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クラウドサーカス株式会社 田中氏に聞く!おすすめのITツール

クラウドサーカス株式会社 田中氏に聞く!おすすめのITツール

ビジネスの最前線で活躍しているプロフェッショナルは、どんなITツールを活用しているのでしょうか。そのツールを教えてもらうことで仕事のコツや効率化、働き方を変えるヒントにつながるかもしれません。

今回は、クラウドサーカス株式会社の田中さんに、普段から活用しているITツールを伺いました。中核となる事業の責任者として、100名近いメンバーを率いる田中さん。社内コミュニケーション、クリエイティブ、カスタマーサクセスという3つの観点から、おすすめのITツールと活用方法を教えてもらいました。

ゲストプロフィール

クラウドサーカス株式会社
執行役員
田中 次郎 氏

2008年に新卒入社し、テレアポを中心とした新規営業チームのプレイヤーを経てマネージャーとして活動。その後、自社のマーケティング部門・インサイドセールス部門の立ち上げを経験。新規事業責任者として担当したMAツールBowNowは約5年で10,000社に導入いただき国内シェアNo.1に成長。
現在は同社BtoB事業を全て管掌している。自社と顧客のDXを進める中で、マーケティングやDXの魅力に取り憑かれ、国内中小企業にまで広めるべく奔走中。

田中さんが紹介する3つのツールはこちら

田中さんが紹介する3つのツールの画像

はじめに

ーー御社の事業について教えてください。

弊社の事業内容は、シンプルに言うと、中小・中堅企業様向けのマーケティングツールの開発と、それに伴うコンサルティングやコンテンツ制作です。提供しているツールは全部で11あり、そのうちの4つが、特定の領域・業界におけるNo.1を獲得しています。

ーー田中さんのミッションについて教えてください。

海外を除いた弊社の売上全体の60%ぐらいを占めている toBの事業部と、WEB制作やコンサルティング、広告運用などを担当する「クリエイティブ本部」という2つの事業部の責任者を兼務しています。前者が60名くらい、後者が30名ぐらい、合わせて100名近いメンバーのマネジメントをしています。

オウンドメディアやイベント等を通じてリードまたはフリー(トライアル)を獲得、そこから有料化やアップセリングを行うとともに、WEB制作やコンサルティング、BPO等へとつなげていくような活動を行っています。メインのKPI、KGIとしては、売上、ARR(年間経常収益)、営業利益という究極の3つですね。その下に細分化されたKPIが100個を超えるぐらいあります(笑)。

ーーマネジメントで気をつけていることはありますか?

実は今、絶賛壁にぶち当たっています(笑)。30~50名ほどの規模だったときは、「これをやっておけばうまくいく」という自分なりのマネジメント哲学みたいなものがあったんです。それは、「メンバー本人以上に、本人のすごい未来を考えていく」ということでした。一人ひとりの自己実現を真剣に考えるということ。個人としてやりたいことをしっかりヒアリングしたうえで、組織の方向性とすり合わせ、それらが延長線上に重なるように配置するということを常に意識してきました。

でも、人数が一気に増えてきたことで、「全員にこれはできないぞ」と…。哲学的なところと現実の間で葛藤しているところです。

Gather

弊社は今、ABW(Activity Based Working)という働き方を採用しています。これは、自宅もオフィスも働ける場所の一つだよ、という考え方で、その中でもオフィスは「コラボレーションが起きる場所」というふうに定義しています。ですから、同じチームのメンバーでも、出社していたりしていなかったりしますね。

そういう状況を踏まえて、「ちょっといい?」というカジュアルなコミュニケーションを誘発する必要性が出てきたことから、バーチャルオフィスツールが必須になりました。リモートワークであってもオフィスに出社していても、常にGatherにはログインした状態にしておくという運用をしています。

みんながオフィスにいれば、「あの人は今、ミーティングはしていないから話しかけてもいい」ということが分かりますけど、リモートワークだとそこが全く分からないですよね。ですから、いかにオフラインと同じ状況をバーチャル上で再現できるか、という点は重要視しています。

いろいろな役割の部屋を作れる機能があって、とても活用していますね。例えば、「自由に話しかけてもOKな部屋」「話しかけないでほしい部屋」を用意して、各自がそれぞれの状況に応じてアバターを移動させる。それに加えてイベント等を開いたりすることで、雑談が生まれやすくなるような仕掛けも積極的に行っています。

ーーアバターを動かしたり、ゲームのような画面ですね!

すごく遊び心を感じさせるツールですよね。クリスマスとかハロウィンとか、季節に合わせた壁紙を設定できたりして、それがコミュニケーションのきっかけになることもあります。

生産性という観点で言うと、めちゃくちゃ低いです!アバターが部屋を移動するときなんかは、わざわざ歩きますから(笑)。その数秒間をムダにしているという見方もできなくはないですけど、そういう遊び心のある設計が雑談が生まれやすいムードを作っているわけで、私としてはそちらのほうが重要なのではないかと思っています。

Q.どんなときに使っているか
リモートワーク下で常に使っていますね。朝礼も終礼も全てGather内でやっています。
Q.気に入っている機能
遊び心のある設計になっているところ。また、話し声が聞こえる範囲の設定ができるのも便利です。
Q.おすすめの企業
リモートワークという働き方が切っても切り離せない状況になって、コミュニケーションに課題を感じている企業ですね。その中でも、2~3秒の効率化よりちょっとした遊び心のほうが大事、という価値観を持っている企業にすごく向いているツールだと思います。

Gatherの公式ページはこちら
https://www.gather.town/

Canva

Canvaはすでに使っている企業も多いと思いますが、弊社ではバナー、メールやサイトのCTAを作成するために活用しており有料プランを導入しています。使い始めたのは数カ月前ですが、デザイン周りの業務は劇的に楽になりましたね。

ーーCanvaの導入前は、どのような状況だったのでしょうか。

弊社は、自社のマーケティングに携わっているデザイナーのリソースは多くはありません。外注や業務委託でお願いしている方もいるのですが、弊社のことを根本から理解し、CIやBI、それに合わせたトンマナまできちんと分かってデザインできるのは、社員のデザイナーだけ。そのため、ほとんどのデザイン業務が集中して、1カ月先まで予定が埋まってしまうような状況になってしまっていました。

弊社の場合は、セミナーや勉強会を月に20本ほど開催することもあるので、資料のメインビジュアルや集客用のバナー、メールのCTAなどを、一つひとつデザイナーに依頼して作成してもらうことがかなり厳しくなっていました。

ーー導入によって具体的にどのような変化がありましたか?

活用のポイントとも言えると思うんですが、社内のデザイナーには、Canvaでテンプレートを作ってもらうようにしました。これによって、弊社らしさというクオリティはしっかり担保したまま、文字の配置や色変えなどを各メンバーが自由にできるようにしています。

現状では資料のメインビジュアルやバナー、CTA等に関しては、ほとんどデザイナーの手を介さずに作成できるようになりました。ミーティングをしながらその場で自分たちでデザインやテキストの修正を出来るようになった点は本当に大きな変化ですよね。

ーーCanvaを使ってコスト削減もできそうですね。

デザイナー側も本質的なデザインにリソースを集中できるようになっていますし、外注に回していた分が減ってコスト削減もできています。

それだけではなく、打ち手を増やすことにもつながっていますね。以前であれば、例えばメール施策を打ちたいと思っていても、デザイナーの手が空いていないからCTAを作るまでに何週間も待たなければいけない。そうなると、そんなに時間がかかるならやめよう、という判断になることもあったんです。

ネックになっていたデザインのところをマーケター側で出来るようになったことで、打ち手がスピーディーになっていくのも大きなメリットだと感じています。

ーーCanvaは誰でも簡単に使えそうでしょうか?

基本的なテンプレートがしっかりしていれば、色の変更や文字と画像などの配置はすごく簡単です。ドラッグ&ドロップで移動できるので、PowerPoint感覚で使えます。

もともとはAdobeCCやAdobeXDを使っていたのですが、その難易度に比べればもう劇的に簡単ですよ。言ってみれば、PowerPointの操作性でXDのデザイン性を担保できる。いいとこ取りをしている、すごいツールだなと思います。

Q.どんなときに使っているか
バナーや、メールやサイトのCTA等を作成する際に使っています。
Q.気に入っている機能
デザインの経験やセンスがないという人でも使えるような操作性の高さです。
Q.おすすめの企業
特にナーチャリングに力を入れている企業にはおすすめですね。ナーチャリングの過程ではメールを送信しますし、セミナー的なアクションもする機会が多い。資料やCTAのクリエイティブがまずいと、逆にブランドを損なうことにもなりかねないので、ナーチャリングを頑張っている企業はみんな入れたほうがいいんじゃないかなと思います。

Canvaの公式ページはこちら
https://www.canva.com/

Fullstar

Fullstar(フルスタ)は弊社が開発した、主にSaaS企業をターゲットとしたCSM(カスタマーサクセスマネジメント)ツールです。現時点においては、チュートリアルをノーコードで作れるということがメインの機能ですね。

その他にもアンケート収集や、特定の機能がどれだけ使われているかという活用率の抽出分析ができたりもします。ツールが自動的に操作方法を教えることで、テックタッチ、ロータッチを中心に利用率を高め、解約率を下げていく。そんなツールだと言えます。

Fullstar導入後における工数削減の事例

↑Fullstar導入における工数削減の事例

弊社でも、Fullstarを活用することで、施策に関する議論であったりクライアントとの1対1の対話であったり、ハイタッチCSで本当にやるべきことに使う時間を増やすことができています。

――貴社の課題解決から生まれたサービスと伺いました。

自分たち自身、どのサービスもハイタッチCSがメインになっていたんです。そうすると、どの企業をフォローするか、どの企業に時間を使うかということがCS担当マターになってしまうところがあって。

本来は、担当者個人の感性ではなく、そのツールの利用レベルや頻度に合わせて、重点的にフォローするべきクライアントが決まってくるはずなので、ちゃんと最適化したいなという思いがありました。

あとは、やはりハイタッチCSだけでは回しきれないですよね。代わりに満足度や利用率を高められる仕組みとしてセミナーや勉強会を開いたりしましたが、やっぱり直接操作をしてもらわないとダメだな、と。

そこであるツールのチュートリアルを作ったところ、確かに問い合わせが減って効率化はしたんです。ただ、開発に600時間というとてつもない工数がかかってしまって。私たちの業界で最も替えがきかないのが開発工数なので、チュートリアルを簡単に後付けできるツールってないのかな、ということから開発が始まった感じですね。自社だけではなくて、ほかの企業でも使えるツールになるはずだ、と思いました。

ーー市場の反応はいかがですか。

2021年4月のリリース以来、当初の計画よりはかなり上振れして導入数が推移してきましたね。SaaS企業しか使わないだろうと考えていたら、メディア系の企業からHP上で使いたいというお話があったり、潜在的なニーズもありました。

ーーFullstarでこだわりの機能はありますか?

初回ログイン時などに限って、チュートリアルの際に画面自体をグレーアウトさせられる「オーバーレイ機能」があります。つまり「次はココを押してください」というところしか触れても反応がない状態ですね。これによって、ユーザーに強制的にツアーさせることが可能になります。

グレーアウト機能の画面

↑オーバーレイ機能によって指定箇所以外をグレーアウトさせることができる

単にポップアップで目立たせるだけだと、無視されてしまうことが多いんですよね。その結果として、個別や集合の説明会をしていたという面もあります。ツアーの強制によって、それらの必要がなくなったので、弊社のCSとしてはすごく楽になりました。

Q.どんなときに使っているか
CSの操作講習の部分をFullstarで補っています。 まだ代替えまでは出来ていませんが「これで充分」だというユーザーもいらっしゃいます。
Q.気に入っている機能
チュートリアル以外の画面をグレーアウトさせる機能。ユーザーに必ず一度はツアーを通過してもらう機能がポイントだと考えています。
Q.おすすめの企業
CSに関してハイタッチ依存になってしまっている企業様です。導入社数が伸びればCSの人員も増やす必要がありますが、急成長している場合だとそこが間に合わない。セミナーで対応することくらいしかできなくなっているケースは多いと思うので、そういう企業様にはぜひ使ってもらいたいです。
もう一つは、最近SaaS企業の戦略としても増えているPLG(Product-Led Growth)型の展開を考えている企業様。つまり、最初は無料でツールを提供し、気に入ってもらって課金につなげていくようなモデルです。PLG型では営業に人が介在しないので、ツール上で自動的に使い方の説明ができるFullstarをおすすめしたいなと思います。

Fullstarの公式ページはこちら
https://fullstar.cloudcircus.jp/

編集後記

ITツールを活用する理由として最も多いのは「効率化」ではないでしょうか。それにもかかわらず、田中さんがバーチャルオフィスツールのGatherを選んだ理由は「遊び心」。もちろん効率を競い合うのがビジネスの世界とはいえ、そこに携わっているのは人間であり、組織です。

田中さんが、遊び心から生まれるコミュニケーションを大事にしようと思い至ったのは、マネジメントや個々の能力を引き出すことに真剣に向き合っているからこそなのだろうなと、しみじみ感じた取材でした。

人が本当にやるべきことに注力したり、力をフルに発揮したりできるようにするために、ITツールで貢献できることもたくさんあるということにも気付かされました。田中さん、ご協力いただき、ありがとうございました!

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