できると思います。
※ITトレンドでは、株式会社野村総合研究所様が代理店のMiroを紹介しています。
ailead
aileadは商談解析クラウドサービスで、オンラインミーティングで誰がいつ、どんな人とどういう話をしたのか、全て記録できるツールです。弊社では、主にZoomで行っている商談や社内会議の様子を録画し、保存・活用するために利用しています。
aileadの導入も、やはりリモートが主体となってきたことが背景にあります。2022年9月に導入するまでは同様のサービスを使っておらず、「あのときの会議でどんなことを話したんだっけ」と記憶が曖昧になることがありました。動画を保存しておく必要性を考えるようになったころにいくつかのツールについて提案をいただき、検討したうえでaileadの導入を決めました。
aileadを選んだ理由としては、ZoomだけでなくGoogle MeetやMicrosoft Teamsの動画も録画できること、かつ外部の方が設定したミーティングでも録画できることが挙げられます。外部の方との商談や内部の定例会など全ての動画を録画して、社内の誰もが見られる状態にしてあります。
ーーどのような場面でaileadを活用していますか?
ほかのメンバーが行っている商談を見て勉強する、というのが活用法の一つです。説明の仕方がうまい営業パーソンの商談はみんなのお手本になりますよね。
また、セールスだけでなくテックメンバーも録画を見ています。彼らはなかなか商談に参加する機会が少ないだけに、セールスやCSの担当者の話に対して先方がどういう反応をしているか、クライアントがプロダクトをどういうふうに使っているのか、動画を通して確認しています。新しいメンバーにも、入社前のキャッチアップとして、時間があるときに見てもらっています。
社内の会議に関しては、どんなことを話し合ったかをきちんと保存し、見返せるようにしておいたり、自分が参加できなかった場合にミーティングの内容を確認したりする、という使い方が中心です。
- Q.どんなときに使っているか
- Zoomなどを介して行っている商談や社内会議の動画を録画するときに使っています。
- Q.気に入っている機能
- 動画の再生タイムライン上にコメントを投稿できる機能です。例えば、誰かが発言しているところに「こういう言い回し、良いよね」とコメントできるんです。動画全体を見なくても、コメントが付いている部分だけを確認できるのは便利ですね。
- Q.おすすめの企業
- 成功している営業担当がどういうトークをしているのかをほかのメンバーと共有できるので、営業力を底上げしたいと考えている企業や、セールスの型化にしっかりと取り組みたいという企業におすすめです。
PartnerSuccess
弊社が開発したPartnerSuccessは、パートナービジネスをしている企業向けのツールで、ベンダーと販売パートナー(代理店)の間で使っていただくプラットフォームです。既存のパートナーに対して、より売れる状態になるようにサポートしたい、活動が滞っているパートナーをアクティブな状態に変えたい、といったときに使えるツールです。
パートナービジネスで課題となっていることの一つに、パートナーの情報が集約されていないことが挙げられます。どの代理店に、どういう方がいて、これまでにどれくらいの販売実績があるのか、それらをまとめて管理することができていないんです。よく売っていただいているパートナーとは密にやり取りがあり、最新情報がすぐに共有される一方で、パートナー契約を結んだものの、その後のコミュニケーションが疎かになっているパートナーもいる、といったように、情報共有に関する課題も生じています。
PartnerSuccessにはパートナーポータルが用意されていて、さまざまな資料をパートナーと一括共有することが可能です。さらに、どの代理店の誰が、どれくらい資料を見に来たのかという閲覧履歴が残るようになっているので、その情報をもとにアクティブではないパートナーを掘り起こし、活性化させるための施策を打つことが可能になります。
↑PartnerSuccess上におけるパートナーとの共有情報画面
弊社もパートナービジネスを展開していますので、私たちの製品を提案してくださっている代理店様に対して、このPartnerSuccessを通じてセールス部門からの情報提供を効率的に行っています。
ーーPartnerSuccessの導入企業からはどのような反響がありますか?
パートナービジネスを長くやってこられた企業様からも、「資料の閲覧状況などを確認することで、アクティブではなかったパートナーを見つけ出し、それをきっかけに営業活動を展開できている」という声をいただいています。
パートナーをよりアクティブにしていくことで新たな案件が生まれてくる、という良いサイクルが実際に回り始めていますね。
- Q.どんなときに使っているか
- 販売パートナーに関する情報の管理や、パートナーとの資料の共有に活用しています。資料の閲覧履歴などを元に、各パートナーに対して適切なアクションを起こしています。
- Q.気に入っている機能
- メールの一斉配信機能です。現場担当者の方がOne to Oneのメールを届けられるような仕組みで、パートナービジネスに特化したMAツールのようなイメージです。これまでは「仲が良いパートナーにしか最新資料を送れていなかった」というケースもあるかと思いますが、テックタッチで情報を届ける仕組みができたと言えます。
- Q.おすすめの企業
- 50社以上のパートナーを抱えている企業様、パートナービジネスに携わっている担当者が5名以上いらっしゃるような企業様におすすめです。
PartnerSuccessの公式サイトはこちら
https://partnersuccess.jp/
編集後記
その場で出た意見をホワイトボードにどんどん書き込んでいく。かつてはオフィスで当たり前に行われていたそんな会議のあり方も、リモートワークが主流となった今では難しくなってしまいました。秋國さんのようにMiroを活用して、デザインチームやエンジニアチームのクリエイティブなアイデアをオンラインホワイトボードに速やかに反映させていく方法は、さまざまな企業でも応用できるのではないでしょうか。
秋國さん、取材にご協力いただきありがとうございました!
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