ERPの2つの導入方式
ERPの導入方式は、一括導入の「ビッグバンアプローチ」と段階導入の「モジュール単位方式」の2つに区分できます。それぞれの導入方式のメリット、デメリットを比較して、自社に合う方式で導入しましょう。
ビッグバンアプローチ(一括導入型)とは?
一括導入型とは、すべての基幹系業務を一括して導入する方式です。会計管理、販売管理や在庫管理などのすべての業務に対してERPを一括導入します。大がかりな導入にはなりますが、業務改革の成果が早く出やすいというメリットもあります。
モジュール単位方式(部分導入型)とは?
部分導入型とは、各業務ごとに段階的に導入する方式です。まずは会計管理業務をERPに、次は販売管理…といったように、ERPを徐々に導入します。小規模な範囲での試験的な導入が容易、初期費用が低く済むなどのメリットはありますが、導入期間が長くなってしまう点や、すぐに会社全体の成果につながるわけではない点はデメリットといえるでしょう。
ビッグバンアプローチ(一括導入型)とモジュール単位方式(部分導入型)の違い
2つの導入方式をまとめると、次の図のようになります。
一括導入型と部分導入型はどちらを選ぶべき?
一括導入型と部分導入型は、企業規模や導入目的、既存システムの状況によって適した方式が異なります。以下を参考に、自社に合う導入方式を検討しましょう。
| 導入方式 | 向いている企業 | 注意点 |
|---|---|---|
| 一括導入型 | 全社的に業務改革を進めたい企業、既存システムをまとめて刷新したい企業 | 導入時の負荷が大きく、事前準備や社内調整が重要 |
| 部分導入型 | まずは一部業務から試したい企業、初期費用や導入リスクを抑えたい企業 | 全社最適の効果が出るまでに時間がかかる場合がある |
ERP導入プロジェクトの進め方(全体フロー)
ERP導入は単なるシステム導入ではなく、業務プロセス全体に影響を及ぼすプロジェクトです。導入準備から本番稼働、定着まで、次のようなステップで進めるのが一般的です。
- ■準備フェーズ
- 導入目的の明確化、現状業務の洗い出し、社内の合意形成などを行います(※詳細は次章「選定前にやるべき3つのこと」を参照)。
- ■要件定義とベンダー選定
- 自社の課題に基づいた要件定義を行い、ベンダーを比較・選定します。
- ■導入方式・スケジュール策定
- ビッグバン方式かモジュール方式かを検討し、スケジュールと導入範囲を決定します。
- ■設計・開発・テスト
- 業務要件に応じた設定・カスタマイズ、システムテスト、本番環境への準備を行います。
- ■本番移行・定着化
- 新システムに切り替え、操作説明やフォローアップを通じて現場への定着を図ります。
このように、ERP導入には段階的な進行と各フェーズでの計画的な対応が求められます。
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ERP選定前にやるべき3つのこと
企業の基幹システム(ERP)の導入は、大きな工数・コストをかけて行うため、企業に適したシステム選定が重要になります。失敗しないERP導入をするために以下の3点に注意しましょう。
「目的」を明確にする
やみくもにERPを導入しても業務改善にはつながりません。ERPの導入にあたって、ビジネスプロセスの再構築を目的とするのか、あるいは自社システム開発の費用削減なのかといった目的を明確に設定する必要があります。
「変えないこと」を決める
「ベストプラクティス」や「グローバルスタンダード」として提供されているERPに合わせて、自社の業務を変えることで、業務の効率化も期待できます。しかし、すべてを変えてしまうと、その企業が本来持っていた「強み」を失ってしまうリスクもあります。事前に「変えない」部分を確認しておくことが大切です。
社内のコンセンサスを図る
新しいプロセスを導入するときは、一時的な混乱や業務効率の低下のリスクに直面するなどの困難が伴います。ERP導入の前に各部署に、導入プロセス、想定される結果などを示し、理解を得る必要があります。

ERPは、製品によって対応できる業務範囲や導入方式、サポート体制が異なります。導入方式に迷う場合は、複数製品の資料を比較し、自社の業務や導入スケジュールに合うERPを確認してみましょう。
ERP導入で失敗しやすいポイント
ERP導入では、目的や要件が曖昧なまま進めると、導入後に現場で使われなかったり、想定以上のコストが発生したりすることがあります。失敗を防ぐためには、導入前に課題や運用体制を整理しておくことが重要です。
- ■導入目的が曖昧なまま進めてしまう
- 「業務を効率化したい」「システムを刷新したい」といった目的だけでは、必要な機能や導入範囲を判断しにくくなります。解決したい課題を具体化しておきましょう。
- ■現場の業務フローと合わない製品を選んでしまう
- ERPの標準機能に業務をあわせるのか、カスタマイズして既存業務にあわせるのかを事前に検討する必要があります。
- ■社内の合意形成が不十分なまま導入してしまう
- ERPは複数部門に影響するため、経営層だけでなく現場担当者の理解を得ることが重要です。
ERPの製品タイプごとの違いや、おすすめ製品を詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。パッケージ型・コンポーネント型などの特徴を比較しながら、自社に合うERPを検討できます。
自社に合うERP導入方法を検討してみましょう
ERP導入には、導入前の準備と導入方式の選定が重要です。自社の業務に合わせて比較検討していきましょう。
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