ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■統合したい範囲別
- 1社の全部門の業務をそろえたい:Oracle NetSuite、Plaza-i、OBIC7
- 複数の拠点や工場の業務をそろえたい:Microsoft Dynamics 365 Business Central、GRANDIT(グランディット)
- グループ会社の業務と会計をそろえたい:GRANDIT(グランディット)、Plaza-i、Biz∫
- ■内部統制で重視する機能別
- 職務分掌にあわせた権限管理:Biz∫、RobotERPツバイソ
- 承認履歴と操作ログの記録:RobotERPツバイソ、Oracle NetSuite
統合基幹業務システムの活用は業務の標準化から
統合基幹業務システムを組織全体で活用するには、まず業務の手順をそろえることが出発点です。部門や担当者ごとにやり方が異なるままシステムを使っても、データの意味がそろわず、比較や分析に使えません。標準化の考え方と進め方を説明します。
標準化で何がそろうのか
業務の標準化とは、受注や発注、請求、経費精算などの手順や判断の基準を、全社で同じにすることです。統合基幹業務システムでは、入力画面や承認の流れ、コードの体系をそろえることで、標準化した手順をシステム上で守る仕組みを作れます。
手順がそろうと、どの部門のデータも同じ定義で集計できます。担当者が替わっても同じ手順で業務を進められるため、引き継ぎの手間や、特定の担当者だけが業務を理解している状態を減らせます。
システムに業務をあわせる考え方
標準化を進める方法として、統合基幹業務システムの標準機能にあわせて業務を見直す考え方があります。現在の業務をそのまま前提として作り込むと、追加開発の費用やバージョンアップ時の負担が増えやすいためです。
ただし、すべての業務を標準機能にあわせるのが正しいとは限りません。自社の強みにつながる独自の業務は残し、それ以外の業務を標準にそろえるなど、業務ごとに方針を分けて判断しましょう。判断が難しい場合は、提供会社や導入支援会社に相談する方法もあります。
拠点やグループ会社をそろえるERPの活用
複数の事業所や工場、グループ会社を持つ企業では、拠点間の業務とデータをそろえるために統合基幹業務システムを活用できます。拠点ごとに別のシステムを使う場合と比べ、全体の状況を把握しやすくなります。拠点とグループでの活用方法を紹介します。
複数拠点や工場の業務統一
拠点ごとに異なるシステムやExcelで在庫や受注を管理している場合、全社の在庫を確認するには各拠点からの報告を待つ必要があります。同じERPを使えば、拠点をまたいで在庫や受注の状況を同じ画面で確認できます。
拠点間で在庫を融通したり、受注を別の工場に振り替えたりする判断も、データがそろっていれば早く行えます。ただし、拠点ごとに取引先や商習慣が異なる場合もあるため、共通にする手順と拠点ごとに設定する手順を分けて整理しましょう。
グループ会社の会計とマスタの統一
グループ会社で同じERPを使うと、勘定科目や取引先などのマスタをそろえやすくなり、グループ全体の数字を集計する手間を減らせます。グループ会社同士の取引を照合する作業も、データが同じ形式であれば進めやすくなります。
連結決算に必要な機能をERPで持つか、別の連結会計システムを使うかは、グループの規模や会計の要件によって判断が分かれます。グループ会社の業種や規模に差がある場合は、各社の業務にあうかを個別に確認することも大切です。小規模なグループ会社には、本社と連携できる別の製品を使う選択肢もあります。
段階的な展開の進め方
拠点やグループ会社が多い場合、全社で同時に切り替えると、問題が起きた際の影響が大きくなります。本社や代表的な拠点で先に稼働させ、手順や設定を固めてから、ほかの拠点へ順に広げる進め方が考えられます。
先行した拠点で作ったマニュアルや設定のひな形を使い回せば、後の拠点の導入期間を短くできます。展開の途中では、新旧のシステムが並行して動く期間があるため、データの受け渡し方法も事前に決めておきましょう。
内部統制と監査対応に統合基幹業務システムを活用
統合基幹業務システムは、業務の正しさを確かめる内部統制の仕組みとしても活用できます。内部統制とは、不正や誤りを防ぎ、業務を適切に進めるための社内の仕組みです。権限と承認、記録の観点から活用方法を説明します。
職務分掌にあわせた権限の設定
職務分掌とは、業務の担当と責任の範囲を分けることです。例えば、発注を登録する人と、その支払を承認する人を分けておけば、1人で誤りや不正を完結させにくくなります。
統合基幹業務システムでは、利用者ごとに操作できる処理を権限で制限し、職務分掌をシステム上で守れるようにできます。設定した権限が実際の職務と食い違っていないかは、人事異動の時期などにあわせて定期的に点検しましょう。
承認履歴と操作ログの活用
統合基幹業務システムでは、誰がいつ伝票を登録し、誰が承認したかを記録できる製品があります。操作ログとは、システム上で行われた操作の記録のことです。こうした記録は、監査の際に業務が手順どおりに行われたことを示す資料として使えます。
上場企業などに求められる内部統制報告制度への対応でも、承認やログの記録は確認の材料として使えます。ただし、どこまでの記録が必要かは企業の状況によって異なるため、監査法人や社内の内部監査部門と相談して決めましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でERPの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
ERPと周辺システムの連携で手作業を減らす
統合基幹業務システムの活用範囲は、社内の業務だけにとどまりません。取引先との受発注や、社内のほかのシステムと連携すれば、データの入力や受け渡しの手作業をさらに減らせます。連携の主な方法と注意点を紹介します。
取引先との受発注データの連携
取引先との受発注をEDIでやり取りすれば、注文書をもとに受注を入力する作業を減らせます。EDIとは、受発注などの取引データを企業間で電子的にやり取りする仕組みです。統合基幹業務システムがEDIと連携できれば、受け取った注文データを受注として取り込めます。
取引先ごとにEDIの方式やデータの形式が異なる場合があるため、対応できる方式を確認しましょう。データの取り込みに失敗したときに、エラーを通知して再取り込みできるかも大切な確認点です。
社内の周辺システムとの連携
勤怠管理や経費精算、ECサイトなど、統合基幹業務システムの外で動いているシステムとデータを連携する方法もあります。連携の方法には、CSVファイルの受け渡しやAPIによる自動連携などがあります。
連携を増やすほど業務は効率化されますが、どちらかのシステムの仕様が変わると連携が止まる場合があります。連携の一覧と責任者を管理し、障害時の連絡先や手動での代替手順も決めておくと安心です。連携の不具合は、通信環境や設定の変更など複数の要因で起こるため、原因を切り分ける手順も用意しておきましょう。
統合基幹業務システムの活用を続ける社内体制
統合基幹業務システムの活用を続けるには、導入後も改善を担う体制が必要です。事業や組織の変化にあわせて設定や業務を見直さなければ、システムと実際の業務が少しずつずれていきます。活用を続けるための体制づくりを紹介します。
部門横断の推進チーム
活用を進めるには、情報システム部門だけでなく、経理や営業、購買など各部門の担当者が参加する推進チームを設ける方法があります。部門をまたぐ業務の課題は、1つの部門だけでは判断できないためです。
チームでは、各部門から寄せられた改善要望を集め、影響範囲と優先順位を話し合います。メンバーを複数の部門から選び、役割と判断の権限を明確にしておくと、特定の担当者に負担が集中することを防げます。
業務とシステムの定期的な見直し
組織変更や新しい取引の開始、法令の改正などがあると、統合基幹業務システムの設定や業務の手順を見直す必要が出てきます。年に1回など時期を決めて、業務手順書と設定が実際の業務とあっているかを確認しましょう。
見直しの際は、使われていない機能やアドオン、Excelに戻ってしまった業務がないかも確認します。標準機能の新しいバージョンで対応できるものがあれば、提供会社の情報を参考に置き換えを検討しましょう。
業務統一と内部統制に使える統合基幹業務システム一覧
この記事で紹介する統合基幹業務システムを、全社の標準化、拠点・グループ会社の統一、内部統制のどこに強みがあるかという観点で一覧にしました。自社が統合したい範囲と照らし合わせながら比べてみてください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| Oracle NetSuite | 販売・会計・購買・在庫を1つに統合するクラウドERP。脱Excelによる業務標準化を支援 |
| Plaza-i | 業種別フレームワークで業務標準化を推進。マルチカンパニーでグループ企業の管理に対応 |
| Microsoft Dynamics 365 Business Central | 複数拠点の管理に向く統合型ERP。1つのデータベースで複数の会社を管理できる |
| GRANDIT(グランディット) | グループ各社・複数拠点を共通基盤で一元管理。ワークフローやEDIを標準搭載 |
| Biz∫ | ロール等のきめ細かい権限割り当てとワークフローで内部統制を支援。グループ会計に対応 |
| OBIC7 | 会計を軸に人事・販売・生産などを統合。単体企業からグループ企業まで同一システムで対応 |
| RobotERPツバイソ | 電子承認や監査証跡・ログ管理、アクセス権限設定を備えた案件型ビジネス向けクラウドERP |
| 奉行V ERP | グループ企業での導入・運用を想定したクラウドERP。業務の標準化とスリム化を支援 |
| SAPS/4HANA | 会計・調達・販売・物流・人事を統合管理。統一データモデルで全社的な活用と統制を強化 |
| ERPSAPBusinessByDesign | インターネット接続だけで国内外の拠点をクラウドで一元管理。モジュール形式で導入できる |
全社と拠点の業務をそろえて統制を支えるERP
部門や拠点、グループ会社の業務を同じ手順とデータでそろえたい企業や、権限・承認・記録の仕組みを整えたい企業に向く製品を紹介します。標準化したい範囲と内部統制の要件をもとに比較してみてください。
Oracle NetSuite
- 財務・販売・在庫・購買を一気通貫で管理可能なERP
- 脱Excelで業務標準化と可視化を同時に実現
- リアルタイムなデータ連携で経営判断を迅速化
日本オラクル株式会社が提供する「Oracle NetSuite」は、全社のデータと手順をそろえたい企業に向くクラウドERPです。販売・会計・購買・在庫の業務を1つのシステムに統合できます。受注から在庫引当、棚卸までを一元管理できるため、部門間の手戻りや連携ミスを減らせます。主な機能にはワークフローや監査証跡記録も含まれ、承認の流れと記録を残す仕組みづくりにも役立ちます。多拠点・多通貨・多言語に対応し、海外拠点の業務も本社と同じERP上で管理できます。
Plaza-i
- 業種別フレームワークを用いて業務標準化を推進、属人化から脱却
- 多通貨多言語で海外取引、海外進出、外資系企業をサポート
- サポート期限からの解放、継続コストの最小化を実現
株式会社ビジネス・アソシエイツが提供する「Plaza-i」は、業種別フレームワークを用いて業務の標準化を進め、属人化からの脱却を目指す中堅・中小企業向けのERPパッケージです。営業引合から仕訳までを伝票リレー方式で統合し、マルチカンパニー機能によりグループ企業の管理や連結財務諸表の出力にも対応します。画面や帳票は日英で表示でき、申請承認のワークフロー(一部機能未対応)も備えています。EDIなど他システムとのデータ連携の実績もあるため、取引先とのやり取りまで含めて手順をそろえやすい製品です。
Microsoft Dynamics 365 Business Central
- 世界196カ国で22万社以上の導入実績!(2018年9月時点)
- 多言語・多通貨対応のグローバルERPソリューション
- 複数拠点展開に最適な統合型ビジネス管理ソリューション
富士フイルムPBC株式会社が提供する「Microsoft Dynamics 365 Business Central」は、複数拠点の業務を同じ仕組みで管理したい企業に向くERPです。ひとつのデータベース内で複数の会社を管理でき、ユーザー数1~200程度のマルチサイト(複数拠点)管理に適した統合型ビジネス管理ソリューションとして提供。財務管理では連結や会社間取引にも対応し、販売・仕入・在庫管理まで一体で扱えます。多言語対応に加え、連結会計や会社間取引、販売・仕入・在庫管理を一体で扱えるため、複数拠点の業務管理を統一したい企業に適しています。
GRANDIT(グランディット)
- 中堅・大手企業の基幹刷新に特化した、純国産WEB-ERP
- 国内70社以上のSIerが共同で開発・保守。進化を続けるERP
- 日本の法改正に、迅速にアップデートで対応
インフォコム株式会社が提供する「GRANDIT(グランディット)」は、グループ会社や拠点ごとに分かれたシステムを共通の仕組みにまとめたい中堅・大手企業向けの国産ERPです。グループ各社のデータを分けて管理しながら共通基盤で運用でき、本社が全社の業務状況を1つのシステムで把握できます。グループ会社間のマスタ連動や取引データの連動も可能です。会計・販売・人事・給与など11モジュールに加え、ワークフローやEDI、BIを標準搭載し、必要なモジュールから段階的に導入できます。
Biz∫
- 大企業向けERPパッケージ 採用社数 第1位!
- 販売・会計・人事の他に、BI・EAI など幅広く取り揃えている
- 国内外の豊富な導入実績持つワークフローで迅速な意思決定を実現
株式会社NTTデータ・ビズインテグラルが提供する「Biz∫」は、権限とワークフローの仕組みで内部統制を強めたい企業に向く統合ERPです。ユーザー単位で作成・更新・参照などの権限を設定でき、組織・役職に加えてロール等のきめ細かい権限割り当てにより人事異動にも対応できます。ワークフローエンジンを標準機能として備え、証跡を残して不正を防ぐシステム構築が可能です。グループ企業間取引の自動化やグループ各社への一括マスタ配信機能も備えています。
OBIC7
- 会計軸のERPが、業務統合から経営意思決定支援までフルカバー
- 豊富なソリューションの全てを自社運営クラウドで提供
- 自社開発・直接販売・自社一貫体制で、将来の安心をお約束
株式会社オービックが提供する「OBIC7」は、必要な部門から順に導入しながら、業務の標準化を段階的に広げたい企業に向くコンポーネント型ERPです。会計を中心に、人事・給与・就業・販売・生産の各システムから自社にあう組み合わせを選んで基幹業務統合システムを構築できます。同一システムで単体企業からグループ企業まで幅広く対応し、経営の可視化や内部統制の強化にも対応します。豊富なソリューションは自社運営のクラウドで提供されています。
RobotERPツバイソ
- 国内最大級 IT製品レビューITreviewにてERPパッケージ満足度1位
- 管理会計|案件損益の予実が自動的、リアルタイムにBIで可視化
- 内部統制|承認フロー統合。データ網羅性、正確性、正当性の担保
ツバイソ株式会社が提供する「RobotERPツバイソ」は、承認フローと操作記録をERP上で管理したい案件型ビジネス向けのクラウドERPです。電子承認・申請、監査証跡・ログ管理、アクセス権限設定といった内部統制の機能を備え、データの網羅性・正確性・正当性の担保を支援します。案件損益の予実をBIで可視化でき、部門別・拠点別などのセグメントで売上や損益を測定できます。取引先との電子取引(WEB-EDI)の自動化にも対応し、各機能は部分的に利用することもできます。
奉行V ERP (株式会社オービックビジネスコンサルタント)
- グループ会社導入利用実績のうち上場企業790社!
- 業務の標準化とスリム化で生産性を上昇!
- 必要なデータをリアルタイムに活用し、仕事の待ち時間をゼロに!
SAPS/4HANA (SAPジャパン株式会社)
- インメモリ処理で取引と分析を同一基盤上で高速実行
- クラウド/オンプレ対応でIT戦略に合わせ柔軟に導入可能
- 統一データモデルとSAP Fioriで全社的な活用と統制を強化
ERPSAPBusinessByDesign (SAPジャパン株式会社)
- ネット接続のみで130か国以上の拠点をクラウド一元管理。
- 幅広い業務をカバーし、情報をリアルタイムに統合。
- モジュール形式で柔軟に導入・拡張可能。
まとめ
統合基幹業務システム(ERP)は、業務の手順とデータを全社でそろえるために活用できます。標準化を出発点に、拠点やグループ会社の業務統一、権限や承認履歴による内部統制、取引先や周辺システムとの連携へと活用を広げましょう。推進チームと定期的な見直しの仕組みがあれば、活用を続けられます。統合したい範囲や内部統制の要件にあう製品を探している方は、資料請求で各製品の対応範囲を比べてみてください。

