ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■リスク対策に役立つ機能別
- 閲覧範囲を分けられる権限設定:Talentio、カオナビ採用、らくるーと
- メッセージの予約送信:らくるーと、JobSuite CAREER、sonar ATS by HRMOS
- ■導入・運用の支援別
採用管理システムに潜むリスクの全体像
採用管理システムのリスクは、大きく「情報管理」と「業務運用」の2つに分けて考えると整理できます。前者は応募者の個人情報に関わるもの、後者は選考の進め方や担当者の動き方に関わるものです。まずは、それぞれがなぜ生じるのかを確認しましょう。
応募者情報が一か所に集まることで生じるリスク
採用管理システムには、氏名や連絡先、学歴、職歴、面接の評価など、応募者の個人情報がまとめて蓄積されます。一元管理は便利な一方で、設定や操作を一度誤ると、影響が多くの応募者に及ぶ可能性があります。
例えば、閲覧権限を広く設定しすぎると、選考に関わらない社員まで評価コメントを見られてしまいます。メールアドレスの一覧を使った一斉送信で宛先を誤ると、複数の応募者に影響が出る場合もあります。集約のメリットと引き換えに、管理の重みも増すと捉えておきましょう。
運用ルールが追いつかないことで生じるリスク
もう一つのリスクは、システムを導入しても、使い方のルールが決まっていないことで起こります。採用管理システムは入力された情報をもとに動くため、更新のタイミングや入力の基準がばらつくと、正しい状況を把握できません。
選考ステータスの更新が遅れれば、候補者への連絡も遅れます。面接官によって評価の書き方が違えば、合否の判断がぶれる一因となります。ツールを入れれば自動的に整うわけではないため、導入と同時に運用ルールを決めることが大切です。
応募者の個人情報をめぐるリスクと対策
採用管理システムで最も注意したいのが、応募者の個人情報の扱いです。職業安定法第5条の5は、求人者などが求職者の個人情報を、業務の目的の達成に必要な範囲内で収集・保管・使用するよう定めています。ここでは起こりうる3つの場面と対策を紹介します。
権限設定の不備による閲覧範囲の拡大
権限設定の不備は、応募者情報を必要以上に多くの社員が見られる状態を生みます。初期設定のまま全員に管理者権限を付けて運用を始めるケースは、注意したい例の一つです。
対策として、人事担当者、面接官、配属予定部署、人材紹介会社など、立場ごとに見られる項目と操作できる範囲を決めておきましょう。面接官には担当する候補者だけを表示する、評価コメントは人事担当者だけが見られるようにする、といった設定が考えられます。異動や退職のたびに権限を見直す手順も決めておくと安心です。
一斉メールの誤送信と宛先の取り違え
採用管理システムのメール機能は、多くの候補者に案内を送れる反面、誤送信の影響も広がりやすい機能です。合否の通知を別の候補者に送ってしまう、差し込み項目の設定を誤って別人の氏名が表示される、といった事態が起こる可能性があります。
送信前に宛先と本文のプレビューを確認する、合否通知は2人で確認してから送るなどのルールが有効です。個人情報保護法では、一定の漏えいが起きた場合、個人情報保護委員会に報告し、本人にも通知することが義務付けられています。要配慮個人情報が含まれる場合や、対象者が1,000人を超える場合などが該当します。
不採用者データの保存期間の未設定
選考が終わった応募者のデータを、期限を決めずに保存し続けることもリスクの一つです。個人情報保護法は、利用する必要がなくなった個人データを遅滞なく消去するよう努めることを求めています。
不採用者や辞退者のデータは、何年保存するか、再応募の際に参照するかを社内で決め、応募時に利用目的として示しておきましょう。採用管理システムによっては、一定期間が過ぎたデータを自動で削除したり、匿名化したりできる製品もあります。保存期間を設定できるかは、選定時の確認項目です。
選考と候補者対応で起こる運用上のリスク
採用管理システムの運用上のリスクは、候補者の体験や採用の結果に直接影響します。連絡の遅れや評価のばらつきは、内定辞退や判断ミスにつながるおそれがあるためです。ここでは、選考の現場で起こりやすい3つの場面と対策を見ていきます。
選考ステータスの更新漏れによる連絡の遅れ
選考ステータスの更新が漏れると、候補者に次の案内が届かず、選考が止まってしまう場合があります。面接官が結果を口頭で伝えただけで、システムに入力されていないといったケースです。
対策として、面接の終了から何日以内に評価と合否を入力するかを決め、期限を過ぎた候補者を一覧で確認できるようにしておきましょう。採用管理システムの通知機能を使い、入力が済んでいない面接官に自動で催促を送る方法もあります。人事担当者が週に1回、止まっている候補者がいないかを確認する運用も有効です。
面接官ごとの評価のばらつき
評価項目や基準を決めずに運用すると、面接官によって評価の書き方や厳しさが変わり、合否の判断がぶれる原因となります。自由記述だけの評価欄では、後から候補者を比べることも難しくなります。
評価シートに項目と段階評価の基準を設け、各段階の目安を言葉で示しておくと、面接官どうしの評価をそろえやすくなります。定期的に評価の結果を見比べ、特定の面接官だけ通過率が極端に違う場合は、基準の理解に差がないかを話し合う場を設けましょう。
担当者への作業の集中
採用管理システムの設定や候補者対応を特定の担当者だけが行っていると、その人が不在のときに業務が止まるリスクがあります。人事担当者が少ない企業では、特に注意したい点です。
メールのテンプレートや選考フローの設定内容、よくある問い合わせへの回答を共有の手順書にまとめ、複数の担当者が対応できる状態にしておきましょう。候補者ごとの対応履歴をシステムに残しておけば、担当者が変わっても経緯を引き継げます。操作権限も複数人に付けておくと安心です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で採用管理・選考管理システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品の比較検討を進めましょう。
公正な採用選考とAI活用のリスク
採用管理システムで集める項目や、AIによる評価の使い方によっては、公正な採用選考の考え方から外れるおそれがあります。システムに登録した設定が選考方針として働くため、導入時に確認しておきたい2つの点を解説します。
応募フォームで集める項目の見直し
応募フォームの項目を既存テンプレートのまま使うと、本来聞くべきでない情報を集めてしまう場合があります。厚生労働省は「公正な採用選考の基本」で、応募者の適性と能力に関係のない事項を把握しないよう求めています。
具体的には、本籍や出生地、家族の職業、宗教、支持政党、尊敬する人物などが、配慮すべき事項として挙げられています。応募フォームやエントリーシートの項目、面接の質問例を採用管理システムに登録する前に、こうした項目が含まれていないかを確認しましょう。
AIによる書類評価をそのまま使うリスク
採用管理システムには、書類の評価や候補者の推薦にAIを使う製品もあります。AIの判定は、学習に使われたデータの傾向を反映するため、過去の採用の偏りを引き継ぐ可能性があります。
AIの判定結果は参考情報として扱い、最終的な合否は人が判断する運用にしておきましょう。どの項目をもとに評価しているのか、判定の理由を確認できるかを提供会社に確かめておくことも大切です。応募者にAIを使う旨を示すかどうかも、社内で方針を決めておくと安心です。
採用管理システムの導入で起こりやすい失敗
採用管理システムのリスクには、導入の段階で生じるものもあります。契約後に必要な機能が足りないと気づくと、運用を変えるか製品を見直すしかありません。導入前の確認不足で起こりやすい2つの失敗と、その防ぎ方を紹介します。
要件があいまいなままの導入
採用の課題や必要な機能を整理しないまま導入すると、使わない機能に費用を払い、必要な機能が足りない状態になる場合があります。新卒採用と中途採用の両方を管理したいのに、片方に特化した製品を選んでしまうケースが一例です。
導入前に、採用区分、年間の応募者数、選考の段階数、関わる面接官の人数、連携したい求人媒体を書き出しておきましょう。無料トライアルがある製品では、実際の選考フローを設定して、人事担当者と面接官の両方で操作を試すと、運用の向き不向きを判断しやすくなります。
求人媒体との連携範囲の確認不足
求人媒体との連携範囲を確認せずに契約すると、応募者情報を手作業で取り込む作業が残る場合があります。連携できる媒体や、取り込める項目は製品によって異なります。
利用中の求人媒体や人材紹介会社の名前を挙げて、応募者情報が自動で取り込まれるか、取り込みの頻度や項目に制限がないかを提供会社に確認しましょう。連携の設定変更や媒体側の仕様変更で取り込みが止まることもあるため、エラーの通知方法と再取り込みの手順も確かめておくと安心です。
リスク対策の観点で比べる採用管理システム
閲覧権限、メールの送り方、導入時と運用中のサポートなど、記事で挙げたリスクを抑えるうえで確認したい点ごとに、掲載製品の特徴をまとめました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| Talentio | 権限に応じて候補者情報の閲覧・ダウンロードを制限。導入後も担当者がサポート |
| カオナビ採用 | 候補者情報を一元化し、部署や役職に応じた権限設定ができる |
| らくるーと | 採用担当者ごとの権限設定とLINEメッセージの予約送信に対応 |
| JobSuite CAREER | 中途採用向け。メールを個別・一斉に即時送信、または日時を指定して予約送信 |
| sonar ATS by HRMOS | ステータス更新に応じたメール自動配信と日時予約配信で、対応漏れを抑える |
| PERSONA | 初期設定や設定移行、データの無料移行を、専任担当が支援 |
| 採用一括かんりくん | 専任担当が3か月間の導入伴走。電話・メール・Web会議で相談可能 |
| HRMOS(ハーモス)採用 | 専任チームが導入から活用促進まで伴走。新卒・中途を一つで管理 |
情報の扱いと運用を支える採用管理システム
応募者の個人情報を守る仕組みと、導入後に運用ルールを定着させるための支援体制に注目して、製品を紹介します。自社で不安に感じている場面にあわせて確認してください。
Talentio
- 複数の流入経路からの応募も一括管理が可能!
- 複数ベンダーのカレンダーと連携が可能。日程調整も自動で可能
- 現場の面接官も使いやすい簡単な操作画面で採用が”ラク”になる
jinjer株式会社が提供する「Talentio」は、権限に応じて候補者情報の閲覧やダウンロードを制限できる、クラウド型の採用管理システムです。求人の作成から選考、分析までを一元化し、情報の取り扱い範囲を管理者が調整できます。評価フォームのテンプレート化や複数評価者の設定、メールやSlackの通知とアラート表示で、評価の入力漏れや対応の抜けも防ぎやすくなります。導入時も運用後も担当者がサポートします。
カオナビ採用
- 紙・PDF・エクセルなどに散らばった候補者データを一元化
- 募集ポジションごとの 進捗管理で、現場・人事が 円滑に連携
- 各求人媒体から 候補者情報を自動取り込み
株式会社カオナビが提供する「カオナビ採用」は、候補者の個人情報を一か所に集約し、閲覧できる範囲を絞って管理できる採用管理システムです。紙やPDF、エクセルに散らばりがちなデータをクラウド上にまとめたうえで、部署や役職に応じた権限設定ができます。求人単位で進捗を確認できるため、選考の進み具合を把握しやすい点が特徴です。タレントマネジメントシステム「カオナビ」と連動して使えます。
らくるーと
- LINE・SNSに特化しているため効果的なコミュニケーションを実現
- 応募者のレスポンスも早く、選考歩留まりを改善
- メッセージ配信や日程調整の自動化で、工数削減とスムーズな選考
株式会社アイシスが提供する「らくるーと」は、LINEとSNSを活用して応募者とのやり取りを進める採用管理ツールです。採用担当者を登録して権限を設定でき、メッセージは自動応答や予約送信に対応するため、送信のタイミングを事前に決めて運用できます。日程調整やリマインド、流入経路の把握、統計・分析も標準で搭載しています。初めて採用管理システムやLINEを使う企業にも、サポートチームが導入と運用を支援します。
JobSuite CAREER
- 【機能美を追求】教育コスト抑え、現場ですぐに使いこなせる設計
- 【シンプルなUI】必要な情報にすぐアクセス、業務の負担を軽減
- 【採用プロセスの多角的分析】採用活動の改善ポイントを可視化
株式会社NSDデジタルソリューションズが提供する「JobSuite CAREER」は、中途採用・通年採用向けの採用管理システムです。メールを個別や一斉に送信でき、日時を指定した予約送信にも対応します。面接担当者への選考依頼と応募者との日程調整を一元管理できるため、連絡の取りこぼしを抑えたい企業の選択肢です。選考フェーズごとの通過率や辞退率の集計機能も備えます。
sonar ATS by HRMOS
- 大手、中小企業の規模問わず累計導入数が2,500件以上の実績
- 求人募集、応募者管理、面接日程調整などのあらゆる業務を効率化
- 求人媒体、適性検査、社内チャットツール、他各種サービスと連携
Thinkings株式会社が提供する「sonar ATS by HRMOS」は、選考ステータスの更新にあわせてメールを自動配信できる採用管理システムです。新卒と中途の応募者を一つの画面で管理でき、選考をフロー図で整理しながら、あらかじめ設定したルールに沿って応募者へ連絡する仕組みです。手作業の連絡が減るため、対応漏れやメールの誤送信といった運用上のミスの防止につながります。日時を指定した予約配信やステップメール配信にも対応しています。
PERSONA
- 全てのデータを出力できる「分析機能」
- 600以上の求人媒体と連携できる「媒体連携」
- 60万人の性格診断データを活用した「アセスメント」
株式会社PERSONAが提供する「PERSONA」は、専任のカスタマーサクセスによる導入支援が付いた、AI搭載の採用管理システムです。初期設定や設定の移行、機能説明会の実施、データの無料移行を支援します。導入後も月1回の採用サポートがあり、運用ルールを決めながら定着を図りたい企業に向きます。約600の求人媒体と連携し、応募者の情報を集約できます。
採用一括かんりくん
- ルーティン業務70%削減! 日程調整やメール送信を自動化
- LINE連携で開封率アップ・リッチメニューで歩留まりを劇的改善
- 新卒/中途もこれ1つ! 継続率98.8%が照明する使いやすさと機能性
HRクラウド株式会社が提供する「採用一括かんりくん」は、専任担当が3か月間にわたって導入に伴走する採用管理システムです。新卒と中途の採用をまとめて管理でき、ガントチャートでタスクと進捗を可視化します。電話、メール、Web会議で相談でき、マニュアルやFAQサイトも用意されています。LINE連携やAIによる履歴書の読み取りも備えており、複雑な選考フローを移行したい企業の候補です。
HRMOS(ハーモス)採用
- 応募、選考管理、候補者連絡など、採用業務を「一元化・効率化」
- 現状把握と分析に必要な 「採用データの可視化」
- 工数削減と適切なチャネル活用による「採用コストの最適化」
株式会社ビズリーチが提供する「HRMOS(ハーモス)採用」は、専任のチームが導入から活用促進まで伴走する採用管理システムです。応募や選考の管理、候補者への連絡、採用データの可視化を一元化でき、新卒採用と中途採用の情報も一つのシステムで管理できます。導入後の運用ルールの定着まで支援を受けたい企業が検討しやすい点が特徴です。
まとめ
採用管理システムのリスクは、応募者の個人情報の扱い、選考の運用、公正な採用選考とAI活用、導入時の確認不足という4つの場面で生じます。権限設定や保存期間、評価の入力ルールを決め、必要な機能を備えた製品を選ぶことで、リスクを抑えやすくなります。リスク対策に役立つ機能や支援の範囲は製品によって異なるため、資料請求で採用管理・選考管理システムを比べてみましょう。

